私たちの活動

「水を大切にする日」のキャンペーンチラシの内容に抗議する 2010年9月1日

石木川まもり隊は、「水を大切にする日」のキャンペーンチラシの掲載内容が不適切として、水問題を考える市民の会(代表・篠崎正人)ととに午後4時半、、佐世保市水道局を訪れ抗議の申し入れを行いました。
キャンペーンチラシは佐世保市水道局が作成し、8月29日の佐世保市内の新聞各紙に折り込まれたもので、水を大切にすることを目的として”節水を心がけましょう”と呼びかけるとか、”1日約1万トンの漏水対策の取り組み”を市民に提示するのではなく、石木ダム建設推進をアピールする内容となっている。

抗議文は次の通りです。

貴局発行のチラシが8月29日の新聞各紙に折り込まれていました。
「水を大切にする日」キャンペーンの宣伝チラシとしては、節水など「水を大切にしましょう」という呼びかけの一言もありません。自然の資源を大切にする考えを普及することは、現代人にとって、普遍の課題ではないでしょうか。ところが、このちらしは、石木ダム建設推進のキャンペーン一色です。
石木ダム建設に関する貴局の説明については、私たちは、その不合理性を事実に基づいて、既に指摘しています。チラシの内容は、私たちの指摘に対する弁明もなく、貴局従来の説明の繰り返しとなっています。
これでは、一方的な情報で、市民に誤った判断をさせることになります。公正であるべき公共団体として、道を誤っていると言わざるを得ません。
今回のチラシは公正さを欠き、市民を誤導するものとして、私たちは、貴局に対し厳重に抗議します。

さらに、チラシの内容について公開質問状を提出し、9月16日までに文書で回答を得ることにしました。
質問事項は次の通りです。

  1. 「佐世保の水源確保が難しい」というが、佐世保市内には大小数多くの「ため池」があり、また平成19年の給水制限(減圧給水)のとき不安定水源から1日2万トン以上を取水した事実があります。このことから佐世保の水源は確保できているのではないですか。
  2. 「毎日の水を確保できていません」というが、いつの、どのような水事情をいうのですか。
  3. 「気象の変化も影響しています」というが、いつの、どのような気象変動がどのように水事情に影響をもたらしましたか。具体的に説明してください。
  4. 川棚川から満足に取水できない日が年間の半分以上になった年は、いつですか。
  5. 水源量117,000m3は、どのように導き出された数字ですか。具体的に説明してください。
  6. 河川等から取水することが出来る28,500m3/日の水源があるのではないですか。

中村知事と対面できず 2010年4月22日

石木川まもり隊は、石木ダム建設絶対反対同盟や清流の会のメンバーら総勢約40人とともに午前7時、石木ダム付け替え道路工事現場前に集合。
雨が降る中、抗議の「石木ダム絶対反対の歌」を歌ったり、シュプレヒコールを上げて知事が来るのを待ちました。
午前8時半すぎ、知事は私たちの抗議行動を見ることもなく、また地権者の声を聞くこともなく、県石木ダム建設事務所を去りました。

左端=森田正昭清流の会代表 右端=古川章石木ダム建設事務所長
左端=森田正昭清流の会代表
右端=古川章石木ダム建設事務所長
「抗議行動を見るという約束だったはず」「建設事務所から車で2、3分。どうして来てくれないのか」と不満の声が上がる。絶対反対同盟の岩下和雄氏は「一度も現場を訪れず、一方的に対話を求めてくる知事の姿勢には、まったく誠意がない」と憤る。
9時すぎ解散。帰路、私たちは清流の会と県石木ダム建設事務所に立ち寄り、知事が現場に訪れなかったことを抗議する。

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石木ダム付け替え道路建設中止を求め県庁で座り込み 2010年4月20日

