公開質問書と請願について記者会見

10月30日、午前11時、石木ダム建設に反対する市民団体(佐世保市・長崎市・川棚町)のメンバー12名が、県政記者室にて記者会見をおこないました。

知事への公開質問書の回答と、国土交通大臣等に送った請願書について説明するためでした。

すでに、公開質問書や請願書はFAXで送っていましたが、読売新聞さん以外はなかなか報道されていませんでした。

しかし、この日はたくさんの記者の皆さんが参加、真剣に耳を傾けてくださっていました。

その日の夕方、KTN(テレビ長崎)や、NIB(長崎国際テレビ)が夕方のニュースで報道、

翌日は、読売新聞や長崎新聞が記事を掲載してくれました。

やはり、直接きちんと訴えることの意義を感じました。 

 

KTN テレビ長崎  

KTNスーパーニュース 10月30日 http://www.ktn.co.jp/news/2012/10/30/

石木ダム反対派が事業認定取り下げ訴え

  石木ダム建設に反対する市民団体のメンバーなどがきょう会見を開き、県に対し、事業認定申請を取り下げ、話し合いのテーブルに着くよう訴えました。会見を行ったのは5つの市民団体で中村知事が 先月、ダムの事業認定手続きを進めるよう九州地方整備局に要請していたことに反発しています。市民団体では今月8日、「国から通知された『地域の理解』を得る努力を行っていない」として事業認定申請の取り下げを求める質問状を提出していました。しかし、県からの回答書には「公聴会の開催など住民参加の機会も確保されている」と手続きを進める方向性が示されたため、改めて事業を白紙に戻すよう訴えました。石木川まもり隊 松本美智恵 代表「形だけの話し合いではなくて申請を取り下げて、一から地権者と向かい合って話してもらいたいと」市民団体では野田総理大臣などに対しても事業認定手続きの中止を求める請願書を送っています。

  

知事からの回答

10月8日に送った知事への公開質問書(https://ishikigawa.jp/blog/cat16/623/

に対する回答書がやっと今日、10月27日に届きました。

 

 

石木ダム建設絶対反対同盟 様

石木川の清流を守り川棚川の治水を考える町民の会 様

水問題を考える市民の会 様

石木川まもり隊 様

石木川の清流とホタルを守る市民の会 様

 

 先般の「石木ダム事業認定に関する公開質問書」に対して、以下のとおり回

答いたします。

 

(1) 「国土交通省から通知された「石木ダムに関レては、事業に関して様々な

意見があることに鑑み、地域の方々の理解が得られるよう努力することを希望

する」に対しどのような努力をされましたか」についてですが、

 

(回答)

 石木ダムのダム検証につきましては、6月11日に、「補助金交付を継続」とする、

国土交通省の対応方針が出されたところでありますが、まずは、川原地区の地権

者の皆様にお知らせするべきだと考え、ダム検証の結果報告と、改めて、お話を

させていただきたい旨の親書について、直接手渡したいと代表者の方に申し入れ

を行ないましたが、受けていただけませんでした。このため、やむを得ず、川原地区

の皆様に、郵送により送付させていただきましたが、残念ながら親書は返送されて

おります。

 その後、川原地区にお住まいの地権者の皆様と、是非ともお会いして、我々の気

持ちをお伝えレ、事業への協力をお願いするため、職員が文書を携え直接お渡し

しようとしましたが、ほとんどの方にお受けいただきませんでしたので、再度、やむ

を得ず、文書を郵送させていただきました。

 その後も現在に至るまで、話し合いの継続や、事業への協力をお願いさせて

いただきたく、川原地区の皆様に、再三、職員が直接、訪問させていだだいて

おりますが、未だに、話し合いに応じていただけない状況が続いているところ

です。

 今後とも、一日も早くご理解をいただけるよう、誠心誠意対応してまいります。

 

(2) 「私たちは、長崎県が事業認定申請を限り下げて、石木ダム建設事業につ

いて白紙の状態で話し合うことを求めます。公開の場で双方が納得のいくまで

討論し合うことは、「地域の方々の理解を得る努力」のひとつとして評価されると

思いますがいかがですか」についてですが、

(回答)

