石木ダム問題の今

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今日の記事の共通語?「とどめた」「とどまった」

昨日の署名提出のついて、今日の新聞各紙が報じています。

 メンバーは「・・・回答してほしい」と求めたが、西本部長は「市長と・・・に伝える」と答えるにとどまった。

と書かれています。

 

 求められた文書での回答については「検討する」と述べるにとどめた。

と書かれています。

 

・・・などと訴えた。西本部長は「市長や関係部局に伝える」と答えるにとどめた。

と書かれています。

 

 

 昨夕は、テレビでも3つの局がニュース番組の中で報じていました。 

石木ダム反対で2万筆の署名提出

長崎県と佐世保市が川棚町に計画している石木ダムについて、建設に反対する6つの市民団体が、30日、佐世保市役所を訪れ、およそ2万人分の署名を提出して建設の即時中止を求めました。
石木ダムをめぐっては、県の収用委員会が建設に必要な土地を強制収用する際の補償額などを決める審理を開こうとするたびにダム計画に反対する地権者や市民が実力で阻止し、こう着状態が続いています。
30日は、ダム建設に反対する6つの市民団体の関係者らおよそ20人が佐世保市役所を訪れ、西本眞也総務部長に土地の強制収用を断念し、ダム建設を中止するよう求める1万9354人分の署名を提出しました。
この中で市民団体の代表、松本美智恵さんは、「計画から半世紀たっても実現のメドもたたないことが本質的に必要でない事業であることを示している。人口減少によって全国的に水の需要が減る中、佐世保だけが増えるというのはダムの必要性を示すためのねつ造だ。
破綻した事業に、税金や水道料金を投入するのはやめるべきだ」と述べました。
これに対し、西本総務部長は、市長と副市長、それに水道局長はいずれも公務のために対応できなかったと説明した上で、「申し入れの内容は正確にお伝えします」と答えていました。
03月30日 19時14分 NHK

 

石木ダム・佐世保市にも2万人の署名提出

県と佐世保市が東彼・川棚町に計画している石木ダム建設事業に反対する地権者や市民団体が、中止を求めて佐世保市におよそ2万人分の署名を提出しました。 

佐世保市を訪れたのは、石木ダム建設に反対する「石木川まもり隊」など6つの市民団体のメンバーおよそ20人です。石木ダムをめぐっては、県が、反対する地権者の土地を全て強制収用するための手続きを進めています。メンバーは、石木ダム建設事業の中止と、土地の強制収用をやめるよう県と佐世保市に求め、署名を集めてきました。そして今月14日の県に続いて、きょうは佐世保市の朝長市長に宛てた1万9千354人分の署名を、担当者に手渡しました。市民団体メンバー「大金をつぎ込みダムを造るより、差し迫った老朽化対策に使うべきだという声が高まっている、その声を市民の願いに応えて」応対した職員は「署名と、いただいた話の内容は、市長や水道局長に伝えたい」と、答えるにとどまっています。
2016年3月30日 19:02 KTN

 

 

工事差止仮処分申し立てを報じる今日の新聞

 

 

昨夜のTVニュースのネット版も貼付しておきます。

 

石木ダム工事差し止めの仮処分
 
(NHK 2016年02月02日 18時59分)http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/5035444031.html?t=1454410646191
 
 
水道水の確保や洪水対策を名目に川棚町に計画されている石木ダムについて、反対する地権者やその支援者など500人あまりが2日、事業主体である県と佐世保市を相手取り、工事の差し止めを求める仮処分の申し立てを長崎地方裁判所佐世保支部に行いました。
 
工事差し止めを求める仮処分の申し立てを行ったのは、川棚町の石木ダム建設予定地に住んでいたり、土地を所有したりしている地権者やその支援者らあわせて505人です。
 
地権者たちは2日、弁護団とともに長崎地方裁判所佐世保支部を訪れ、訴状を提出しました。
 
それによりますと、県と佐世保市が進める石木ダムの建設は、将来の水需要予測を過大に見積もるなど建設の必要性がないと指摘した上、反対する地権者の生活基盤を破壊して生存権をおびやかす違法な事業であるとしています。
 
地権者たちは、仮処分を申し立てたあと、佐世保市内で集会を開き、今回の訴えは、民事訴訟のため誰でも原告になれると述べた上で、「1000人、2000人と原告を募り、ダム建設ストップの声を大きくしたい」と訴えました。
 
