日弁連が石木ダム問題調査

昨日、日弁連の調査団が石木ダム問題調査のため、現地を訪れました。

 

 

そして、今日は、朝から佐世保の各地を視察、私たちも同行させていただきました。

最初に訪れたのは水道局。

本来なら今日、水道局へのヒアリングをする予定だったのですが、

現在多忙で対応できないとのことで、施設見学だけになりましたが、

せめてご挨拶だけでもと、日弁連公害対策・環境保全委員会の委員長がみえたのに、

(調査団は東京、神奈川、埼玉、栃木などなど遠くから来られたというのに)

責任ある立場の方はどなたも会議中とのことで、顔を見せてはくださいませんでした。

こんな冷たい対応をなさるとは・・・

佐世保市民として身の縮む思いでしたよ。

 

というわけで、水道局への挨拶はあっという間に終わり、

今日の見学地、山の田浄水場へ〜

まず、施設管理課長さんからのオリエンテーションを受け、現場へ。

歴史と趣のある「ろ過池」などを見学。

 

これは何をしているところか・・・説明を聞き逃しました。

ろ過池の砂をきれいにしているところでしょうか?

 

その後、急な長い階段を登り、山の田貯水池へ。

例年のこの時期は雨が少ないので、もっと水深が浅いのですが・・・と担当者。

まあ!オーバーフローしてますね。

今日は、満水ってことですね。 

 

ここで、水道の専門家が、このような質問をしました。

「ここは下流放流量が義務づけられていないダムですよね?

年に数回、たまたま水利権を上回る取水をしても何の問題も生じませんよね?」

「いや、水利権を超えて取ることはできません。

以前そういうことをやっていたので県の指導を受けました」

 

本当に県は融通のきかない石頭です。

山の田ダムの水利権が、日量6,300㎥でも、

オーバーフローするほどたくさん溜まっているならば、

そして、他の水源からの取水量が足りないならば、

その不足分を補うために、例えば7,000㎥とか8,000㎥とか浄水場に送っても、

何も問題ないはずです。

 

弁護士さんが、「この下に川はないのですか?」と尋ねたら、

「ありません。オーバーフローしたときは、そちらの下水道から流れていくだけです」というお返事。

なんとまあ、もったいない話ではありませんか。

市民はお風呂の残り湯で洗濯したりして大事に水を使っているのに、

余った水は、ただ捨てるだけ?

それが法律上正しいこと?

水利権というルールはあっても、その運用を工夫することで、

無駄なダム建設をしなくてもいい状況に近づくことができるのに。。

 

あ、そうか。

ダムを造りたい県は、そういう状況には絶対近づけたくないから

ルール違反にはより厳しくなるのでしょうね。。

 

 

向こうに見える建設現場は、建設中の北部浄水場(仮称)です。

完成は2年後の予定です。

本格稼働は27年4月から。

その時の浄水能力は、一日50,600㎥だそうです。

 

これは大問題だと思います。 

なぜなら、北部浄水場完成後は、佐世保の北部地区の浄水能力は、

50,600+14,000(柚木浄水場)=64,600㎥となりますが、

一方、現在の水源量は、安定水源と不安定水源合わせて、68,600㎥あるのです。

水道局は、不安定水源は流量が不安定であてにならないといいながら、

毎日取水しています。

 

そこにせっかく取れる水が68,600あっても、浄化する設備が64,600分しか受け入れないなら、

当然取ることができません。

水不足と嘆く水道局が、なぜこのような施設計画を立てるのか・・・。

 

 

これは貯水池の下を走るトンネル。

ちょっと歩いてみたいような、怖いような・・・

 

11時過ぎ、見学終了。

案内してくださった水道局の方にお礼を述べ、次の予定地佐々川へ。

佐世保市の北部から隣の佐々町に流れていく2級河川、佐々川です。

長さも、流域面積も、2級河川としては県内第1位の川です。

ここを弁護士さんたちに見ていただいて、維持流量の問題、遊休水利権の問題など

これまで調べてきたことを、Mさんがざっと説明しました。

(時間もないし、小雨も降るし・・・ゆっくり説明できなかったのが残念!)

