立入調査阻止行動2日目

今日は立入調査阻止行動の2日目です。

午前9時過ぎ、先週金曜日と同じように、石木ダム建設事務所長以下職員数名が、強制収用のための測量調査の「お願い」にやってきました。

このように、冒頭、県職員による私たちへのビデオ撮影行為に皆が抗議しました。

止めろと言われてもしばらく撮り続けていたMさん。

当然上司の指示だったと思いますが、県はなぜこのようなことをしたのでしょう?

 

阻止行動の参加者個人を特定し、このうち地権者が何人いるとか、

地権者の〇〇家からは参加者がいなかった、あそこは落とせるんじゃないか?

などと吟味するためでしょうか?

 

それとも、参加者の中で地権者ではない人物をブラックリストにアップして、

非県民としてマークするためでしょうか?

秘密保護法や共謀罪が押し寄せてくる昨今ですが、

日本の民主主義はいよいよ危うくなってきたような気がしてなりません。

 

そんな中、川原の地権者の皆さんは、

権力を恐れず、果敢に意思を貫いて生きている!

その姿が感動を与え、共感を呼びます。

 

ダム事務所長から意思の再確認を求められた4人の地権者が、

今日もきっぱりと拒否しました。

「〇〇です。絶対ダメです。造らせん!帰れ!」

「最初国が造るて言うた? 始めたとは県やろ?なんが法か!」

(「事業認定」を錦の御旗のように持ち出す県に責任転嫁はするな!という意味の発言)

「測量は絶対反対です!所有者が立ち会わなければ意味がない。やっても無駄ですよ」

 

こうして、4人の意思を確認した所長は、このことを知事に伝え県の判断を仰ぐ、

その結果は午後伝えに来ることを約束して引き揚げて行きました。

 

そして、午後1時半。約束の時間に所長たちはやってきました。

 

明日からの測量調査はしないと明言!

しかし、付替え道路工事は「やる」と、これまた明言。

 

すべて予定通り。

30日から暑くて長い闘いが始まります。

心配なのは川原のおばあちゃんたち。

今日、所長の前に出て「絶対造らせん!」と言ったおばあちゃんも、言葉ほどお元気ではない。

午後、第一ダム小屋から歩いてきたおばあちゃんは、苦しそうに肩で息をしていました。

木陰に置かれたイスに座って「心配せんで大丈夫。休めば平気」と笑顔を見せてくれましたが…

 

このおばあちゃんたちの意志の強さと思いの深さが、県にはなぜ届かないのでしょうか?

 

 

 

25日の立入調査 阻止

今日の「立入調査」阻止行動はわずか10分ほどで終わりました。

県の職員(石木ダム建設事務所長他)がやって来てから帰るまでの一部始終が、この動画に収められています。

 

福岡から2時間半かけて応援に来たIさんにとっては、あっけない阻止行動だったことでしょう。

でも、県外からの弁護団が到着したのは終了直後で、こちらはもっと唖然となさったかも・・

 

しかし、10分が短すぎるとは思いません。

1分でもいいし、そもそも来なくてもよかったのです。

立入調査はお断りすると、7月17日県庁で、地権者は明確に伝えていたのですから。

が、そこは手続きを最重要視するお役所のこと、どうしても当日もう一度現地でお願いする必要があったのでしょう。

 

そして今日、地権者の意思をあらためて確認したわけですから、

来週28日〜31日は、もう来る必要はないはずですが・・・

終了後記者の一人が、地権者の思いを無視するのか?と質問すると、

石木ダム建設事務所の古川所長は、

無視するわけではないが、この手続きは法律で認められていることなので来週また来てお願いする、

また、皆さんの疑問については、別の場できちんと答えていく、

などと返答していました。

 

話し合いをしながら一方で、強制収用の手続きを進めたり、ダム建設に繋がる工事をやるという、

そこのところが地権者の皆さんや私たちの考えと相容れないところです。

 

まず話し合いを徹底的におこなうべきだと思います。

その中で初めて地権者の理解が得られる可能性が生まれるのです。

お座なりな形だけの話し合いをいくらやっても理解が得られるはずはありません。

決してそうではない、誠心誠意説明すると県は言いますが、

話し合いの裏でダム有りきの態度を見せつけられたら、どうして素直に向き合えるでしょう?

