ダム事務所長さんからのお手紙

8月1日、私たち(石木ダム建設用地の一部の共有地権者)宛に、

石木ダム建設事務所所長の名前で簡易書留が届きました。

何事か!?

と、開封してみると‥

 

 

は?

「石木ダム事業について」というタイトルも漠然として内容不明ですが、

中身を読んでも、やはり不明でした。

わざわざ書留料金を使って送られたからには、

よほど大事なこと、伝えたいことが書かれているのだろうと

少しドキドキして開いたのに、肩透かしを食った感じです。

暑さのせいで、頭の回転が鈍っているのかも‥ともう一度読み返しましたが…やはり不明。

 

いえ、全くわからないわけではありません。

確かに、国から届いた通知(石木ダムに関する補助金交付を継続する)についてのお知らせ

ということはわかります。

補助金を継続するということは、石木ダム事業の継続を認めるということですから、

関係者である私たちに、その結果を伝えようとなさった…という点はわかります。

 

しかし、そのような事務的な通知であるなら、なぜ正確に伝えて頂けなかったのか?

国は「補助金交付を継続」すると通知したけれど、そこには、

「石木ダムに関しては、事業に関して様々な意見があることに鑑み、地域の方々の理解が得られるよう努力することを希望する」

との付帯意見があったのに、それについては全く書かれていない。

それは何故?

 

都合の悪いところは触れずに、「石木ダムの必要性に対して」国が「客観的な判断」をして、

認めてくれたのだから、あなたたちの負けですよ、諦めなさい、

と言いたかったのでしょうか?

 

「石木ダムの必要性と、事業に必要な土地について、ご理解を賜りますよう…お願い申し上げます」

とあるけれど、どう理解すればいいのでしょう?

土地を早く売る気になってくださいと言いたいのなら、なぜそのように書かないのでしょう?

 

そして、「ダムの建設は、先祖から受け継がれた自然豊かな土地や長年住み贋れた古里を失うことなど、心の痛みや苦しみ、悲しみが伴うものであり、このような地権者の皆様の思いがあることを肝に銘じ、決しておろそかにしてはならないと考えております」

と本気で思っているのなら、

そのように「心の痛みや苦しみ、悲しみ」を県民に与えることは中止すればいいではありませんか?

でも、そうはしない。

ということは、本気で思っちゃいない…ということ。

 

本気で思っていないのに、何故そんなことをわざわざ言ってきたのか?

それこそ、国の付帯意見に対して、こんなに努力していますよ、

というデモンストレーションにほかならない…

そんなことのために、決して安くない送料を使ったんですね〜

 

誠心誠意という言葉が聞いて呆れます。

そんな安直な考えだから、いつまでたっても地元地権者の皆さんとの話し合いができないんですよ。

 

この書留を受け取った友人たちから、

「こんなものがきたけど、何が言いたいのか意味がよくわからない、ほっといていいの?」

と質問メールが殺到しています。

 

理解して欲しいなら、奥歯に物が挟まったような物言いはせずに、

私たちが理解できるまで、何度でも、ダムの必要性を説いてください。

憲法で認められている財産権を奪うわけですから、それはとても当然で大事なことではないでしょうか?

 

 

 

 

 

 

石木川の夏の風物詩

外はうだる様な暑さですが・・・

ここは別天地。

天然クーラーが効いている河原です。

太陽の熱線や紫外線を、周りの木々が防いでくれ、

足元にはさらさらと清流が流れているのです。

ジャーン!

この大竹を見よ!

近くの竹林から切りだして、森の清水を引いてきて、本物の流しそ〜めんを味わう!

それが、川原人(こうばると)の楽しみ、

石木川(正確にはその支流)の夏の風物詩となっています。

 

今年もお誘いを受けて、行ってきました。

そーめんも美味しかったし、シソの葉っぱで巻いたおにぎりもとても美味しかったし、

そして、何よりも、この自然の涼しさが最高のご馳走でした〜

詳しい様子はこちらにアップしていますので、よかったらどうぞ ( ^ω^)_凵 

http://blog.goo.ne.jp/michie39/d/20120729

 

石木ダム建設促進大会に向けて・・・そこまでする???

