届かなかった趣旨説明

昨日午前10:00、石木ダム建設促進特別委員会が始まりました。

私たち「石木川まもり隊」が提出した「石木ダム建設用地の強制収用反対を求める請願」についての趣旨説明をさせて頂くことになりました。

傍聴席には地権者の方々をはじめ20名以上の皆さんが集まって、無言のエールを送って下さいました。

 

私たち3人は、それぞれが思いを込めて書きあげた原稿を手に、心を込めて訴えました。

「石木ダム建設促進」の委員会であっても、そこに集まった委員であっても、

委員である前に市議である。

市民の声を聴く義務を負った市議である。

ならば、心を込めた訴えには、たとえ自分の考えと違っても耳を傾けて下さるはず…

などと期待した私たちが甘かったのか…

 

私たちの趣旨説明が終わり、さあこれから、

意地悪な質問やきつい意見が返ってくるかと準備していたのに、

誰一人質問はなく、意見もなく、無言・・・

そして、いったん閉会、15分後に再開してもう採決するのだという。

あまりにも早い。

いやな予感。

継続審議にするのか…?

 

委員会再開。

冒頭、委員長が継続の意思を確認するが皆さんNO。

討論に入る。

民主党の片渕議員がすぐに手をあげ、請願に反対の意見を述べた。

その内容のポイントは次の通り。

 

1.長崎県と佐世保市は、石木ダムの事業認定を申請しているが、これは強制収用を目的としているものではない。長年にわたって地元の一部の皆様からご理解をいただけないために、土地収用法第18条に基づいておこなったもので、事業の公益性を認めてもらうのが目的である。

2.石木ダム事業は、川棚川の治水と佐世保市の利水の、二つの大きな目的がある。26万人地域住民の安全と安心のために必要不可欠な百年の大計である。

3.事業認定庁は、公聴会で賛否両方の意見を聞き、第三者機関である社会資本整備委員会に認定の是非について意見を聴取し、民主的に公平公正な判断が下される。

4.過去の事例をみても、このような認定までの民主的な過程の手続きの中で話し合いがなされ、事業が進展した例も数多くあるので、石木ダムもそうなることを期待している。

5.強制執行を行うためには、土地収用法第39条第1項に基づく裁決の申請が必要で、現時点ではそのような手続きは行われておらず、また今後手続きを行うという考えも示されていない。

6.以上の観点から、今、強制収用について論じる段階ではないので、民主市民クラブ会派としては、本請願は不採択とすることに決した。

7.佐世保市民は長期渇水になった時、市民生活、経済活動、そして命にかかわる問題として、長く不安を持ってきた。これから佐世保市民が安心して暮らせるためには、どうしても石木ダムを作らせていただきたい。現地のみなさまには大変な御苦労とご負担をおかけして申し訳ないが、何とかこの佐世保市民の悲願である石木ダムを作らせていただきたい。

 

このような意味のことを、用意した原稿を読み上げての反対討論でした。

15分やそこらで書き上げたものではないのは明らかで、前もって準備されてたようです。

その証拠に、私たちの説明を全く無視した主張ばかりです。

まるで何も聴いていませんでしたと言わんばかり!

 

例えば、3.の中で、公聴会や社会資本整備委員会で意見を聴取し、その結果「民主的に公平公正な」判断が下されると言われたが、その前に私たちはこう述べました。

 

これから公聴会や社会資本整備審議会などで意見を聞き、公益性の有無を判断すると言われますが、それらは形式にすぎません。

なぜなら、公聴会で意見を言えるのは限られた人数で、しかも1人15分程度と制限されています。

社会資本整備審議会で審議されるのはあがってきた書類を見て、手続き上の瑕疵が無いかどうか判断するだけです。

だから、事業認定申請されたケースはほぼどれも認定されています。

ダム事業の場合、認定されなかったケースは聞いたことが無いとダム問題の専門家が言っていました。

私はデータを持っているわけではありませんので断言はできませんが、議員の皆さんには是非お調べ頂き、教えてほしいと思っています。

 

そして、この片渕委員以外は、一言の発言もせず、採決に入り、

「強制収用はしないでほしい」という請願を不採択としました。

年老いた地権者の前で。

 

すべて終わって、私たち「石木川まもり隊」の心も萎えていましたが、

傍聴者のお一人から、励ましのメールを頂き、中にはこのようなことが書かれていました。

 

諄々と説いていく内容でした。

私は、幾度か請願説明の経験がありますが、今日は粛然とした雰囲気を感じました。

不採択理由の中心は、「いまは強制収容を論議する時ではない」でした。

「強制収容」への賛否表明から逃げる態度です。

請願内容への「質問」はありませんでした。

採決では、「請願採択」への「賛成」を求める方法でした。

「不採択」なら黙っていればよいのです。

自らの態度表明を曖昧にやりすごす卑怯を許すものでした。

しかし、いずれ強制収容への賛否が問われる時期が来ます。

それは、「強制収用するなら、私を殺してからせよ」との地権者の覚悟に対する 議員の「覚悟」が求められる時です。

 