そんな、ごく普通の感覚が、行政の皆さんには理解してもらえないようで…残念です。

 

 

第2ダム小屋設置!

今日の長崎新聞です。

昨日、石木ダム建設絶対反対同盟が小屋を設置したと報じています。

 

小屋が建てられた場所は、今回県が強制収用を狙っている場所です。

ダム建設予定地の中にあるダム反対地権者13世帯が所有する土地の中でも、

4件だけが今回(9月8日がタイムリミット)の収用裁決申請の対象となるものです。

その土地にこの小屋が建てられたのです。

 

ここは強制収用反対の拠点となるでしょう。

この小屋が壊されるのは、強制収用され、行政代執行されるときです。

私たちは、それを許すまいとここに集まり、この小屋を守ろうとするでしょう。

それでも重機を使って、この小屋を壊すのか?

権力で住民の暮らしを捻り潰そうとするのか?

県の意思が問われ、県民の前に可視化されるでしょう。

 

その時が来るまで、ここは阻止行動の休憩所となるようです。

 

前からあった第1のダム小屋はこちら。

1982年の強制測量の時以来、ずーっと県の動きを監視してきた小屋。

今や川原のおばあちゃんたちのサロンと化していますが・・・

ここには、こんな看板も掲げられています。

あの下筌ダムに反対し、蜂の巣城を築いて最後まで闘った室原知幸さんの言葉です。

まるで返り血で書かれたような真っ赤な文字が、胸にグサリと刺さります。

 

知事、佐世保市長、河川課長に、この言葉を贈りたい…

 

県に怒りの抗議!

午後3時過ぎ、県庁玄関前に、地権者と支援団体が集まりシュプレヒコールを繰り返しました。

 石木ダムは要らないぞー!

 石木の美しい自然を壊すなー!

 強制収用は許さないぞー!

何度も何度も繰り返しました。

そして、地権者の一人はマイクを持つと、県庁の建物に向かって、

「私たちは納得のいかないダム建設には死んでも反対します!」と叫びました。

 

私たちの前には、マスコミだけでなく、数人の河川課職員が取り囲んでいました。

地権者は、抗議文を渡すから責任者を呼んでほしいと言いましたが、

知事だけでなく、2人の副知事も、土木部長も誰もいないとのことで、

第2庁舎へ案内されました。

 

移動する間は、さながら短いデモ行進となりました。

 

用意された会議室で待っていたのは、河川課長と企画監でした。 

まず弁護団副団長の板井弁護士から、

知事は話し合いをしたいと言ってたのに、測量を始めると発表したと聞いているが、

それについての事実関係はどうなっているのか説明を求めました。

 

河川課長:11日の川原公民館での話し合いのとき、知事は冒頭、話し合いもしていくが、

  裁決申請まで残り少なくなっているので、事務手続きは進めさせていただきたい。

  また、付け替え道路工事も近々に始めさせていただきたいとお願いしました。

 

地権者:立ち入り調査の話は聞いていないし、お願いを聞き入れるわけにはいかない。

  私たちは何度も言ってるように、必要性のないダムを認めるわけにはいかない。

 

弁護団:地権者はお願いを受け入れないと言っているんだから、それでいいですね。

 

課長が「いや、今の発言者は今回立入調査の対象となっている該当者ではないので…」

と言うと、該当の地権者4人が立ち上がって次々に意思表示しました。

 

該当者:Aです。立入りはイヤです。

該当者:Bです。ダメです。

該当者:Cです。絶対ダメです。

該当者:Dです。絶対ダメです。

 

弁護団:このように、立ち入りに対しては、4人全員イヤだと言ってます。

  それはまず理解して下さい。それでもなおかつ実力で入りたいということなのか? 

課長:実力で入ることはしない。

  敷地に立入はしなくても周辺からの調査はさせて頂きたいので、現地には行きます。 

該当者:周辺から見られるのもイヤです。

課長:とにかく、現地へ行き、現地でもう一度お願いさせてください。

 

どんなに拒否されても行く姿勢を崩さない課長に対して、堀江県議が発言しました。

堀江県議:議会で知事はいつも言ってますよ。地権者に「誠心誠意対応する」と。

  あなたの発言はその対応になってないですよ。

  25日に行くことになっているので行きますという主張ばかりでは、ダメです。

  今日あなたは地権者から立入を拒否された。こんなに抗議を受けた。

  抗議文を持って帰って「部内で協議します」と言わなければ!