 

 

 

今日、こんなチラシが送られてきました。

来月28日に開催される「石木ダム建設促進大会」の案内チラシです。

FAXなので写りが悪くてすみません。

 

「石木ダム建設促進市民の会」と佐世保市が共同で、今年は特に大々的にやるそうです。

 

「市民・議会・行政が一丸となってパレードを行います!」

「どなたでも参加できます!」

などと書かれている。

なぜなら、国のダム検証で石木ダムの重要性が明らかにされた、

実現まであと一歩だ、

地権者の方々に思いを伝えるためにも、多くの皆様のご参加を…と呼びかけている。

 

石木ダムの重要性が明らかにされた?

実現まであと一歩?

なら、どうしてそんなに必死になってるの?

崖っぷちに立たされているのはまるでそちらのように見えますよ。

政策経営課の企画部長から、各部局へまるでノルマを課すような文書が出されていますね。

 

 

大会当日に多くの市民を集めねば…

そのためには、多くの団体に声かけせねば…

その団体からどのくらい人を出せるのか回答させて、人数を把握せねば…

そんな焦りが伝わってきます。

どうして?

石木ダムは佐世保市民の悲願なんでしょ?

誰もが望んでいるんでしょ?

それなら、こんなことしなくても市民の方からどんどん集まってくるはず。

 

脱原発のデモをごらんなさい。

毎週金曜日、仕事帰りの人々や、子連れでわざわざ遠くから集まった人などで官邸前は埋め尽くされているじゃありませんか。

本当に市民が望んでいれば、頼まれなくてもやってきますよ。

 

まあ!

こんな一覧表まで作って!?

関係団体の例として、「会場自衛隊総監部」「自衛隊協力会」「長崎県立大学」「SSK」ですって!

国の組織であろうが、県立の学校であろうが、大企業であろうが、

とにかく佐世保市に籍を置くものはすべて対象だというんですね。

確かに佐世保の水道水を使っているから?

 

そして、その団体の会員数や要請可能人数、担当者の名前や電話番号まで書かせる徹底ぶり…

前回の促進大会のときは、勤務時間中の市役所職員を大動員して顰蹙を買ったので、

今回は夕方からのようですが、

佐世保市は、本当に動員がお好きですね。

 

「動員」って、元々軍隊用語だったそうですね。

広辞苑によると、

①軍隊の平時編成を戦時編成に移すこと。

②戦争目的遂行のため、国内の資源や人間を統一管理のもとに集中すること。

③転じて、ひろくある目的のために人や物を集中すること。

と書かれていました。

基地の街、自衛隊の街「佐世保」は、市政にまで軍隊の体質が浸みこんでいるのでしょうか?

 

しかし、そこまですると、かえってミエミエですよ。

ああ、そんなに努力しないと促進大会に市民は集まらないのね〜

ということは市民の悲願って…真っ赤なウソだったのね〜

と。

 

そして、そんなことをすればするほど、

地権者の方々の心は固く閉ざされてしまうでしょう。。

「北風と太陽」の童話を思い出すまでもなく…

 

 

事業認定率は?

先月、佐世保市議会で請願の趣旨説明を行った時も、県に申し入れをした時も、

市議さんや県の担当者に同じ質問をしました。

皆さんは、事業認定は第三者機関が双方の意見を聞いて公正中立に判断するとおっしゃいますが、

事業認定申請をしたら、結果はほとんど認定されると聞きます。

特にダム事業の場合は認定されなかったケースは聞いたことがないと言われています。

実際のところはどうなのでしょう?

正確な数字を知りたいので教えて頂けないでしょうか?

と。

しかし、いまだに県からも市議さんからも何の回答もありません。

 

しかたがないので、直接国交省に尋ねました。

すると、事業認定の件数は膨大で、事業の種類ごとに統計は取っていないとのことでしたが、

過去10年分だけを調べて下さいました。

その結果は、申請件数14件、認定件数14件、認定されなかった件数0件。

 

また、九州管内でみると、

77件(ほとんどが道路拡幅や着工、河川拡幅などで、ダム事業は石木ダムだけ)申請があり、

75件が認定。残り2件は石木ダムを含め手続き中の案件。

つまり認定されなかったケースはやはりゼロということでした。


やっぱり…

少なくとも過去10年間においては認定率100%だということです。

それでも中立なのでしょうか?

それを中立と言えるのでしょうか?

 

いつも結果は起業者の思惑通り。

だとするなら、時間とお金をかけて認定手続きを進める意味があるのでしょうか?

 

たぶん認定庁の職員の方々は公正に誠実に職務を遂行なさるのだと思いますが、

どんなに誠実にやっても、誰がやっても、

結果は起業者に有利なように行き着くシステムになっているのではないでしょうか?

