ダム検証の本質を突いた赤嶺議員

昨夜の衆議院予算委員会第八分科会[国土交通省)。

赤嶺政賢議員による石木ダム問題の追及に、多くの共感の声やメールが届いています。

なんと、「八ッ場ダムをストップさせる埼玉の会」のブログ管理人の方は、

半日もかけて!文字起こしして下さいました。

 
 
ぜひ覗いてみてください。
 
一部始終が書かれています。「えー」とか「あー」とかも。臨場感たっぷりです。
 
聴いただけではわからなかったことも見えてきます。
 
 
 
私が感じたことは・・・
 
1.官僚の得意技〜はぐらかし答弁や責任転嫁
 
2.民主党の弱点〜記憶力減退や信念欠如
 
 
おや?と思ったのは、津川政務官の発言
 
元々出来るだけダムによらない治水というものを希求する中で…
 
まさにこれまで建設を進めて来たかどうかと言った予断を持たずに、
 
一切の予断を持たずに検証していただくというのが大原則であります。
 
有識者会議の中でチェックをしていただく予定になっておりますが、
 
これはまさに共通的な考え方に基づいて検証がされたがどうかということであります。
その中には多くの幅広い方々のご意見を聞かなければならない…
 
聞いたけれどそれでお終いでは、そもそもこの検証の考え方に則っていない…
まさに次回改めて今後の治水利水のあり方に関する有識者会議を開いていただく中で、
 
そういった検証がなされたかどうか見ていただくことになります
 
 
 
そして、質疑の最期に赤嶺議員はこう結んでいます。
 
この有識者委員会のあり方という中で、結局国の整備計画に基づいて検証していくことになったら、
 
ダム建設に辿り着かざるを得ない、ということになっていると思うんですよ。
本当に県からの報告書もまともな内容ではない。ダム建設の事業がそもそも地権者の住民を
 
だまし討ちにするような形で始められた計画、50年反対して来ています。
そして県が主体となって検証するといいながら、実はその県の検討主体の中には国交省からの
 
出向者によって占められている、こういうあり方を根本から見直さない限り、
 
「ダムによらない治水計画」という民主党の公約、これは本当に国民に嘘をついた、国民を騙した、
 
と言われかねない。

そういうことを強く指摘して質問を終わりたいと思います。
 
 
 
 

あっちでもこっちでも「有識者会議、公開せよ!」の声

3月2日 佐世保市議会本会議

Q:(速見市議)有識者会議が非公開であっために、地権者などが抗議して流会となった。
          私は公開にすべきと思うが市長の見解は?

A:(市長)その件は、できるだけ忌憚の無い会議にするために第2回有識者会議の中で決められた。
      第12回以降の会議は報道関係者には公開していると聞いている。

<全く答になっていませんね〜>

Q:(山下市議)「私たちは50年反対してきた。わずか2時間で私たちの土地や人生が左右される。
          その会議の成り行きを見たい聴きたい」という地権者の声をどう思うか?
          傍聴の権利があると思わないか?」

A:(市長)この件は有識者会議で決められたこと。私が答える立場にはない。
       本市の場合は、なるべく公開にしているが、有識者会議については何とも言えない。  

<うまい答え方ですね〜>  

 

3月5日 長崎県議会予算特別委員会

Q:(堀江県議)長崎新聞の記者が書いたコラムには「会議を透明にせよ」とある。
          『科学者の会』は、「地権者は会議の行方を見守る権利がある」と述べている。
          私もそれは当たり前だと思うが、知事はどう思うか?

A:(土木部長)流会になったのは残念。公開するかどうかは有識者会議で決められている。
         これまではそれが問題になったことはない。

<こちらも質問に答えていない。第一土木部長には訊いていないし〜>

A:(知事)私ども当事者も出席できる状況には至っていない。
      有識者会議の中に直接的な利害関係者が入るのはどうなのか?との思いがあって、
      有識者の皆さんが判断されたのではないか。

 

3月5日 衆議院予算委員会第八分科会[国土交通省)

Q:(赤嶺議員)情報公開の推進というのは民主党の基本政策ではないのか?
          また、公共事業の見直しという公約に関わる会議を非公開にするのか?