S・Yさん、ありがとうございました。

 

明日、請願の趣旨説明を行います

お知らせが遅れて申し訳ありません。

明日、私たちは、佐世保市議会で請願の趣旨説明を致します。

 

請願事項: 石木ダム建設のために、強制収用という手法を選択すべきでなく、

        あくまで話し合いによる用地取得に徹するように

        意見書を事業主体長崎県に提出されること。

        (詳しい内容はこちら→https://ishikigawa.jp/blog/cat15/586/

 

日時:    6月25日(月) 10:00〜

場所:    佐世保市役所4階 佐世保市議会「石木ダム建設促進特別委員会」委員会室

 

* 誰でも傍聴できます。

  3階の議会事務局へ9:45までにいき受付を済ませて下さい。

  強制収用だけは絶対しないでほしい!という市民の声を議会に届けましょう〜

 

 

九州地方整備局へお願いに行ってきました

石木ダム反対住民 事業認定申請取り下げ勧告を!

 

6月21日、地権者8名を含む16名で、福岡市にある、九州地方整備局を訪ねました。

とても穏やかで誠実そうな感じの事業認定調査官はじめ4名の方が対応して下さいました。

約4時間!

時折感情的になる発言にも、イヤな顔一つせず、真剣そうに耳を傾けて下さいました。

でも、それだけ。

私たちが望んだものはほとんど認めてくれませんでした。

 

1.長崎県が出している石木ダム事業認定申請を取り下げるよう勧告してほしい

    ↓

  勧告する立場にない

 

2.申請してから2年半もたっている。

  当時県が出した資料も古いし、私たちも新しいデータに基づいた意見書を出したい

        ↓

      審査に必要な資料は今後、県などに求めるが、あらたに意見書の提出は求めない

      皆さんの意見は公聴会で聴く

 

3.公聴会で十分な時間を取ってくれるのか?

  意見書を提出した80人全員に意見を述べさせてくれるのか?時間制限せずに

        ↓

       …… (無言)

 

こんな感じ。

答えにくいこと、答えられないことはすべて無言。

2で、県に新たな資料を求めると言ってくれたことは良かったけれど、

その資料を私たちに見せてほしい、それに対して意見を言いたいといくら頼んでも、

できないと言う。

なぜできないか訊くと、無言。

 

でも…

「公平・中立な立場で審査する」これだけはしっかりと大きな声で答えてくれました。

その言葉にすがる思いです。

 

以下に私たちの請願文書を貼付します。

 

 

事業認定手続を再開せず、長崎県及び佐世保市に対し、

当該申請を取り下げるよう勧告することを要請します

 

 国土交通大臣は6月11日、有識者会議の判断を踏まえ、石木ダム事業について「補助金交付を継続」とする対応方針を決定しました。あわせて長崎県に対して「石木ダムに関しては、事業に関して様々な意見があることに鑑み、地域の方々の理解が得られるよう努力することを希望する」旨を通知しました。

2009年9月、政権交代が起き民主党連立政権が誕生しました。前原誠司国土交通大臣(当時)は、全国の143のダム事業について、「できるだけダムにたよらない治水」への政策転換を進めるとの考えに基づき「ダムの再検証」を行うため、同年12月3日、「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」を設置しました。

このような中で、2009年11月9日、長崎県及び佐世保市は事業認定の申請を行いました。「申請書の公告・縦覧」「利害関係人らの意見書提出」「公聴会の請求」などの手続きを終了したところで事業認定の手続きは進行が中断し、2年半が経過しました。

新政権はダムの再検証を行おうとしており、事業認定の申請をする政治情勢ではありませんでした。それにもかかわらず、長崎県は2009年度から8年間でダム事業の完了を目標とする工程案を2008年7月に公表し、準備を進めていたことから、立ち止まることなく申請を強行しました。行き着くところに強制収用があることをひた隠しにし、「話し合いの促進のための事業認定申請」と称した、当初から問題のある事業認定申請でした。

今回の国土交通大臣の対応方針には「地域の方々の理解が得られるよう努力することを希望する」との意見が付されており、それは地元の方々の理解を得ないまま、強権的に事業を推進しないことを求めたものです。この国土交通大臣の付帯意見を踏まえれば、土地収用法の最終目的である強制収用に向けた事業認定の手続きを再開するようなことはあってはなりません。