石木ダムの建設をめぐっては去年8月、県が反対派の地権者が所有するおよそ5500平方メートルの農地を強制的に収用するなどの手続きを進めていますが、地権者たちの反対で工事は進んでいません。
 
しかし、地権者たちは事業を中止に追い込むため、去年11月、国を相手取ってダム建設の公共性を認めた事業認定の取り消しを求める行政訴訟も起こしています。
 
 
 
 
石木ダム 工事差し止めの仮処分申し立て
 
(テレビ長崎 2016年2月2日 18:48) http://www.ktn.co.jp/news/2016020253996/
 
 
東彼杵郡川棚町の石木ダムの建設に反対する住民や支援者、およそ500人が関連工事の差し止めを求める仮処分を裁判所に申し立てました。
 
石木ダム建設絶対反対同盟の岩下和雄さんは「石木ダムはいらない。強制収用までしてつくる必要はない。工事差し止め命令をしてほしい」と訴えました。
 
長崎地裁佐世保支部に集まったのは、石木ダム建設予定地の住民や支援者などです。
 
県や佐世保市は石木ダムの建設に向けて用地の取得や関連する道路工事の準備を進めています。
 
今回の申し立てでは住民を含む505人が、豊かな自然やふるさとでの生活が奪われようとしているなどとして工事の禁止を求めています。
 
長崎から申し立てに参加した人は「自然を守ることと不要な工事だと思うから、それだけのお金は別のところに使わないといけない。漏水対策の水道管工事もそう」と話します。
 
住民は寒波で断水を引き起こした「水漏れ」こそ、まず取り組むべき課題と指摘します。
 
地権者の石丸キム子さん「右肩上がりの経済でもない。漏水対策を差し置いてダムをつくっても、ざるに水を入れるようなもの」と指摘します。
 
弁護団では申立人を募集していて、今後も申立人を増やしたい考えです。
 
この問題で建設予定地の住民などが法廷の場に訴えたのは、国の事業認定の取り消しを求める裁判や事業認定の執行停止を求める仮処分に続いて3件目となります。
 
 
 

朝日新聞「逆風満帆」に辻井氏と石木ダム

昨日の朝日新聞の記事です。土曜日別刷り版(青のBe)

去年の1月に来て頂いて以来…そうですかー、8回にもなるんですねー。

石木ダム問題に体当たりして、本当に奔走された一年だったと思います。

 

「住民らは当初、身構えた。得にもならないのに、なぜ」と書かれていますが、

私たちもまた同じでした。

「石木川まもり隊」のような名も無い小さな団体になぜ助成金を?

ダム問題に取り組むなら、お膝元の首都圏で、全国的に有名な八ッ場ダムに力を注いだ方が注目されるのでは?

石木川のような小さな川ではなく、最上川や球磨川に関わった方が、パタゴニアの商品売り上げにも繋がってメリットがあるのでは?

などなど不思議感がいっぱいでした。

 

でも、何回かお話を聴くうちに、辻井さんの思い、パタゴニアの企業精神が伝わってきて、心から感動し、納得することができました。

目先の利益ではない、小手先の環境保護ではない。

真剣に地球環境と地球の未来を考えている会社だからこそ、今は1円の得にもならないことに本気になれる。

一つのきっかけ、成功例を生み出すことによって社会は変わるという経験と確信があるからこそ、前に進むことができる。

お金儲けのためだけのビジネスではない。ビジネスの中で環境問題の解決に努力する。

そういう企業も存在するのだということを、私たちが学んだ1年でした。

 

しかも、その思いが社長だけでなく、社員の皆さんにも浸透しているのです。

どの程度かというのは、部外者の私にはわかりませんが、

今夜も都内のあるお店のスタッフから、こんなメッセージが届きました。

「今日も朝日新聞Beを読んだというお客様が来店され石木の話をしました。もっともっと多くの方に知っていただけるよう日々精進して、フロアに立ちますね!そういう話をしているときこそ、この会社で働いている意味が湧きあがってくるので、楽しいです!ありがとうございます」