 

昼食後、スピカにて、市民へのヒアリングが始まりました。

限られた時間の中で、いかに効率よく伝えるか・・

 

☆ 市民は水不足とは感じていない〜「ライフさせぼ」のアンケート結果、井戸水の利用など

☆ 再評価のやり方の問題点

☆ でっちあげの水需要予測

☆ 再評価のための第三者(?)委員会の実態

☆ 「石木ダム建設促進佐世保市民の会」の実態

☆ 石木ダム反対署名コピー、勤務時間に職員動員の石木ダム促進大集会

 

などなど。

私たちの拙い説明では十分にご理解いただけなかったでしょうが、

資料に関しては、それぞれ精一杯準備しました。

お帰りになってから、じっくりお読み頂くことを期待しています。  

 

公聴会開催公告

今朝の新聞各紙に以下のような公告が掲載されました。

土地収用法に基づく公聴会を開催するというお知らせです。

公告主=九州地方整備局長

起業者=長崎県及び佐世保市

起業の種類=石木ダム建設工事とこれに伴う付け替え道路工事

起業地=土地と漁業権(詳細省略)

 

ついに動き出しました。

事業認定の手続きが・・

でも、なぜ今なのでしょう?

 

九州地方整備局の親分である国交大臣が石木ダム事業の補助金継続を認めたのは

昨年6月です。

あれからずっと動かなかったのはなぜ?

県、市、県議会、市議会等々が早く再開して欲しいと要請の猛攻撃をかけても

ずっとストップしていたのはなぜ?

それは、佐世保の石木ダム再評価の結果を待っていたからではないのですか?

県が事業認定申請時に出した資料はもう古い、新しい知見が必要、

担当官は確かにそう言いました。

だから、その結果が出るのを待っている…と、私たちは思っていました。

 

まだ結果は出ていません。

全くいい加減な再評価ですが、推進派によるお墨付きを与えるだけの再評価ですが、

それでも、結果が出るまでは動き出さないと思っていました。

でないと、今まで止まってた意味がないではありませんか。

 

やはり、政権が変わったことによるのでしょうか?

自民党政権に戻ったから、またもや公共事業はドンドンやれと?

必要性も公益性も、いくらでもこじつけられる、とにかく進め!とのことでしょうか?

 

だとしたら、自民党は下野しても何も学んでいない、変わっていない。

かつての失敗を受け入れるなら、私たち国民も変わっていない、変われない。

嘆かわしいけれど、

私たちよりもっと嘆いているのは、

石木川の流れでしょう。。

 

工場用水急増のタネ明かし

ここ数日、水道局の新水需要予測の資料を穴の開くほど見つめていました。

特に、工場用水の急増。

    26年度の予測値=2,423m3

    27年度の予測値=6,605m3

たった一年間で2.7倍!

どうしても信じられません。何かトリックがあるはず・・・

 

水道局の説明では、

その急激な増加の主な要因はSSKで、

その経営方針の転換(今後は造船よりも修繕船部門に力を入れること)によって、

船を洗うための水が大量に必要になるからだというのです。

 

そして、その根拠となる具体的な計算式が、資料2http://www.city.sasebo.nagasaki.jp/www/contents/1358919532357/files/SAI-SIRYOU-01-02.pdf の56ページに示されています。

 

修繕船給水量過去実績表から日量2,206m3という給水量を算出し、

「SSKでは経営方針変更に伴い、修繕船の売上高を約2倍見込んである」から、

倍の4,412m3になるというのです。

なるほど・・と騙されそうになりますが、このページをよーく見てください。

上の方にドック水量の過去9年の平均値は日量331m3とあります。

売り上げが2倍になるなら水量も2倍の662m3くらいになるはずですよね。

ここに巧妙なトリックがありました。

 