A:(国交大臣)前原大臣の時に創られた会議で、公開というのも念頭に会ったと思う。
          マスコミに関してはフリーであろうと、登録した方はすべて入ってもらっている。
          ジャーナリストが入っていることによって、何かあったときは広く国民に伝えてもらう。
          その上で、委員会の運営に関しては自立的、自主的にやってもらうことにしている。
          会議自体は静穏な環境でやるべきで委員会にお任せしている。

Q:(赤嶺議員)会議を公開にしたら静謐な環境が失われるという考えはおかしい。
          マスコミを通して聴くのではなく、地権者が直接聴きたいと思うのは当然ではないか。
          

<そうだ!そうだ!有識者の皆さんは傍聴者をヤクザ集団とでも思っているのか??>

しかし、時間の関係からか、この件はそれまで。
続いて、石木ダム検証の中身についての追及が始まった。

赤嶺議員:石木ダム建設事業の歴史、県による騙し打ちや強権発動の強制測量など、
       住民がいかに苦難を強いられてきたか。
       それは沖縄における基地建設のための土地強奪と同じだ!

大臣:これまでのできごとは知っていたが、今の話を聴いて、ダム事業の長い経緯の中で
    ずいぶんいろんなことがあり、地権者に辛い思いをさせてきたのかなということを改めて
    認識した次第です。
    しかし、地権者の苦悩はわかるが、事業についての判断は流域全体の合意が必要。

<このとき、下流域の受益者は「大村市民ですか?」と言ってた。やはり全然わかってない>

赤嶺議員:平成18年の整備計画策定以降、大きな洪水は発生していないので再検討の必要はない
       と、県は資料の中で書いているんですよ。
       ダムの検証をすると言いながら、現在の整備計画は変えない?
       おかしいんじゃないですか?

       なぜこんなことがおきるのか、考えたんですよ。
      
       石木ダムの直接の検証を行った検討主体の県土木部長は
       国交省からの出向ではありませんか?

       2001年以降の状況を調べてみたら、
       土木部長は2004年と2005年を除いて、副知事は例外なくすべて、
       国交省のからの出向者で占められている。指定枠のようなもの。

       検討主体である県に検証させて、それが妥当であるかどうか国交省が判断する?
       その主体者は国交省から出ているのであれば、結論はダムに辿り着くのは明白。

       「ダムに寄らない治水を」と言ってきた民主党政権は、国民に嘘をついたことになる!

 

おお!正直、予想以上、期待以上の追及でした。

現地に足を運んで下さったとき、地権者の皆さんが訴えられたこと、

今回の有識者会議の成り行き、

膨大な資料の数々をしっかり把握して頂いたうえでの質問と意見でした。

 

今日のこの会議を見られなかった皆さま、

是非、衆議院のビデオライブラリーで視聴なさってみてはいかがでしょうか?

 
ここを開き、左側のカレンダーで3月5日をクリック→ 予算委員会第八分科会をクリック。
 
赤嶺議員の質疑は11時間46分ごろから始まります。
休憩後なら6時間35分ごろからです。
 
 
明日の佐世保市議会では、再び山下議員が石木ダム建設の予算について質問します。
 
午前10時ごろからです。
 
インターネットでも、テレビ佐世保でも見られますよ〜
 
 
 

「科学者の会」有識者会議に公開質問

「ダム検証のあり方を問う科学者の会」が、3月1日、有識者会議に対し、

会議の全面公開を求める公開質問書を提出しました。

 