また、今夜の「69の会」に参加した方(facebook友達)からも、

「昨日お知らせ頂いた69の会、参加してきました!会場は立ち見の方が沢山でる大盛会でした。岩下さんの生の声、パタゴニア社長他著名な方々の石木ダムに対する考え、思いが、石木ダム問題を初めて知る方の胸に確実に響いたと思います。ワークショップもあり、いかにして、自分事として関心をもってもらえるか、知ってもらうにはどうしたら良いか、当事者の方を救う方法はないか、について具体的なアイデアも出て素晴らしい会でした。参加できて良かったです。告知ありがとうございました」

という嬉しいメッセージが届きました。
 
友人も同様の感想を電話で伝えてくれました。 
 
皆さんのおかげで、離れていても、今日の69の会の大成功が伝わってきました。
詳しい報告が楽しみです。
 
 
明日からの写真展も、佐世保市民に石木ダム問題を考えてもらうきっかけになりますように!
 
 

 

「99」の記事を読みましたか?



 

一週間ほど前に発行された「99」(ライフさせぼ月刊誌”NINETY NINE VIEW”)です。

真ん中の2頁(p16とp17)を使って、先月29日に開催したイベント「ほたるとマルシェ」の中の「ほたると未来ミーティング」について詳しく書かれていました。

このイベントに参加したかったのに行けなかった人だけでなく、「へー、こんなのやってたの〜」と初めて気づいた人にも、きっと興味深く読んでもらえたのではないでしょうか?

誰もがまず驚き疑問に思うことは、俳優、音楽家、作家というジャンルの違う著名なお三方が何故、佐世保の未来についてトークすることになったのか?ということでしょう。

その明確な答えは書かれていませんが、お三方の共通点(環境問題やライフスタイルや地球の未来に関心を持っていて、それぞれが活動なさっている)が伝わってくる文章を読んでいると、なんとなく納得。

そして、共通の関心事として登場したのが石木ダム。ほたるが乱舞する自然豊かな地がダムの底に沈む計画がある。それは佐世保市の水問題を解決するためらしい。そこで、お三方は素朴な疑問が湧いてきた。

佐世保市の皆さんは本当に石木ダムを望んでいるのだろうか?

伊勢谷友介さんが言いました。

今日、僕は川棚へ行ってきました。そこで反対派のお母さんたちのお話も聞くことができました。すると、「本当に佐世保の皆さんがダムが必要とおっしゃれば諦めます」と言われました。

この発言を聞いていた筆者はこう書いています。

40年以上前に決まった事業計画は、本当に今の暮らしにフィットしているのだろうか?・・・佐世保市の課題だった水問題が、いつの間にか反対を掲げる地権者の問題にすり替わってしまった感すらある?・・・ダム建設の是非以前に独り歩きしている「お願いしよう、石木ダムは市民の願い」というキャッチフレーズに違和感をあらわにする市民の声もよく耳にする。

 

そして、いとうせいこうさんの発言

これは決して佐世保と川棚の問題ではなく、全国どこでも同じようなことが起きている。皆さんがちゃんと考えて答えを出せば、佐世保の未来に繋がる

小林武史さんの発言

みんなで考えることが大切。未来は一人一人のもの。無関心が一番怖い

伊勢谷友介さんの発言

行政ではなく市民が主役となり、一経営者として考えてほしい。知って、行動して、大事な話題にしてください

などを紹介して、最後に、記事はこう締めくくられていました。

民意を反映した身の丈サイズの街づくりや環境、ライフスタイルは、国や行政主導でなく、市民自身が考え描き、新しい風を起こす時代にさしかかっているのかもしれない。

 

そうだろうか?そうだと嬉しいけれど、どうも私はそのような希望が持てないでいます。

今回のゲストのように新しい風を運んでくれる人たちは確かにいるのだけれど、

その風はただ通り過ぎるだけのような気がします。少なくともこれまでは。

それは、私たちが家中の窓を閉めているから?新しい風も入って来られない?

