強制収用を目指す裁決申請決定に、抗議文を送りましょう!

「9月8日までに裁決申請する」という方針決定を知事が明らかにしてから、

県や佐世保市へ抗議のメールやFAXが、続々と送られています。

 

意思表示は大切です!

黙っていたらわからない。

私たちの意思を為政者に届けましょう。

 

まだ、9月8日までには時間があります。

まだ収用委員会に申請されたわけではありません。

知事は今アメリカへ出張中。

今日あたり、ラスベガスでカジノについて視察、意見交換なさっているころでしょう。

来月2日、知事が帰国した時にたくさんのラブレター(抗議文)でお迎えできるよう、

一人でも多くの方が送信してくださいますよう、切に願っています。

 

長さも、書き方も自由。

好きなように思いのまま書いてください。

 

これまで、こちらに届いた文面をご紹介します。

 

<千葉県SMさんから川棚町長へ>

川棚町町長  山口文夫様へ            
 石木ダムのための収用裁決に反対してください。
私は長崎県佐世保市川棚町の石木ダム建設予定地から遠い、千葉県松戸市に住む一市民です。このような遠隔地でも、佐世保市や川棚町の貴重な財産であるホタルの里に、不要で無駄なダムが建設されると聞いて黙っていられず、お願いをしたいと思います。人口減少縮小社会に入った日本では、各地で飲み水、工業用水、農業用水が余るようになってきました。漏水対策も進み、節水家電も普及してきた現代は、昔よりずっと、水需要が減ってきているのです。一方、大雨洪水や土砂災害は近年酷くなってきていますが、この対策も昔ながらのダム建設では防ぎようがなくなってきたのです。つまり、利水にも治水にもダムは不要な時代になりました。
ましてや、川棚町こうばるの美しい自然は、失われつつある日本の原風景とまで言われる貴重な財産です。そこに住む人々も、50年もの間、「お金が欲しいのではない、ここに住みたいだけだ」と言って13世帯もの地権者がダム建設に反対しているではありませんか。その方々を強制的に追い出して、のどかな故郷を湖の底に沈めてしまうような愚策に手を貸すことをやめてください。人々を慣れ親しんだ父祖の地から追い出すだけでなく、ゲンジボタルの乱舞する、希少な川魚のつどう石木川中流域の自然生態系そのものを消滅させてしまうことになるのは明らかです。
このような暴挙を食い止めて、ぜひ歴史に名を残す町長さんになってください。石木ダム建設中止にお力を貸してください。お願いいたします

 

<埼玉県YHさんから長崎県知事へ>

治水にも利水にも必要のない石木ダムは絶対につくらないで下さい。
これから人口減少社会になります。
水需要も減ってゆき、税金も減ってゆき、無用なダムは子孫に負の遺産しか残しません。
なにより貴重な里山の自然を壊し、コミュニティを壊し、こうばるの方たちの暮らしを奪ってしまいます。
どうぞ石木ダムを作らないで下さい。


<山梨県WMさんから佐世保市長へ>

私は山梨県に住む一主婦ですが、貴市が建設しようとしている石木ダムについて、同じ日本という国に住む者として長い間見守ってきた経緯がありますので、ここに私の意見を述べさせていただきます。
石木ダム建設予定地に住んでいらっしゃる方々は、ただご自分の土地に住み続けたいという至極当然の気持ちをお持ちです。その方たちの土地を奪うことは絶対に許されることではありません。
そもそも石木ダムは建設する必要のないダムであることは、長崎県民の多くの方々が、そして遠く離れた私のような山梨県やその他の地域に住む人々も周知のことです。
どうか、これ以上日本という地を破壊し、その地に住む人々を追い出し苦しめることはおやめ下さい。
緑美しい環境を子々孫々まで残してください。利権にまつわるマネーはいつかは消えてしまうものですが、自然環境は永遠に残るものです。そして一度失われたら、それを再生するには気の遠くなるほどの長い時間がかかります。
日本を、自然が豊富な、緑が茂る、人々が癒され心豊かになる国として、地方から再生しませんか。
それを願い、必要のないダムを造ることはおやめ頂くよう要望致します。
 

<神奈川県のOSさんから知事と市長へ>

1.長崎県知事宛:

住民のみなさんの基本的人権を踏みにじるような
やり方で進めようとしている石木ダム建設に反対です。
県民の幸せをめざす自治行政の立場から、石木ダムの
建設を中止する行動を起してください。

2.佐世保市長宛:

住民のみなさんの基本的人権を踏みにじるような
やり方で進めようとしている石木ダム建設に反対です。
市民の幸せをめざす自治行政の立場から、石木ダムの
建設を中止する行動を起してください。

 

<東京都IMさんから知事と市長へ>

1.長崎県知事宛:

そもそも「強制収用はしない」というのが最初の県知事選挙での公約でした。
これほどの明白な県民への裏切りはありません。
これまでの経緯をみると、国からの圧力がかかってきたものと推測されますが、県知事として県民の権利を護ることが一番大切なことだと思いま
す。
石木ダム建設の治水目的も利水目的もその根拠は全く失われています。
「08/27 石木ダム事業 反対地権者 国にダムの必要性 再調査を要望」
http://goo.gl/tZZH1R
この事業は無駄な公共事業そのものです。被害は基本的人権と財産を奪われる反対地権者だけではありません。無駄な税金投入は、福祉や暮らしを
よくするための、本来得られるべき財源が奪われる県民もまた被害者です。
県民のために正しい道を選んで欲しいと心から願っています。

2.佐世保市長宛:

石木ダムの必要性について再調査を強く要請します。
治水にも利水にも必要のない石木ダムは絶対につくらないで下さい。これから人口減少社会になり、水需要も減ってゆき、税金も減ってゆき、無用
なダムは子孫に負の遺産しか残しません。
「08/27 石木ダム事業 反対地権者 国にダムの必要性 再調査を要望」
http://goo.gl/tZZH1R
この事業は無駄な公共事業そのものです。被害は基本的人権と財産を奪われる反対地権者だけではありません。無駄な税金投入は、福祉や暮らしを
よくするための、本来得られるべき財源が奪われる県民もまた被害者です。
未来の子どもたちのために、貴重な里山の自然を残すことが私たちの使命だと思います。
どうぞよろしくお願い致します。

 

<埼玉県OMさんから長崎県知事へ>

 石木ダムの計画を中止してください。
 経済成長と、そのためのインフラ整備を何よりも優先させる時代は、福島第一原発の事故によって無残な終焉を迎えました。
 自然と共生する、地域地域の暮らしをたいせつにする時代に切り替えなければ、これからの日本に人は生きていけません。
 石木ダム建設の中止は、このような新たな時代への切り替えを、地方から発信することになります。
 首長のご英断を、心から願うものです。
 
 
 
<佐世保市MRさんから佐世保市長へ>
 
佐世保市長 朝長則男 様

報道によりますと、石木ダム建設に関し、長崎県は9月上旬までに県収用委員会へ収用の裁決を申請する方針を固め、明日26日にも、佐世保市長及び川棚町長にその方針を伝え、両首長の理解が得られれば、裁決申請の考えを明らかにすると伝えられています。

しかし中村県知事は初立候補の際「強制収用はしない」と公約しておられます。
佐世保市の利水についても、需要予測が過大ではないか…という問いに対して何ら納得のいく説明もありませんし、また川棚川の治水に対しても、県当局が現在の川棚川の河川改修で洪水は解消できると答えられています。
つまり、このダムの必要性については論理的にも倫理的にも全く破綻しており、そして、そのようなダムを膨大な税金を投入して造るということは県民に対しての背信であり、また地権者の生存権の侵害でしかありません。
佐世保市民である私は、このような手段で造られるダムの水は、心が痛み一滴でも飲みたくありませんし、非常に恥ずかしく思います。
ですので市長におかれましては、収用裁決申請を行わないよう進言していただくことを強く求めます。

もちろん大切で重要なコンクリート的な「造る」公共事業もあることは承知しておりますが、この石木ダムは必然性がありません。利水、そして治水についても、もっともっと容易で安価で自然も住民も慈しみ、現在のトレンドである「持続可能な世界」に沿えるスマートなインテレクチュアルな方法で十分対応が可能ではないでしょうか。
長崎県、そして佐世保市が、ダム建設という手段ではなく、そのような人にも地球にも優しい新しい手法で利水、治水対策を講じれば、それは他の自治体の模範にもなり、尊敬の対象となることは請け合いだと思います。