石木川まもり隊は午前9時、県庁正面玄関前で、石木ダム建設絶対反対同盟や清流の会(川棚町)のメンバーらと合流。当初は午後1時半、県土木部に石木ダム建設のための付け替え道路工事の中止を申し入れる予定だったが、県の事前発表によると、知事の20日午前の行動予定は「在庁」ということで、急きょ知事への直接陳情を決めた。
中村法道知事に面会を求めたが「公務で不在」として秘書課が対応。知事の対応を求める地権者と、「日程の都合がつかない」とする県側が押し問答となり、長崎市の支援者らも駆けつけ総勢約40人が庁舎内で約時間半、座り込みを続けた。
結局、知事とは会えず、「石木ダム付け替え道路建設工事の中止を求める申し入れ書」を提出した。


付け替え道路工事の中止を求め県庁前で座り込み

中村知事との面会を秘書課に要望するが河川課職員が出てきて対応

知事「午前在庁」として面会を求め2時間半秘書課職員と押し問答

知事「突発的公務」で不在の理由により面会できず

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石木ダム付け替え道路建設中止を訴えるチラシ配布 2010年4月18日

石木ダム建設のための付け替え道路建設の中止を訴えるチラシを島瀬町のアーケードで、18日午前11時から午後2時まで用意した1000部のチラシを市民の皆さんに配布しました。

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石木ダム付け替え道路工事抗議行動 2010年4月3日

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石木ダム付け替え道路工事抗議行動 2010年4月1日

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石木ダムについて 長崎県知事選立候補予定者5人に聞きました

石木川まもり隊、石木ダム建設絶対反対同盟、石木川の清流を守り 川棚川の治水を考える町民の会の3団体は、長崎県知事選立候補予定者5人に石木ダムについての公開質問状を送付し、その回答を得たので公開します。なお、松下満幸氏と山田正彦氏については公開質問状を送付した時期に、立候補を表明されていなかったので公開質問状は送付していません。

公開質問状に対する回答(氏名は左から県知事選立候補届出順:敬称略)

  橋本剛 深町孝郎 中村法道 押渕礼子 大仁田厚
(1)石木ダムは必要ですか 分からない 必要でない
佐世保市の水需要予測は過大で、日量1万トンの漏水防止などを講じれば石木ダム建設は不要です。洪水対策もダムによらずに可能です。
必要
将来の佐世保市の水事情を考えるとき、石木ダムは必要と考えます。
必要でない
飲料水源の確保(工業用水も含む)なのか、防災用なのか、不明確さがあります。ダムを造らず他の方法で対処すべきものと考えます。
分からない
冷静で建設的な議論と調査が必要と思います。
(2)ダム建設の事業認定申請は 分からない 間違っている
必要でないうえに地権者全員の同意が得られていないダム建設の事業認定申請はすべきではない。
必要
事業認定申請中にあり、後は国の判断待ちの状況です。
間違っている 間違っている
退任される方(金子原二郎)が将来影響を与える事柄を判断すべきでない。
(3)事業認定申請が許可されて、地権者の同意が得られなければ強制収用が可能になりますが 強制収用はしない 強制収用はしない
県の行政は、あくまでも地権者全員の同意が必要。かつて強権をふるって強制測量を行った誤ちを繰り返してはなりません。
強制収用はしない
地元地権者の合意が得られるよう誠心誠意努力いたします。
強制収用はしない 強制収用はしない
地権者の同意が事業前提と考えます。
(4)有識者を交えた公開の場での話し合いを開催する考えがありますか 開催したい 開催したい
「地方政治の主人公は住民みなさん」という立場に立ち、県の行政は関係者をはじめ広く県民の意見を聞き、合意をはかりながら進めます。
開催したい
経過があることであり、白紙に戻しての開催はできかねます。ただし、その前提をはずしていただければ、是非意見交換の場を持ちたいと考えます。
開催したい 開催したい
多額の税金を投入するような事業には、より厳しい公開性と議論の機会を求められると考える。