1)過去の実績から修繕船1隻あたりに必要な水は、2,693m3だと示されています。

  その水は修繕に要する10.5日間で使われるので、

  一日平均使用水量は2693/10.5=251m3/日です。

  2倍の受注があれば、500m3/日です。

2)水道局が算出した2206m3/日は、修繕船がドック入りした一日目だけです

  一日目に汚れた船体をまず洗うので、その日に大量の水を使うだけで、

  残りの9日間は、一日に51m3くらい、ほんのちょびちょびです。

3)初日に必要な大量の水を溜めておくタンクを備えておけばいいだけのことです。

  2206m3にしろ、4412m3にしろ、それは一日平均給水量ではないのに、

  平均給水量を入れるべきところに、この数値を紛れ込ませたことによって、

  ケタ外れの需要増加をひねり出しています。

 

まさにマジック?

悪質な論理のマジックであり、数字の捏造だと言わざるを得ません。

  

しかも、汚れた船を洗うのに、きれいな上水道水が必要でしょうか?

私たちが洗濯にお風呂の残り湯を使うように、造船所などでも水を再利用していると聞きます。

三井造船では、水道水の倍以上の中水道水を使っています。

三菱造船所も再生水や井戸水を使っているようです。

SSKだってきっとそれなりの工夫をしているはず。

佐世保で一番の大企業、一流企業ですから、CSR(企業の社会的責任)の認識はお有りでしょう。

 

万一それが欠けているならば、

そこを指導するのが水道局の役目ではないでしょうか?

いつも「本市は慢性的水不足!」と嘆いている方がたですから。

 

石木ダム建設促進特別委員会

昨日は久しぶりに、石木ダム建設促進特別委員会を傍聴しました。

以前は水資源確保対策特別委員会という名称で、

石木ダム反対の議員もいて、賛否両論の審議がなされ、水道局の説明も聴き応えがありました。

今は、その名の通り、石木ダム推進派議員ばかりの集まりで、水道局とは同志のようなもの?

批判的or客観的な議論は期待すべくもありませんから、なかなか行く気もおきなくて…

 

でも、昨日は、水道施設整備事業再評価の経過報告について水道局からの説明があるとのことで、

行ってみました。

 

去る1月22日の佐世保市上下水道事業経営検討委員会の議事概要と

配布された資料の中身についての説明の後、

3名の委員から質問と意見がありました。

 

いつになく真剣な、突っ込んだ質問が2つほどあり、

それに対して水道局は次のように答えていました

 

Q: 合併地区の公営民営簡易水道の統合はどうなっているのか?

   この需要予測の給水人口に加算されているのか?

   簡易水道は古くて、維持管理に困窮している。早く統合して欲しい。

 

A: 合併地区の統合は一気にはやれない。

   今回の需要予測は36年度までなので、それまでに統合可能な地域の人口は加算されている。

   合併地区の簡易水道統合の財源については一般会計からとなっているので、

   一般会計のスケジュールに則って、順次やっていく。

 

Q: 委員会審議中に委員長の発言に対して傍聴席から声が上がっていたし、

   閉会後にも会の運営に関して相当批判する声が出ていた。

   委員の一人は顔色を変えていた。今後の審議に影響があるだろう。

   事務局としてどう対応するつもりか?

 

A: 傍聴者には事前にルールを書いたものを渡していたが、ああいう結果になってしまい、

   水道局自身としてもたいへん反省をしている。

   次回以降、委員の皆さんの議論が支障なく進むようにしっかり取り組みたい。

「委員の皆さんの議論が支障なく進むようにしっかり取り組む」方法として、

どういうことをお考えなのでしょうか?

まさか、傍聴者を締め出す?

そんな乱暴なことはお考えではありませんよね?

そんなことをすれば、佐世保市の社会のレベルを下げるだけです。

非民主的な時代遅れの印象を与えるだけです。

(実際そうなんだけど…

 

過去の再評価のように、再評価のための委員会を設置すればよかったのに…

そこに賛成派と同数の反対派の市民も委員として採用すればよかったのに…

16年度の再評価のように、事前にパブリックコメントなど求めればよかったのに…

そのような対応(一般市民の声に耳を傾ける)は何もせず、

自分たちが選んだ推進派が大勢を占める委員会で形だけの審議をして終わり…

それでは、批判が出るのも当然じゃないでしょうか?