中断された事業認定手続きを再開することは、別紙理由書に記載する基本的な問題がありますので、その手続きを取りやめるべきです。

事業認定手続きを再開せず、長崎県及び佐世保市に対し、当該申請を取り下げるよう勧告することを要請します。

 

  

(別紙)

理 由 書

 

1.        土地収用法第17条第3項違反の疑い

本条項に、「国土交通大臣は、…事業認定申請書を受理した日から三月以内に、事業の認定に関する処分を行うように努めなければならない。」とあります。

 この規定は、いわゆる「努力規定」と言われるもので、これに違反しても事業認定に関する処分の効力になんらの消長をきたすものではない、とされています。事案によっては3か月で処分を行うのは困難な事情があることを考慮して「努力規定」とされているもので、このことには合理性が認められます。

 一般的に、行政手続に係る申請は、対立当事者は存在せず、申請者と行政庁の関係で処理されます。行政庁に一定の努力義務を課し、処分が遅滞することがないように努め、もって申請者の利益が確保されるようにすることは当然です。

 ところで、事業認定申請の前提には、起業者と土地所有者等との間に抜きがたい対立関係が存在します。法第17条第3項の適用・不適用を考えるに当たっては、一方の地権者の存在を無視し、地権者の利益をまったく考慮しない態度は許されないと考えるべきです。

 石木ダム建設事業は、正式に認可された1972年から既に40年が、その前史をも通算すると実に半世紀を超える時間が経過していますが、今なお本体着工には至っておらず、その見通しもまったくありません。ダム反対の地権者は、石木ダム建設絶対反対同盟のもとに団結し絶対反対を貫いています。

土地収用法にもとづく事業認定申請は、強権の刃を剥き出しにして地権者に襲いかかる不正義かつ反人道的な所為です。このために、以前にも増して、地権者の普通の暮らしに緊張をもたらし、目に見えない苦しみを与え続けています。それがこの2年半という長い時間でした。長崎県及び佐世保市は、そのことを知りながら、それを利用する目的で事業認定の申請を行いました。

行政手続が遅滞なく処理されなければならないのは、何も申請者の利益のためだけにあるのではありません。恫喝にも似た事業認定申請が、法第17条第3項が予定しない事情によって手続きの進行が中断したとしても、その不利益を地権者に継続して与えている状況は同条項の趣旨に照らし、もはや“違法状態”に達していると言えなくもありません。この“違法状態”は直ちに解消される必要があります。手続きの進行を再開することがあってはなりません。

 

2.        大きく変わった事実関係

2009年11月9日、長崎県及び佐世保市は共同して、事業認定庁である九州地

方整備局に土地収用法にもとづく事業認定の申請を行いました。事業認定申請書の必要的添付書類として「事業計画書」があります。この計画書1の(1)のハ)「水道用水計画」の項(17頁)によると、平成18年度現在における実績値をもとに平成29年度の給水人口や一日最大給水量を予測しています。しかし、これらの数値は、平成の大合併により吸収合併された周辺5町を含んだ数値です。石木ダムを考えるとき、合併前の旧佐世保地区で検討されるべきなのに、ここには意図的なごまかしがあります。18頁の「佐世保市の水需要と給水計画」のグラフも曖昧な数値で分かりづらく、平成29年度の過大な水需要予測をもとに石木ダムの必要性を強調するのは単に“必要神話”にすがりついているだけです。

 要するに、旧佐世保地区でみていくと、平成19年度から同23年度の実績値は一日平均配水量も一日最大配水量も減少を続け、今後とも凹凸はあるものの長期的には水需要は確実に減少していくことは今や誰の目にも明らかです。加えて、人口の減少は深刻です。九州経済調査協会が本年1月にまとめた2035年の長崎県の人口は、2010年の国勢調査結果の3割(約39万人)減と推計しています。この5年間の配水量の減少と将来の人口減少を考慮に入れていない「水道用水計画」はこの2年半の経過のなかで完全に破綻してしまいました。このことは、石木ダムは事業の公益性がない、ムダなダムだということです。

公益性がない事業のために土地を強制的に取得することはあってはなりません。この事実を無視あるいは否定して事業の認定がなされると、その処分は違法であるとされ、裁判で取り消される可能性があります。

事業認定手続きは進めるべきではありません。

 

3.        もともと無理筋の事業認定申請

長崎県及び佐世保市は、2009年9月の政権交代後、国が「できるだけダムにたよらない治水へ」の政策転換を打ち出したこと、及び補助ダムについて国としても必要性の検証を加えていこうとしていることを十分知りながら、同年11月9日、事業認定の申請を強行したという経緯があります。このときは、申請を思い止まり、国が行うダムの再検証の結果を待つべきでした。申請後、「公告・縦覧」「利害関係人の意見書提出」「公聴会の請求」と所定の手続きが進められる一方で、12月3日、第1回有識者会議が開催され、翌年秋を目標とした検討が開始されたことから、貴局は、事業認定の手続きを中断したのでした。この時点で申請者に対し、申請の撤回(取り下げ)を促しておれば、今日この問題はありませんでした。貴局の対応に問題があったと言わざるを得ません。