ダムにたよらない治水対策を求めて動き出したはずのダムの検証が、

いつのまにかダムにお墨付きを与える機関になってしまっている、

それは、たいへん憂慮すべき事態で看過できないとして、

「科学者の会」が、八ッ場ダム検証の抜本的なやり直しを求める声明を発表したのは昨年10月でした。

当時は11人の呼びかけ人と69人の賛同人が名前を連ねていました。

それが、今では賛同人が126人に増えているそうです。

それほど、このダム検証はひどい!と、心ある科学者たちは見ているということでしょう。

 

そして、その学者の皆さんが、22日の有識者会議の流会騒ぎを見て、

これはもう黙ってはいられない、なんとしても公開すべきだと、行動をおこされたのです。

以下、その全文を貼付します。

 

 

 

ジャーナリストまさのあつこの視点

あるMLに、ジャーナリストのまさのあつこさんから「他のMLに書いたことの自己転載です」とのメールが流れてきました。

読んでみると、22日流会になった有識者会議についてでした。

たいへん興味深い内容だったので、ご本人の許可を頂いて、転載させてもらいます。

 

先進国ではもうほとんど作らなくなったダム事業については、自民党時代から、
国交省の内部ではこのままではいかんと考えている人はいたと私は見ています。

自民党政権下で、金子大臣、金子副大臣、ダブル金子の下でも、ダムの見直し的
な検討会が開かれました。2回開いたところで、政権交代となりましたが。

このときも完全非公開で、アタマ撮りだけ取材者OKでした。
(民主党政権下ではじまった治水のあり方会議は、当初、あたかもその延長線上
 にあったと見るしかないような資料が使われていました)

自民党政権下でも、市民は完全にシャットアウトだったので、アタマ撮り取材者
として入った私は、「公開してください」と、その場で有識者に対して求めまし
たが、

このときは、片山さん(自民党大臣へとスカウトされる前)や
今回の有識者会議にも起用されている「会議の政治学」の著者森田朗氏も
“有識者”として座っていましたが、やはり、無言でした。

このときは、しかし、金子自民党副大臣が立ち上がり、マイクを握りしめて
「一回だけはやらせてください」と、私のリクエストに対応しました。

「今ここで決めてください」「一回だけは(非公開で)やらせてください」と応酬がありまし
た。

しかし、今回は、奥田建副大臣と、津川祥吾政務官、2人の民主党政治家がいて

単に取材者が公開を求めたのではなく、

長崎から、「今日決まってしまったら私たち13世帯は強制収用されるんだ。
1000円、2000円集めてくれて私はきたんだ。たった2時間の会議で何が議論され
るかを聴きたいんだ。長崎に帰って報告しなければならないんだ」と言っている
のに、ピクリとも動かず、なんの指示も出しませんでした。

奥田副大臣と津川政務官は、会議室の入り口に対して背中を向け、振り向きもし
なかったのです。

だから最初は2人が座っていることすら気づきませんでしたが、いつも2人が座
る席を知っているので、背中にじっと目をこらして、2人が固まったまま座って
いるのを確認し、

「奥田副大臣。大臣の諮問機関なんですから、大臣がいない以上、副大臣が判断
する権限があります。」「津川政務官、とりなしてあげてくれませんか」と求め
ても、フリーズしたままでした。

自民党副大臣以下です。

まさの

 

まさのさんのご了解を得る時に得た情報ですが、

週刊金曜日3月2日号の金曜アンテナにこの件について記事を書くそうです。

関心のある方は、是非「週刊金曜日」を買って読んでね。

きっと、もっと詳しい、面白いこぼれ話が満載かもしれませんよ。

 

あ、それから、

「あくまでML向けのメモで、てにをはとか、主語述語がかなり乱雑でお恥ずかしい」

とおっしゃっていました。

そう添えてくれるとありがたいって。

どこが???と思いますが、さすがプロですね。

お約束通り添えました。

 

これからもまさのさんのご活躍を期待しています!