(5)ほかにご意見がありましたらお聞かせください

【橋本剛】
石木ダム建設については、反対派の方々との対話ができていないことが問題だと思っております。そこで、推進派の方々の「水が必要」という主張も良く聞き、反対派の方々とも対話の上、県庁に蓄積された知見も踏まえて石木ダム建設の是非を決定したいと思います。
以上の点で、質問(1)、(2)については分からないとしました。たとえ、検討の結果、石木ダムを推進すべきと判断したとしても、地権者との話し合いを重ね、強制収用の手法は採らないという意味で、(3)は強制収用はしないとしました。
現政権の事業は全て見直しの対象と考えており、石木ダムもその例外ではありません。よって、「有識者を入れるか否か、入れるとしてその選考方法、公開・非公開、あるいは公開の程度」は検討の余地があるとしても、反対派の方々との話し合いの場を持ちたいと思います。

【押渕礼子】
ダム建設は、一端元に戻して再検討の必要があります。
現状で強行することは、地域住民間に禍根を残しかねない。計画の見直しから始める必要があります。

石木ダム付け替え道路建設工事の中止を求める申し入れを行う

2月1日午後1時、石木川まもり隊は石木ダム建設絶対反対同盟と石木川の清流を守り 川棚川の治水を考える町民の会とともに、長崎県が1月21日に石木ダム付け替え道路の入札を行い、27日には落札業者と契約を結び、今年度中に着工するとしていることについて、石木ダムは検証ダムになっていることから、今夏、ダムの新基準が示されるまでは、石木ダム関連の建設工事を中止せよ、と長崎県石木ダム建設事務所に対して申し入れを行いました。
松尾弥太郎県石木ダム建設事務所長は平成21年度の予算がすでに付けられているとして、取り掛かれるところから建設工事を進めていくことを改めて示した。これに対して私たちは、民主党が政権与党となり「コンクリートから人へ」を打ち出し、ダムに頼らない治水のあり方を再検討するようを求めていること、今月に行われる知事選の立候補者のうち1人を除いて、石木ダム建設の中止又は強制収用は行わないことを表明していることを背景に、石木ダムが中止になる可能性がある中で、付け替え道路の建設工事を始めることは税金の無駄遣いであるので即刻中止をすべきと主張しました。
また、これまで40年近くも着工しなかったのだから、国が新基準を示す今夏までのあと半年待ってほしいと申し入れをしましたが、松尾県石木ダム建設事務所長は、「付け替え道路の建設工事は無駄ではない。新知事には石木ダムの必要性は理解してもらえる」として互いに平行線で終始した。
石木ダム建設事業の付け替え道路の関連4工事の工事費は約2億円が掛かる見通し。このうち県が約6500万円、佐世保市が約4670万円の負担で、治水分として国土交通省が約6500万円、利水分として厚生労働省が約2330万円を補助することになっている。

申し入れ書は次の通りです。

平成22年2月1日
長崎県知事
金子 原二郎 様

石木ダム建設絶対反対同盟
石木川の清流を守り 治水を考える町民の会
石木川まもり隊

石木ダム建設事業の付け替え道路建設工事の中止を求める申し入れ書

県は1月27日佐世保市とともに、川棚町に計画している石木ダム事業の付け替え道路建設工事で、落札業者との契約を結び本年度内に着工するとしています。
昨年県知事は石木ダム建設反対地権者との意見交換の場をつくるため事業認定申請を行っています。私たちはダムの必要性を双方の推薦する専門家による公開討論会を求めましたが実現していません。さらに私たちは事業認定申請書の公告縦覧をした後、昨年12月国土交通省九州地方整備局へ申請書に対する意見書と公聴会の開催請求書を提出しているところですが、今後の措置については何も通知がありません。
また、昨年の秋、政権が交代し「コンクリートから人へ」の政府方針で全国148箇所のダム建設の見直しが進められています。石木ダム建設も含めた基本計画を、今年夏までに結論を出すと国土交通省は言っているところです。
石木ダム建設が今後どうなっていくのか分からない中で、ダム付け替え道路建設工事を急いで行う理由が分かりません。私たちは政府国土交通省が行うダム建設事業の見直しが終了するまで、ダムに関わる工事を一切中止することを強く求めます。