賢明な朝長市長には、ぜひ「収用裁決申請の永久凍結」というご英断をいただき、新しく優しい、そしてスマートな県、市のあり方をお示しいただきたく心よりお願い申し上げます。
 
 
 

もちろん、ここにご紹介したのは、ごく一部。

ほとんどの方が直接FAXなりメールなりなさっているので、

こちらで内容を知り得るわけはありません。

たまたま、「こんな抗議文を送りましたよ〜」と知らせて下さった方がいましたので、

その方々の許可を得て公開しています。

 

重ねて呼びかけます。

一人でも多くの方が、収用裁決申請は止めてほしいとの意思を、FAXorメールor電話で伝えませんか。

宛先はこちらです。

*長崎県知事 中村法道
 電話 095-824-1111 (代表) FAX:095-826-5682
 知事への提案 https://eap.pref.nagasaki.lg.jp/kv2/index_pc.php5?FORMNO=42000G00001085ibS&SETUID=SSL

*佐世保市長 朝長則男
 TEL/ 0956-24-1111 (代表)  FAX:0956-25-2184
 市長への手紙  https://www.city.sasebo.nagasaki.jp/mailmayor/emfmayorinput.jsp

*川棚町長  山口文夫
 TEL:0956-82-3131(代表) FAX:0956-82-3134

そして、送信した後で、文面を公表可能な方は、こちらのコメント欄にお願いします。

またFacebookをなさっている方はこちらまでお願いします。

https://www.facebook.com/ishikigawamamoritai

 

県内ダムで強制収用の例は無し

 

今朝の長崎新聞です。

35の県営ダムのうち、強制収用されて造られたダムは1件もない。

石木ダムで強制収用を実施すれば、初めてのケースになると書かれています。

しかもその初めてのケースが、13軒の家を壊して撤去するとなれば・・・

そのようなことが現実にできると、知事や土木部は思っているのでしょうか?

 

そして、13軒もの家を壊しての強制収用など、県内はおろか日本中でも初めてでしょう。

聞いたことはありません。

ダムに限らず、これまでのすべての公共事業において、

人が暮らしている家を壊し、その土地を奪って完成させた事業がいくつあったのか?

その時犠牲になった軒数や人数はどれほどだったのか?

正確な情報知りたい。

 

長崎新聞さん、その他のメディアの皆さん、

いえ、どなたでもけっこうです。

ご存知の方は教えて下さい。

あるいは、調べる方法、どこに訊けばいいのかなど教えてください。

以前県の河川課や九地整に尋ねましたが、それぞれの管轄の中でのことしかわからないとのことで、

どちらも、「ダム事業において、その事例はない」とのことでした。

 

最近では、こんなニュースをネットで見ました。

「スーパー堤防」建設、初の強制撤去(東京都)
日本テレビ2014.7.7

 
 東京・江戸川区の「スーパー堤防」建設にあわせた土地の区画整理事業で、7日、立ち退きに応じない民家を重機を使って取り壊す作業が行われた。
  区画整理が行われているのは江戸川区北小岩1丁目の江戸川の右岸に広がる地域で、この場所では、大規模な水害を防ぐための120メートルにわたるスーパー堤防の建設が計画されている。
  区はこの地域の住民と移転交渉を行ってきたが、移転に反対する6軒が現在も残っており、7日、このうち、空き家になっている1軒を重機で取り壊した。
  移転対象の住民「江戸川区よ。一刻も早く考え直し、真摯(しんし)な行政を進めてくれるように、心から要求する」  スーパー堤防建設に伴う区画整理で民家を強制撤去するのは初めてで、区は残る5軒についても取り壊す方針。
 

ここでは、はじめに取り壊された1軒は空家だということですが、あとの5軒はどうなのか?

6軒全部取り壊されたのか?などもわかりません。

かなり探したけれど、この後の記事が見つからない・・・

 

いずれにしても、石木ダムの場合、13軒です!

そして約60人の人々の豊かで楽しい、元気な暮らしが、今まさに続いている場所です!

