県へ公開質問状提出

今日12月27日、6団体そろって公開質問状を提出するために県庁を訪れました。

案内されたのは、いつものオンボロの狭い部屋。

地権者の岩下さんを中心に、両横には馬奈木弁護団長と板井副団長が並び、

他にも大勢の弁護士さん、地権者の皆さん、石木ダム反対の市民等々でいっぱい!

身動きも取れず、立ったまま待たされました。 

 

弁護士の先生方も、初めて参加した市民の方も唖然…

私たちにとってはいつものことで慣れっこですが、

これが「話し合いに応じて頂けるよう誠心誠意努力します」と繰り返す県の実態です。

誠意のかけらがどこにある?

誠意と言う言葉の意味を知らないのでは?

 

約束の時間ギリギリにやってきた河川課川内企画監は公開質問書を受け取り、

「知事に渡します」「知事に伝えます」という官僚答弁を繰り返すばかり。

唯一、1月6日までの回答は難しいと言ったとき、弁護団長はすかさず、

「あなた方が利水や治水について説明している内容についての質問です。

すぐに答えられるはずです。答えられなければ、あなた方の説明には根拠がないという

ことだと私たちは考えます」とにっこり。

言い訳上手の企画監も納得させられてしまいました。

さすが弁護士さん!

そして、単に文書での回答を求めるだけでなく、

来年1月9日に知事が川原公民館に来て、直接説明するように!

おいでにならなければ、こちらからここへ参ります。

ときっぱり。

一部始終はこちらで見れますよ〜

http://www.youtube.com/watch?v=qihsEL0Yy1Q&feature=youtu.be

 

公開質問状を手渡す儀式の後は、報告集会。

公開質問状の中身についての説明と、先ほど河川課の職員に伝えていたことの補足説明など。

 

イサカンの場合、知事は、開門したら農業に被害が起きるという住民の不安に答えていない、

だから体を張って抵抗していいんだという姿勢でやってきた。

しかし、県と国のやりとりは5回もあった。

県が質問し、国が答え、その回答では納得がいかないとまた県が質問し、再び国が回答し…

そんな知事が、石木ダムの場合は住民の疑問に答えないというのはおかしいでしょ?

答えるべきですね。

 

な〜るほど。ほんとにわかりやすい説明でした! 

詳細はこちら。

http://www.youtube.com/watch?v=VMd93al1o8Q&feature=youtu.be

 

その後、県庁の記者室で、記者会見。

いつもと違って、記者さんからの質問も出るわ出るわ…。

明日の新聞が楽しみです〜 

 

そうそう、肝心の公開質問書はこちらです。

弁護団長いわく、

私たちが短期間で一から勉強して、若手弁護士がわかりやすくまとめました。

自画自賛できる内容になっています、と。

ほーんと、そうなんですよ。 

ぜひ目を通してみてくださいね〜

 

事業認定告示と地権者の決意

長崎新聞「2013県内回顧」に掲載された石木ダム問題の記事を貼り付けます。

長崎県が国に事業認定を申請してからほぼ4年後の今年9月、

県にとっては待ちに待った事業認定が告示されたこと、

それによって土地の強制収用の可能性が出てきたこと、

しかし、地権者の思いは変わらず、反対の決意を新たにしていることなどが記されています。

 

諫早湾開門不履行 抗議集会

昨日、12月21日、私たち石木ダムに反対する市民も、この集会に参加しました。

 

公共事業というのは公共の利益を生むはずのものなのに、

それどころか、海の生態系を破壊し、大きな漁業被害を与え続け、漁民を苦しめ続けている

公共に大きな害をもたらした諫早湾干拓事業。

有明海の再生には、開門しかない。

ということで、3年前の福岡高裁判決が確定し、国は2013年12月20日までに開門するよう

命じられたのに、その約束を破ってしまった。

謝罪もしない。

いついつまでに開門するとも言わない。

前代未聞の事態に、弁護団や漁民だけでなく、多くの市民が抗議の声をあげました。

詳細はこちらをご覧ください。

 