  今からでも遅くはありません。長崎県及び佐世保市に対し、無理筋だった事業認定申請の速やかな撤回(取り下げ)を勧告すべきです。

 

4.        付帯意見の意味するもの

6月11日、国土交通省は、石木ダムに関し、「継続」とする対応方針を決定したが、あわせて長崎県に対し「石木ダムに関しては、事業に関して様々な意見があることに鑑み、地域の方々の理解が得られるよう努力することを希望する」旨の付帯意見を付けました。付帯意見の意味するものは、「強制収用は許されませんよ」であり、「地域の方々の理解を得る」ために「とことん話し合いなさい」ということです。

 長崎県及び佐世保市がとってきたこれまでのやり方、すなわち事業認定申請→強制収用という土地収用法の究極の強権を振りかざして脅しながら、口では「話し合いによる理解と協力を得ていく」という欺瞞的な説明、このような手法が否定されたのだと受け止めるべきです。

長崎県及び佐世保市は、現に継続中の事業認定申請をいったん取り下げた上で、「地域の方々の理解が得られるように」誠実な話し合いをしていく以外にありません。それでもなお、高い公益性があるというのならば、再度、新たな事業認定の申請をすることはできるのですから。

ひとえに貴局の賢明なる指導如何にかかっています。

 

5.        再評価委員会

平成19年度から5年目に当たる本年度は、佐世保市水道水源整備事業(石木ダム建設事業)に関する事業の「再評価」が、厚生労働省健康局長通達「水道整備事業の評価の実施について」に基づき実施されます。

 前回の平成19年度再評価委員会は、平成19年12月25日、「事業着手以来30年が経過しており、今後、進捗のないまま年を重ねるにも限度があり、どこかの時点で実現の可能性を判断し、場合によっては別の道を探る必要がある」との意見を付記した答申を行いました。この答申を受けて朝長佐世保市長は、平成20年2月21日、「これを重要な意見と捉え、今後の進捗状況を見ながら、十分な検討を行う」の文言が入った再評価の結果報告を厚生労働大臣に行いました。

であったにもかかわらず、金子長崎県知事(当時)が、平成20年7月23日、平成21年度から同28年度末まで8年間でのダム事業完了を目標とする工程案を公表していたことから、金子知事及び朝長市長はともに、石木ダム建設にのめり込んで行くようになりました。

 今年度に実施される再評価委員会の主要な論点は、水需要予測の正否に尽きます。平成19年度再評価委員会は、平成18年度までの実績値に基づいて平成29年度の水需要を予測し、ダムの必要性ありとして「事業継続」を了承しました。しかし、その後、平成19年度から同23年度までの一日平均給水量、一日最大給水量のいずれも確実に減少傾向を示しています。さらに人口減少が確実に予測されており、これらの事実をも踏まえた再評価が行われると、石木ダム建設の必要性が否定され、石木ダム建設事業の「中止」が決定される可能性は高いと考えられます。

 

以上のことを踏まえれば、貴局がとるべき道は、凍結中の事業認定手続きを前へ進めることではなく、長崎県及び佐世保市に対し、事業認定申請を取り下げるよう勧告することです。

(以上)

市民の暮らしを守るのが市長の務め

15日の佐世保市議会、一般質問を傍聴しました。

その中で山下千秋議員が、

石木ダムについて国交省の判断が出た今、今後の進め方をどのように考えているのか質したのに対し、

市長は「国に事業認定手続きを急ぐよう求める」と答えました。

 

山下:しかし国は、地域の理解を得るよう努力することを希望すると言ってるではないか。

市長:あらゆる機会をとらえて地権者と話し合う努力を続けていく。

    事業認定手続きで話し合いが促進される側面もある。その意味でも手続きを進めたい。

山下:事業認定手続きは地権者の土地を取り上げるための法的手続きであり、

    「地域の方々の理解を得る」こととは相容れない。

    福島の方々は原発事故でふる里を奪われた。帰りたくても帰れない。

    ふる里を追われた人の苦しみは福島を見ていればよくわかる。

    あなたは石木ダムの地権者からふる里を奪おうとするのか。

市長:地元の方々のふる里を思うお気持ちはよくわかる。

    しかし私は26万の佐世保市民の暮らしを守るという務めがある。

    その立場に立って考えていかざるを得ない。

(言葉は発言通りではありません。メモを基に再現したものです)

 