 事業認定につきましては、土地収用法に基づき、事業認定庁が中立的な第3者

の立湯で、事業の公益性、必要性を改めて判断するものであります。また、その手

続きの中では、公聴会の開催など、住民参加の機会も確保されているため、事業

認定は話し合いの進展を図るうえでも有効な手段と考えております。

 

 石木ダム事業の推進のためには、地域の皆織のご理解を得られるよう努力する

ことが重要であると考えており、今後とも、あらゆる機会を捉えて、話し合いが継続

されるよう取り組んでまいります。

 

(3) 「石木ダム事業は諸々のデータを精査すればすでに破綻しています。この際

勇気ある撤退を検討する時期と思いますがどうですか。」についてですが、

 

(回答)

 石木ダムにつきましては、川棚町民の生活を洪水から守り、佐世保市民が水不

足のない安心した生活を確保するために、必要不可欠な事業であります。

 川棚川流域では、これまで、戦後4回もの大きな洪水被害が発生しており、

川棚町民の安全で安心した生活を確保するためには、抜本的な治水対策が早急

に求められております。特に、平成2年7月の梅雨前線豪雨も、大きな被害が発生

しております。

 また、本年7月に発生した九州北部豪雨災害では、これまでに経験したことのな

いような大雨を記録し、甚大な被害が発生しておりますが、川棚川流域においても、

何時でも、起こりうると考えております。

 さらに、佐世保市は安定して取水できる水源が不足し、慢性的な水不足に悩まさ

れております。特に平成6年の大渇水においては、264日間にも及ぶ給水制限と

なり、市民生活に重大な影響が生じておりますが、佐世保市内で安定した水資源を

確保できる適地はないため、石木ダムによる水資源の確保が必要であります。

 このように、石木ダムの早期着工と早期完成は、長崎県にとりましては喫緊の課

題であると考えております。

 

 最後に、石木ダムの事業推進のためには、川原地区にお住まいの地権者の皆様

方との話し合いを継続させていただき、石木ダムの必要性についてご理解をいただ

けるよう、誠心誠意取り組んでいくことが最も重要だと考えておりますので、何卒よろ

しくお願いいたします。

                                       平成24年10月26日

                                      長崎県士木部河川課長

 

誠心誠意ね〜

もう聞き飽きました。

誠心誠意という言葉が何だか薄汚れた感じすらします。

 

私たちは、質問書の最後に、10月18日までに回答を送ってくださいと明記の上依頼していました。

前日の17日に、こちらの担当者が県の担当者に念押しの電話を入れたら、このような返事が返ってきました。

 

「通年議会になり毎日忙しい。回答するかどうかも含めて検討中である。

最終的に知事の決裁を得るまでにはだ時間がかかる。

検討中であるが、いつまでに回答できるか返答できない。

また知事も忙しくなかなか会えない」

 

回答するかどうかも含めて検討中 

回答しないことも有りってわけ 

地権者を含む5団体のメンバーが、時間をかけて、議論して練り上げた質問書に、

回答もせず、無視することさえ考えているという・・

そのどこが「誠心誠意」なのでしょう

 

通年議会で忙しい?

知事も忙しくて会う時間がない?

と言いつつ、

ダム推進派の団体が要望書を提出しに来た時は、

知事自ら会って受け取り、面談していましたね〜

あれは、10月5日で、やはり議会中でしたよね〜

 

もう口先だけで語るのは止めてください。

地権者や、反対市民団体の声にも、まともに耳を傾けてください。

 

回答書を見て、

1.県のしている努力は自分たちの考えを一方的に伝えようとするだけ。

2.地権者側の提案(公開の場での討論)には全く応じる気無し。

3.相変わらずダム有りきの論理でしか治水や利水を考えようとしない。

こんな県の姿勢を感じました。

残念です。

 

政府と国会へ石木ダム事業認定手続きの中止を求める請願書を送りました

15日、長崎県議会は、石木ダムの事業認定申請を求める意見書を本会議で採択後、

即日、衆院議長、参院議長、総理大臣、国土交通大臣、官房長官に提出しました。

 

そこで、私たちは、その提出先へ、反論の意見書を送ることを決め、

19日、県議会と同じ5ヶ所に送付しました。

 

え?総理大臣にも送るの?

見らんやろ?郵送代のムダ!

