ここがおかしい!広報させぼ「渇水の歴史と石木ダム」

8月のさせぼ市政だより『キラっ都させぼ』で朝長市長は、今まで以上に石木ダムの必要性を熱く語っていました。https://www.youtube.com/watch?v=s0RshY10Dts

「佐世保水道の歴史は渇水との闘いの歴史!」「2年に1度は渇水の危機が訪れている」「予定通り石木ダムができていれば、平成6年の大渇水以外は全て回避できた」と。

また、『広報させぼ』9月号は「水を大切にする日2022」の特集記事を掲載しましたが、その中身は、過去の大渇水と石木ダムの重要性を強くアピールするものでした。https://www.city.sasebo.lg.jp/soumu/hishok/kohosasebo/documents/2022090205.pdf

さらに広報させぼ動画版『みてみゅー』で、その渇水について3人の方の苦労話を紹介するという念の入れようです。https://www.city.sasebo.lg.jp/soumu/hishok/koho_r0409.html

さすが!行政のやることはすごい!全世帯に配布する広報紙と、テレビやネットを使えば、ほとんどの市民に情報伝達できますね。(その費用は私たち佐世保市民の税金ですが)

写真を多用し、とても見やすく分かりやすい構成になっているので、「ふーん、そうなんだ~」「そういうことなら、やはり石木ダムは必要だねー」とつい納得してしまう市民も多いかもしれません。

でも、よくよく見れば、疑問点や問題点が満載の記事です。どこがおかしいのか、一緒に考えていきましょう!

疑問その1.「2年に1度 渇水危機に直面」ってホント?

「延長となった46年間で既に20回渇水危機に直面」しているとありますが、その20回のほとんどは節水広報等の実施であり、実際の給水制限に至ったのは3回だけ。しかも、その3回の中で時間給水(断水)に至ったのは1回だけ。他の2回は、市民の多くが気づかなかった程度の減圧給水で、市民生活にほとんど支障はありませんでした。つまり、時間給水をしなければならないほどの深刻な渇水は46年間にたった1回だけだったのです。

ちなみに、平成30年の場合は、市内のダムの平均貯水率が79.3%になった時点で、水道局内に渇水対策本部を設置したと記者発表。この記事の「佐世保に渇水対策本部 市水道局、節水呼びかけ」という見出しだけを読んだ人は「また渇水か・・」と不安に思ったでしょうが、きちんと本文を読んだ人は「79%で渇水対策本部?!ちょっと大げさじゃない?」と驚いていました。実際その2日後にまとまった雨が降り、貯水率が一気に回復し、杞憂だったね~と語り合った記憶があります。

 

疑問その2.有収水量の推計値は横ばいなのに、なぜ新たに4万㌧もの水源が必要なの?

Point1のグラフを見ると、各用途別の有収水量の推計値は全て横ばいで、合計の有収水量も横ばいです。20年後も水の使用量は増えないということであれば、石木ダムを造って新たに4万㌧もの水を確保する必要性がわかりません。

20年後に4万㌧不足しているのであれば、今も4万㌧不足しているはずで、近隣市町から水を融通してもらっているのかな?いえいえ、そんなことはありません。いま佐世保市が保有している水源で賄っています。

推計値を出す前に押さえておかなければならない大切なことは、過去の実績です。


実は佐世保の有収水量は過去20年間に14%も減っています。

水需要の減少は日本全国共通の事実です。

国の予測では、50年間に40%も減少するようです。

理由は人口減少と節水機器の普及です。佐世保だけが横ばいというのは、ほぼ有り得ない予測なのです。

 

疑問その3.本当に水源確保の方法は石木ダムしかないの?
Point2で「水源確保の方法は石木ダムしか残っていない」と書かれていますが、果たしてそうでしょうか?

前述したように、通常は今の水源で足りています。しかし、渇水に備える努力は大切です。雨水や再生水の利活用に努めている自治体もたくさんあります。雨水貯留施設を造ったり、雨水タンクの購入に助成金を出したり、再生水をトイレに流す中水道を整備したり・・

そのような対策こそ「水を大切にする」ことであり、世界中で取り組んでいるSDG’sの理念に沿った対策です。佐世保もぜひ実施してほしいものです。

また、いざ渇水となった時に備える対策としては、佐々川からの水利権を取得していれば安心です。あの大渇水のときでも佐々川から一日約1万㌧の水を取水していました。現在は渇水時に5,000tの水を菰田ダムに補水していますが、これを1万㌧にしておけば安心です。

水利権を管理する長崎県は「佐々川には余分な流量はないので新たな水利権は与えられない」と言っていますが、そんなはずはありません。佐々川には農業用の水利権がかなりありますが、農業人口が減少し、耕作放棄地も増え、今では佐々川の水はほとんど使われていません。

かんがい用取水施設「東部かんぱい」には日量21,900㌧もの水利権が与えられていますが、実際に取水したのは、2000年~2020年の21年間でたった6年だけです。残り15年は取水ゼロ!日数にすると、取水したのは7670日の中の72日だけ、平均取水量は、21,900㌧のうちの3,300㌧ほどでした。

また、数年前に廃止になった相浦発電所の水利権4800㎥/日の余裕も生まれているはずです。

一方、佐々川の近くには佐世保地区以上に水源が乏しい小佐々地区があります。(2006年に佐世保市と合併しましたが、飛び地になっていて、水道は町時代のまま)使われていない水利権を必要としているところに転用するだけで、水不足は一気に解決し、地域の皆さんは安心して暮らせます。

県が水利権の転用を頑なに拒むのは何故でしょう?水不足が解消すれば石木ダムの必要性が失われることに繋がるから?

水不足解消のためにダムを造るのではなく、ダムを造るために水不足の解消を妨げている・・・少なくともそんな疑念を県民に抱かせるような公共事業であってはなりません。

疑念払拭のためには、このように一方的な情報発信をするのではなく、県も市も、意見交換会や公開討論会等々、ぜひ市民と直接対話できる場を設けていただきたいものです。

大石知事のように朝長市長も、石木ダムは要らないと考えている市民と対話してみませんか?そして、佐世保の水問題を解決するために、市と市民が共に考えていけたらいいですね。

 

 

 

 

 

オンライン署名にぜひご協力ください!

石木ダム建設は説明不足。長崎県は一度立ち止まり、
公開討論会を開いてください。(Change.org)

ほかにも、こうばるを守るためやっていただけることがあります。

→あなたにできること

「ここがおかしい!広報させぼ「渇水の歴史と石木ダム」」への1件のフィードバック

  1. かたくなに建設反対反対と言ってるようにしか見受けられません、住民みんなのためになればというような気持ちが全く感じられないのは県民として恥ずかしいです企業誘致をするにも企業は工場は水が必要ですそういうことも考えてください自分の子供達が地元を離れて出ていくのはそういうことも関係してると思います。

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