 

質問をした議員さんは、そんなこともお気づきではないのでしょうか。

それとも、これは、推進派議員と水道局による小芝居か …?

質問書を提出しました

このところ錆び付いた頭を酷使しながら、

水道局が出した水需要予測の資料と格闘しています。

 

みごとな数字合わせ、まやかしの計算式に、敵ながらあっぱれ・・・

いえいえ、この優れた才覚を是非、未来を守るために使って欲しいものだと残念に思いつつ・・

(その内容については、後日お伝えします)

 

そんなわけで、たいへん遅くなりましたが、水道局からの回答を公開します。

これは1月17日に私たちが提出した要請書に対する回答で、21日にいただきました。

 

 

 

書かれてあることを要約すると、

石木ダム建設事業の再評価実施に際し、

「佐世保市上下水道事業経営検討委員会」に諮問するのは妥当なことだと考えている

その主な理由は、

・同委員会の目的は、水道局の経営のありかたや施策策定に関して調査検討をおこなうことであり、

 中でも石木ダム建設事業はその最も重要な施策である。

・同委員会は、これまで水道事業に関する予算や決算等について審議していただいているので、

 本市の水事情や水道施設の状況について詳しく、学識経験者を含む各分野から構成されている。

 

との考えが示されています。

しかし、私たちが一番聞きたかったこと、また、言いたかったことには何も触れられていません。

 

つまり、委員8名中、4名が石木ダム推進派のメンバーだということ。

(石木ダム促進市民の会会員3名+促進川棚町民の会での講演者1名)

公平中立であるべき第三者委員会が、そんな不公平な構成でいいのですか?

という素朴な疑問です。

その答えが、何もありませんでした。

 

それで、私たちは、1月29日に再度、その1点に絞って質問書を出しました。

 

 

                                             2013年1月29日

 佐世保市水道局

  局長 川久保 昭 様

                                              石木川まもり隊

       

                         質 問 書
 

 去る1月17日、私たちは貴局に対し、「石木ダム建設事業の再評価を、佐世保市上下水道事業経営検討委員会に諮問して行うことは直ちに中止し、新たに再評価委員会を設置して行うことを求める要請書」を提出いたしました。

委員会開催前日の1月21日、たいへんご多忙な中、私たちへの回答を出していただきましたことには感謝しております。

ただ、その中で私たちの質問にお答えいただけなかった点がありました。

それは、要請書の(3)のところで、「佐世保市上下水道事業経営検討委員会」の委員8名の中には「石木ダム建設促進佐世保市民の会」の構成団体の代表者等が3名いることを指摘して、石木ダム建設事業の再評価をするための委員会として、公正中立と言えるかどうかお尋ねしました。

この点について、貴局のお考えを知りたいので、再度質問いたします。
 

1.  委員8名中3名が「石木ダム建設促進佐世保市民の会」の構成団体の代表者等である「佐世保市上下水道事業経営検討委員会」は、石木ダム建設事業の再評価をするための第三者委員会として、公正中立な委員会とお考えでしょうか。

2.  公正中立な委員会とお考えであるならば、その根拠をお示しください。

 

さて、今度はどのような回答が届くでしょうか?

