雨しのぐトタンの「団結小屋」

(西日本新聞2021/6/16 6:00 ) https://www.nishinippon.co.jp/item/n/755616/

石木ダム建設反対闘争のシンボルとなっている「団結小屋」

「団結小屋」の内部。テレビや冷蔵庫もある

石木ダム・リポート ―6月15日―

石木ダムの建設予定地(長崎県川棚町)は15日午後、突発的な強い雨に見舞われた。地質調査へ向けた作業道路の整備現場に座り込んでいた住民3人は数十メートル先の「団結小屋」に駆け込み、雨をしのぎながら県の動きを警戒した。

トタンで覆った小屋は40年以上前、反対派住民の切り崩しに訪れる県職員を監視する目的で建てた。当時は、泊まり込みで職員を追い払ったという。

県道沿いの土地は住民が提供。建設資材の丸太を固定するボルトの溝はつぶし、容易には外れないようにした。「簡単に代執行されないための工夫です」と石丸勇さん(72)。

県は土地収用法の手続きを進め、2019年9月までに住民の土地や農地の所有権が国へ移転された。小屋はダム本体の建設予定地に位置しており、住民側は「代執行するなら、団結小屋から」とにらむ。

普段から高齢の住民が詰め、地元のイラストレーターが描いた水没予定地の豊かな自然の絵を不定期で展示し、抗議の意志を示す。

県が着工を見送っているダム本体の現在の工期は6月末まで。この日も、県道付け替え工事の現場で山の掘削工事が進んだ。「収用法は鉈(なた)である。返り血も浴びる」。小屋の外壁に掲げた看板が雨にぬれていた。

(岩佐遼介)

3分ドキュメンタリー:石木川のほとり 第2弾

第2弾はこちら。「ゲンジボタルの乱舞」



長崎県川棚町を流れる石木川はゲンジボタルの生息数が多いだけでなく、川幅が狭いために手が届くほどの近さでホタルが乱舞する様子を楽しめるのが特徴です。

石木川では例年5月中旬からゲンジボタルが飛びはじめます。
コロナ禍によって2020年に引き続き今年も中止となりましたが、石木川のほとりでは5月最後の土曜日に「ほたる祭り」が催され、この祭りの前後が乱舞のピークと言われています。

ゲンジボタルはサナギから羽化して成虫になると、1〜2週間程度しか生きていけません。
この短い間にメスとオスは光でコミュニケーションを取り合い、交尾をして子孫を残します。
地元の方によると2021年は例年よりも羽化が早く、5月中旬頃には乱舞がはじまっていたとのこと。
そのため発光や飛翔のピークは過ぎていたかもしれませんが、それでも見応えのある乱舞を見ることができました。

今回はあえて字幕を入れずに編集しました。
日本の原風景とも言える景色をお楽しみください。

以上は撮影者村山氏によるキャプションです。

こうばるのホタルを何度も見てきた私には、正直なところ、「乱舞?」と思ってしまいました。
こうばるの皆さんも今年のホタルは寂しい・・とおっしゃっていました。

それはきっと、昨年夏の豪雨のせいかもしれません。
7月10日の線状降水帯による豪雨のときは、

例年ホタルが乱舞する辺りでも、このようにゴーゴーと荒れ狂ったように流れていました。

県が工事用の重機を搬入するために造った仮設道路も崩れてしまうほど、流れの勢いは激しかったのです。この時期のホタルはまだ卵か幼虫か・・川岸や川底で暮らしていたはず・・多くが流されてしまったのではないかと思われます。

その過酷な荒波を生き抜いたホタルたちです。
よく頑張ったね!
と言ってあげたい、そんな健気なこうばるのホタルです。