「2010年 ピースウォーク from 沖縄 -天地行-」に参加

2010年ピースウォークは、1月1日沖縄・久高島から始まった。
1月29日、今日は長崎でのピースウォーク最終日の6日目。
午前8時45分、松浦公園(佐世保市)には佐世保地区労、石木川まもり隊、19日佐世保市民の会、そして長崎市から参加された人たち35人が集まり、出発式の後、午前9時、有田町(佐賀県)に向けて出発した。
平和を祈る行進は、米軍佐世保基地ゲートから四ケ町アーケード街を抜けて佐世保駅へ。

四ケ町アーケード街 佐世保市下京町 JR佐世保駅で休憩 JR佐世保駅を出発
佐世保市大塔町脇崎交差点 JR大塔駅前 佐世保市上原町 有田町(佐賀県)
今日の目的地 有田町に到着 日本山妙法寺 石橋行受上人 石木川まもり隊も無事に到着 平和を祈り記念撮影

佐世保駅を出発後、福石観音、JR日宇駅で小休憩。
12時、大塔駅前に到着。小一時間の食事休憩。午後1時出発。
国道35号線を有田町(佐賀県)へ向けて、平和を祈りながらひたすら行進する。
午後4時、今日の目的地である有田町伊万里口に無事に到着。松浦公園から20キロメートルほどの行進であった。
長崎実行委員会から佐賀実行委員会にバトンタッチされた。
世界のすべての人たちに、飢餓や戦争などがなく平和に暮らせることができる日が1日も早く訪れることを願う。

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『2010年 ピースウォーク from 沖縄 -天地行-』を進めるにあたり(『天地行』挨拶文 2009年11月20日)
昨年(2008年)はピースボートを中心に企画された『9条世界会議』が開催され大きな成果を得る事が出来ました。その大切な会議を側面から支援するために私たちは2009年2月24日に広島を出発する『9条ピースウォーク』を企画し、その間多くの方々から貴重なる支援をいただきながら、無事5月4日からの『9条世界会議』に参加させていただく事が出来ました。
その大きな成果を踏まえつつ、来年(2010年)は1月1日に沖縄、久高島を出発し、ニューヨーク国連本部にて『核兵器不拡散検討会議(NPT)』が開催される5月4日に東京に到着する
『2010年 ピースウォーク from 沖縄 -天地行-』を企画しています。
このウォークは、長年に渡る米政府による戦争政策からの『チェンジ』を訴え、新大統領となった、オバマ氏が発したさらなるメッセージである『核のない未来を』という言葉の実現を期せんがための行動です。
現在、私たちの世界は政治、経済ともに混迷を極め、未来へ向けた確かな方策が定まらない状況下に置かれています。
そんな中、新たなる『維新』運動を提唱するために、このウォークを企画しています。
それには、まず、現今の世界政治、経済の領域だけに止まらず、古くからの神々が宿る『沖縄』からの歩みを進める中に、『人』として、そうしてその原点から、あるべき『社会』の姿を見つめつつ、この度の行進を進めて行きたく願っています。
しかし、このような行動は、多くの人々の協力なしに進める事は出来ません。
ですから、この新たなる、私たちのあるべき未来を見つめ行く、この度の行進への御支援を伏してお願いするものです。
そうして皆様とともに、本当に私たちの必要とする社会や世界の実現を目指して、共に進んで参りましょう。
『ピースウォーク from 沖縄 -天地行-』代表 日本山妙法寺 石橋行受 拝