 

有識者会議委員の心に届いたか?地権者の叫び

流会となった国交省有識者会議。

翌朝の長崎新聞にも、大きな扱いの記事が出ていました。

http://www.nagasaki-np.co.jp/news/ishiki/2012/02/23090140.shtml

 

それにしても、なぜ流会になったのでしょう?

傍聴を求める声にどんな返事が返ってきたのか、あるいは無視されたのか等々、

わからないことだらけでした。

 

そこに、ドーンと公開されたユーチューブの録画映像。

http://www.youtube.com/watch?v=V-5OfmQEvFU&feature=youtu.be

これを見ると一目瞭然。すべてがわかりました。

ことの成行きの一部始終が録画されていました。

 

集まった人々が、どんなに必死に会議の傍聴・公開を求めたか。

それに対して、国交省職員はただ無言で立ちふさがるか、頷くか、

蚊の鳴くような声で「ご理解をお願いします」と繰り返すばかり。

彼らはおそらく、上司の指示に従うだけのロボットと化しているのでしょうか。

自分の頭で考える、感じるという人間の魂を奪われた操り人形のようにも見えました。

彼らだけではありません。

会議に集まった「有識者」の委員たちも、誰一人、

「せっかく遠くからやってきた地権者だけでも傍聴させようじゃないか」とは言いません。

相談しようともしません。

 

その彼らに、岩下さんの叫びは届いたでしょうか?

数人の職員に行く手を阻まれ、ドアの隙間から、ありったけの声を出して訴えた地権者の叫びが。

 

 

私は地権者です。

私たちは50年間、石木ダムに反対してきました。

    13世帯残ってます。

    県は私たちの意見を聞かず、たった3回の検討で継続と決めました。

    私たちを強制収用で立ち退かせようとしてるんです。

    ここで認められたら、事業認定が認可されることになります。

    そうすると強制収用はまちがいありません。

    しかし私たちは闘います。

    絶対にダムは造らせません。

    私たち水没13世帯は絶対にダムは造らせません。

 

私は会議を妨害するつもりはありません

    会議の全容を見守りたいんです。

佐世保市の人口は25年後には76.3%に減るんです。

 

今ある水でも十分足りるんです。

 

そういった検証をやり直してください。

 

 

この結果によっては、私たちはあと20年、30年、

 

生きてる間ずっと闘わねばなりません。

 

有識者の皆さん、あなたたちの責任でこの無謀な事業を止めて下さい。

 

私たちを助けて下さい。

 

 

私は会議を聴きたい、聴かねばならない。

 

私は地元を代表してきてるんです。

 

今日の飛行機代も、皆が、1000円、2000円と出し合ってくれたんです。

 

地元に帰って、どんなことが話されたのか説明する義務があるんです。

 

 

同行していたダム問題の真の有識者が言いました。

 

  S氏:委員の皆さん、黙ってないで相談したらどうですか?

   あなた方、科学者でしょう?

   恥ずかしくないですか?

 

 

E氏:なぜ傍聴させないんだ?

   理由がないだろ?

   傍聴も認めない会議だったら解散しろよ。

   公開できない諮問機関なんて時代遅れも甚だしいよ。

 

 

 

 

最後まで有識者らしい対応をして下さらなかった委員の皆さんですが、

 

お一人お一人の心の中には、きっと地権者の叫びが届いていたはず…

私は、そう思いたい。

 

 

 

有識者会議が流会になった一部始終

昨夜の有識者会議が流会になった一部始終がユーチューブにアップされました。

今後の治水のあり方に関する有識者会議 石木ダム他 2012/02/22

 

ぜひ一人でも多くの方に見て頂きたいです。

長いです(46分42秒)が、忙しい方はつまみ食いでもどうぞ。

●14分30秒あたり〜岩下さん「半世紀ですよ。50年に渡って反対しているのに」

●16分03秒あたり〜「私たちはダムを絶対つくらせません」 

だけでもお願いします。

 

地権者の心からの叫びをお聴きください。

その声に何も答えない「有識者」と国交省。

彼らには耳が無いのでしょうか、心が無いのでしょうか、頭がからっぽなのでしょうか???