 

みなさん、窓を開きましょう。

寒い日もあるけれど、一日に一度は窓を開けて、外の新鮮な風に触れてみましょう。

そして、風のささやきに耳を傾けてみませんか。

 

 

禍根残す最悪の展開

12月2日長崎新聞の「論説」は石木ダム事業を正面から見据え、県の対応に再び警告を発しました。

このままいけば、石木ダム事業は、

本県の公共事業の歴史に取り返しのつかない禍根を残す最悪の展開」だと。

 

なぜ最悪なのか。それは、

①認可から40年も経っているのに未だ完成しない(いや、本体工事にもとりかかっていない)

②かといって中止にもならない。時間とお金だけが消費され続けている。

③住民との対話は事実上拒否したまま、

④ついに強制収用を始めてしまった。

 

つまり、積極的に住民と対話し理解を得る努力は放棄して、権力で住民の土地を奪い取る

その手法が最悪であり、その結果おきると予想される事態も最悪です。

そして、県政に取り返しのつかない禍根を残すことになるでしょう。

イサカン問題でそれは十分に勉強したはずはずなのに…何故か全く学習ができていません。

 

7月10日の論説でも同論説委員は、

県民にこれほど理解されない不幸な県事業をほかに知らない」と言い、

「県は強硬手段をとる構えをやめるべきだ。手法の誤りは将来に禍根を残す」と警告しました。

 

別の記者は、

こうした強権的な手法を用いることは、いくら理論武装したところで『下策』と言えよう

強制しないと造れないのは失政を認めているようなものだ」と県の対応を評しました。

 

このような正論を吐くのは一部のメディアだけだと、県は高をくくっているのでしょうか?

ここまでは書けなくても、ほとんどの記者さんの思いは同じように感じます。

歴史と現状を客観的に公正に見る目を持ったジャーナリストなら!

 

井の中の蛙、裸の王様になっているのは知事であり長崎県政です。

早くそのことに気づいてほしい。

まだ、今なら、取り返しはつきます!

 

 

地権者に傍聴認めず・・今日の新聞

今朝の朝日新聞です。

昨日の収用委員会の内容と、地権者らはなぜ審理に参加しなかったのか、その思い、

そして収用委員会の戸田会長のコメントなどを伝えています。

「地権者の皆さんがふるさとを守りたい気持ちは理解できるのでつらい」

その言葉は正直なところ嬉しいです。

「ブルドーザーを突っ込んで」「機動隊を入れて」などと発言する委員ばかりではないし、

トップに立つ会長さんはそういう人ではなかったということがわかったから。

でも、「審理は進めないといけない」と言う。

結局は何も変わらないのか… という思いもあります。

 

また、今日の長崎新聞には、より詳しい情報が掲載されていました。

前半で、まず工事の状況について書かれています。

反対派の徹底抗戦により、付替え道路工事が進まず今年度末までの完成は難しい…と。

で、県が考えている「次の一手」は、迂回道路の着工である。

これが完成すれば、「現場入口が増え、付替え道路工事の工期短縮も見込める」と。

 

しかし・・・
     とも。

反対派との衝突は避けたい? 

だから強引な手法で工事を推し進めることはしない?

と言えば聞こえはいいけど、結局持久戦に持ち込んだだけではないのだろうか?

反対派は異常に粘り強い、想定外のしぶとさだ。

だが、しかし、これがいつまでも続くわけではない。

長引けばきっとそのうちねを上げる。その時を待とう。

鳴くまで待とうホトトギス、ってやつさ。

長引けば長引くほど、予算は膨らむが、お金は全て税金や公共料金。

我々役人が払うわけじゃなし、我々の懐が寒くなる心配はない。

それより、公共事業が長引けば関係企業に長く仕事を与えられ、感謝の贈り物とか…

ゥオッホッホ・・・お主も悪よのう

というセリフが聞こえてきそうな気がするのは考え過ぎ?ならいいけれど。。

 

後半では、昨日の収用委員会について、朝日新聞とほぼ同様の内容が書かれていましたが、

最後に書かれていたことにご注目。

   

収用委員会の審理については、土地収用法62条にこのように定められています。

第六十二条  収用委員会の審理は、公開しなければならない。但し、収用委員会は、審理の公正が害される虞があるときその他公益上必要があると認めるときは、公開しないことができる。

 

そこで、この但し書きの部分を取り入れて、長崎県収用委員会規則をわざわざ改正し、

今月6日に戸田会長名で公布されました。(長崎県公報11月6日)
http://www.pref.nagasaki.jp/shared/uploads/2015/11/1446767818.pdf