新婦人佐世保支部の新年会で石木ダムを語る

石木川まもり隊のホタルは、新婦人佐世保支部から石木ダムについての話をお聞きしたいとの要請を受け、新年会に行ってきました。
参加者は30数名でした。
1.水需要の現状 2.漏水の実態 3.佐世保市民の大きな負担の3点について30分ほどお話しをしました。その後の質問や意見などもたくさん出て、石木の自然を残したいとか、住民の方々に申し訳ないとか、そんなものに莫大な費用をかけるくらいならもっと医療や教育など必要な使い道はたくさんあるなど盛り上げっていきました。
そのとき、一人の方が「私は当事者です」と言って、話し始められました。
その方の実家は石木で、移転された約8割の中の方のようです。
県に頼まれ佐世保のためにと移転したのに、今になってダムは要らないと皆が言うようになって、ニュースなんか見ていても複雑な心境だと・・・。
みんな黙ってしまい、一瞬気まずい雰囲気が・・・。
すぐに漏水調査のやり方などに関する質問を出してくださる方がいて助かりましたが、その後、県会議員の堀江議員や共産党の知事候補者深町氏らが訪れ、これから石木ダムに反対していくのは共産党だけと胸を張って挨拶され、再び「・・・・・」な雰囲気が漂ったような気がしました。
本当に難しいですね。川棚に住んでいる方々がダムの話は避けて通ると言われていたのが、よく分かりました。

シンポジウム「佐世保の水これから」を開催

シンポジウム会場「12.8みずシンポジウム実行委員会」(石木川まもり隊、市民有志、県議会派「創爽会」)は、アルカス佐世保大会議室でシンポジウム『佐世保の水これから』を開催しました。水源連共同代表の遠藤保男氏による「厳しい水事情の処方箋」と題した基調講演と、浅田眞澄美氏をコーディネーターに末永修一ライフ企画社編集長、末次精一県議(創爽会)、遠藤保男氏がパネリストとして「佐世保の水これから」を熱く語っていただきました。
師走の忙しい時期の、しかも寒い夜の時間帯にもかかわらず200人近い市民の方々が来場されました。
やはり、佐世保の水事情に対する関心が高まってきたものではないかと思います。
そして、石木ダム建設予定地の川棚町の人たちや石木ダム建設反対同盟の方々も来ていただきました。

オトヒトツオープニングは「オトヒトツ」のミニコンサート。
演奏している彼らも、水のこと、自然や環境のことを真剣に考えている仲間です。
彼らの優しい歌と演奏は、来ていただいた一人ひとりに小さな感動を与えたのではないだろうか。

シンポジウムは午後7時、遠藤保男氏の「厳しい水事情の処方箋」と題した基調講演から始まりました。

遠藤保男氏は水源開発問題全国連絡会(水源連)の共同代表で、なぜか全国の中でも特に佐世保の水事情に注目され、2009年8月には佐世保市の水源地や水道施設を視察、調査されました。
遠藤保男氏は基調講演のまとめで「佐世保市水道局は、有収率の向上(漏水の改善)に務めること。現在のあまりにも恥ずかしい状態(水道業務指標から見た佐世保地区水道の評価)から脱却すること」が先決であると訴えられた。
さらに、佐世保市民の水の使い方は全国でもトップクラス(節水意識が高く大切に水を使っている)なのに、佐世保市水道局の水の供給の仕方は最低クラスであること。福岡や東京のように漏水率3.3%を目指せば、石木ダムは不要であること。また、漏水対策にかかる工事は、地元の雇用創出、経済活性化につながる。「造る」公共事業から「補修」の公共事業へ、と説得あるお話しでした。