それを代執行する覚悟が中村知事には本当にあるのでしょうか?

佐世保市長にあるのでしょうか?

 

何度でも問い続けたいです。 

 

 

これからでも遅くない 九地整へ再調査・再検証を要請

今日は、地権者や弁護団、支援者など約50人が九州地方整備局に集合。

石木ダムの事業認定をした認定庁の方々に、大事な報告をするためです。 

しかし、入室できたのはわずか8名(弁護士5名+地権者1名+共有地権者1名+記録係)

その他大勢はロビーで待機。

でもね、この録画を見れば、どういうやりとりがあったのか全部わかります。

 

大事な報告とは、事業認定の判断根拠となった資料(長崎県や佐世保市が提出したもの)について、

間違いや恣意的な分析がなされていた、また、こちらの質問にほとんど答えなかった、

それは答えないというより、答えられなかったのではないかという感想も含めた報告でした。

そして、これらの点について、もう一度再調査をするよう県市に要請をし、

その結果についてもう一度再検証してほしいと要請しました。

 

このような資料に基づいて「事業認定」されたのだから、

御庁は長崎県と佐世保市に騙されたと言ってもいいかもしれない。

是非しっかり調べて、その結果を我々に報告してほしいとも付け加えました。

 

しかし、対応した職員(計画建設産業課の課長補佐以下4人)は「上司に報告します」と答えるのみ。

回答時期はおろか、回答するともしないとも、県市に再調査を要請するともしないとも、

いっさいノーコメント。

 

対応職員にその権限がないのはわかりますが、

44ページからなるこの報告書は、22日付で送付され、担当者も既に読んでいるとのこと。

ならば、この要請にどう答えるか、すでに上司に尋ねておくべき。

せめて「検討中」とか、この要請を受け入れるか否かの返事は「〇月〇日までに返事する」とか、

そのくらいの返答はできたでしょうに・・

 

地権者を代表して岩下さんは鋭く指摘しました。

 

県や市の資料がどんなにいい加減なものであるか、私たちは何度もここへ来て訴えた。

しかし、あなた方は私たちの言うことには耳を貸さず、認定してしまった。

あの時きちんと話をきいてもらっていたら・・・

でも、今からでも遅くない。

今度はきちんと精査してほしい。

 

それでも返事は「報告します」のみ! 

 

終了後、近くのビルの会議室で、報告集会。

何があっても絶対に気持ちは変わらないと言う地権者。

これだけの数の地権者が残っているということは計画が間違っていたという証、と語る弁護団。

真剣に耳を傾ける仲間たち。

過労で昨日は点滴まで受けていたのに、やはり気になるからと参加したYさん。

福岡在住なのに、いつも石木ダム反対運動を応援してくれるTちゃん。

お疲れ様でした。 

何よりも、往復3時間、マイクロバスに揺られてやってくる川原のおばあちゃんたち、

本当にお疲れ様でした。 

 

 

 

裁決申請決定に対する抗議声明

県の暴挙に対して、私たちは抗議声明を発表することにしました。
先ほど佐世保市政記者クラブにFAXしたところです。
荒削りでやや感情的かもしれませんが、今の気持ちを率直に記しました。

 

                          

       石木ダム問題での裁決申請決定に抗議する

 

中村法道長崎県知事は、石木ダム建設反対地権者のうち4世帯の所有地について

権利取得と明渡しの裁決を申請する方針を決定しました。これは強制収用に直結

するものです。

私たちは、今回の決定方針に強く抗議します。同時にただちに決定方針を撤回す

ることを求めます。これほどの暴挙は、近年の行政史上でも類を見ないものです。

 

第一に、建設に反対する地権者を半世紀以上に亘って苦しめ続けてきたうえに、

その基本的人権、財産と居住の自由を奪い取るというものです。

 

第二に、先に石木ダム建設ありきで、そのためには、ありとあらゆるごまかしを

駆使して、ダムの必要性を説明してきました。

 

第三に、そもそも「強制収用はしない」というのが最初の県知事選挙での公約で

した。これほどの明白な県民への裏切りはありません。県知事失格です。

 