石木ダム建設絶対反対同盟の岩下さんも連帯のスピーチをされました。

中村知事は、私たちが話し合いに応じないから事業認定の手続きをしたと言いながら、

自分は諫早湾開門が前提の話し合いに応じて来なかった。

矛盾した知事の対応は許せない。

諫早湾開門の皆さんと共に、知事と闘っていきたい。

 

海の恵みを知る人たちと、川の恵みを知る人たちが手を繋げば、

きっと大きな力になるでしょう。

 

そして、私たち市民県民も当事者だってことを忘れないようにしなくっちゃ…ね。

イサカンと石木ダムに費やされる莫大な費用は、

国の補助金にしろ県の予算にしろ、私たちの税金ですから。

 

今現在の国の借金(日本政府の抱える国および地方の債務残高)は、

総額1267兆にまで膨らみ、一人当たり993万円という信じられない赤字財政の中で、

これ以上無駄な借金背負いたくないし、

もっと必要なこと(医療や教育や福祉)のために使ってほしいですよね〜

 

水道局長退任あいさつ

18日本会議最終日、私たちが提出した請願について採決がおこなわれました。

17日の石特委員会で全員の反対で不採択になっていますから、

結果はわかっていましたが、やはり確認に行きました。

 

請願に賛成したのは、社民党3名+共産党1名=4名のみ。

あとは全員反対で、結果、不採択。

 

その後も、私は傍聴席に残っていました。

最後まで居るつもりでした。

それは、水道局長の退任挨拶を聴くためでした。

 

川久保水道局長が今月いっぱいで辞めるらしい!との情報を得たのは5日ほど前のこと。

なぜ?普通は3月末なのに…

体調の問題?それとも…

 

市議さんたちの間では、「あんたがあんまり苛めたからだよ」と、

石木ダム問題で水道局長を追及し続けてきたY市議が容疑者扱いされたり、

当のY市議は、「いやいや、彼は案外僕と同じ思いかもしれん」と想像したり、

それを聞いた市民は、また全然違う見方をしたり…

 

そんなこんなで大きな関心を持って拝聴しました。

要点をまとめると、

 

★ 4年前水道局長になった時、私は4つの水を課題とした。

  「原水の確保」「漏水の防止」「簡水の統合」「下水の普及促進」の4つで、

  この4年間で、ほぼ目標を達成したり道筋を付けたりできた。

  (具体的な数字を入れながら説明)

 

★ 中でも、原水の確保、つまり石木ダムはたいへんだった。

  着任した時すでに事業認定の申請が出されていて、その後、ダム検証や再評価など

  高いハードルがあったが、それを乗り越え、9月6日、やっと事業認定の告示がなされた。

 

★ 水道局長に着任した最初の議会は22年6月議会だったが、その時以来15回連続で

  石木ダムについての質問があった。一人の議員が一つのテーマで15回も続けるというのは

  ギネスものではないか?(議場、爆笑) 

  しかし、そのような追及があったので、ダム検証など乗り越えられた。大変感謝している。

 

★ 何とか役目を果たした今、3月ではなく今の時点で次の管理者に引き継ぎたいと思う。

  というのは、自分が水道局長になった時、予算も人事もすでに出来上がっていて、

  自分の手では何もやれなかった。次の管理者にはそんな思いをさせたくない。

  それが理由だ。重病説が飛び交っているようだがそうではない(議場、大爆笑)

 

★ 佐世保には未来がある。工業団地にはこれから工場が入ってくるだろう、港が整備され、

  中国や韓国との交流が増えるだろう、ハウステンボスも元気だ、前畑弾薬庫跡地の開発、

  等々、佐世保の発展の可能性は高い。

  それを実現するのは議会と行政の連携、そして水が必要である

 

結びに「川久保は最後まで水、水、水…と言っていたと語り草になるかもしれませんが」といい、

「新しい水道局長にも叱咤激励を。叱咤、叱咤、叱咤ではなく、叱咤、激励、激励くらいで…」

など、ユーモアたっぷりに、最後まで完璧なご挨拶でした。

 