つまり市長は、

佐世保市民が水不足で困らないよう水源を確保する義務が私にはある、

そのためには大変申し訳ないが土地を下さいとお願いするしかない、

と言いたいのでしょう。

公共の福祉のためには個人の権利を剥奪してもいいとお考えなのでしょう。

 

でもね、市長さん、

私たち、そんなに困ってないのですが…

毎日顔を洗って、洗濯をして、トイレで流して、お茶もたっぷり飲んで、お風呂に入って…

たまに日照りが続くと、水道局員の皆さんは心配なさって節水を呼び掛けますが、

たいていは、その2〜3日後には雨がザーザー降ってきてダムの水位も回復したりして…

少なくとも、アフリカや中東や中央アジアのように、命にかかわるような水不足はありません。

私たち、今のままで十分満足してます。

市長さんは「佐世保市は慢性的な水不足で…」が十八番ですが、

平成6〜7年の大渇水の後、時間給水したことありましたっけ?

ありませんよね。減圧給水が2回だけ。

つまり、17年間一度も水が止まったことはないんです、ありがたいことに。

その上これから人口はどんどん減っていきますから、どんどん余ってきます。

そんな状況にいる私たち佐世保市民が、

どうして他の町に住んでいらっしゃる人の土地を奪ってまで水が欲しいだなんて思うでしょう?

誰もそんなこと考えてもいないので、安心して下さい。

市長さんは、父親のような大きな愛で市民のことを心配して下さっているのでしょうが、

過保護はよくありませんよ。

我が子に贅沢させるために他人に迷惑をかけるようなお父さんは、

子どもからも尊敬はされません。

 

だから、市長さん、事業認定の手続きを早く進めるよう国に求めるなんてことは止めてください。

知事さんにも、「あれは取り下げましょう」と言ってください。

そして、申請が取り下げられたら、地権者の皆さんは、お二人を信用して、

心を開いて話し合いに応じて下さるでしょう。

 

そんな市長を私たち市民は誇りに思うでしょう。

 

そうそう、ついでに言っておきますが

4年半前(2007年10〜11月)に野村総合研究所がまとめた「2040年の日本の水問題」

というレポート、読まれましたか?

要旨は次のようなものです。


人口減少による水需要減で、水道事業の収益悪化が懸念されています。

水の値上がりを防ぐための手だてが必要になります。

水をとりまく環境について世界に目を向けると、世界的な人口増加や、中国、インド等の

新興国の経済発展で、水需要はますます増えていくことが予想されています。

また近年、地球規模の気候変動の影響により世界各地で干ばつが相次ぐなど、

異常気象が与える影響も見逃せません。

水不足はテロやエネルギー資源問題と並び、深刻な問題になってきています。

一方、日本も異常気象による干ばつなどの影響はあるものの、

基本的には本格的な人口減少社会の到来に伴い、水需要は減少します。

そして、2040年には上水道の需要は現在の約半分から4分の3に減少し、

40〜80億m3/年の余剰水が発生する可能性があります。

 

やっぱり・・・

水需要が減るのは佐世保だけじゃなく、日本中ごく当然の現象なのですね。

そして、水需要が減れば、水道料金収入が減る、つまり水道局ピンチ!

水道局がピンチになると、市は一般会計から補てんしますから、市の財政もピンチ!

市の財政が苦しくなると、税金の値上げや福祉へのシワ寄せなど、市民の生活がピンチ!


 だから、

「市民の生活を守るのが市長の務め」なら、石木ダムから手を引くのが一番なのでは…?

 

国の方針は、石木ダム継続、でも・・・

今日、ついに国の方針が発表されました。

石木ダム事業に関する国土交通省の対応方針は、「継続」(補助金交付を継続)であると。

その理由は、

今後の治水対策のあり方に関する有識者会議のご意見を踏まえ、検討内容は、基本的に、

「中間とりまとめ」(※1)の共通的な考え方に沿って検討されていると認められる。

目的別の総合評価の結果が、全ての目的で現計画案(石木ダム案)が優位であり、

総合的な評価として、現計画案(石木ダム案)が優位としている検討主体の対応方針

「継続」は妥当であると考えられる。

 

99%予想通りの結果です。

驚きはありません。

ダム検証が始まって一年半、これまで県から国に報告された補助ダムの検討結果は、

100%追認ですから。

やっぱりね〜

で終わるところだったのですが・・・

 

 石木ダムについてはあわせて長崎県に「石木ダムに関しては、

事業に関して様々な意見があることに鑑み、地域の方々の理解

が得られるよう努力することを希望する」旨を通知します。

 

との一文が付いているではありませんか!