一週間以内に文書での回答をお願いしています。

ということは、来週月曜日?遅くとも火曜日には出していただけるでしょうか。

心待ちにしています。。

 

再評価委員会もどき委員会 第1回開催 

いよいよ始まります。

再評価委員会もどき委員会が。

なぜ「もどき」かと言うと、再評価委員会は第三者委員会ですが、

この委員会は第三者委員会とは呼べないからです。

 

委員8人中4人が、石木ダム推進派で占めていて、

うち3人は「石木ダム建設促進佐世保市民の会」です。

 

その会がやってることは、佐世保市民の税金を使って、

「石木ダムは市民の願い」というバスの車体広告を出したり、

早く工事を再開してほしいと県に陳情に行ったり、

アーケード街で石木ダム建設促進パレードを毎年実施したり・・・

それはそれは熱心なのですから。

ダム工事を早く再開せよという人たちが、

石木ダム事業は継続すべきではないなんて意見を言うはずがありません。

 

そして、委員長を除く7人の構成は、

賛成派:中立派=4:3なのですから、採決すれば答えは事業継続に決まっています。

その上、

委員長は、わざわざ委員全員に平成6年の大渇水の苦労話を語らせたり、

人口が減っても、核家族化による使用量の増加を示唆したり、

あれれ???この方は水道局の方?と勘違いしそうになってしまいました。

 

しかし、残る3名の委員の皆さんは、時々鋭い質問をなさっていました。

  ・安定水源と不安定水源を足せば、水は足りているのでは?

  ・一時的減少が慢性的減少になることも考えられるのではないか?

  ・過去の実績値から見ると、この予測値は明らかにオーバーしているように感じるが…

など。

でも、水道局の説明を聞いて、ほぼそれで納得し、

突っ込んだ再質問が出なかったのは大変残念でした。


一昨年の長崎県公共事業評価監視委員会のときのように、

納得のいくまで質問し問題を引き出してくれる委員の粘りを期待したのですが、

最後に委員長が

「この水需要予測については承認されますか?承認する人は手を挙げてください」と言うと、

なんと!全員があっさり手を挙げてしまったのです。

まさに「全会一致」でした。

 

途中で、ちょっとだけ期待した分、ガックリきましたが、

まあ、予想していたことではありました。

だからこそ、私たちは、この委員会に再評価を諮問するべきではないと要請してきたのです。

 

ところで、今日の水道局の説明で疑問が解けたことが1つあります。 

平成24年度以降の一日最大給水量(青の折れ線)の予測値について、

25年度まではほぼ実績値と同じで、なぜ26年度から急増しているのか?

説明によると

24年度(今年度)は決算の見込みを、25年度は予算を反映させているから

とのことでした。

それって・・・

私には、決算や予算は現実に基づいて提出しなければならないからと言ってるように聞こえました。

裏を返せば、それ以降の数字は非現実的ということになるのでは?

 

この表を見てください。

            H23年度   24年度   25年度   26年度   27年度   28年度   29年度

 
ブルーの欄の数字は、一日平均給水量です。

グリーンの欄は、一日最大給水量。

昨年、つまり23年度実績は、平均と最大の差は9,000トンくらいなのに、

平成29年度の予測では、20,000トンもありますよね。

水需要は最大給水量で考えますから、

最大給水量を大きくするほど不足分が増え、

それを補うにはダムしかないと言えるからでしょう。

 

では、どうやってこの最大値を大きくしてるのか?

それは、上の表の一番下のピンクの欄を見てください。

これは負荷率という数字で、この数字が大きいほど平均と最大の差が少なく、

この数字が小さいほど、平均と最大の差が大きいことを意味しています。

23年度実績の負荷率が88.7%で、24年、25年と同じ率を使っていますが、

26年度からは、80.3%という小さい率を使っています。

その結果、26年度の最大給水量は前年度より1万トンも急増しているのです。

 

試しに計算してみましょう。

26年度の平均給水量は、73,649トンですから、負荷率80.3%を使えば

73,649÷0.803=91,717 になりますね。

もしここで、それまでと同じ負荷率88.7%を使えば

73,649÷0.887=83,032となります。

 

おわかりですよね。

負荷率をちょっと変えることによって、

平均給水量は同じでも、最大給水量はずいぶん違います。

約92,000トンと83,000トンでは、9,000トンもの大差です。

これが、26年度以降の急増のタネ明かし。

 

もう1つの数字の変化を見てください。

   H23年度    H24年度    H25年度    H26年度    H27年度    H28年度

 

これは、工場用水の変化。

1,890トンは平成23年度の実績値。

ここでも、24年度と25年度は横ばいです。

27年度に急増してますね。

前年度の2.7倍!ですよ。

信じられます?1年で2.7倍も水需要が伸びるなんて。

魔法使いじゃあるまいし・・・

 

魔法のタネはここにありました。

大口需要者のSSKが経営方針を変え、修繕部門を強化することにより、

船の洗浄用水が増加するからだそうです。

 

としても…ですよ、信じられます?この数字。

一日に4,412トンも!