さすが川久保局長、スマートな弁だったな〜と思いました。

しかし、残念です。

もしかしたら…との思いはみごとに裏切られました。

私のかってな誤解でした。

 

「強制収用も選択肢として有り得る」と言った県知事や、

それを支持しようとする市長の意思を確認し、

自分はその一員ではいたくない、地権者に鉈をふるう当事者にはなりたくない、

との思いで、職を辞していかれるのかも…

水道局長として、佐世保の水事情を知り尽くした結果、

流血の事態を招いてまで力尽くでダムを造る必要はないとの思いもあって…

などと、美しい誤解をしていました。。

 

実際はその反対で、

最後まで、水、水、水が必要(=ダムが必要)というお気持ちだったのですね〜

 

残念です。  

 

強制収用反対請願不採択に関する報道

17日の委員会に関する記事をまとめました。

 

1.長崎新聞

 

2.西日本新聞

 

3.朝日新聞

 

4.読売新聞

 

5.NBC長崎放送  12月18日

  石木ダム 請願不採択
 
東彼・川棚町に計画されている石木ダムについて、建設予定地での強制収用をしないことを
 
求める意見書の請願が佐世保市議会に提出され17日、特別委員会で審議された結果、
 
不採択となりました。石木ダム建設予定地の強制収用はしないことを求める意見書の請願は、
 
建設に反対する市民団体が佐世保市議会に提出したもので、特別委員会に付託されました。
 
石木ダムをめぐっては今年9月、土地収用法に基づく事業として認定されたことから、県が
 
反対地権者の土地を強制収用することも可能な状態となっています。
 
市民団体は佐世保市議会に対し、強制収用をしないよう県知事に求める意見書を提出する
 
よう請願しました。
 
委員会では「地権者との話し合いを続けるとの方針が県から出されている」などの意見があり、
 
委員会で採決された結果、賛成者がなく請願は不採択となりました。
 
 
6.NIB 長崎国際放送
 
 土地の強制収容 反対請願を不採択

 

石木ダムの建設事業で佐世保市議会は市民団体が提出した土地の強制収用に反対する請願を

 

 

 

不採択としました。強制収用という「仮定の話での意見書は不適当」としています。

石木ダム建設を巡っては今年9月、国が事業認定を行って県による土地の強制収用が可能とな

 

 

 

っています。

 

 

 

市民団体は「地権者の生存権を侵害する行為」だとして市議会への請願で強制収用に反対する

 

 

 

意見書を県に提出するよう求めていました。

 

 

 

18日の本会議ではこの請願について審議し賛成、反対の立場から議員が意見を述べました。

 

 

 

請願は採決の結果、共産と社民をのぞく反対多数で不採択となりました。

 

 

 

17日の特別委員会では傍聴に詰めかけた地権者が声を荒げる場面もありましたが本会議には

 

 

 

姿を見せませんでした。
 

またしても不採択「石木ダム建設予定地の強制収用はしないで…」

12月17日午後3時、石木ダム建設促進特別委員会が始まりました。

請願第46号 「石木ダム建設予定地の強制収用はしないことを求める意見書についての請願」

を是非採択してほしいと、30人を超える傍聴人が集まりました。

 

はじめに、12月2日に佐世保市内の2団体が提出した請願文書をS・Mさんが読み上げ、

続いてM・Yさんが趣旨説明をおこないました。

 

その後、私も補足説明をさせていただきました。 

まず、4年前に採択された「石木ダム建設促進に関する意見書」には、

昭和57年の強制測量により、住民の方々に深い心の傷を負わせたことを真摯に反省し」

という文言がありますが、

昭和57年、1982年、県が地権者にどのようなことをやったのか、

思い出してもらうために写真を数枚用意しました。

 

機動隊がやってきました。

静かな里山に大勢の人々。

黒づくめの機動隊に守られて、白いヘルメットの測量隊が入ってきます。

それを阻止しようと住民が人間バリケードを築いています。

男性も女性もお年寄りも子どもたちもみんな一緒です。

女性は皆、手に数珠を握りしめ、般若心経を唱えています。

こんな小さな子どもたちも腕を組んで必死に抵抗しています。

この子どもたちが、今は親となって、我が子にふる里を残すために闘っています。

 