パネルディスカッションパネルディスカッションに入り末永修一ライフ企画編集長(写真中央)は、市議会に上程された水道料金約30%の値上げ案に驚いて記事にしたら、「ライフさせぼ」を配布した1時間後に、水道局の幹部二人が飛んできて、「水道局に取材してないじゃないか。一方的だ」とクレームがあった。
しかし、その日以降、市民から「よく書いてくれた」「もっと書いて」の電話が殺到。「水が足らんというから節水したのに、収入が減ったから値上げなんて冗談じゃない!」
「これ以上値上げされたら、水を使わんようになる・・・」と怒りの声も聞かれ、しばらくは仕事ができない状態だった。
また、市や水道局は「佐世保市民の願い 石木ダム」というが、「私は、お願いしたつもりはない」と。(拍手)
末次精一県議(写真左)は、
行政というのは一度決めたことは、何が何でもぜったいに変えようとしない。石木ダムにかかる費用はどんどん増えていっている。今まで県や市は総事業費285億円と言ってきたけれど、石木ダムに関連する施設整備費を加えれば538億円もかかるんですよ。
一方、海水淡水化施設は石木ダムの何倍もお金がかかる、とても無理だと県や市は言っているけれど、それは、毎日4万トンを造水した場合のことで、ふだんは間に合っているのだから、渇水のときに備えた小規模のものなら、それほどかからない。などと強くアピール。

ダムからふるさとを守る会 松本好央氏現地住民を代表して松本好央氏(ダムからふるさとを守る会)が、いつものように、素朴で正直な思いを語られた。
「僕らの親は四十数年間、僕は生まれてずーっと34年間、ダムと闘ってきた。それが僕らの人生でした」
強制測量(1982年)のときのあの経験を自分の子どもにはさせたくない。その思いで、今も闘い続けている」
「僕らの住んでいるところを奪ってまで水が必要なんですか?」と言いつつも、
「今日、佐世保でこのような話が聞けて励みになりました」
「自慢できるものは何もありませんが、僕らの住んでいる川原(こうばる)をぜひ見に来てください」
「この前行ったよ-!のどかないいとこやった-」と会場からの声に、
「ありがとうございます」と答える松本好央氏の緊張した表情が少し緩んだようであった。

石木川まもり隊は、資料として「あなたは本当のことを知っていますか? 石木ダム3つのなぞ」をシンポジウムで配付しました。

島瀬町アーケードでチラシし配布と署名活動

10月17日、午前11時から四ケ町アーケード親和銀行本店前でチラシの配布と署名活動を行いました。
今回のチラシは『あなたは本当のことを知っていますか?水道料金値上げについて考える3つのヒント』で、午後1時までの約2時間に1000部を配布し、『佐世保市の財政を圧迫する石木ダム建設を中止し、漏水対策に徹底的に取り組むことを求めます。』の署名ではおよそ100人からいただきました。

数人の年配の方が「ダムはいらんばい」「水漏ればちゃんと直さんば」と話しかけてくれて、たいへん心強くうれしい気持ちになりましたが、20代の若い方の関心の薄さには残念でなりません。もう少し佐世保のことや自分たちのこれからのことを考えてほしいなと思います。

1982年強制測量記録上映会とお話し

排除される住民 手に数珠を持ち祈る住民 松本好央さん 松本好央さん

川棚町川原地区の過去の歴史を振り返り、石木ダムの必要性を考えるきっかけを作りたいとの思いから、県が1982年、機動隊を導入して行った強制測量を記録したビデオの上映会を10月14日午後7時、させぼ市民活動交流プラザで開きました。
映像では怒号と悲鳴が飛び交う中、座り込みをする人が排除された強制測量や、石木ダム建設絶対反対同盟と県の意見が対立し、激論が交わされた高田前知事との話し合いの模様などが克明に映し出された約50分の映像で、末次県議や山下、早稲田両市議も駆けつけていただき約30人の市民が鑑賞しました。
上映後は石木ダム建設絶対反対同盟の松本好央さんから反対運動の経過などを話していただきました。小学2年生だった当時の状況を「機動隊がどんどんやって来て、家を取られる恐怖感でいっぱいだった」と振り返り、「反対運動が長引いているのはこの強制測量が影響している。実際の経験を佐世保市民に知ってもらい、石木ダムが本当に必要かを考えてほしい」と訴えました。