(撮影してユーチューブにアップして下さった川原さん、本当にありがとうございました)

 

有識者会議 流会!

今日の有識者会議は、大波乱です。

19:45、水源連から速報メールが入りました。

皆様へ
本日午後6時から国交省で行われる予定だった有識者会議は6時33分流会となりました。
これは、石木ダム現地から上京した岩下さんを始め水原連関係者の会議公開を求める行動に
国交省・有識者会議側が対応できず今日の会議を流会としたものです。
以上速報です。

地元も支援者も大喝采でした。

もちろん、これで中止になったわけではありませんが、

地元の強い反対の意志だけは十分伝わったはずです。

 

先ほど補足のメールが入りました。

会議室の出入り口には国交省職員がピケを張っていました。
「規則なので公開はできない。ご理解ください」と言うだけでした。
非公開の理由をたずねても答えなし。
押し問答が続きました。
会場内に着席した委員と座長に向けて、「会議を開いて公開するか否かを審議してください」
とアピールしましたが、その気配は全くなし。
大臣を除く政務三役が出席していたようですが、なすすべを持ち合わせていませんでした。
有識者会議は定員九名ですが、この日の出席者は七名でした。
その様子は23時からのTBS報道番組で報じられました。

石木ダム現地から上京した岩下さんがおられたので国交省は押し切ることができなかったのでしょう。
せめて公開実現まで、公開要求行動を続けたいと思います。

 

ジャーナリストまさのあつこさんの「ダム日記」には、臨場感あふれるつぶやきが書き込まれていました。

http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/

 

masanoatsuko 洪水から人を守るための会議なのに、傍聴者から有識者を守ってどうする、国交省河川局…。 2 hours ago · reply · retweet · favorite

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masanoatsuko 傍聴させず、流会した今後の治水のあり方会議の資料は重さ3.4キロ。厚さ9cm。 エコパックに詰めて帰宅。 挨拶に来るはずだった前田大臣は逃げたわけか…。 twitpic.com/8n7a88 twitpic.com/8n7a6j2 hours ago · reply · retweet · favorite

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masanoatsuko おんどりゃ、マナーより閣議決定が上じゃい、 岩下さんを傍聴させんかあ〜と、叫びたかった。 3 hours ago · reply · retweet · favorite

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masanoatsuko コメントを取ろうとするフリーランス横田一記者に、取材にもマナーがある、とふざけたことを言っているので、 閣議決定タイトルを述べ、 違反ですよ、と奥田けん副大臣に投げかけたが無言。 3 hours ago · reply · retweet · favorite

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masanoatsuko 99年、審議会等の整理合理化に関する基本的計画という閣議決定があり、 諮問機関は公開が原則。kantei.go.jp/jp/kakugikette…3 hours ago · reply · retweet · favorite

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masanoatsuko 河川官僚は岩下さんの前に立ちはだかり、ブロックして、入れさせなかった。 「2時間の審議でダムを認められてしまうと、私たちの住んでいる所は、強制収用されてしまうんです。どんな議論がされたかもわからずにです。傍聴させて下さい」この声を浴びながら、なぜ、だんまりで流会なのか? 4 hours ago · reply · retweet · favorite

 

水源連の皆さん、まさのあつこさん、本当にありがとうございました。

 

いよいよ有識者会議に登場!