でも、どんなに祈っても抵抗しても権力者には勝てません。

住民のバリケードは突破され、測量が強行されてしまいました。

 

ただ当時は、測量が終われば職員も機動隊も引き上げて行き、

一見穏やかな日常が戻ってきたことでしょう。

 

しかし、これから直面するのは土地の強制収用。

これが裁決され、それによって行政代執行がなされたら、もう日常生活は「決して」もどってこない…

川原に住んでいる約60人の方々の家も田畑も水の底に沈められ、暮らしは破壊されてしまう。

そんな蛮行が、かつてこの日本で行われたことがあったでしょうか?

 

県河川課の企画監は新聞のインタビューに答えて、

「強制収用も選択肢の一つとは言ったが、すぐにとは考えていない。

これまで以上に誠心誠意お願いしていく。

他のダムでは事業認定後に任意の解決が得られているので、

石木ダムもそうなることを望んでいる」

という趣旨の発言をしましたが、

地権者の方々の思いは今も全く変わりません。微動だにしません。

ふる里を守りぬくという意思はますます強く固くなっています。

 

県が強権発動すれば、強制測量のときとは比較にならない深刻な闘いが繰り広げられるでしょう。

川原の地権者にとっては、まさに後の無い、命がけの闘いです。

流血の事態になってから後悔しても遅いのです。

82年当時よりもはるかに深い傷を地権者にも、また佐世保市民にも残します。

それを止められるのは、議会であり、ここにおいでの委員の皆様です。

委員であると同時に、皆さまは私たち市民の代表であり、市民のお一人です。

賢明なるご判断を切にお願いします。

 

などと、ありったけの思いを込めて、市議さんたちの良心に訴えたのですが…

残念ながら、今回も不採択。

その理由は…

① 現在、県は話し合いで解決を図ろうと努力しているところであり、

  「任意での解決ができない場合に」という仮定のことを採択はできない。

② 事業認定は土地収用法に則ってなされたが、土地収用法には収用権が認められている。

  収用権をはじめから外すということは、法そのものを否定することになる。

  整合性の問題からも認められない。

ということだそうです。

 

またもや仮定の話は門前払いですか?

今現在水は十分足りているのに、「また平成6年の時のような大渇水がおきたら…」という

仮定の話でさんざん市民を脅して、不安にさせて、ダムを造ろうとしてきたのは、

どこのどなたでしたっけ?

 

仮定とおっしゃいますが、知事自身が選択肢の一つと言ったんですよ。

つまり、強制収用するかもしれないし、しないかもしれない。

「強制収用しない」というのも仮定の一つじゃないですか。

 

そして②の理由をおっしゃったのが、公明党さんとは驚きです。

強きを挫き、弱きを助けるのがモットーのようなことを普段おっしゃっているわりには

すごく残酷な発言ですね〜

法律で認められているから収用権を否定すべきではないって?

それを、なぜ最初からおっしゃらなかったのでしょうか?

「事業認定は話し合いの場を得るためにおこなうのであって、

強制収用は考えていない」と、

知事も市長も議会も、さんざん言ってきました。

その時なぜ、「それは土地収用法を否定することになる」と

発言されなかったのでしょう?

今になっておっしゃるのはフェアでないと思うのは私だけでしょうか?

 

いずれにしても、佐世保市議の皆さんにはがっかりです。

行政をチェックしようという気はサラサラないらしい。

県や市のやることをただ見守るだけ。

 

思い出してほしい。

平成6年の大渇水の時、市民の苦労を目の当たりにして、皆さんは反省したはず。

県の言いなりになって石木ダムに依存するあまり、独自の水源対策を取ってこなかった。

そのことを市民に批判され、皆さんは市長を責めたてたじゃないですか。

議会がもっと早く、代替案を考えろ、対策を立てろと市に物申していたら、

そして、それを市水道局が実行していたら、

あれほどの苦労はしなくて済んだはず。

 

考えてほしい。

県の言いなり、市長の言いなりになって石木ダムを造ったら、

市の財政負担がどれほど増えるか。

年月が経つほどに人口は減り、水需要は減り、

1世帯あたりの負担は増え続けるはず。

 

その責任を取る覚悟がお有りですか?