                                     

 

豪雨の被害を少なくするのは、ダムではなく、河川改修

死者29人となった今回の「九州北部豪雨」。

今日のTVニュースで、視察に行った自民党の谷垣禎一総裁のコメントが流れていた。

「大分県竹田市の災害現場ではダム建設済みの河川は氾濫していない。

一方、民主党の事業仕分けによってダム建設が延期になっている場所が氾濫している」と。

 

「国土強靱(きょうじん)化基本法」なるものをまとめ、

10年間に200兆円規模のインフラ整備への集中投資を目指している自民党の親分だもの、

言うと思ってました。

 

土砂に押しつぶされた家、暴れ狂う濁流に呑まれて亡くなった人、

たくさんの悲しみが散乱している現場に行っても、

公共事業を増やすことしか頭にないのだろうか…

 

ダムがないから河川が氾濫するのではない。

森を守っていないから、

保水力を失った大地が地滑りをおこし、里の部落を襲うのです。

大地に沁み込む量が少ないから、地表を流れ、一気に川へ押し寄せるのです。

その水嵩が激増した川の護岸対策が遅れているから、氾濫するのです。

ダムがあっても、想定以上の雨が降れば氾濫します。

 

谷垣さんが訪れた場所とは違うかもしれませんが、

熊本県の白川について、地元の市民団体が、今回の洪水の実態を早くも調査分析しています。

「立野ダムによらない自然と生活を守る会」の報告です。

 

最後の2点だけご紹介します。

全文はこちらです。 → http://stopdam.aso3.org/ 是非ご覧ください。

 

7.立野ダムによる治水の限界

 「想定外の災害のためにも立野ダムが必要だ」という意見がある。

しかし、立野ダムの洪水を貯める容量は、想定した洪水を調節する分しかない。

今回の洪水のような想定以上の洪水ではダム湖は満水になり、洪水調節不能となる。

ダム湖に流入した水をそのままダム上部の8つの穴から非常放流することになり、

「洪水調節ダム」として機能しなくなる。

8.まとめ

 今回の洪水で浸水被害を受けた箇所は、河川改修が未完成の地区ばかりである。

特に、河川整備計画で架け替えることになっている明午橋、竜神橋、吉原橋で川幅が狭まるなどして、洪水水位を押し上げている。

国交省の直轄区間から外れている小磧橋より上流は、改修はほとんど手つかずの状況である。

 さらに驚くことに、改修工事のもととなる「河川整備計画」が、大津町や菊陽町の白川では策定されていない。中流域でも、河川整備計画を早急に策定し、河川改修を進めるべきである。

 ダム計画があると、下流の河川改修がおろそかになることは明らかである。

今回の洪水で、もし立野ダムが存在し、国交省の想定通りに機能したとしても、被害を防ぐことができなかったことは明らかである。

 黒川橋の流失により、今回の洪水は「過去最大」と言われてきた昭和28年の6・26洪水を上回る可能性があることが明らかになった。それでも6・26洪水と比べ被害が大幅に少なかったのは、これまでの河川改修の結果である。

 今回の災害では避難情報が遅れるなど、行政の危機管理体制の在り方が問われている。

同じ白川で、国の直轄区間と、県の管理する区間があり、ハザードマップも別々になっている。

これらも、情報伝達がうまく行われない一因になっていると思われる。危機管理とりわけ避難対策の充実が急がれる。

 今回の洪水で、阿蘇市を中心に多くの方々が亡くなられたが、いずれも土砂災害が原因である。

ご冥福をお祈りする。

今後は河川改修を進めるとともに、土砂災害の要因となっている放置人工林の整備(間伐)や、阿蘇の草原の保全を進めるなど、流域全体を見据えた災害対策を進めていくべきである。

 

 

県や市への理解は深まらなかったけれど・・・

「地域の方々の理解が得られるよう努力することを希望する」に込められた意味。

事業認定手続きを進めることの意味。

県市と私たちの考えは今回も平行線で、理解は全く深まらなかったけれど・・・

報道の皆さんには、何かが伝わったような気がします。

 

国からの通知があったとき、ほとんどのマスコミは「事業継続」にだけ注目が集まっていました。

が、昨日の私たちの県市への要請行動を伝えたTVニュースや新聞記事を見ると、

付帯意見の意味がしっかり報道されています。

 

報道センターNBC:

 

 

NHKやKTNのニュースもそうでした。
http://www.ktn.co.jp/news/2012/06/28/

新聞では、今朝の長崎新聞、読売新聞、毎日新聞などが報じていました。
http://www.nagasaki-np.co.jp/news/ishiki/2012/06/29092608.shtml

 

こちらは、県への事業認定取り下げ要請交渉後、県の担当者へのインタビューの様子です。

 

 

おお〜!     