 

明日22日、国交省の有識者会議、その議題の1つに石木ダムが登場します。

昨年7月26日、長崎県が事業継続の方針を国に伝えて約7カ月です。

県にとっては待ちに待った会議開催でしょう。

なぜなら、これまで県や国などから提出された方針が有識者会議で覆されたことは皆無なのですから。

有識者会議とは、各事業主体者から上がってきた方針にお墨付きを与える場に過ぎない、

ということが、今や誰の目にも明らかになりました。

 

ですから、私たちも明日の会議の結論はほぼわかっています。

99.99999…%は、「石木ダム事業継続」

でも、100ではない。

わずかな奇跡を願う気持ちも当然あります。

 

これまで同会議にかけられたダムとは違うんですよ。

半世紀にわたり反対の意志を貫いてきた地権者が大勢暮らしているんですよ。

その13軒もの家をダムの底に沈めるのですか?

その住民約70人の暮らしを破壊するのですか?

 

私たちが何度も突きつけてきたこの質問を、無視せず、受け止めようとする心ある有識者が、

何人でてくるか…少しだけ、

どうしても、ほんの少しは、期待してしまいます。

 

兵庫県 総合治水条例案

17日、兵庫県議会に「総合治水条例案」が出されました。

県のHPに、同条例案http://web.pref.hyogo.jp/press/documents/20120217_98d57eb02f244b65492579a7000c8f14_2.pdf

と、その概要
http://web.pref.hyogo.jp/press/documents/20120217_98d57eb02f244b65492579a7000c8f14_3.pdf

が掲載されています。

 

概要の前文を紹介します。

 

 水は命の源として、私たちに恵みとうるおいをもたらし、古来から生活を支えている。

一方で、水は、時として氾濫し、私たちの生活に大きな影響を与えている。


 これまでの治水は、雨水を河川等に集めて、早く安全に流すことを基本とし、河川に


おける対策として、ダム、堤防等の設置、河道の拡幅等の整備を進め、下水道における


対策として雨水を排水するための管渠等の整備を進めることにより行われてきた。


 しかし、河川の上流の周辺では開発が進行して雨水が流出しやすくなり、河川の下流


の周辺では高度な都市化が進行して大きな被害が生じやすくなるとともに、近年、台風


に伴う大雨のみならず、局地的に集中する大雨が多発することで、従来よりも浸水によ


る被害が拡大している。


 こうした状況のもと、これまでの治水対策に加え、地域における特性及び課題に着目


し、流域全体で雨水を一時的に貯留し、又は地下に浸透させる対策及び浸水が発生した


場合における被害の軽減を図る対策を効果的に組み合わせて実施する総合治水の必要


性が高まっている。


 このため、総合治水の基本理念を明らかにするとともに、総合治水に関する施策を定


め、もって県、市町及び県民が協働して総合治水を推進することを目的として、この条


例を制定する。

そして、第1章総則の第2条に(基本理念)が書かれています。

 総合治水は、河川下水道対策、流域対策及び減災対策を組み合わせることにより、

降雨による浸水の発生を抑制し、浸水による被害を軽減することを旨として、県、


市町及び県民が相互に連携を図りながら協働して推進されなければならない。


2  前項の総合治水を推進するに当たっては、環境の保全と創造に配慮しなければ

ならない。

また、第8条第2項には、(河川の整備及び維持)について、以下のように記されています。
 
 知事は、前項の河川の整備及び維持に当たっては、次に掲げる事項に特に留意する

ものとする。


(1) 貴重な動植物の生息環境又は生育環境の保全に努めること。


(2) 流域の歴史及び文化への配慮に努めること。


(3) 景観との調和に努め、県民が河川に親しむ空間の確保に努めること。
 
 
要は、今までのやり方じゃダメと言ってるんですね。
 
どこがどうダメかというと・・・
 
今までの洪水対策は、溜めて流す、つまりダムを造って、川をまっすぐにして早く流れるようにする、
 
そんな対策には限界がある、ゲリラ豪雨なんかには対応できないですよね。
 
 
新しいやり方は、水を閉じ込めるのではなく、流域全体で受け止める
 
森林整備をして保水力を高め、川の周辺の田んぼや空き地に遊水機能を持たせたり、
校庭や公園等の雨水貯留、駐車場や道路等の雨水地下浸透の取組み、
 
そして、ハザードマップで被害を最小限度に抑える・・・
 
そんな全地域での取り組みが大事であり、結果的には一番有効だということでしょう。
 
 
 