との声もありましたが、

「県議会が送った同じところに全て送るべき」

「推進要請だけ受け取ったひとは反対派の存在を知る術がない」

などの声があり、な〜るほど、そんなものか…

と皆が納得した次第です。

 

また、本日、このことを、県政記者室に公表しましたので、ここでも公開することにします。

 

以下、私たち6団体の思いがこもった意見+請願です。

こちらは国交大臣あてのものですが、他4通も同文です。

大臣の目と心と頭に届くことを祈りつつ・・・

 

2012年10月19日

国土交通大臣

羽田雄一郎 様

 

石木ダム建設絶対反対同盟
 ダムからふるさとを守る会
 石木川の清流を守り川棚川の治水を考える町民の会
 水問題を考える市民の会
 石木川まもり隊
石木川の清流とホタルを守る市民の会

 

 

石木ダム事業認定手続きの中止を求める請願書

 

1.石木ダム建設絶対反対同盟は、生まれ育った美しいふるさとを守り、そこで暮していきたいと願って、50年来、長崎県など行政当局のさまざまな圧力や懐柔策にも耐えて、長崎県が計画する石木ダム建設によって集落が水没させられることに反対している13世帯71人の団体です。

連名している5団体は、石木ダム建設計画を研究して、川棚川の洪水対策にも、佐世保市の水源確保にも石木ダム建設は必要でないことを明らかにしている団体です。

 

2.長崎県議会が、衆・参両院議長および内閣総理大臣などに対して、「石木ダム事業認定手続きの進展を求める意見書」(本年10月15日付)を提出しましたが、これには県議会で強い反対意見が述べられています。また、その意見書自体も事実を歪曲した内容になっています。

ダム建設事業については、政府の見直し方針の下で「予断なき再検証」が求められました。ところが長崎県の検討の場は、計画批判の意見には耳を傾けず、建設継続を押し通しました。また、検証期間中も建設推進のキャンペーンを行いました。まさに「予断をもった再検証」でした。

 

国(国土交通省)は、長崎県の「石木ダム建設事業継続」方針を追認し「補助金継続」を決定しましたが、「建設事業について地域の理解を得るよう努力することを希望する」との付帯意見をつけました。しかし、長崎県は、一方的な推進キャンペーンを行うだけで、地元住民などが求めている建設事業についての公開討論会の開催を拒否するなど、「理解を求める努力」はしていません。それどころか、県当局は、「(地権者)全員の同意がなくても事業は実施できる」と発言するなど、威嚇的な態度さえ示しています。

 

3.長崎県議会の意見書は、「佐世保では市民の水不足への切なる願いから・・・盛大なパレードが実施され、」と述べていますが、実態は、佐世保市職員や関係業者など、当局が動員した「やらせパレード」ともいわれるものでした。

佐世保市内の市民団体が行った街頭アンケートでは、「石木ダムは必要ですか」の質問に、98人中、必要27%、不要57%の回答が寄せられるなど、市民の意見は、むしろ変化しています。

 

4.治水に関して、長崎県の説明資料には水害防止を裏付ける説明文及び学問的に分析された各種データはありません。

専門家は、「過去の川棚町における水害データを精査した結果、川棚町の洪水は内水氾濫であり、その要因の第1は地政学的なものである。第2は雨が続き気象学的要因が重なれば内水氾濫の発生の可能性は非常に高まる」と指摘しています。石木ダムでは川棚町内の水害(内水氾濫)は防げず、洪水対策にはなりません。

 

5.利水に関して、現在、佐世保市水道水源の安定的な供給能力は、9万5000㎥/日です。これに対し、近年の配水量は、平成19年 7万9000㎥/日、平成20年 7万7000㎥/日、平成21年7万4000㎥/日、平成22年 7万2000㎥/日、平成23年 7万1000㎥/日 (年間一日平均値、千台未満四捨五入)で、供給能力にかなりの余裕があります。

佐世保市の平成23年度の水道配水量は、石木ダム建設計画の同年度予測値に比べ、一日平均配水量で約1万4000㎥/日、一日最大配水量では約2万5000㎥/日も減少しました。平成24年度の水道事業予算でも、同予測値に比べ一日平均配水量で約1万4,700㎥/日も少ない見込みを立てています。