 

長崎県と佐世保市に、事業認定申請の取り下げを要請

今日も、石木ダム事業認定申請の取り下げを要請してきました。

しつこいなぁ…なんて思わないで下さいね。

相手が違うのですから。

 

一週間前に要請したのは、国交省九州地方整備局へ、取り下げの勧告を県にしてほしい…

と、お願いしたのですが、「勧告をする立場ではない」と言われましたので、

それじゃあ、やっぱり、ご本人に取り下げる気持ちになって頂くようお願いするしかない!

ということで、

午前中は県に、午後は佐世保市に、ダブル要請を決行した次第です。

 

県と市は共同事業者ですから、当然と言えば当然ですが、おっしゃることは見事に同じ。

佐世保市長や水道局長の議会答弁とも見事に一致。

「判で押したよう」とは、このことですね。

 

曰く、

国からの通知に書かれていた付帯意見、

地域の方々の理解が得られるよう努力するを希望する」については、

「これまでもその努力はしてきたが、今後もあらゆる機会をとらえて話し合いができるよう努力したい」と。

 

であるならば、

事業認定申請を取り下げて下さい。

あなた方が話し合いの機会を得たいと努力しても得られなかったのは何故ですか?

地権者の土地を奪うための手続き=事業認定申請をしたからでしょう?

それを取り下げたら、いくらでも話し合うとおっしゃっているのですから、

いったん取り下げ、話し合うための環境作りをするべきではないですか?

 

と訴えても、その答えは、次の通り。

1.事業認定申請の取り下げはしない

2.なぜなら、事業認定の手続きの中で話し合いが進められるから

3.その結果、事業の公益性が客観的に判断される

4.そのため(第三者に事業の公益性を客観的に判断してもらうために)に申請したのであって、

  決して強制収用のためではない

 

それに対し私たちは、

1.取り下げないままでは、地権者の理解を得るのは今後も無理でしょう

2.土地の収用を目的とした手続きの、どこで実際の話し合いができるというのですか

3.申請されたダム事業は100%認定されているという現実を考えると、

  客観的に判断されていると言えるのでしょうか?

  追認するための形式を整えているだけではないのですか?

4.事業認定申請というのは土地収用法に則った手続きで、

  土地収用法とは、合法的に個人の土地を強奪するためのものですよ

等々、意見をぶつけましたが、

 

県や市の見解は、相変わらず何の変化もありません

1.手続きは進めながら、地権者との話し合いは別に「あらゆる機会」を捉えて、今後もお願いしていく

2.については、具体的な回答なし

3.公聴会で両方の意見も聴くし、第三者機関(社会資本整備審議会)の意見も聴くので、

  中立的で客観的と考えている

4.強制収用は今の時点では考えてないの一点張り

 

でした。

なんだか、賢いインコに向かって、懸命に語りかけていたような虚しさを感じてしまった一日でした。


 

 

趣旨説明

「石木川まもり隊」が25日、佐世保市議会「石木ダム建設促進特別委員会」でおこなった、

「石木ダム建設用地の強制収用反対を求める請願」の趣旨説明の原稿が欲しいとの依頼が3件ありました。

メールに添付したり、印刷してお渡ししたりしましたが、どうせなら、ブログ上で公開し、

多くの方に私たちの思いを伝えたいと思い、以下に貼付いたします。

 

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 「石木川まもり隊」代表の〇〇と申します。

 今日は石木ダム建設に関して土地の強制収用はしないでほしい、させないでほしい、

その市民の声を市議の皆様に届けるために参りました。

この請願の趣旨を説明する機会を与えて頂いたことに深く感謝致します。

 

 私たち「石木川まもり隊」は、石木ダム計画の白紙撤回を願っています。

皆様は推進のお立場で、私たちの考えとは正反対です。

しかし、私たちはこの委員会が『水資源確保対策特別委員会』と呼ばれていた頃から、

たびたび傍聴させて頂き、皆様がどれほど佐世保市の水事情について真剣にご議論

なさってきたかよく知っています。

 また水道局からの説明も共に聴かせて頂き、資料も配布して頂き、

いろいろ勉強させて頂いたことに心から感謝しています。

この場を借りて、貴委員会と水道局の皆様、議会事務局の皆様には心からお礼申し上げます。

 