 

そこでやっと、

 「事業が要らないと考える地権者の疑問に対し、合理的な説明ができないまま

  土地収用の手続きを進めていこうとする行動に強く抗議するとともに、

  立ち入り調査の撤回を求める」

などとする抗議文が読み上げられ、課長に手渡されました。

 

課長は「知事に報告し、検討します。その回答は来週、25日前に提出します」

と約束しました。

 

最後に地権者から、

・付替え道路工事はダム建設に繋がる工事なので、私たちは反対である。

・知事は着工の1週間前には連絡をすると以前約束したので、それは守ってもらいたい。

 (強制測量の時も前回の付替え道路工事の時も、約束を破って事前連絡をしなかった)

・今年は国体がある。その年に強制収用などしたら大変なことになる。

 国体の会場で石木ダム問題が日本中に知れ渡り、長崎県は大恥をかくだろう。

などのメッセージを知事に伝えるようお願いして、抗議行動を終えました。

 

地権者の怒りの10分の1でも県に伝わったでしょうか?

奪う者と奪われる者の立場の違いをまず理解してほしい。

抗議文と共に、地権者の思いを、知事はしっかり受け止めてほしい。。

 

地権者 草刈交渉

5月27日、川原公民館にて、地権者と県側の交渉が急きょ持たれることになりました。

テーマは「草刈」

実は5月19日の県庁での話し合いの最後に地権者から草刈要望が出されていました。

県が買収済みの用地の草刈は、これまで年に3回おこなわれていたのに、今年はなされていない。

草刈りをしないと、田植えができない。早くしてほしいというものでした。

 

それに対して、2日後の21日付で県はこのように回答してきました。

 

 

つまり要点はこうです。

1.草刈は協定に基づくものではなく、これまで任意に対応してきた

2.地権者による3月6日の県職員への阻止や、今後の工事への阻止予告等を考えると

  草刈り作業にも支障が出そう

3.予算の問題

4.石木ダム以外の他の管理地とのバランス(他所では年に1〜2回か2年に1回)


などの理由から、「これまで通り実施していくことは難しい」と答え、

逆に、県側からのクレームさえ述べています。

これには、地権者も呆れ、即交渉することになりました。

なぜなら、もうまもなく田植えの時期です。

今週末のホタル祭りが終われば、すぐに始まるのです。余裕はありません。

 

県側からは石木ダム事務所の所長、建設課長、用地課長など5人がやってきました。

所長の説明によると、

 

・買収地内の管理義務は確かにあるが、草刈りをしなければならないという法的な規定はない。

・が、全くしないと言っているのではない。

・確かに平成13年度から年に3回という暗黙の了解でやってきたのに、何故今年は違うのか、

・それは、回答書にもあるように、阻止行動、予算、他とのバランスなどが要因。

 

これに関して地権者は大いに反論しました。

阻止行動について

・3月6日のことは阻止行動ではない。県の職員に説明を求めただけ。

・私たちが説明を求めて何回県庁に行って対応してくれないので、やってきた県職員に求めた。

・3月6日以前に、今年度予算に草刈の予算は計上していないではないか。

 以前から決めていたことであり、あの日の出来事を理由にするのはおかしい。

 

予算について

・年間約500万円の予算が必要というが、それこそ石木ダム地域対策費を使うべき。

 草刈は米作りをする農家にとって、必要最低限のこと。

・買収済み世帯には新たに1世帯200〜300万円も渡していて、こちらに使うお金はないのか?

・佐世保市は草刈するなら応分の負担の用意はあると言っている。

 

他とのバランスについて

・税金を使ってやるので他とのバランスを考えねばと言うが、ここは他と違う。

 それがわかっているから今まで3回やってきたではないか。

 今年に限ってやらないというのはイヤガラセとしか思えない。

・そうじゃないなら、今まで通り年3回やってほしい。

 

所長の方から年に3回やる理由を問われ、地権者は、

・春=田んぼに草の種が飛散しないよう、必ず田植え前におこなう

・夏=虫の被害を防ぐため

・秋=イノシシ対策

と説明。(私も知らなかったので勉強になりました)

 

また、地元の人はもっと頻繁にやっている。

しかし、そこまで無理は言えないので、最低3回やってほしということ。

それができないと言うなら、

ヤギを飼う(ヤギが草を食べ、イノシシも出ないらしい、他所での実践例あり)とか、

昔のようにコスモス畑にするとか、除草マットを敷くとか対策を考えたらどうか。

今回草刈ができずに田植えもできないことになったら、どう責任をとるのか?