現在の佐世保市内ぜ〜んぶの工場用水が1,890トンなのに、

1社で4,412トンも???

 

その結果、工場用水はこのように、まるで崖を駆け上るように上昇する予定なのですって。

 

仮に、この予測が正しいとしたら、それはそれで、問題なのではないでしょうか?

船を洗う水は、上水道でなければならないでしょうか?

それこそ再生水の出番ではないでしょうか?

佐世保市では、再生水の利用者が少なく、毎日何万トンも海に捨てられています。

 

経済産業省の調べによると、

工業用水は1980年以降減少していて、それは水のリサイクルの進展が原因。

昭和40年は36%だった水の回収率が、平成21年には79%に達したそうです。

 

SSKさんも大企業ですから、水資源の大切さは十分おわかりのはず。

市水道局から高い水道代を払って、

飲み水用のきれいな水をすべての洗浄に使うのではなく、

再生水で可能なところは、リサイクルした水で省資源、省コストを目指していかれるはず

 

やっぱり今回の需要予測も、過大でしたね〜 

委員の皆さん、そう思われませんか? 

 

形だけの再評価委員会 水道局に中止要請

昨日(1月17日)、佐世保市水道局に申し入れに行きました。

何を申し入れたか?

  今やろうとしている再評価のための委員会開催を中止すべきと。

なぜ?「石木川まもり隊」は再評価委員会を開催して公開の場で議論すべきと言ってたのに?

  そう。真剣に公正に議論して欲しい。今もそう願っています。

  でも、そのためには石木ダム事業の再評価のために設置された委員会でなくてはならない。

  常設の「佐世保市上下水道事業経営検討委員会」ではダメなのです。

なぜ?

  経営検討委員会にはダム事業の識者と言える人はいないし、

  この方たちは佐世保市水道局の経営に関して検討してこられた方々で、

  その経営方針の中に石木ダム事業はすでに盛り込まれているのだから、

  石木ダム事業の存在を前提に議論なさってきたわけです。

  石木ダム事業そのものを考える場合に、完全な第三者とは言えないでしょう。

  その上、もっと重大な問題があるのです。

重大な問題?

  そう。公正な再評価をするには公正中立な委員会が求められますが、

  同委員会はとても中立とは言えません

なぜ?

  委員8名中、石木ダム建設促進の立場の人が4名もいるのです。

  佐世保市には「石木ダム建設促進佐世保市民の会」という組織がありますが、

  その構成団体の代表格の人物が3人と、

  川棚町に「石木ダム建設促進川棚町民の会」が結成されたとき、

  その設立総会でダム推進の講演を行なった人物もいて、

  計4人、つまり半数の人が石木ダム推進派なのです。

  これでは結果は見え見えでしょ?

  水道局は、あまりにも、再評価の意義を軽んじています。

 

申し入れ書の全文はこちらです。

 



申し入れについては、水道局に事前通告していましたが、約束の時間に行くと、

水道局長も部長も会議中で、終了後も予定が詰まっているので、会えないとのこと。

私たちは今回は大事な申し入れなので直接局長に渡したいと粘り、1時間弱待ちましたが、

結局、局長にも部長にも会えず、いつなら会えるという約束もしてもらえず、

事業部副理事に読み上げて手渡しました。

その後、2〜3の要望や質問を口頭で伝えましたが、

何を言っても、「伝えます」「私には答えられません」を繰り返すばかりでした。

申し入れへの返事を、せめて委員会開催予定の前日(21日)までにはとお願いしましたが、

副理事は、それも「伝えます」としか言いませんでした。

 