 本題に入ります。

 私たちは、今現在何不自由なく水を使って暮らしていますし、今後の急激な人口減少を考えると、

どうしてもダムが必要とは思えませんが、今日はその問題は横に置き、

土地の強制収用、この一点について述べさせて頂きます。

 

 国交省は6月11日、石木ダムの事業継続を認めました。

しかし、これには大事な付帯意見がありました。

「地域の方々の理解を得るための努力を希望する」と書かれた別添の文書です。

しかも「別添に留意願います」という一文まで付いていました。

これは市長も認めているように、「とことん話し合って理解を得なさい」という意味で、

力ずくの強制収用とは相反するものです。

 しかし、市長は15日の市議会一般質問で、

「二年半も中断している事業認定手続きを早急に進めるようお願いしたい」と言われました。

この手続きを進めるとはどういうことでしょうか。

 

 ここに、県が事業認定申請についての説明会で配った資料があります。

いま手続き上終わっているのは申請書の公告縦覧、意見書の提出、公聴会の請求までで、

これから公聴会や社会資本整備審議会などで様々な意見を聴き、公益性の有無を判断する

と言われますが、それらは形式にすぎません。

なぜなら、公聴会で意見を言えるのは限られた人数で、しかも1人15分程度と制限されています。

また、社会資本整備審議会で審議されるのは、あがってきた書類を見て、

手続き上の瑕疵が無いかどうか判断するだけです。

だから、事業認定申請されたケースはほぼどれも認定されています。

ダム事業の場合、認定されなかったケースは聞いたことが無いとダム問題の専門家は言っています。

私はデータを持っているわけではありませんので断言はできませんが、

議員の皆さんには是非お調べ頂き、教えてほしいと思っています。

 

 さて、認定されたら、その先はどうなるでしょう。

認定されても、おそらく石木ダム地権者の皆さんは、そこを動かないでしょう。

今日もあそこに地権者の皆さんが来ておられます。

私はあの方々と知り合ってまだ3年半ですが、皆さんの潔い生き方にはいつも感銘を受けています。

先祖から受け継いだ大地を守り、大いなる自然の中で静かに暮らしたい、

そして子や孫、未来にそのかけがえのない自然を引き継いでゆきたい、ただそれだけ。

それ以上でもそれ以下でもない、それ以外の何も望んではおられません。

だから、どんなにお金を積まれても気持ちは変わらないのです。

どんなに脅されてもびくともしないのです。

 

 県や市の担当者は言います。

手続きを進めるうちに反対だった人も、ほとんどのケースは理解を示して出ていくと。

それは理解ではないのです。

そこで話し合われるのは補償金額と明け渡し時期だけですから、

頑張れば頑張るほど土地の金額は下がり続け、最後は生きていくために諦めて去っていくのです。

しかし、何事にも例外は付き物です。川原の皆さんがその例外です。

地権者である川原の皆さんの口癖は、「私が死ぬまでは絶対ここにダムは造らせん」

「どうしてもダムを造るというのなら私を殺してからにしてください」と。

50年間、その思いで生きてこれらた方々です。

この先その意志が変わる確率は限りなくゼロに近いのです。

 

 ダム建設促進議員の皆さん、13軒の家が取り壊されるシーンを想像して下さい。

70人もの人々が笑顔で暮らしているその家をショベルカーで潰してしまいますか?

そのようなことができますか?

 

 私たち「石木川まもり隊」は、これまで何度もチラシ配りなどをしながら、

多くの市民と石木ダムについて意見交換してきましたが、

ダムは必要という人でも「強制収用には反対、それだけは止めてほしい」と言います。

それが普通の市民の思いです。たぶん委員の皆様も同じだと思います。

 実は中村知事さえもそうです。

 

 ここに平成22年1月、知事選直前に行った公開質問状があります。

「石木ダム建設絶対反対同盟」と「清流の会」と「石木川まもり隊」の3団体で行ったもので、

5人の候補者に出し、全員から返事を頂きました。

3番目の質問「強制収容が可能になった場合どうするか」に対し、3つの答えが用意されています。

『強制収用する』『強制収用はしない』『わからない』

当時の候補者・中村法道氏が選んだのは『強制収用しない』です。

 このように、知事も本当は強制収用に反対なのです。今は立場上それが言いにくいのでしょう。

だからこそ、知事に私たち市民の声を届けて頂きたいのです。

皆さんは、市民の代表なのですから、どうぞ、佐世保市民の思いを知事に伝えて下さい。

強制収用という手法を取らないで話し合いに徹してほしいという意見書の提出をお願いします。

 

 最後にチプコのメッセージを読んで終わりにします。

皆様はチプコ運動をご存知でしょうか?