その上に、4万㎥/日の石木ダム建設がなぜ必要なのか、市当局はまともな説明が出来ないでいます。市当局は、「佐世保市の発展のために必要」との理由を持ち出しています。これに対し、水没予定地の住民から「私たちを佐世保市の発展のための犠牲にするのか」と怒りの声が上がっています。

石木ダム建設事業は、水道施設整備事業として厚生労働省の補助事業でもあります。今年度はその再評価実施年度ですが、上記で示した近年の配水実態の中で、市当局は、今に至るも再評価を行う手続きの目途さえ立たない状態です。

 

6.長崎県議会の意見書は、「事業認定手続きの進展」を求めています。

これは、強制収用につながる手続きです。建設が必要でもないダムを造るために、「理解を求める」努力もせず、「ここに住み続けたい」という住民の財産を取りあげることは、基本的人権を踏みにじり、正義にも人道にも反する行為であります。

意見書は、8割の地権者は協力していると述べていますが、人権は多数の力で奪ってよいものではありません。むしろ2割もの地権者・住民が「ここに住み続けたい」と願い、ふるさとを水没させるダム建設に、半世紀に亘って反対し続けていることこそ重視されるべきです。

国会および政府におかれては、国民の税金を無駄に使わない、そして国民の人権を守る立場から、石木ダム事業認定手続きは中止されるよう対処していただきたく、請願いたします。

(以上) 

県議会、意見書可決

10月15日、長崎県議会は本会議において、

石木ダムの事業認定申請を求める意見書を採択しました。

 

賛成38、反対5、棄権2でした。

 

反対した議員の一人、堀江ひとみ議員の反対討論をご紹介します。

 

 ただいま議題となりました石木ダム事業認定手続きの進展を求める意見書につきましては、

以下の理由で反対いたします。 

 

 事業認定が、地権者との話し合いの場をつくるためと言っても、強制収用に道を開く 手続き

そのものです。事業認定手続きは、住民の不安と不信を募らせるばかりです。

30年前の機動隊導入による強制測量が引き起こした事態への反省もなく、再びこれを繰り返

すならば、地権者のみならず県民の理解を得ることは到底できません。

「生まれ育ったここで農業を続けたい」「ここに住み続けたいだけなんだ」という、住民の憲法で

保障された権利は、誰であっても、踏みにじることは許されません。

強制収用という野蛮な行為は、絶対にすべきではありません。

 

 国は石木ダムの事業継続を決定しましたが、「地域の方々の理解が得られるよう努力すること

を希望する」と、意見をつけています。

国が求めた努力をせずに知事は、国土交通省九州地方整備局に対し、事業認定手続きを求め

ました。県民からは、こうした行動が、不誠実で一方的な行動であり怒りさえ感じるとの声が寄せ

られました。

 本意見書を、県議会が採択することは、反対土地所有者のみなさんとの話し合いの場も、さらに

遠ざけると判断します。

 

  本意見書では、佐世保市の安定的な水資源確保のために、石木ダムが必要不可欠な事業と

して、多くの人が認めていると述べていますが、そうは思いません。

 いま佐世保市が提供できる水の、提供能力は、安定水源・不安定水源と合わせて、毎日平均、

9万2,000トンです。佐世保市民の使用水量は、1万トン近い漏水も入れて7万4,000トンです。

9万2,000トンの水があって、使用している水量は7万4,000トン。おつりがきます。

 水不足ではなく、佐世保市の水は足りています。

それなのに、新たに1日4万トンの石木ダムが、どうして必要なのか。説明がつきません。

 

 石木ダム計画も含めた水需要予測は、一日13万トンです。

これは人口の約2倍ある長崎市が毎日使用している水量です。人口は長崎市の半分しかない

のに、使う水の量は長崎市と同じぐらいの、水需要を求めるということ自体、いかに過大な需要

設定であるか、明らかです。

 

 9月24日付毎日新聞では、「石木ダムの水需要予測プラスに転じる材料乏しく」と、報じてい

ます。佐世保市の11年度水使用の実態は、需要予測に反して、予測値よりも約2万6千トンも

低くなりました。

 

 水需要予測が実態にあわないこと。過大な需要設定であることが、多くの県民に明らかにな

ってきました。必要のない石木ダム建設は直ちに中止を。この声が、以前にも増して県民、市民、

町民の間でひろがりを見せています。こうした県民の声に応える立場から、意見書には反対です。

 

  以上、反対討論といたします。

 

緊急学習会

お知らせが遅れましたが、

明日、10月13日(土)、午後2時〜

させぼ市民活動交流プラザにて、学習会を開きます。

 

石木ダム問題の現状について学習します。

6月11日国交省の判断が示されて以降、何がどのように変化しているのかいないのか、

国の判断を県や市はどう受け止め、どう動いてきたか、

九州地方整備局はその後どのような動きを示しているのか、

佐世保市議会は?長崎県議会は?地元住民は?