こんな不誠実な対応は、佐世保市水道局員らしくありません。

それだけ焦っているということでしょうが・・・

 

急増と予測

昨日の長崎新聞に、石木ダム再評価に関する記事が大きく掲載されていました。

 

「水需要 急増と予測」

という大きな文字が、市の評価を、一目瞭然に語っています。

    

市水道局が公表したその予測について、わかりやすくていねいに解説されていますが、

ポイントとしては、以下のような点に集約されるでしょう。

 

☆ これまで年々減少している水需要が、今後は急激な増加に転じる

☆ 2024年度の一日最大給水量は、昨年度実績に比べ、約25,000トン増になる見通し

☆ 前回の予測も右肩上がりで増えるとしたが、実績は予測に反して減少した

☆ 今回の予測は生活用水では前回より少なく見積もるなど、現状を一定反映させた

☆ だが市町合併に伴う給水人口の拡大や、工業団地整備による工場用水量増加などに伴い、

   結果的に水需要は増加すると予測した。

 

その通りです。

前回も、前々回も、いつも水需要予測は過大で、現実離れしていました。

その反省をするどころか、

今回も水需要は増加するという。しかも急激な増加!

その予測に基づいて多額の費用(税金+水道料金)をかけ、ダムを造り、

でも、やはり水需要は伸びませんでした〜

となったら、その無駄遣いは誰が責任取るのですか?

水道局長が返してくれますか?

朝長市長が返してくれますか?

一般企業なら有り得ないことです。

何回も同じ予測ミスを犯していながら、その責任も取らずに、事業を継続するなんて・・・

 

 

再評価のための第三者委員会開催決定

昨日、佐世保市水道局のHPに次のような情報が出されました。

 

    石木ダム建設事業の再評価における学識経験者等からの意見聴取について

本市の最重要施策のひとつであります石木ダム建設事業につきまして、本年度は厚生労働省の国庫補助継続の要件であります事業の再評価の実施年度となっております。この再評価の実施に当たっては、学識経験者等の第三者からの意見を徴すこととされていることから、水道局の経営や施策について総合的に検討するために常設している「佐世保市上下水道事業経営検討委員会」に対して諮問し、第1回目の審議を下記の日程で行うこととなりましたのでお知らせします。

 なお再評価の概要については別添の資料をご参照くださいますようお願いします。
 
 
                          記
 
 
         1 日時  平成25年1月22日(火)13:00〜16:00
 
         2 場所  JA会館6階 大ホール(松浦町2−28
 
 
え?
 
ついに再評価のための第三者委員会を開くことになったの?
 
それは良かった〜と喜ぶのはチト早い。
 
常設している「佐世保市上下水道事業経営検討委員会」に対して諮問すると書いてあります。
 
常設している?つまり石木ダム事業の再評価のために集められた「学識経験者」ではないらしい。
 
では、どんな方々が委員なのだろう?
 
現在の委員についてはわかりませんが、この委員会が設置された平成20年度の委員名簿によると、
 
     大学教授、ハウステンボス役員、ホテル旅館協同組合理事長、
     商工会議所事務局長、町内連絡協議会理事、社会福祉協議会コーディネーター等々、
 
とても水道事業に精通している方々とは思えません。
 
もし今も同じような方々が委員だとしたら、
 
その方々がどうやって石木ダムについて再評価できるとというのでしょう?
 
水道局が提供する専門的なデータを見て、それに反論することはおろか、
妥当なのかどうか判断することさえ難しいのではないでしょうか?
 
 
そうそう、そのデータや資料も添付されていました。
 
第1回目は水需要予測について検討するようですが・・・
 
 
あらあら、相変わらず、水需要は右肩上がりなんですねー
 
人口は減り続けるのに、水の使用量は増えるという不思議・・・
 
しかも、今年度と来年度は昨年度とほとんど変わらず横ばいで、26年度から急増する?
 