インドの巨大ダム建設工事のため破壊される森を守ろうと広がった運動です。

その代表のバフグナさんが、1992年にモントリオール会議で語ったメッセージです。

 

私たちはチプコと呼ばれている。

チプコとはインド語で「抱きつく」という意味。

私たちは木が切られないように木に抱きつく。

木と共に切られすでに200人の仲間が死んだ。

今、あなた方の国からたくさんの人が来て、たくさんの木を切り、

たくさんのダムを造ろうとしている。

ダムができると森が沈み、私たちは生きていけない。

このようなことがおこなわれないために、私たち10万人のチプコは水に沈む覚悟をした。

よく聴いてほしい。

私たちは決して貧しくない。

私たちは豊かだ。

私たちは何も欲しくない。ダムも電気もお金も。

私たちは開発ではなく、幸せを求めている。

小さな土地と少しの水、少しの食べ物で十分なのだ。

幸せはお城の中でなく、自然の中にある。

 

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 石木川まもり隊の〇〇と申します。よろしくお願い致します。

 

 石木ダムの「事業認定申請」は、県と佐世保市によって平成21年11月9日に

国交省九州地方整備局に提出され、整備局は同年12月2日に正式に受理をしています。

 

 それに先立つ、平成21年6月30日に開かれた「水資源確保対策特別委員会」では、事業認定申請についての議論がなされました。

私も、この委員会を傍聴致しましたが、その際、当時、この委員会の委員だった山下千秋議員から

「強制収用の可能性がある事業認定を進めるべきだという委員の方は、強制収用となったらどうするのか?」という質問がありました。

当時の委員のお一人であり、現在は「石木ダム建設促進特別委員会」の委員で、今日もそちらにお座りいただいている草津議員が

「事業認定は進めていただきたいが、最悪の事態になったら断固反対する」とおっしゃいました。

また、他の委員の方がたも同じように、事業認定は、あくまでも話し合いのためのもので、

強制収用は望んでいないと、みなさん、おっしゃいました。

 

 今月15日の佐世保市議会・本会議で、山下千秋議員の一般質問に応えて、市長は

「国からの事業継続の方針に、地元の理解を得る努力を希望するとの付帯意見が付いたことは、

地元と話し合いをしなさいということだと思う。十分に話し合いをしたい。」と答えられました。 

ぜひ、そうしていただきたい。強制収用ではなく、あくまでも話し合いを行っていただきたいと思います。

 

 また、同じく今月14日の市議会本会議では、

大村議員の「人口減少に伴う都市計画について」という質問に答えて、市長は

「人口減少をさせないような政策、親子3代で暮らせるような社会にしたい」ということをおっしゃいました。

 石木ダムの建設予定地、川棚町川原地区はまさに市長がおっしゃっられたようなところです。

反対地権者は13所帯ですが、子、孫、ひ孫と3世代、4世代に亘って70人の方が暮らしておられます。

そこには、昔ながらの暖かな大家族主義とも言うべき生活が残っています。

 川棚町・川原地区は、「人口減少のない、親子3代で暮らせるような社会」をめざされる朝長市長が

まさにお手本にされるべき土地ではないかと思います。

 そのお手本にするような土地に暮らしている方がたを、強制的に立ち退かせ追い出すようなことがあってはなりません。

強制収用だけは止めて頂きたい。

 

 委員の皆さまには、資料として強制測量時の新聞記事のコピーをお渡し致しておりますが、

記事を読まれてどうお感じになったでしょうか? 

 あの暖かい人情味にあふれた、川原のかたがたの血や涙の上に建設された「石木ダム」からの水を、

どうして私たち佐世保市民が平気で使うことができるでしょうか? 