第四に、その知事が決定した権利取得・明渡し裁決申請が、いったいどんな重大

な事態を招くことになるのか、「その覚悟」が問われます。「現に生活している

住民を権力の力で追い出してまで」家・土地を奪ってのダム建設など、戦後日本

の行政史上、かつてなかった暴挙です。このことによってもたらされる「対立と

混乱」の責任はすべて県知事が負うべきです。

 

第五に、石木ダム建設の治水目的も利水目的もその根拠は全く失われています。

無駄な公共事業そのものです。被害は基本的人権と財産を奪われる反対地権者

だけではありません。無駄な税金投入は、福祉や暮らしをよくするための、本来

得られるべき財源が奪われる県民もまた被害者です。

 

私たちは、前近代的で人権を無視した強制収用への道、県の収用裁決申請決定の

方針に強く抗議します。

同時にただちに決定方針を撤回することを求めるものです。

                                                                    

裁決申請へ 決定!

速報!

ついに決定。県は自ら泥沼へ足を踏み入れてしまいました。

NHKニュースから転載させて頂きます。

 

石木ダム 強制収用の手続きへ

石木ダム 強制収用の手続きへ

長崎県と佐世保市が川棚町に計画している石木ダムをめぐり、中村知事は、建設に反対している地権者の土地を強制的に収用できる「裁決申請」という手続きを行うことを決めました。
石木ダムを巡っては、一部の地権者との用地交渉が難航していて、去年9月、国は土地収用法に基づいて事業に公益性があるかを検証し、地権者に土地の明け渡しを求め、強制的に収用することが可能となる「事業認定」を行いました。
「事業認定」の有効期限が、9月8日に迫る中、中村知事は26日午前、対応について佐世保市の朝長市長や川棚町の山口町長と話し合い、土地収用法に基づいて強制的に土地の明け渡しなどを求めるための「裁決申請」の手続きを行うことを決めました。
これを受けて、県の「収用委員会」では今後、中立的な立場で県側と地権者側、双方から意見を聞くなどして土地の補償額や明け渡しの時期などを決めることになります。
記者会見した中村知事は、「話し合いによる解決に向けて努力してきたが、期限までに解決するのは困難でやむを得ず裁決申請をするしかないと判断した」と説明しました。
一方、裁決申請を行ったあとも、引き続き強制的な方法によらない土地の取得に向けて、地権者との交渉を続けたい考えを強調しました。
建設計画が決定されてから、およそ40年を迎え、難航してきた石木ダムの建設は大きな転機を迎えることになります。

08月26日 13時13分

直接市長に伝えたかった・・・

夕方のNHKニュース「イブニング長崎」でも報道されましたが、

今日、私たち「石木川まもり隊」と「水問題を考える市民の会」は、

佐世保市の市民団体として佐世保市長に、収用裁決申請に同意しないよう申し入れをしてきました。

 

 

                          2014年8月25日

佐世保市長 朝長則男 様

                           石木川まもり隊 

                       水問題を考える市民の会 

  

 石木ダム建設計画地の収用裁決申請に同意しないことを求める申入れ書

 