一方、長崎県の石木ダム計画では、川棚川流域の洪水対策としてある一定の雨量が想定され、
 
その範囲内の雨量に対応できるような対策を取ろうとしています。
 
石木川が合流している地点より上流は、30分の1、
 
つまり、30年に1回程度の大雨が降っても大丈夫なような対策を考え、
 
石木川が合流している地点より下流では、100分の1、
 
つまり、100年に1回というほどの大雨が降っても大丈夫なような対策を取ろう…と。
 
そのためには石木ダムがどうしても必要なんだ!
 
という論理です。
 
なぜ上流は30年に1回で、下流は100年に1回かというと、
 
下流域は人口が多く、資産も集中しているから…だそうです。
 
長崎県はそういう考え方の治水です。
 
 
兵庫県は、どんな洪水がおきても、上流から下流まで流域全体で受け止め、
 
皆で総合的に対策を講じましょう、という考え方のようです。
 
 
 
あなたはどちらがいいと思いますか?
 
 
 
 

ダム建設、半分以上が事業費増額!

少し前の情報ですが、

1月19日に発表された会計検査院の報告内容について、日経BPネットが詳しく紹介していますので、

その記事を貼付します。


日経BPネット 2012/02/01

ダムの事業費が16倍に、事業期間を過ぎてから延長も

会計検査院は国土交通省と(独)水資源機構が2010年度時点で実施中の大規模な治水事業について検査。ダム事業費の増額に対する詳細な資料がそろっていないなど、不備を指摘した。スーパー堤防の整備率などでは、完成していない箇所を含めて集計しているとした。参議院の要請を受けて検査したもので、1月19日に結果を報告した。

検査した47ダムのうち、事業費を増額していたのは24ダム。このうち、9ダムでは当初の2倍以上に増えていた。例えば、近畿地方整備局が建設している大滝ダムでは当初、230億円だった事業費が2008年7月時点で15.8倍の3640億円へと増加しており、増額の割合は最も大きかった。

増額した理由について、各ダムの事業主体は物価の上昇や消費税の導入、追加の対策費用などによると説明している。しかし、既存の資料には増額の詳細な要因や内訳が明示されていないと会計検査院は指摘。今後は事業費の変更の詳細な要因と内訳などを調査して分析し、検討するよう求めた。

33ダムでは、当初の事業期間を延長していた。そのうち、7ダムでは当初の2倍以上へと大幅に延長。さらに、延べ48回に及ぶ事業期間の変更のうち、23回は事業期間を過ぎてから延長していた。

例えば、水資源機構が建設している川上ダムの当初の事業期間は、1981年度から2004年度までの24年間。ところが、最終年度を5年以上過ぎた2011年2月になってから、2015年度までの35年間に延長した。

事業期間の延長について、各事業主体は主に用地補償に時間を要したことなどによると説明したが、既存の資料では詳細が明らかになっていなかった。


http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/const/news/20120131/557316/?P=1

 

47ダムのうち24ダムが増額していたとは・・確率は5割じゃないですか!

石木ダムも事業費総額285億円と言ってるけど、増える可能性は50%はあるとみなきゃ・・

ってことですよね?

また、その内の3割以上が2倍以上の増額というのだから・・恐ろしい。

最高は15.8倍ですよ!

一般企業だったら有り得ないことですよね〜

 

以前シンポジウムに参加して下さった田中康夫氏がおっしゃってました。

ダムトンネルは「補正三兄弟」って言われてるんですよ。

ダムも橋もトンネルも、造り始めたら途中で止められないでしょ?

途中で問題がおきても、対策費をどんどん投じて、つまり補正予算を組んで乗りきっていく。

だから事業費はいくらでも膨らんでいくんですよ。

って。

ゾー…