長崎県収用委員会の審理の傍聴に関する規則の一部を改正する規則をここに公布する。
            平成27年11月6日 長崎県収用委員会   会長 戸田 久嗣
長崎県収用委員会規則第1号
長崎県収用委員会の審理の傍聴に関する規則の一部を改正する規則
長崎県収用委員会の審理の傍聴に関する規則(平成26年長崎県収用委員会規則第2号)
の一部を次のように改正する。
 第6条を第7条とし、第5条を第6条とし、第4条を第5条とし、第3条中見出しを削り、
 同条を第4条とし、第2条の次に次の1条を加える。
 (傍聴人の制限) 第 3条 収用委員会は、審理の公正が害される虞があると認められる
 ときは、収用委員会の決定により傍聴人を 報道関係者のみに制限することができる。
 2  前項の規定により傍聴人を報道関係者のみに制限するときは、収用委員会は、長崎
 県のウェブサイトにその旨掲載し、周知を図るものとする。
 

このように、あの手この手を駆使しなければ、実現できない土地の収用。

それ自体が間違っている、少なくとも「下策」だと評し、

強制しないと造れないダム建設は「失政」だと斬ったT記者に、あらためて深く共感します。

 

この言葉を戸田会長にも届けたい・・・

 

記者の目、読者の目

今日の西日本新聞の記事です。

イサカンという「失敗百選」に選ばれた事業のその後の現実を、じっくり調べ学んだ記者だからこそ、

「数の論理や権力を盾に建設を強行」することの愚かさを実感、警告を発しています。

 

長崎県や同県佐世保市が計画を進める石木ダム(同県川棚町)

(西日本新聞2015年10月11日) http://www.nishinippon.co.jp/nnp/desk/article/200433
 
 
長崎県や同県佐世保市が計画を進める石木ダム(同県川棚町)。
 
予備調査の開始から40年以上過ぎても水没予定地で暮らす地権者らの反対運動は続いている。

 「動きだしたら止まらない」。佐世保支局に着任して約2カ月、反対派の言葉を何度も耳にした。

5年前まで勤務していた諫早支局では国営諫早湾干拓事業に関しても同じ言葉を聞いた。

国も地方もやり方は同じ…。笑えぬ公共事業の現実だ。

民主主義の原則には主権が国民にある一方、多数決の原理もある。

だが、原理を行使するならば、多数の考えが「公共の利益」にかなうという説明が不可欠だろう。

ダムの建設目的の利水、治水に関し、今なお地権者らが納得できる説明はない。

安全保障関連法を成立させた政府、与党のように、数の論理や権力を盾に建設を強行すれば、

いつか川の清流を濁り水にした事業とのそしりは免れないだろう。 (阿比留北斗)

 

また、一昨日の長崎新聞には、このような投稿記事がありました。

今日この記事を、たまたまあるお店で見て、感動!

帰宅して記事を探し、切り抜き、大切にスクラップしました。

佐世保市民として、とても共感しました。

松口さんのように、まずはそこへ行ってみること。

自分の目で見て感じること・・・それが大事。

 

そして、自分に聞いてみてください。

いいの?・・・と。

 

 

 

地権者の怒りと覚悟を伝えるマスコミ

ここ数日間のマスコミ報道をまとめて貼付します。

5日の県庁行動や7日の収用委員会阻止行動を伝報じるものです。

県に対する地権者の怒りと、訴訟に向かう覚悟が伝えられました。

(オンライン記事は水源連MLからの転載です)

 

石木ダム地権者 訴訟の構え

(NHK 2015年10月05日 22時06分)http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/5035389231.html?t=1444065428199

 川棚町に計画されている石木ダムをめぐり、県が土地の強制的な収容に踏み切ったことから、建設に反対する地権者などが、5日、県庁を訪れ、知事との協議の場を設けるよう要請しました。

また、地権者側は、事業の取り消しを求める訴訟を検討していることも明らかにしました。

県と佐世保市が川棚町に計画している石木ダムをめぐっては、一部の地権者との用地交渉が難航したことから、県は、法律に基づいて強制的に土地を収用する手続きを進めています。

これを受けて、石木ダムの建設に反対する市民グループらが「石木ダム建設絶対反対」と書かれた横断幕を掲げて県庁を訪れ、河川課の担当者に対し、「地権者の同意も得ないまま土地や家屋を強制的に収用することは断じて許すことはできない」として、知事と地権者が議論する協議の場を設けるよう要請しました。