報道によると、石木ダム建設に関し長崎県は9月上旬までに県収用委員会へ、

反対地権者のうち4世帯の所有地について、収用の裁決を申請する方針を固め、

明日26日にも、佐世保市長及び川棚町長にその方針を伝え、両首長の理解が

得られれば、裁決申請の考えを明らかにすると伝えられています。

中村県知事は、初立候補の際「強制収用はしない」と公約しています。

7月11日の知事面談の際、佐世保市の利水について、「最近では1日平均

7万トン強の水需要しかない現在において、平成6〜7年規模の大干ばつが発

生したら、同様な大渇水になるのか」という質問に対し、佐世保市当局は明確

な回答ができませんでした。

川棚川の洪水対策について、長崎県当局は、現在の川棚川の 河川改修計画

が完了すれば、平成2年など過去の大雨程度の洪水は解消されると答えました。

石木ダム建設の必要理由はその根幹において破たんしています。

強制収用は、水没予定地の住民が現に生活し生業を営んでいる場、そして先

祖伝来の古里を奪い、住民の生存権を侵害します。石木ダム建設計画のために

半世紀に亘り苦しめられて きたこの方たちを、さらに苦しめることはやめて

ください。

予定地の地権者は「ふるさとに住み続けたいという私たちの訴えを無視した

上で事業認可されたが、私たちは今まで通りの生活を続けるだけです」と表明し

ています。「強制収用」を強行すれば、「覚悟の上で住み続ける」住民との間に

不測の事態が生じる懸念があります。

必要性の無い事業のために、住民の財産を取り上げることは、人権侵害であり、

事業目的の一つである利水の受益者とされる佐世保市民にとって恥ずかしいことです。

また、このような不要な事業を実施することは税金の浪費であり、市民、県民そして

国民にとって損失です。

石木ダム建設予定地の収用裁決申請はしないよう県知事へ進言して下さい。

そして、裁決申請には同意しないで下さい。

上記の通り申入れます。

 

この申入書を読み上げ、谷本水道局長に手渡すと、

局長は、「市長にしっかり伝えます」と言って受け取りました。

その声に心が籠っていたように感じたのは、私の勘違いでしょうか?

 

その後、各自が補足して訴えました。

Sさん:県や市は、何十人も暮らしている土地を強制収用することへの覚悟はできているのか?

    過去に何軒の民家の強制収用代執行の歴史があるのかなど調べているのか?

Y子さん:市議の中にも、石木ダム建設促進特別委員会の中にさえ、

    「石木ダムには賛成だが、強制収用となれば反対する」とおっしゃっています。

Mさん:市民アンケートでは、ほとんどの市民が「強制収用までしてダムが欲しいとは思わない」

    と答えていました。

    また、せっかく知事との直接の話し合いが始まったばかりなのに、

    いま裁決申請をしたら、また地権者との溝が大きくなり理解は完全に得られないでしょう。

 

水道局長は何を訊かれても、「伝えます」としか言わず、

私たちも、それは立場上やむを得ないことだとわかってはいるのですが、

明日が実質的な決定の日になるのかと思うと、どうしても追及したくなってしまうのです。

 

何度質しても、明日の三者会談の予定については最後まで「わからない。調整中」と言うばかり。

他から得た情報によると、明日午前中に会談し、午後に発表の予定だという。

明日午前の予定が、今日の午後に未定なんてはずはないでしょうに。

知事と市長と町長の3トップの集まりだというのに・・・ 

 

町民・市民・県民に内緒でコソコソと会わなければならない話だから!? 

決断をする前に、せめて直接私たちの声を市長に届けたかった…

 

いよいよ裁決申請に向かうのか?

今日の長崎新聞には、石木ダム建設のための土地収用の裁決申請をするかどうか、

県と佐世保市と川棚町が話し合って26日に判断をすると書かれています。

その結果の見通しについては何も書かれていません。

が、朝日新聞の記事は違います。

ここには、

「県は強制収用の裁決を申請する方針を固めた」とはっきり書かれています。

知事は月内にも佐世保市長、川棚町長と面会し、「申請の方針を伝える」そして、

「両首長の了解が得られれば、申請する考えを明らかにする」と書かれています。

 

知事が申請したいと言えば、市長や町長が反対する可能性は全くありません。

佐世保市長は知事以上に石木ダム推進と思われますし、

川棚町長も説明会では「推進の立場である」と明言してます。

 

これまでずっと「話し合いでの解決を目指す」と言い続け、

実際には知事も市長も地権者や私たちを避け続け、

たった1回だけ7月に面談が叶いましたが、

それも帳面消しにすぎないと新聞にも書かれていました。

そうやって、話し合いらしい話し合いはせずに、タイムリミットが近づいたからと、

いとも簡単に強制収用への扉をまた一つ開けるのでしょう。

 

この1年間、知事がやってきたことは、

地権者の理解を得る努力ではなく、

何もせず、ただひたすら時が経つことを辛抱強く待っていただけ。。

2010年1月、選挙前のアンケートに、

「強制収用はしない」と答えたあの時の思いは、もうすっかり忘れてしまったのでしょうか?

 

まだあと2週間あります。

もう一度、初めて知事に立候補した時の初心を思い起こして、ようく考えてほしい。

住民にとって、県民にとって、知事にとって、強制収用がどんな意味を持つのか。

 

欠陥ダムの代表格?底抜けの大蘇ダム

熊本県産山村にあるヒゴタイ公園でヒゴタイを堪能した帰り、

友人の案内で寄り道したヒゴタイ大橋。

ん?川の色が草と同じ緑色!