これは重大です。

県には重く重く、受け止めてほしいです。

 

理解を得る努力なしに道路工事再開なんて考えないでくださいね。

 

理解を得るために県も佐世保市も努力してきたとおっしゃるでしょう。

これ以上どんな努力をすればいいのかと、お思いかもしれませんが、

それは簡単なことです。

事業認定申請は取り下げればいいのです。

 

理解し合うには話し合いが必要です。

地権者は、事業認定申請を取り下げれば話し合うと言っています。

「強制収用など考えていない、公聴会の場で意見を述べればいいではないか」

と、あなた方がいくら言っても、何度も県に騙されてきた地権者には通用しません。

 

信頼を取り戻して、本当に腹を割って話し合う努力をしてください。

それには、懐に隠し持っているナイフを捨てて、素手で向かい合うことしかありません。

 

 

 

 

佐世保市議会へ請願

6月8日、佐世保市議会6月定例会に、「石木川まもり隊」は請願を提出しました。

内容は以下の通りです。

 

 

       石木ダム建設用地の強制収用反対を求める請願について

 

(請願の趣旨)

2009年11月、長崎県知事は石木ダム建設用地取得のために、土地収用法にもとづく事業認定申請を国交省九州地方整備局に行いましたが、その後ダム事業の再検証が始まったので、その手続きは中断されたままになっています。

昨年7月、県は検討の結果「石木ダムは継続」との方針を国に報告しました。

それを受けて今年4月に開かれた国交省有識者会議での意見を参考に、まもなく国の判断が示されようとしていますが、国も継続を認めれば、いよいよ土地収用法による手続きが具体的に動き出すでしょう。

これまで長崎県は事業認定申請について「強制収用のためではなく、話し合いのため」としてきましたし、佐世保市長も水道局長も同様の発言をしています。

1982年の「強制測量」を覚えていらっしゃるでしょうか?

数珠を握り締め念仏を唱えるお年寄りや、泣きながら座り込む子どもたちを多くの機動隊員で排除したあの事件です。

市民には後味の悪い事件として記憶されています。たとえダムが必要だとしても「あのようなことだけはやってはならない」そう考える市民は多いのです。

石木ダム建設の是非について佐世保市民の間では、賛成・反対・わからない等未だに意見は分かれていますが、石木ダムは必要だと思っておられる方々でも「強制収用だけは反対」と、この点では多くの市民の意見は一致していると思われます。

また、国の有識者会議でも「地域の方々の理解が得られるよう努力することを希望する」と、異例の付帯意見が表明されました。

例え公益性のある事業であっても、人権をないがしろにしてはならないとの戒めが感じられます。

このような背景と市民の願いを佐世保市議会がしっかり受け止めて、事業主体長崎県知事に対して、「強制収用はすべきでない」という意見書をあげていただきたいと願っています。

 

(請願事項)

1、 石木ダム建設のために、強制収用という手法を選択すべきでなく、あくまで話し合いによる用地取得に徹するように意見書を事業主体長崎県に提出されること。

 

 

私たちの思いが、市議の皆さんに伝わることを願っています。

私たちは思っています。

佐世保市民同様、市議の皆さんも、「強制測量は失敗だった」「あれはやるべきではなかった」と

感じておられるに違いない…と。

市議さんだけでなく、水道局の皆さんも、水道局長さんも、市長さんも、きっとそうだと思います。

 

皆さんは公務員で、市民のこと、公共の利益のために熱心に働いておられ、

その結果石木ダムが必要と思い込み、邁進しておられますが、

それでも、公益の名のもとに、60人ほどが暮らしている家や田畑を強制収用するなど…

現実にはできるものではない。

そんな例はかつてなかったことで(少なくとも戦後の民主主義社会においては)、

そんな非人道的なことに手を貸したくはない…

と、お考えだと推察します。

 

実施すれば、日本中から非難を浴びることは必至。

長崎県も佐世保市も人権無視の非民主的社会!とイメージダウン。

観光客も減るかも…

人口もますます減るかも…

 

だから、

「請願不採択=強制収用に反対に反対=強制収用賛成」なんてこと、

ありえませんよね?

 

 

新国交相 羽田雄一郎さん 期待してもいいですか?

昨日、野田内閣が2度目の内閣改造を行いました。

国土交通相も交代し、新大臣は、羽田雄一郎参院議員。

2009年夏の政権交代以降、5人目の国交相です。

 

前任の前田氏は、八ッ場ダムの建設再開、

整備新幹線(北海道、北陸、九州新幹線)の未着工区間の着工を表明、

新名神高速道路の未着工区間の建設も凍結を解除し、

民主党政権のキャッチフレーズだった「コンクリートから人へ」を完全に反故にしました。

 

羽田新国交相はどうでしょう?どんな舵取りをする方でしょう?