これに対し、河川課の担当者は、「知事に伝えます」と答えていました。

この後、地権者を支援する弁護士らが記者会見し、▼石木ダムの事業そのものの認定取り消しを求める訴訟や、▼現在行われている工事の差し止めを求める仮処分の申し立てを検討していることを明らかにしました。

市民グループに参加する地権者の男性は「本当にダムが必要なのかこれまでの県の説明では納得できない。故郷を守っていくために、闘っていきたい」と話していました。

 

9月6日 長崎新聞

朝日新聞

 

石木ダム、知事説明拒否に怒り 地権者側は訴訟辞さず [長崎県]

( 西日本新聞2015年10月06日) http://www.nishinippon.co.jp/nnp/nagasaki/article/199404
 
中村法道知事との面談を求めて県の担当者と交渉する石木ダム事業に反対する地権者と弁護団ら

(写真)中村法道知事との面談を求めて県の担当者と交渉する石木ダム事業に反対する地権者と弁護団ら

 県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダム事業で、反対する地権者らは5日、中村法道知事の直接説明を拒み続ける県の対応を「逃げ回ってばかりいる」と批判。

県側に話し合う姿勢がないとして、国の事業認定取り消しを求める行政訴訟を起こす方針を明らかにした。土地収用法に基づく強制収用手続きを進める県に対し、地権者らの怒りは頂点に達している。

 「石木ダムは必要な事業じゃない」「県民にきちんと説明しなさい」。長崎市であった県の担当者との交渉には、反対地権者と弁護団ら約50人が参加。関連工事を中断しない理由の説明などを求めた。

県の担当者は「白紙に戻しての話し合いには応じられない」と繰り返した。

 反対地権者の岩下和雄さん(68)は「収用手続きは始まっている。家を取り壊されてもプレハブを作ってでも抵抗する」と憤った。

ほかの男性地権者も「知事の対応は誠意がない。訴訟も命を懸けてやっていく」と語った。

弁護団によると、ダム建設に関連する工事中止を求める仮処分の申し立ても検討するという。

 

石木ダム 反対地権者ら国提訴へ 事業認定取り消し求める

 

 県と佐世保市が川棚町に計画している石木ダム建設事業で、反対派の地権者らは5日、県庁で記者会見を開き、国に事業認定の取り消しを求める行政訴訟を長崎地裁に起こす方針を発表した。

原告は地権者13世帯約60人を含む関係者約160人の予定。国の事業採択から40年余がたち、ダム建設はついにその是非を巡って法廷で争われることになった。

地権者らは、中村知事あてに事業の白紙撤回を求める要望書を提出していたが、5日、県側から「県民にとって必要な事業。これまでも説明してきた」として要望には応じないとする回答を受けたため、提訴に踏み切ることにしたという。

 訴訟を担当する弁護団によると、国土交通相は2013年9月6日、県と佐世保市の申請を受けてダム事業を認定したが、地権者らは「(利水を目的とした)ダム事業は不要で、事業認定は違法だ」と主張する方針。

また、建設事業に伴う付け替え道路の工事についても、県と佐世保市に工事中止を求める仮処分を同地裁佐世保支部に申し立てる。原告規模は地権者ら約200人を見込んでいる。いずれも11月中に行う予定。

 地権者の岩下和雄さんは「県の強制的なやり方には納得できない。ふるさとを守る方法の一つとして、裁判で闘い抜きたい」と語った。

 県河川課の川内俊英課長は「現在の段階では、コメントはできない。実際に裁判になった場合は訴状を精査し、対応を検討する」と話した。(南佳子)

  

 

 

石木ダム 収用委は審理開けず

(NHK 2015年10月07日 18時41分)http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/5035256781.html?t=1444256943749

 川棚町で進められている石木ダムの建設をめぐり、県の収用委員会は7日、本体工事に必要となる土地の補償額などを決めるため現地で視察と審理を行うことにしていましたが、地権者らの強固な反対にあい、中止になりました


石木ダムの建設をめぐり、長崎県の収用委員会は県が強制的な収用に向けて手続きを申請した本体工事などに必要となる2万1千平方メートルあまりの土地と住宅について7日、川棚町で視察と審理を行うことにしていました。

しかし、県が説明会場にしていた公民館の廊下にはダム建設に反対する地権者などおよそ30人が立ちふさがって、「収用委員会は中立の組織ではない」、「私たちの生活を壊すな」などと抗議しながら強固に阻止しようとしたため、収用委員会は7日の予定をすべて中止しました。