もしや、川ではなくダム湖?

橋を中ほどまで進んで下を見ると・・・

 

やっぱり、遠くにそれらしきものが・・

ダムでした。

地図を見て確認。

これがあの悪名高き大蘇ダム!

当初事業費は130億円の見込みだったのに、595億円に大幅増加!

2005年3月に堤体が完成して試験湛水を行なったところ、貯水池の土壌に浸水が確認され計画延期。

2009年度からは、一部で農業用水の利用が開始されているが、計画の半分程度。

農林水産省は、2010年度から漏水対策を行っており、その事業費約8億4千万円は全額国費。

2013年度からの総事業費126億円は、国が7割を負担し、

残る3割を大分県、熊本県、竹田市、阿蘇市が受益面積に応じて負担することとされているらしい。

 

「ダイヤモンド オンライン」に詳しい解説記事が出ていました。

たいへん参考になる記事です。抜粋して転載させていただきます。

 

誰も責任をとらず、湯水のように注がれる修復費用
“底抜け”大蘇ダムに振り回される住民たちの失意

http://diamond.jp/articles/-/21290

 日本は世界に冠たるダム大国で、建設の実績と技術力の高さで他国を圧倒している。しかし、その一方でとんでもない欠陥ダムを生み出していた。代表事例が、水の貯まらない底抜けダムだ。ダム湖の底やのり面から水が漏れ出し、計画通りに貯水できないという欠陥品である。

  熊本県の大蘇ダムと北海道の東郷ダムが、その「底抜けダム」である。いずれも農水省が農業用ダムとして建設したもので、完成後に水漏れが発覚し、水利用ができずにいる。

 九州農政局は当初、水を待ち望む受益農家らに対し、この重大事実を明らかにしなかった。黙ったまま伏せていたのである。しかし、土地改良区の関係者が試験湛水のデータなどが示されないことなどに不審を抱き、水漏れの事実を突き止めた。こうして水漏れダムの存在が初めて、表面化した。

 大蘇ダムは阿蘇カルデラの北東斜面に造られた。周辺一帯はいわゆる火山灰地である。地盤が悪く、地元の人たちは当初から「水を貯めるのは難しいのではないか」と、語り合っていた。そもそもダムを造るような場所ではないと心配していたのである。

 大蘇ダムの事業着手は1979年で、当初の計画では事業費は約130億円と見積もられていた。それが約700億円にまで膨れ上がり、その上、実際に水を利用できるまで40年以上も待たされることになる。民間企業でこんな仕事をしていたら、間違いなく懲戒解雇ものだ。というより、会社そのものが存続し得ないはずだ。しかし、日本の役所の世界は極めて異質なところである。「水漏れ欠陥ダム」を造った責任を農水省の誰かがとったという話は、聞こえてこない。

 欠陥ダムの建設に関わったお役人が誰1人、責任を取らぬまま、血税が投じられるのはどう考えてもおかしい。納税者として到底、納得できない話である。

 

 

阿南市の洪水被害と長安口ダム

昨夜の報道ステーションで、徳島県阿南市の洪水被害とダムの関係について語られていました。

 

避難場所に指定されていた加茂谷中学校の2階まで浸水し、道路はまるで海のよう。

http://blog.goo.ne.jp/kamoda2jhs

住民は3階へ避難し無事でしたが、なぜここまで那賀川はあふれてしまったのでしょう?

住民の方は長安口ダムの放流の影響を口にしていました。

今回ダムの貯水率が90%になった時点で、毎秒5411トンの水が放流されたそうです。

以前も同様の放流をおこなったときに洪水になったとか・・

 