 

石木ダム事業費 市民への負担は 今後204億円!

今日は佐世保市議会本会議を傍聴してきました。

一般質問で、山下市議は、こんな質問をしました。

多額の石木ダム建設費は借金に依存している

長期にわたる利子・利息の支払いと、一方では水需要減少に伴う水道料金の減少。

安易な市民への経済負担転嫁は許されない。

どんな起債条件で借金するのか。元金・利息はどうなるのか。

 

それに対して水道局長は、こう答えました。

企業債につきましては、現在、地方公共団体金融機構から借入を行っており、

償還期間は30年、現在の利率は1.4%となっています。

石木ダム建設事業で今後発生する水道事業会計負担分は約164億円となりますが、

企業債の支払い利息を含めた場合、約204億円になると試算しております。

一度に負担していただくわけではありませんが、

仮に1世帯あたりに置き換えますと約17万円になり…

 

何と水道局の負担は今後204億円にもなり、

それは当然水道料金に跳ね返り、

その金額は1世帯あたり約17万円になるそうです。 

 

今年6月議会では約19万円と答えていたのに、

わずか半年で2万円も減っているのは不思議ですが…

いずれにしても、私たち佐世保市民は、石木ダムのために、

1世帯あたり17〜19万円払ってね

と言われてるわけです。 

 

佐世保市民の皆さんはそれでいいの?

市民の世論も二分し、今さらダムなんて必要無し!という人も多いのに、

あなたは、そんな大金払う気あります   

 

 

石木ダム反対弁護団結成集会に関する報道

12月5日の弁護団結成・決起集会についての新聞記事とテレビニュースをまとめてみました。

 

●長崎新聞

 

●読売新聞

 

●朝日新聞

 

 
石木ダム反対派住民が弁護団結成 
 
東彼・川棚町に計画されている石木ダム問題で、建設に反対する地元の住民らが弁護団を結成し5日夜、現地で結団式が行われました。水没予定地の公民館で開かれた集会にはダム建設に反対する地権者ら50人あまりが参加、弁護団10人のうち6人の弁護士が出席しました。石木ダムをめぐっては地元住民の根強い反対運動により40年近く着工できない状態が続いていますが、今年9月、土地収用法に基づく事業として認定されたことから、長崎県が反対地権者の土地を強制収用することも可能な状態となっています。このため住民らは法律的なアドバイスを受けながら反対運動を続けようと弁護団の結成に踏み切ったもので、まずは中村知事に公開質問状を提出し、公の場で改めて石木ダムの必要性について論議したい方針です。弁護団では石木ダム問題を次期知事選挙の争点の1つにしたい考えで、長崎県の出方次第では法廷闘争も辞さない構えです。
 
 
KTNテレビ長崎
http://www.ktn.co.jp/news/ 
 
石木ダム反対派の弁護団結成
 
東彼杵郡川棚町に計画されている石木ダムの建設に反対する地元の地権者たちを支援する弁護団、がきのう夜、結成されました。 
弁護団は、石木ダム建設絶対反対同盟の地権者13世帯の活動を支援するため、九州の弁護士10人が、参加しています。石木ダムは、洪水の防止と、佐世保市の水道用水の確保のために、県と佐世保市が計画していて、今年9月には、土地の強制収用への道を開く「事業認定」が告示されました。昨夜の集会で、弁護団の馬奈木昭雄団長は「無駄な事業に税金が使われるという意味で、県民全員が被害者」として、諫早湾干拓事業の反対運動とも連携していくことを報告しました。弁護団長  馬奈木昭雄弁護士「皆さん方の生活に、本当に必要な金を使わせるということでがんばろう」石木ダム建設絶対反対同盟・岩下和雄さん「私たちは、今後ともがんばっていくという強い力を得た」当面裁判を起こす予定はなく、年内にも、県知事に公開質問状を送り、討論会の実施を求めていくことにしています。
 

 

12・5 石木ダム反対弁護団結成・決起集会

ついに弁護団が結成されることになりました。

昨日12月5日、いつもの川原公民館に大勢の地権者と支援者が集まり、

TVカメラも4台ほど?