とりわけ、佐世保市水道局は?

そのような現状を整理し、共通認識を深めたいと思います。

 

なぜ、とりわけ水道局かと言いますと、

今年度の再評価委員会開催に向けて、もうタイムリミットが刻々と迫っているからです。

それでも未だ準備が進まない?進めない?のは何故か。

より良い再評価を望む私たちにできることはないのか、考えていきたいと思います。

 

お時間と関心のある方は、どなたでもご参加ください。

 

今日の愛媛新聞の社説では、山鳥坂ダムの検証について、問題点をズバリ指摘しています。

そもそも検証の在り方自体が当初から批判されてきた。国交省が自らの事業を検証する矛盾。

当事者である自治体がダム推進を口にする矛盾。立場を逸脱していよう。

まず国は、過去のダム事業推進の姿勢を謙虚に省みた上で、

3年間もの怠慢を猛省しなければならない。

その上で検証手法の改革と、公平公正な結論を急ぎ求めたい。

まさにその通り。

山鳥坂ダムは国営ダムですから、これを石木ダム問題と水道局に当てはめて考えると、

水道局が自らの事業を再評価しようとする矛盾。

過去のダム有りきの姿勢を謙虚に省みた上で、

今年度に入ってから10ヶ月も何も準備してこなかった怠慢を猛省しなければならない。

その上で、再評価手法の改革と、公平公正な結論を急ぎ求めたい。

やればできる脱ダム

今夜の報道ステーションは、滋賀県の嘉田由紀子知事にフォーカスし、

まさに「コンクリートから人へ」を実現する、見事な脱ダム政策を紹介してくれました。

 

嘉田知事は北川第一ダム、芹谷ダム、国営の大戸川ダムの3つのダムを凍結しました。

民主党が掲げたキャッチフレーズ「コンクリートから人へ」の象徴だった八ッ場ダムは、

政権交代当初、中止を明言していたのに、2年後にはあっさり継続と変更  

4600億円の税金が投入されます。

滋賀県にも国営の大戸川ダムの計画があったけれど、嘉田知事が3年前に凍結。

知事は、莫大な予算と時間がかかるダムより、

河川改修のほうが、水深を確保でき、予算も大幅に減らすことができると自ら検証

さらに、大阪府や京都府などにもダム凍結した方が費用対効果が高いことを納得させました。

しかし国はあきらめず、官僚からの激しい抵抗があり、

大戸川ダムの凍結を堺に国の補助金を2割以上減少させたそうです。 

 

国がダム建設にこだわる背景を、元国交官僚の宮本さんは、

「役所は個人の部局のためにダム建設を進めている」と河川ムラの存在を語っていました。

そんな巨大な官僚の抵抗にも負けず、なぜ嘉田知事はダムを凍結できたのか?

 

それはきっと、農村研究や農に欠かせない水問題にも精通した専門家だったことが大きいのかも…

洪水対策には、河川改修やハザードマップが有効であることに自信を持っていたから、

内部からもあれほどの抵抗を受けながら、揺るぐことがなかったのでしょう。

また、住民への保障も重視し、ダムを凍結しても地域振興策を続けることを約束、

ダムを凍結した資金で、就労支援や介護・衣料の充実を図り、

住民も次第に理解を示し始めました。

結局、嘉田知事は、合わせて1908億円かかるダムを凍結し、

洪水対策として104億円かけて河川改修をやるという政策を実践しているのです。

 

コストの面ではもちろん、洪水対策としても、地域対策としても、

地に足のついた、住民の暮らしを守る政策です。

TVを観ていて、感動さえ覚えました。

 

こんな知事がもっともっと増えて欲しいものですね〜 

 

中村知事への公開質問書

去る9月14日、知事は、九州地方整備局に対し、

「足踏みしている事業認定手続きについて、早急に進めていただくよう」

電話で要請を行っていた、ということを、私たちは10月5日に確認しました。

 

この行動は、国交大臣が要望した「地域の方々の理解を得る努力」とは正反対のもの、

地権者の気持ちを逆なでするものです。

とても看過できません。

 

そこで、私たち5団体は、次のような公開質問書を県知事宛に送付しました。

回答期限は10日後としました。

10日あれば、お答えいただけますよね?