Wikipediaによると、

那賀川流域は剣山山系を流域に持つが、この山系は土砂が崩落しやすい地域であった。さらに産業構造の変化や海外からの安価な輸入木材が国内に流通するに伴い林業が衰退、植林されたスギ林はメンテナンスされず放置されていった。森林は適度に間伐されることで適度な保水力を有し土砂災害や土砂流出を抑制するが、このような複合的な要因で那賀川上流部では土砂の崩落が続出した。現在でも当該地域は国土交通省砂防部が指定する全国14の重荒廃地域の一つに指定されている。こうした土砂は長安口・小見野々・追立の各ダムに流入し、深刻な堆砂問題をひき起こした。特に追立ダムの場合、坂州木頭川が運搬する土砂が膨大であり貯水池は堆砂で完全に埋没。高さ15メートル以上あるにも拘らず現在ではダムとして認められていない。また小見野々ダムでは上流の歩危峡が堆砂で埋没、河床上昇による水害の被害を木頭村が訴えるようになった。そして長安口ダムでも堆砂が徐々に進行していった。

とのことです。

これでは、ダムは治水対策になるどころか被害を大きくしているように思えます。

過去(1971年)にも同様の被害があり、当時は毎秒5500トンの放流で、鷲敷町が浸水。

ダム操作の過失が水害を増幅したとして徳島地方裁判所に提訴。長安口ダム放流被害訴訟です。

地裁は過失を認め、国と県に損害賠償を命じましたが、国と県は高松高裁に控訴、

その後最高裁まで進み、住民の敗訴が確定しました。

 

ここにも書かれているように、

国策による林業の衰退、森林の荒廃が保水力を弱め、水害の要因を作っているのに、

国や県というところは、どうしても自分たちの過ちを認めようとはしません。

 

私たちの身近ではイサカン然り、石木ダム然り、

途中で間違いだと気づいても、あらゆる言い訳を並べて押し通す。

無駄な公共事業を進め続ける。

その結果、自然破壊を促進し、その影響は洪水となって、渇水となって私たちに降りかかる。

事前にそれをくい止めようとすると、公共工事を妨害する不届き者として訴えられる。

それがこの国の今の現実。

 

でも、諦めず、ダメなものはダメと抗い続けたいと思います。

あとで後悔したくないから。  

「滴」の注目記事! 先月の平均給水量

皆さん、「滴」ってご存知ですか?

私たち「石木川まもり隊」と「水問題を考える市民の会」が共同で編集発行している石木ダムに関するニュースです。

「滴」と書いて「ひとしずく」と読みます。

石木ダムを止めるには、私たち一人ひとりの力は、ものすごく小さいけれど、でも無力ではない。

大河の一滴のように・・・という思いを込めて名付けました。

 

で、その「滴」も先月25日発行分で8号になりましたが、その8号から連載コーナーが2つ始まりました。

その1つは、「こうばる べつばらだより・・・」

おなじみ「ほーちゃん」の漫画コーナーですが、8号から「川原人=こばると」(こうばるに住んでいる人)の横顔を紹介していくことになりました。

川原には元気なおばあちゃんたちや頼もしいおばちゃんたちがいっぱいですから、楽しみにしててくださいね〜

 

で、もう一つの新連載が、いま注目を集めている「先月の平均給水量」コーナーです。

これを見ると、佐世保の水が足りていることがよくわかる!と好評です。

ちなみに8号に掲載した6月の給水量は・・・

  今年6月の平均給水量   70,108㎥/日 
  昨年6月の平均給水量   71,433㎥/日
5年前の6月の平均給水量   75,461㎥/日
 佐世保地区の保有水源量  105,500㎥/日

いかがですか?

この数値は、正真正銘、水道局から頂いたデータです。

これを見ると、同じ6月の一日あたりの給水量が年々減っているのがわかりますね。

しかも、その給水量約7万㎥に対して、水源は約10万㎥もあるのですから・・・

3万㎥も余裕です。数字は嘘は申しません!

ついでに7月を見てみましょうか・・・

  今年7月の平均給水量   71,173㎥/日
  昨年7月の平均給水量   74,613㎥/日
5年前の7月の平均給水量   74,515㎥/日
 佐世保地区の保有水源量  105,500㎥/日

5年前よりも昨年のほうが少し多いですね。

梅雨明けがいつ頃か、猛暑か冷夏か、などによって夏の給水量は大きく変化しますから

毎年減少するとはかぎりません。折れ線グラフにするとギザギザの線を描きます。

でも全体の流れとしては確実に減少しています。

ああ、それなのに、それなのに・・・

なぜ市や県は、今後水需要が急激に増加するなんて言うのでしょうね〜