みんなの眼差しの先には…

馬奈木弁護団長をはじめとする6人の侍じゃなくて弁護士の先生方。

 

馬奈木昭雄弁護士は、長崎ではイサカンの弁護団長としてあまりにも有名ですが、

他にも水俣病訴訟や産廃問題でもご活躍。

勝つまで闘う(馬奈木イズム)をモットーとなさっている、頼もしーい弁護士さんです。

こんなことを語ってくださいました。

 

石木ダムの被害者は誰か?

建設予定地に住む皆さんはもちろんだが、それだけではない。

石木ダムができなかったら、そのお金を他のことに使える。

(こどもの保育所を増やすとか、医療費の助成とか)

県民が必要とするお金が無駄な事業に使われていると考えれば、

被害者は県民全部

そのような視点に立って費用対効果を考えなければならない。

 

イサカンでは調整池の水を浄化するために、毎年30億円のお金が使われている。

あの排水門が造られなかったら、そのような無駄な予算はたてなくていいし、

そのお金は他の必要なところに使える。

 

な〜るほど!ですね。

 

副団長は、馬奈木弁護士と同じ久留米市の高橋謙一先生。

ずーっと長い間、馬奈木弁護士と組んで仕事をしてきたツーカーの間柄のよう…

公害、原発、産廃などに取り組んできた25年のベテラン弁護士さん。

 

事務局を担ってくださるのは、北九州市の平山博久弁護士。

全国集会の時も登壇して、力強く、しかも温かいメッセージを発信してくださいましたが、

あの時の約束通り、弁護団結成が実現しました。

若くて頼もしい弁護士さんです。

 

同じく北九州市の緒方剛弁護士は、

消費者問題や交通事故など一般的な事案に対応しておられるようですが、

いつのまにか失われていく自然への思いも語って下さいました。

 

福岡市から来られた毛利倫(とも)弁護士は、

薬害訴訟、労働事件、原発問題などをてがけている弁護士さん。

「ダム問題は初めてなので、皆さんと一緒に学びながらとりくんでいきたい」

と真摯なお人柄を感じるご挨拶でした。

 

そして、長崎市の魚住昭三弁護士。

「僕の事務所は一人なので、離婚でも借金でも何でも受け付けています」と言って、

みんなを笑わせていらっしゃいましたが、本当は笑いごとではありません。

ダムや原発、薬害など社会的な重要問題で、

行政と闘っている弱い立場の市民に寄り添ってくださる弁護士さんが、

長崎県内にはほとんどいないらしい。。

だから、イサカンや原発などの集会でお目にかかるのも、いつも魚住弁護士さん。

福岡や熊本にはこんなにいらっしゃるのに…

 

ところで、昨日はお忙しくて欠席でしたが、その熊本からは板井優弁護士もメンバーのお一人。

あの川辺川ダム訴訟で弁護団長を務められ、農水相も上告を断念したすごい方らしい。

板井弁護士の座右の銘は、「最も困難なところに最も良い仕事がある」と、ネットで見ました。

水俣病、じん肺、原爆症認定などなど、「住民こそが主人公」をモットーに行政と闘ってきた、

しかも負け知らずの弁護士さんだとか・・・これは弁護士仲間の方の評価です。

 

他にも、昨日来られなかった弁護士さんとしては、あと3人いらっしゃいます。

北九州の田篭亮博(たごもり あきひろ)弁護士、

福岡の堀良一弁護士と

同じく福岡の八木大和(ひろかず)弁護士です。

堀先生もイサカンでご活躍の先生で、集会などでよくお見かけします。

 

こんなすごい先生方を集めて下さった平山弁護士には、本当に感謝!です。

 