毎日新聞によると、

<昨日の記者会見で「真に必要な社会資本整備は進めていかねばならない」と述べ、

前田氏の方針を踏襲していく姿勢を示した>とのこと。

そうか〜、そうだろうな〜、

三世議員だしな〜、期待はできないな〜

と思いつつも、ご本人のサイトを拝見。 http://www.y-hata.jp/

 

おや、意外なことが書かれていました。

プロフィールの欄には、

幼いころ受けたイジメや、

保育士の資格を取得し、全国の養護施設や老人ホームを回ったこと、

児童劇巡回事業の劇団員として回った北海道や沖縄の離島で活動したこと等が書かれ、

政策の欄では、

その経験から育まれたと思われる「年金、医療、介護制度の改革」や

未来を担う子供たちを育てる「教育・保育改革」、

この美しい地球を守る「環境対策」などがあげられていました。

 

もしかしたら、新大臣は、

強者の論理ではなく、弱者の声に耳を傾けてくれる方でしょうか?

未来の子どもたちや地球を守るための政策を実践してくれる方でしょうか?

 

もしそうなら、石木ダムの事業継続に待ったをかけて頂けないかな〜

でも、無理だよな〜

新大臣はきっと100%石木ダムのことについては何もご存じない…

にもかかわらず、まもなく、石木ダムについての国の方針を発表することになるでしょう。

官僚が用意した書類に印を押すだけ…でしょうが。

 

そうだ!

石木ダムについて伝えよう!

ダメモトで伝えよう。

石木ダムは不要で無駄なダムだということを伝えよう。

だって、そこには、こう書かれてありました。

 

最後にこのホームページを訪れて下さった皆さんから届けられた質問や疑問には、

誠心誠意お答えしていきたいと思います。

皆様からのご意見・ご質問等のメールをお待ちしています。

 

 

羽田雄一郎さん、あなたに期待してもいいですか?

 

ビデオに釘付け 石木ダム緊急報告会

昨夜の緊急報告会は、立ち見が出るほどたくさんの人が聴きに来てくださいました。

ビデオの上映が始まると、会場の空気が一変。

 

 

2月22日、

傍聴を求めて国交省に乗り込んだ地権者の必死の訴え、

なぜ公開しないのかと質す水源連の仲間たち、

何をいわれても無言の「有識者」たち、

4月26日、

11階の会議室に近づけまいとエレベーターは使わせず、

各階のの廊下には人間バリケード、

そこまでして非公開を貫く「有識者会議」と国交省。

 

その実態を初めて目の当たりにした市民の驚きが、シーンとした中にも伝わってきました。

市民だけではありません。

報道陣もびっくり!で、「これはどなたが撮影されたのですか?」

「この報告会の報道の中で流してもいいですか?」など、上映中にわざわざ訊きに来るほど。

 

ビデオの後、その現場にいたご本人から詳しい報告があり、

皆さん、真剣に耳を傾けていました。

 

続いて、佐世保市議会議員の山下さんからは、

1、    石木ダム建設をめぐる現状

2、    「科学者の会」が提出した「有識者会議」への7項目質問

3、  石木ダム必要論には、利水も治水もごまかしだらけ

4、  実現性は全く無い

5、  石木ダム建設は税金の無駄遣い

6、  今後の課題

等々が、パワーポイントを使ってわかりやすく語られました。

 

参加者からは、

こんなに必要性も実現性もない石木ダムを、なぜ県や市は造ろうとするのか?

造り続けようと固執するのか?

との質問があり、

私にもそれがわからないのです、不思議です…と山下さん。

利権構造や、税金を使った公共事業に責任を感じない官僚の体質などによるのでは?

などの意見が出されました。

 

また、

このままでは土地の強制収用が懸念される、

それを防ぐ対策を、弁護士さんなどの力を借りて考えていくべきではないか?

や、

市議会の傍聴に行くが、市民はただ聴くだけ。

石木ダム問題だけでなく他の問題でもそうだが、議員さんと意見交換する場がほしい。

などの意見が出されました。

 

これらの質問や意見を私たちも参考にさせて頂き、今後の活動に活かしていきたいと思います。

 

石木ダム問題緊急報告会 明日開催

すでに一度お知らせしていますが、再度ご案内します。

明日、石木ダム問題緊急報告会を開催します。

 

●日時:5月31日(木)18:30〜

●場所:させぼ市民活動交流プラザ(旧戸尾小学校)2階B&C室にて

●内容: 〇 国交省・有識者会議は傍聴を求める地権者に何をしたのか

       (録画上映と岩下さんからの報告)

     〇 土地強制収用の危険性と石木ダム問題の現状

●入場無料

 

一年半前に始まったダム検証。

本当に石木ダムは必要なのかどうか・・

その結果はどうだったのか?

その検証は実際どのようにおこなわれたのか?