中村知事の誠意ある回答をお待ちしています。

 

 

2012年10月8日

 

長崎県知事 中 村 法 道 様

 

石木ダム建設絶対反対同盟

石木川の清流を守り川棚川の治水を考える町民の会

水問題を考える市民の会

石木川まもり隊

石木川の清流とホタルを守る市民の会

 

 

石木ダム事業認定に関する公開質問書

 

 去る6月11日に国土交通省は、長崎県に対して石木ダム建設事業に関する国土交通省の対応方針を伝え,あわせて「石木ダムに関しては、事業に関して様々な意見があることに鑑み、地域の方々の理解が得られるよう努力することを希望する」旨を通知しました。

ところが新聞報道等によると、貴方は9月14日の県議会一般質問に対する回答で、国土交通省九州地方整備局に対し「あらためて事業認定手続きを早急に進めていただくように要請する」と表明し、直ちに事業認定手続き促進要請を行ったそうです。私たちは貴方のこの行動を容認できません。国土交通省が求めている「理解を得る努力」を何ら行っていないではありませんか。私たちは貴方の不誠実で一方的な行動に怒りさえ感じます。

認定庁が動かない、いや動けないのはいろんな理由があるからです。そのひとつに国土交通省は長崎県の行動を監視する責務があるからです。上記の通知文が意味することについて6月27日に社民党の中島隆利衆議院議員 吉田忠智参議院議員が国土交通省の担当幹部(水管理・国土保全局の森北佳昭・治水課長、泊宏・河川計画調整室長)からヒアリングを行いました。

2012年6月27日の中島隆利衆議院議員 吉田忠智参議院議員の国土交通省ヒアリング 

主な質疑応答

        (答:森北佳昭・治水課長、泊宏・河川計画調整室長)

質問:国土交通大臣から長崎県知事への通知文書は国土交通大臣の意思であると解してよいか。

答:  国土交通大臣の意思が入ったものである。

質問:国土交通大臣の通知についてあとのフォローをどうするのか。

答: 新聞報道によれば、県は地域の理解に向けては誠心誠意努力すると述べているので、国土交通省としては見守っていく。通知を出したから終わりということではない。

質問:もし長崎県が通知を無視して、地元の理解を得る努力をせずに強行した場合はどうするのか。

答: 仮定の話には答えられない。

質問:長崎県が事業推進のための補助金の増額申請をしたときに、長崎県の姿勢が通知とは異なると判断された場合はどうするのか。

答: 仮定の話には答えられないが、国土交通省としては長崎県の姿勢を見守っていく。

その時の主な質疑応答は次のとおりです。(提供:水源開発問題全国連絡会)

上記のとおり、国土交通省から長崎県への通知文「石木ダムに関しては、事業に関して様々な意見があることに鑑み、地域の方々の理解が得られるよう努力することを希望する」は、国土交通大臣の意思が入ったものであり、それゆえに国土交通省としては通知を出して終わりということではなく、長崎県の姿勢、すなわち、通知文の趣旨に沿って努力することを国土交通省が見守っていることを、担当幹部が明らかにしました。

仮定の話に答えられないということでしたが、長崎県がこの努力を怠った場合は国土交通省として何らかの対応をすることになるのではないかと推測されます。

そこで下記の質問にお答えください。先の長崎県による「事業認定手続き促進要請」行動は、私たちに不信感を与えています。誠意ある回答を期待します。

 

1 国土交通省から通知された対応方針「石木ダムに関しては、事業に関して様々な意見があることに鑑み、地域の方々の理解が得られるよう努力することを希望する」に対しどのような努力をされましたか。

2 私たちは、長崎県が事業認定申請を取り下げて、石木ダム建設事業について白紙の状態で話し合うことを求めます。公開の場で双方が納得のいくまで討論し合うことは、「地域の方々の理解を得る努力」のひとつとして評価されると思いますがいかがですか。

3 石木ダム事業は諸々のデータを精査すればすでに破たんしています。この際勇気ある撤退を検討する時期と思いますがどうですか。

 

以上の3点に対するご回答を10月18日(木)までに下記の連絡先へ文書でお寄せくださるようお願いいたします。

 

 

神奈川はこんなに水が余っていた!