でも、馬奈木団長はおっしゃっていました。

私たちがやる気になったのは、イサカンの集会で岩下さんの訴えを聴いたから。

その場にいた弁護士たちは感動して、その気になった。

こんなに頑張っておられる、我々も一緒になって闘おう…と。

 

岩下さんのすごさを私たちもあらためて感じましたが、

それは物心ついた時から、このダム問題に関わり続けた人生そのものが、

彼の言葉を紡ぎだし、その眼差しにも声にも宿っているからだと思います。

そして、それは彼だけではなく、

13世帯皆さんに共通するものです。

 

これからも闘いはまだまだ続きますが、

昨夜は新たな船出といった印象を私は感じました。

今までは、小さな小舟で、やみくもに力いっぱい漕ぎながら、

目指す港は見えないし、羅針盤も壊れているし…そんな心細さを感じていましたが、

突如あらわれたベテラン航海士たちが乗り込んできてくれた!

これからは嵐がきても、目的地を見失わず、希望をもって漕ぎ続けることができる!

そんな嬉しさでいっぱいでした。   

                       

 

川は流れてこそ川

熊本県の球磨川といえば、日本三大急流の一つ。

川下り、アユ、を連想する清流ですが、ダムが造られてからは、

水質悪化、アユの減少、洪水被害等々流域の人々は苦しめられてきました。

そこで大きな住民運動がおこり、ついに昨年から荒瀬ダムの撤去作業開始。

ダム撤去による効果を確信した住民は、

今度は瀬戸石ダム(荒瀬ダムの約10キロ上流にあるダム)の撤去を求めて、

24日八代市で集会を開きました。

その集会で採択された宣言文をご紹介します。

「川は流れてこそ川」という一文が強く心に残りました。

同感です。

流れを止めれば、それはもはや川ではなく、

川としての死を招き、流域の生態系の死も招いていくでしょう。

私たちの血管の流れを止めたら、私たちの体はどうなるか?

それとおなじことでしょう。

 


         集会宣言

かつて私たちにとって、球磨川は文字通り宝でした。

澄んだ豊かな流れとともに、鮎を始めとする多くの魚が群れ泳いでいました。

球磨川はとりきれないほどの魚を私たちにもたらしました。

また私たちは、川で泳いだり遊んだりしていました。

私たちの生活は川とともにあったのです。


私たちから川を遠ざけたのはダムです。

ダムは水害を引き起こし、私たちの家や財産を奪いました。

ダムが出来る以前には水害という言葉はありませんでした。

ダム湖からの放流やダム湖の水位上昇により、ダムは球磨川を水害頻発地帯

に変えてしまったのです。

また、水質悪化をもたらし、ダムができるごとに漁獲高は激減していきました。


1958年の完成以来、このような瀬戸石ダムによって私たち流域住民は

苦しめられてきました。

しかし、電源開発は、瀬戸石ダムの弊害の実態に目をそむけ、認めようとしません。

私たちの声には耳を貸さず、瀬戸石ダムの水利権申請を急いでいます。

私たちはこのような電源開発の姿勢を容認するわけにはいきません。

熊本県は球磨川水系において、これまで川辺川ダム中止、五木ダム中止、

荒瀬ダム撤去という政策を採ってきました。

ダムのない社会を目指す私たちはこのことを高く評価しています。

私たち流域住民は「球磨川は宝」という熊本県の基本的な立場から、

熊本県が私たちの声を聞いて、

瀬戸石ダム撤去の実現を目指して動いていくことを期待しています。

川は流れてこそ川。

瀬戸石ダムは能力の6割程度の発電しか行っておらず、

川をせき止めているだけの障害物です。

蒲島郁夫熊本県知事の英断で、荒瀬ダム撤去が実現し、今、清流・球磨川や

豊饒の海・不知火海がよみがえりつつあります。

ダム中止・撤去にこそ明るい未来があるのです。

ダムはもう沢山です。

私たちに宝の川、球磨川を返してください。

私たちは、瀬戸石ダムの存続を許さず、その撤去を実現するまで闘っていくことをここに宣言します。

 

2013年11月24日「球磨川は宝 瀬戸石ダムはいらん!住民大集会」参加者一同