なぜでしょうねー
 
 
次ページにいろいろ理由付けは書かれています。
 
専用水道への配慮新規事業所工業団地の開発
また、造船企業の経営方針転換により使用水量が増加等々。
 
 
それにしても、今後13年間で、工場用水は現在の約5倍!ですよ。
 
平成23年度の工場用水=1,890トン/日
平成36年度の工場用水=8,979トン/日
 
 
佐世保の未来は明るいのですね〜
 
人口は減っても、工業は発展し、経済も潤うのでしょうね〜
 
万々歳ですね〜
 
 
そんな話、本気で信じられます?

 

住民の声に耳を傾けて

昨夜は、今年最初の「石木ダム建設反対連絡会」でした。

あのオンボロな(失礼!)川原公民館で、

ストーブの音は轟轟と鳴っていても、コートを脱げない寒さの中での会議。

特に大きな議題はなく、

佐世保市水道局による石木ダム事業の再評価の状況についての説明がメインでした。

そして、みんなのもう一つの関心は、新政権によってダムに関する政策はどう変化するのか?

石木ダムはどうなるのか?

 

どこが政権取ってもおんなじ。

民主党政権になったときはホントに期待したけど、

結局なーんも変わらんかったですもんね。

こうやって50年間闘い続けても何も変わらない・・・

と、地権者の一人S子さんがしみじみつぶやきました。

続けて、

      でも、今は私たちだけでなく、こうして皆さんも一緒に闘ってくださるから

      本当にありがたいです。心強いです。

と。

 

私たちは、心の中で、その言葉に感謝しながら、

地権者の皆さんと共に、今年も私たちにできることを精一杯頑張っていきたい…

と思ったのでした。

 

ところで、熊本県の立野ダムに関する新聞投稿記事を紹介します。

1月9日付の熊本日日新聞に掲載された読者投稿文で、

水源連のMLで目にしたのですが、とても共感しましたので、

転載させていただきます。

 

     双方向性欠く公聴会は疑問
                          赤木光代(熊本市)

 昨年9月、立野ダム建設事業の検証結果に関する公聴会
(国土交通省主催)が南阿蘇村で開催された。白川流域住民
として立野ダム建設はふに落ちないという意見発表をしたい
と思い、受付で申し込んだところ留意事項という書面を渡さ
れた。ダム建設を妥当とする素案に対し、公聴会で出された
意見については、個別に答えることはできない旨が記され
ていた。
 情報公開法の趣旨は、行政機関の説明責任である。同法
施行から10年以上たつ。住民の意見に対し、このような
問答無用の姿勢では、説明責任が果たされたとはとても
思えない。
 1997年制定の改正河川法では、河川行政に関し、住民
参加と環境への配慮を義務づけている。素案は、国、県、
流域7市町村長で構成する「検討する場」で提示された。
しかし、県知事選をはじめ、各首長の選挙で争点化もされ
ていない。住民の合意なき、とりまとめである。
 一方向だけの公聴会ではなく、住民の疑問・質問に
答える双方向性のある集会の開催で、合意を図るべき
と考える。

本当に、その通りだと思います。

国交省は改正河川法を制定した頃の初心に戻って、真摯に取り組んでほしい。

住民の声にきちんと耳を傾けてほしい。

法律や河川工学や経済など、各分野の専門家、有識者?の意見を聴くことも大切ですが、

固有の川、○○川そのものについての一番の識者は、やはり流域住民なのですから。

その住民の疑問にはとことん答えて説明責任を果たすべきだし、

住民の意見も取り入れてこそ、

みんなの責任で、末永く、川を守っていけるのです。


中村知事は、昨日、諫早湾開門問題で林芳正農相を訪ね、

地元の理解が得られない中、一方的に開門準備を進める姿勢を直ちに見直してほしい

と要請しましたが、

その知事に私たちも言いたいです。

地元の理解が得られない中、事業認定手続きを進めよと国に迫るのは見直してほしい!