 

との追及に、

「今回は早急に取り組むが、年に3回という約束はここではできない」と所長。

 

地権者から、

「よっぽど河川課長から釘をさされとるんやろうね。

 しかし、あんたは県職の中で地元の事情を一番知っているでしょう?

 あんたの一言でどうにかならんとね?」と言われ、

所長は「ならんけん、ここに来とるとです」と。

 

そして、

・3回については検討課題にさせてもらう

・今回の草刈に関してはすぐに取り組むが、手続き2〜3日はかかる

・場所の優先順位をつけて、なるべく田植えに支障のないよう努力する

ということを約束して、解散となりました。

 

それにしても、長崎県は、河川管理者としてだけでなく、

買収した土地の管理者としても失格と言わざるを得ませんね〜

周辺住民にこれだけ迷惑をかけているのですから。

 

住宅街に住むゴミ屋敷の住人と似たようなものですよね・・・

 

 

佐世保市民は「受忍の限界」?!

昨日は佐世保市水道局による第3回説明会。

今回の質問は、24年度石木ダム再評価で示された新たな水需要予測の中の生活用水についてです。

 

将来の需要予測をたてるためには、まず過去の実績値のデータ分析をしますが、

その分析結果の表現に私たちは疑問を呈しました。

少ししか減ってないのに「激減」と書かれていたり、

横ばいなのに「増加」と書かれていたり、

表現が恣意的ではないかと指摘しました。

はじめ水道局は色んな説明をしながら、水道局の立場から見るとそのような見解になる。

決して恣意的なものではない、と答えていましたが、

その数値を水道局自身がグラフ化したものを見せ「これでも増加していますか」と問うと沈黙…。

 

続いて、

生活用水が全国平均より少ないのは市民が我慢をしており、一般的な受忍限界を超えている

という表現について、市民の意識調査をしたのかと弁護団が尋ねました。


水道局自体はおこなっていないが、

市がおこなっている意識調査の中の水に対する不満度があり、

平成19年度には14.1%、平成24年度には11.5%あった

としながらも、

その不満の要因は「水不足が心配」だけでなく「水道代が高い」とか「水が美味しくない」

とかも入っている

とのことで、全く根拠になり得ません。

 

ここで「石木川まもり隊」がおこなった街頭アンケートについて紹介し、

「水不足で困っているか」の問いに、9割以上が「困っていない」と答えたことを伝えました。

手元に資料がなかったので、94%という正確な数字を言えなかったのが残念!

 

また、Mさんご夫婦が

我が家では井戸水も使っているので水道の使用量は一般家庭の半分ほどです

うちの近所はほとんど井戸水を使っています」などと証言し、

ここでも「受忍の限界」という表現の不適切さが浮き彫りになりました。

 

明らかに意図的、恣意的な分析がなされ、

その結果としての需要予測は現実とは大きく乖離したものですが、

それを確認しても、県の時のような怒りの声はあがりませんでした。

なぜでしょう?

 

それは、水道局長はじめ職員の皆さんの発言の中に、

地権者の皆さんに申し訳ないという思いが、なんとなく感じられる。

口先だけでなく、そんな思いがにじみ出ている、伝わってくるからでしょうか。

県とのやりとりでは、ヤジを飛ばしっぱなしのMさんも、昨日は一言も無し。

地権者の話を真剣な眼差しで聴く水道局の皆さん

 

最後に地権者のお一人からこんな発言がありました。

「ここに来ると、水道局の職員の皆さんは誰もが私たちに挨拶をしてくれる。

 県の対応とは全然違う。県は挨拶もせんですよ。

 座ることもできない狭い部屋に押し込められて申し入れしたこともありました。

 皆さんも県に圧力をかけられているんじゃないですか?