 私はうしろめたくて、とても使用できません。

 

 ぜひ、この請願を委員のかたがたお一人お一人に受け止めていただき、十分に審議をつくされ、

長崎県知事に「強制収用はすべきでない」という意見書を提出していただきたいと願っております。

  

 どうぞ、宜しくお願い致します。

 

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 石木川まもり隊の〇〇です、よろしくお願い致します。

今日は、石木ダム建設促進特別委員会の委員の皆様に、

どうしてもこれだけはお願いしたいとの思いで来させていただきました。

 

 皆様、すでにご存知のように、先月で、強制測量から30年と言われています。

その節目の頃、いくつかのテレビ局では、川棚町川原地区で7回も行われたという強制測量のことを報道するニュースが流されていました。ご覧になった方も多いと思います。

250人もの住民の方々が140人以上もの機動隊員と対峙する映像でした。

 数珠をかけた両手を合わせるおばあちゃん、生まれ育った土地を守ろうと座り込んで抵抗する人々を強制排除する映像です。

力づくで排除される女性やお年寄り、泣き叫ぶ子供たちの姿もありました。

土地収用法に基づいて、長崎県が実施した石木ダム建設に伴う強制収用の現実の姿でした。

ある地権者の女性は「強制測量の時の記憶は体の中に染み付いてますね」とインタビューに答えられていました。

また「今でも色々な映像や記録を見たら涙が出てきますね。子供たちも泣きながら反対していましたもんね」とも言われています。

こうも言われていましたね。

『機動隊にぎゅっとつねられて排除されたアザがみんなついていた。

県に対する怒りが鬼になるんですよ。鬼になって抵抗しないとやっていけないんですよ』と…

決して声高に叫ばれるのではありません。

むしろ、静かに、「私たちはダムに一生を捧げてきた。本当に何という人生やろうかねと思うね」

と語られていたのがとても心に残りました。

 テレビでは、高田元知事がこの強制測量について、

「公共のための事業ということでそこはご理解いただいて」とお話されていました。

しかし、またこうもおっしゃっています。

「あの時は今をおいてはないという判断だった。しかし、失敗だった。失策だった」と。

当時の県の最高責任者さえもが、こう述べざるをえない状況を作ってしまったのは一体何故でしょう。

 

地元の方々は、あくまでも話し合いを求めて来られ、今もちゃんとした話し合いができることを望まれています。

「公共」の名のもとに一方的に進められてきて、そこになくてはならない住民と行政との信頼関係は30年前の強制測量で完全に断ち切られたままではないでしょうか?

 

万が一、このまま最悪の事態に立ち至った時、

委員の皆さんがどれほどの責任をお取りになる覚悟がおありになるのか。

機動隊の強制力の下にブルドーザーが家を壊し、

それまで綿々と続いてきた暮らし、生活、歴史、大切な思い、そしてもしかしたら命までを奪うかもしれない、

そんなことをぜひ想像しながら、この請願に向かい合っていただきたい。

 

そしてまた、佐世保市民の多くも、

「強制収用だけはすべきではない」という至極当然な思いを心に抱いているということを、

委員の皆様とともに確認したいと思います。

ありがとうございました。

 

 

 

 

届かなかった趣旨説明

昨日午前10:00、石木ダム建設促進特別委員会が始まりました。

私たち「石木川まもり隊」が提出した「石木ダム建設用地の強制収用反対を求める請願」についての趣旨説明をさせて頂くことになりました。

傍聴席には地権者の方々をはじめ20名以上の皆さんが集まって、無言のエールを送って下さいました。

 

私たち3人は、それぞれが思いを込めて書きあげた原稿を手に、心を込めて訴えました。

「石木ダム建設促進」の委員会であっても、そこに集まった委員であっても、

委員である前に市議である。

市民の声を聴く義務を負った市議である。

ならば、心を込めた訴えには、たとえ自分の考えと違っても耳を傾けて下さるはず…

などと期待した私たちが甘かったのか…

 

私たちの趣旨説明が終わり、さあこれから、

意地悪な質問やきつい意見が返ってくるかと準備していたのに、

誰一人質問はなく、意見もなく、無言・・・

そして、いったん閉会、15分後に再開してもう採決するのだという。

あまりにも早い。

いやな予感。

継続審議にするのか…?