先月、渇水で大騒ぎしていた首都圏。

貯水率が激減した矢木沢ダムの映像を何度も流し、

「だから八ツ場ダムが必要なのだ」とメディアも言いたげ・・・

 

おかげで、こちらまでトバッチリを受けました。

佐世保市議会は、

「もし今の関東地方で起こっている渇水が九州で発生すれば、本市はひとたまりもありません

おそらく厳しい給水制限を余儀なくされた平成6年以上の大渇水となるのではないでしょうか」

と意見書の中で述べ、危機意識を煽っていました。

 

ところが、

現実は、あの時も、関東は危機ではなかったようです。

たしかに利根川水系の水は激減していましたが、

東京のお隣の神奈川県では、「八ツ場ダムを造らないで、こっちの水を買ってくれ」

と言いたいくらい水が余っていたのですから。

 

余分なダムをたくさん造ったために、

使っているのは半分ほどで、あとの半分はまさに「水に流して」いるそうです。

しかも、そのダムからの水は、自己水源(地下水や河川水)の3倍もの価格になるらしい。

そのわけは・・・

こちらの動画をごらんください。

とてもわかりやすい!

 

 

 

どこでも、ダムを造るときは、

過大な予測をたてるんですよねー。

その予測を立てた方は、今頃どうしているんでしょうね〜

何年も借金を背負わせて、市民はめっちゃ高い水道料金を払わせられて、

その方は心苦しくて「水も喉に通らない」のでは・・・?

な〜んてことはありえませんね。 

 

沙流川水害訴訟と平取ダム検証結果

毎日新聞北海道版 2012年10月06日によると、沙流川水害訴訟で国の敗訴が確定したそうです。

 

2003年の台風10号による豪雨災害を巡り、

札幌高裁が国の責任を認め、約3190万円を住民側に支払いを命じた沙流川水害訴訟について、

羽田雄一郎・国土交通相が5日、上告をしない意向を明らかにしたからです。

2003年8月10日、日高町の沙流川にある二風谷ダムが大雨で決壊しそうになったため、

道開発局がダムの水を放流したところ、下流の支流で逆流が起き、

約55ヘクタールが冠水し、床上浸水などの被害が出ました。

原告弁護団の市川守弘弁護士は

「9年間も待たせず、被害が発生してすぐに賠償すべきだった。

ダムが凶器になることは明らかで、国の対応は住民よりダム政策を優先させたもの

と批判しました。

 

国の上告断念を受け、

原告の一人、日高町の農業、矢野静雄さん(74)は

「長かったが国が誤りという判断が出てうれしい。国は国民の安全を守ることを第一に治水をして」

と語り、

小野有五・北大名誉教授(環境科学)は

「国は二風谷ダムを利水ダムとして造りながら治水にも利用。

治水用なら空にしておかなければならないのに、多目的に使ったため限界水位に達するのが早かった。

国はダム政策を見直す必要がある」と話しました。

 

原告弁護団は

「判決は、住民の安全を軽視した国の河川行政のあり方そのものに警鐘を鳴らすもの。

国はダムに依存しない治水政策への転換を」との声明を発表しました。

 

それなのに…

その同じ沙流川に、平取ダムの建設計画があり、

その検証結果が数日前に継続と決まり、まもなく有識者会議に報告されるようです。

 

同じ沙流川に1996年に完成した二風谷ダムは16年しかたっていないのに、

すでに総貯水容量の約45%が堆砂で埋まっています

その沙流川にもう一つダムを造るなんて、日本の河川行政は狂っています

と、水源連の嶋津さん。

 

反対する市民も、

泥水で死んだ川をつくり、堆砂に拍車をかける

世界遺産に匹敵する文化的景観とアイヌ民族伝統の祈りの場などを水没させてはならない

 

この声に耳を傾ける河川官僚はいないのでしょうか・・・