 圧力に屈しないでください!」

 

会場からは拍手がおこり、ちょうど終わりの時間となりました。

 

次回もまた、実りある説明会となりますよう…


 

なぜ県は一人一人にこだわるのか

予想通り、今日も知事は出てきませんでした。

知事が会いたい、会って話したい、理解を求めたいと言ってきた地権者が知事に会いに来たというのに…

おかしな話です。

そこで地権者を含む6団体は知事に対する抗議&要請文を手渡しました。

 

(以下、抜粋)

 

私達は、川原地区に居住する地権者に直接お会いしたいという知事の要望を受け、貴県まで足を運びましたが知事は私達と会おうとしませんでした。知事が顔も出さなかったこと,及び,回答書において知事が出席しない理由について一切説明がなされなかったことに強く抗議致します。

知事自身が作成された手紙の中で地権者に対し石木ダム建設への理解を求めていましたので、私たちは石木ダム建設の必要性を理解できるように説明を求めました。しかし、河川課の回答は「改めて事業の必要性の観点まで遡って議論し直すことについては、県として、そのような提案に沿いかねる状況にあります」というものでした。私達に対して説明を拒否するということは、私達にダム建設の必要性を理解してもらう必要はないとお考えなのでしょうか。

私達は、知事はそのような考えではないと思っていますので、私達のダム建設に対する疑問(公開質問状記載のとおり)に対し誠実に説明をしていただきたいと思います。改めて,知事自身による私たちの公開質問状に対する説明を実施頂くことを要望致します。

また、知事が希望されている面会については、日程調整の上、貴県東彼杵郡川棚町川原のこうばる公民館にて説明・面会の場を設けたいと思います。日程調整の連絡は下記連絡先にお願い致します。

 

つまり、地権者や私たちが求めているのは、

①石木ダムの必要性について、地権者の疑問に答えてほしい。

②それについて、知事と直接話し合いたい。

13世帯一緒に、その説明を聴きたいし、公開の場でおこなってほしい。

というものですが、

 

それに対する県の見解は次のようなものでした。

必要性については説明会、ダム検証、事業認定の第三者機関など様々な場で議論されてきたので、今さら改めて議論し直すことはしない。ダム計画を白紙に戻すことはない。

②皆さんの質問には、知事ではなく担当部署から答える行政のやり方で、それが妥当。

③13世帯それぞれに事情もお有りだろうしプライバシーの問題もあるので、個別にやりたい。

 

そこで、地権者と弁護団は、このように反論しました。

計画を白紙に戻せという要求ではない。疑問点があるので、それに答えてほしいというもの。

そちらとしてはこれまでも説明してきたかもしれないが、まだ理解できない部分があるので教えてほしいと言っている。その疑問に答えるのはあなた方の義務ではないのか。

②具体的な質問には確かに担当者の方が詳しく正確に説明できるかもしれない。内容によってはあなた方が答えても構わない。が、そこに知事がいてその内容を共有することが大事であり、それに基づいて判断するのが知事の役目。第一、知事が会って話がしたいと言っているのだから。

③われわれ地権者は13世帯揃って知事の話を聞きたいと思っている。プライバシーの心配などしてもらわなくてよい。

 

浅野和広新土木部長は、

地権者の疑問点に対し説明することについては理解を示しましたが、

その説明の場に知事が同席することや、個別ではなく一堂に会しての話し合いには、どうしても難色を示し、持ち帰って検討すると答えました。

 

終了後、記者団には、「できれば知事に会って頂いて個別にお話ができたらと思っていますけども、(団体で会うことについて)ご意見はご意見で、一回持ち帰らないといけないなとは思っています」と答えていました。

 

なぜそれほど個別に拘るのか?

なぜ一緒ではいけないのか?

各家庭の事情などよけいな配慮はしなくていいと地権者本人たちが言っている、

当事者が望んでいるのだから問題はないはず。

理解を得たい相手が望んでいるやり方を拒む理由がどこにあるのだろう。

13世帯一緒に話をすれば、忙しい知事の貴重な時間を潰すのも少なくて済むはず。

なのに、なぜ一人一人と話したいのか?

その理由は想像はつきますが・・・だからこちらも個別は拒否するのです。

                                                       

逃げないでください!

中村知事、逃げないでください。

貴方は地権者と話がしたいと言って、4月21日、突然川原にやってきました。

地権者の皆さんは、知事の願いに応えて、

「是非話し合いをしましょう。こちらから5月19日に行きますから」

と文書を提出し、それに対する知事のお返事を待っていました。

https://ishikigawa.jp/blog/cat16/830/

 

そのタイムリミットの5月9日、知事からの返事は、

「来週の木曜日まで回答を待ってほしい」でした。

 

WHY?