 

委員会再開。

冒頭、委員長が継続の意思を確認するが皆さんNO。

討論に入る。

民主党の片渕議員がすぐに手をあげ、請願に反対の意見を述べた。

その内容のポイントは次の通り。

 

1.長崎県と佐世保市は、石木ダムの事業認定を申請しているが、これは強制収用を目的としているものではない。長年にわたって地元の一部の皆様からご理解をいただけないために、土地収用法第18条に基づいておこなったもので、事業の公益性を認めてもらうのが目的である。

2.石木ダム事業は、川棚川の治水と佐世保市の利水の、二つの大きな目的がある。26万人地域住民の安全と安心のために必要不可欠な百年の大計である。

3.事業認定庁は、公聴会で賛否両方の意見を聞き、第三者機関である社会資本整備委員会に認定の是非について意見を聴取し、民主的に公平公正な判断が下される。

4.過去の事例をみても、このような認定までの民主的な過程の手続きの中で話し合いがなされ、事業が進展した例も数多くあるので、石木ダムもそうなることを期待している。

5.強制執行を行うためには、土地収用法第39条第1項に基づく裁決の申請が必要で、現時点ではそのような手続きは行われておらず、また今後手続きを行うという考えも示されていない。

6.以上の観点から、今、強制収用について論じる段階ではないので、民主市民クラブ会派としては、本請願は不採択とすることに決した。

7.佐世保市民は長期渇水になった時、市民生活、経済活動、そして命にかかわる問題として、長く不安を持ってきた。これから佐世保市民が安心して暮らせるためには、どうしても石木ダムを作らせていただきたい。現地のみなさまには大変な御苦労とご負担をおかけして申し訳ないが、何とかこの佐世保市民の悲願である石木ダムを作らせていただきたい。

 

このような意味のことを、用意した原稿を読み上げての反対討論でした。

15分やそこらで書き上げたものではないのは明らかで、前もって準備されてたようです。

その証拠に、私たちの説明を全く無視した主張ばかりです。

まるで何も聴いていませんでしたと言わんばかり!

 

例えば、3.の中で、公聴会や社会資本整備委員会で意見を聴取し、その結果「民主的に公平公正な」判断が下されると言われたが、その前に私たちはこう述べました。

 

これから公聴会や社会資本整備審議会などで意見を聞き、公益性の有無を判断すると言われますが、それらは形式にすぎません。

なぜなら、公聴会で意見を言えるのは限られた人数で、しかも1人15分程度と制限されています。

社会資本整備審議会で審議されるのはあがってきた書類を見て、手続き上の瑕疵が無いかどうか判断するだけです。

だから、事業認定申請されたケースはほぼどれも認定されています。

ダム事業の場合、認定されなかったケースは聞いたことが無いとダム問題の専門家が言っていました。

私はデータを持っているわけではありませんので断言はできませんが、議員の皆さんには是非お調べ頂き、教えてほしいと思っています。

 

そして、この片渕委員以外は、一言の発言もせず、採決に入り、

「強制収用はしないでほしい」という請願を不採択としました。

年老いた地権者の前で。

 

すべて終わって、私たち「石木川まもり隊」の心も萎えていましたが、

傍聴者のお一人から、励ましのメールを頂き、中にはこのようなことが書かれていました。

 

諄々と説いていく内容でした。

私は、幾度か請願説明の経験がありますが、今日は粛然とした雰囲気を感じました。

不採択理由の中心は、「いまは強制収容を論議する時ではない」でした。

「強制収容」への賛否表明から逃げる態度です。

請願内容への「質問」はありませんでした。

採決では、「請願採択」への「賛成」を求める方法でした。

「不採択」なら黙っていればよいのです。

自らの態度表明を曖昧にやりすごす卑怯を許すものでした。

しかし、いずれ強制収容への賛否が問われる時期が来ます。

それは、「強制収用するなら、私を殺してからせよ」との地権者の覚悟に対する 議員の「覚悟」が求められる時です。

 

S・Yさん、ありがとうございました。

 

明日、請願の趣旨説明を行います

お知らせが遅れて申し訳ありません。

明日、私たちは、佐世保市議会で請願の趣旨説明を致します。

 

請願事項: 石木ダム建設のために、強制収用という手法を選択すべきでなく、

        あくまで話し合いによる用地取得に徹するように

        意見書を事業主体長崎県に提出されること。

        (詳しい内容はこちら→https://ishikigawa.jp/blog/cat15/586/

 

日時:    6月25日(月) 10:00〜

場所:    佐世保市役所4階 佐世保市議会「石木ダム建設促進特別委員会」委員会室

 

* 誰でも傍聴できます。

  3階の議会事務局へ9:45までにいき受付を済ませて下さい。

  強制収用だけは絶対しないでほしい!という市民の声を議会に届けましょう〜