地権者の岩下秀男さん(68歳)は「土地を売るつもりは全くない。

土地収用の是非以前にダムが不要だという私たちの主張を、県にはきちんと聞いてほしい」と話していました。

土地収用法では補償額や明け渡しの時期などについての審理を原則、公開の場で行うことを定めており、今後日時を改めて審理が設定されることになります。

しかし計画に反対する地権者たちはこれまでに別の土地の収用を認める裁決を出している収用委員会に反発を強めていて、円滑な審理の開催には困難も予想されています。

 

10月8日 長崎新聞

 

長崎)県収用委、石木ダムの審理見送り 地権者の抗議で

(朝日新聞長崎版2015年10月8日03時00分)http://digital.asahi.com/articles/ASHB75G7WHB7TOLB00S.html?rm=332

 県と佐世保市が計画する石木ダム事業をめぐり、弁護士や不動産鑑定士らでつくる県収用委員会は7日、未買収の土地の収用に向けた現地調査と審理を建設予定地の川棚町でしようとしたが、明け渡しを拒む地権者らの抗議を受け、見送った。9日にも調査と審理が予定されている。

 審理は、県と地権者の双方から意見を聞く手続き。7日は、県が7月に裁決申請した家屋を含む4世帯の約3万平方メートルのうち、2世帯の約2万1千平方メートルが対象だった。

 県収用委はすでに、別の農地約5500平方メートルについて収用を認める裁決を出し、8月に強制的に収用された。このため、この日は反対地権者や支援団体のメンバーが横断幕などを掲げて審理の開催を拒否。会場の町中央公民館で県側と押し問答となった。

 地権者の一人は「人間味のある審理を期待して我々の気持ちを前回訴えたが、結局、土地を取り上げられた。収用委員会はもっと大局的に判断すべきではないか」と憤った。県収用委の戸田久嗣会長は「我々の権限は限られており、事業認定を判断する裁量はない」と話した。

 県によると、県収用委はこの日中止した審理をやり直すため、日程を調整する。9日は予定通り行うとしている。

 

石木ダム建設現地調査中止 収用委、阻止受け

  • 県収用委員会事務局の担当者(左)に詰め寄る反対派の地権者ら
    (写真)県収用委員会事務局の担当者(左)に詰め寄る反対派の地権者ら
  •  

 県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダム建設事業で、県収用委員会(戸田久嗣会長、7人)は7日、県と市が裁決申請した土地の審理と現地調査を実施しようとしたが、ダム建設に反対する地権者らの阻止行動を受けて中止した。収用委は改めて審理の日程を決める方針。

 対象となっているのは、ダム本体工事の予定地で、反対地権者4世帯の家屋4棟を含む土地約3万平方メートル。県と市が7月、土地収用法に基づいて収用委に裁決申請したのを受け、収用委はこの日、うち2世帯の土地と家屋について審理と現地調査を行う予定だった。

 しかし、委員らが審理会場の川棚町中央公民館に入ろうとした際、地権者らが立ちふさがり、「ダムは必要ない」「土地を奪うのか」などと抗議したことから中止を決めた。

 同法では、裁決申請があった場合、収用委が原則、公開の場で審理することが定められている。残りの2世帯の土地と家屋についても、9日に審理と現地調査を予定している。

 自宅の土地や建物が審理対象になっている岩下秀男さん(68)は「家を明け渡すつもりはない。自分たちの意見が通らないなら阻止するしかない」と話した。

 

石木川は「シーボルトの川」 

石木川が川のままであり続けることの大切さ、

そのことに気づかせる新たな視点が、魚類生態写真家によって指摘されました。

 

江戸時代、シーボルトが世界に紹介した日本の淡水魚の採集地が石木川だったらしい・・・

それらの魚は貴重な標本として、いまもオランダの博物館に保存されているそうです。

標本魚たちの産地である川が失われたら、生物学の研究にも大きな損失をもたらすだろう。

 

石木ダム計画に反対して半世紀も闘い続けている住民が守ってきたものは、

自分たちの暮らしだけではない。

日本の原風景であり、日本の生態系であり、日本の自然そのもの!

と新村さんは断言しています。

 

それに、シーボルトもきっと悲しむだろうな〜 

 

 

 

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