知事は「石木ダムはどうしても必要です。地権者の理解が得られるよう誠意を尽くします」

と常々おっしゃっているし、今回も、そのために来られたはずです。

だから地権者の皆さんは、

「いいですよ、知事の話をお聞きしましょう。私たちも知事の口から説明を聴きたい」

とおっしゃっている。

なのに何故、知事は躊躇するのでしょう?

 

知事だけではありません。

佐世保市水道局長も「待って!」と言ってきました。

佐世保市との2回目の話し合い
https://ishikigawa.jp/blog/cat16/830/

の後、3回目の話し合いがより充実したものになるように、

弁護団は3回目の公開質問状を作成し、4月25日に送付しました。

http://suigenren.jp/wp-content/uploads/2014/05/a021e6bff5eb6c7e5ae0fcfb5069e966.pdf

 

でも、水道局長の「待って!」は、

回答作成に時間がかかるので、1週間延期願いたい」とのことだそうです。

こちらは、きちんと答えるために、その文書作成に時間がかかっているので、

9日までの回答期限を1週間延期して、16日まで待ってほしいということでしょうか?

そのような誠意ある延期要請なら、喜んで…と言いたいところですが。

 

いずれにしても、県も佐世保市も逃げないでくださいね。

地権者への説明責任だけはしっかり果たすべきです!

説明もできないような計画を推進するなら、それはあまりにも無責任です。

 

 

面談了承のご連絡

5月2日の長崎新聞です。

先日(4月21日)中村知事が、反対地権者宅を電撃個別訪問しましたので、

まあ!知事さん、お忙しい中恐れ入ります。

でも、いきなり来られても、こちらにも都合がありますので、私たちから県庁に赴きますよ。

私たちも是非知事に会って直接お聞きしたかったのです。

知事も話し合いをのぞんでおられるとのこと。

では、5月19日に是非お会いしましょうね〜という趣旨の文書を送付したという内容です。

 

実際の文書はこちらです。

 

里山シンポジウム

4月26日、こんなシンポジウムを聴きにいきました。

 

私には少々難しげだし、会場は遠いし(福岡大学)、若干迷いましたが、

ちょうど読んでたこの本が面白くて、

この中にでてくる和田芳治さんのお話が聴けるというので、決めました。

和田さんだけでなく、九州各地から、里山の価値を実感し、活かし伝えたいと活動中の3名も登壇し、それぞれの実践報告と課題などが語られました。

 

こちらが、和田さん。里山を愛してやまないユニークな方です。

1時間弱の講演中、3つも歌が飛び出しました!

素晴らしい声と声量だけでなく、その歌詞もすべて自作の里山賛歌ばかり。

詳細はこちら。
http://blog.goo.ne.jp/michie39/e/01e18188f4a402705fc07dd60fed2bb1

 

和田さんは、どんどん過疎化していくふる里に、生まれてからずっと住み続け、

初めは都会への劣等感、アンチ東京だったけど、後に里山こそ宝の山と気づき、

逆手塾(過疎化を逆手にとる会)の会長となり、里山の良さをどんどん発信。

 

里山ではお金がなくても暮らしていける、

きれいな水があり、山には木の実や山菜があり、イノシシなどの肉も走り回っているし、

燃料は森の木が無尽蔵にある。

和田さんが開発したエコストーブ(廃品のペール缶使用)を使えば、木の枝4〜5本でご飯が炊ける。

山の木は、切ってもまた生えてくるので、まさに再生可能エネルギー。

 

それだけではない。

マネー資本主義の行きつく先は、お金が全て、健康も命も犠牲にする合利主義。

企業の歯車となって、個性も殺して、非人間的な生き方が求められる。

その対極にあるのが里山での暮らしだと、和田さんは胸を張る。

 

そう言えば、川原の人たちも同じようなことを言ってたっけと、

座談会での話を思い出しました。

 

そうそう、その座談会の話の詰まったブックレット「小さなダムの大きな闘い」を、

このシンポジウムの会場で販売させていただきました。

8冊売れました!

 

シンポジウム実行委員の皆様のご厚意には、たいへん感謝しています。