まもなく国の結論が出されようとしている今、

私たち佐世保市民は、それを知りたいし、知る必要があると思います。

 

なぜなら、石木ダム建設事業には、私たち佐世保市民の貴重な税金が投入され、

水道料金にも跳ね返ってくる!

だけじゃなく・・・

このダムの最大の目的は、佐世保市民のための水源確保だからです。

だからこそ、県の事業と言いながら、

佐世保市も共同事業者となり、多額の事業費を負担しているのです。

 

つまり、佐世保に住む私たちの暮らしをより豊かにするために、

他の自治体=川棚町の自然と、ダム建設予定地の人々の暮らしを破壊しようとしている、

(電気を大量消費する東京都民とそのための原発をかかえる福島県民の関係と似ている)

のですから、それが本当に必要なものかどうか、

私たちはそれを本当に望むのか、

行政任せではなく、市民一人ひとりが真剣に考え、向き合うべきだと思います。

 

そのための一助になれば幸いです。

 

もちろん佐世保市民だけでなく、長崎県民全体に関心を持って頂きたいことです。

多くの方々のご参加を願っています。

 

                               

 

大盛況!2012川原ほたる祭り

 

昨日は年に一度の「川原ほたる祭り」

まずまずのホタル日和で、こんなにたくさんの人が集まってきました。

昨年は雨でさんざんでしたからね〜

 

午後4時頃には、長崎市から大型バスとマイクロバス2台が早々と到着。

そして、お祭り開始時間まで周辺の里山を散策。

 

そんな皆さんに、心尽くしの手料理を楽しんでもらいたいと、

川原の主婦たちは朝から大忙し。

 

川原公民館では、いくつものコンロがフル稼働。

大鍋で次々に煮物や炒め物、揚げ物、山菜おこわやお赤飯などが出来上がります。 

この黒い玉はチョコボールではありません。

お餅に入れるあんこです。

私たち佐世保からの助っ人も9時前に着いて、

最初に始めたのが、このあんこを丸める作業。

簡単そうに見えて、大きさをそろえるのが結構難しいのです。

2箱分終わりかけた頃、「こんなに大きいのはダメ!」と言われ、

最初からやり直すことに・・・

 

こちらはヨモギ。

各家庭で蓬の葉を山のように摘んで集め、それを茹でて細かく刻んで絞ったものを持ち寄ります。

だから色や柔らかさなどばらばら。

硬く丸められたものを数人でほぐしながら、混ぜ合わせていきます。

これをお餅の生地に練り込んでいくと、風味の良い蓬餅ができあがります。

 

こちらは出来上がったぜんまいの煮物を混ぜているところ。

ぜんまいの煮物だけでも、何回も大鍋で煮ますから、

その都度微妙に味が変わります。

それを混ぜ合わせ均一にするのです。

プロの総菜屋ではないけれど、ホタル祭りも25回目ともなると、味はプロ並み?

いえいえ、プロの上をいきます。

 

1時頃、ようやく皆でお昼を食べて、つかの間の一休み。

川原の主婦たちだけでなく、それぞれの親戚や友人なども手伝いに来ているので、

自己紹介などし合って、楽しいひと時です。

 

そんな光景をカメラにおさめていたら、ふと、後の黒板の文字に気付きました。

ホタル祭りの準備を、前日の夜7時半から始めていたのがわかります。

それ以前に、会場のやぐらを組むための竹切りを8日にやっていたこと、

その組み立てや清掃活動を20日にやっていたことなどを知りました。

それらはきっと男たちの仕事だったのでしょうが、

女たちもこれだけの料理を作るために、

一ヶ月前から山菜採りを始め、それを天日干したり、

調味料や小麦粉、肉類など買いそろえたり、

数日前から仕込みに入ったり・・・どれほどたいへんだったことでしょう。。。

 

さて、私たち「石木川まもり隊」も小さなブースを構えました。

用意したのは、これまでアースデーや写真展で使った残り物がほとんどですが、

資料「石木川って知ってる?」と、歌集「こうばるのうた」だけは、新しく作りました。

テーブルに並べたもので真っ先になくなったのが、その歌集「こうばるのうた」で、嬉しかった。。

 

 今年も熱唱してくれた「オトヒトツ」の池ちゃん。

 川辺川ダムを止めた熊本のNさんも駆けつけて… 

 

最後は、今年も「ながせん」と、「ふるさと」を歌ってライブを終了。

 

いよいよ、ホタルさんたちの出番です。

私も今年はしっかり見ることができました。

ふ〜わり、ふ〜わり飛ぶホタル。 

「私はここよ」と光って知らせる命たち。

 

  いや〜、よかね〜、来年は孫を連れて来たかね・・・

 

友人の感動の言葉が嬉しくて、心の中で呟きました。

ホタルさん、今年もありがとう・・・