石木ダム反対署名用紙コピー問題で川棚町と県石木ダム建設事務所に申し入れ

10月2日午前9時川棚町、10時30分県石木ダム建設事務所にそれぞれ石木ダム建設反対の署名用紙コピー問題で、県の行為は県個人情報保護条例に定める目的外使用にあたり、川棚町長の言動は憲法19条の「思想及び良心の自由」を侵すものとして、厳重に抗議するとともに申し入れを行った。
これまでの概略はこうだ。

  • 6月23日、「清流の会」は石木ダム反対署名約4500人分を県(河川課)に提出
  • 6月24日、県河川課は署名用紙をコピーして県石木ダム建設事務しに渡す
  • 6月25日、県石木ダム建設事務所はさらにコピーして川棚町ダム室長に渡す
  • 6月26日~末日、水谷ダム室長がコピーをチェックして町職員を探し出す
  • 6月29日、県石木ダム建設事務所は佐世保市にもコピーを渡す
  • 7月上旬、水谷ダム室長は当該職員名に付箋をして竹村町長に報告
  • 7月上旬~、竹村町長は付箋のある職員の職場に出向き、署名行為に対して注意を行った

川棚町役場

川棚町役場水谷ダム室長は、コピーをチェックして職員名に付箋をして町長に報告したとこについて、「業務の一環として当然のことと受け止めた」と答えた。
竹村町長は「署名すること自体は問題ない」「権利として制限するものではない」としながらも、「署名は慎重に期すように」と職員に注意を与えた。
それは矛盾しておかしいの声に、「そんなことはない」「町としてはダム推進の立場であるから、そこで働く職員は慎重にしてほしいと思い注意した」
それは町長の行為として言ったのかの質問に、「そうだ」と答えた。
それは町長の圧力ではないかとの発言には、「圧力ではない。他の者に聞こえないようなところで、極めて配慮して行った」
竹村町長の言動は明らかに、憲法19条「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない」を侵している。
川棚町民のひとりは「川棚町民として本当に情けない」とため息をついた。
別の町民は「竹村町長にはまったく人権意識がない。悲しくなった」と小さく呟いた。

県石木ダム建設事務所

石木ダム建設事務所松尾弥太郎石木ダム建設事務所長は、「石木ダム建設事業において県と佐世保市は共同事業者である。またダム建設に付随する水源地整備計画は、県と川棚町が共同で取り組んでいることであり、そのため三者の連絡調整会議も開かれており、署名用紙を三者で共有することに問題はない」と明言し、ダム建設事務所として、署名を町内外に分類し、ダム建設予定地の下流域における反対者の分布状況を分析したことも、県個人情報保護条例の目的外使用に当たらないと答えた。
翌日録音テープを聴いて、松尾石木ダム建設事務所の気になる言葉があった。
県・市・町でコピーを共有しようということを、いつ、誰が決めたのかが問題になって、双方のやりとりが錯綜しているとき、松尾所長はポロリと言った。
「今までも署名とか、あるいは要望、陳情など共有してきたので、それと同様に扱おうということで・・・」
これまでも署名とか要望とか、陳情とかを共有してきた!?これはたいへん大きな問題ではないだろうか。

長崎県議会派『改革21』に「石木ダムは必要ない」を訴える

改革21(長崎県庁)9月24日午後4時、「改革21」の県議に「石木ダムは必要ない」を訴えるために県庁4階の部屋を訪れました。
応接室に通されましたが、「石木川の清流を守り川棚川の治水を考える町民の会」、「石木ダム建設絶対反対同盟」、「九州住民ネットワーク」、「市民ネットワークさせぼ」そして「石木川まもり隊」の総勢15名の参加で、椅子が足りません。おそらく予想外のことだったのでしょう。「おおー、ぎょうさん来たな」とたいへん驚かれた様子で、急きょパイプ椅子を用意していただきました。
この日の委員会が長引いているとのことで、「改革21」の県議13名中7名の参加でした。

改革21(長崎県庁)「石木川の清流を守り川棚川の治水を考える町民の会」の森田代表と「石木ダム建設絶対反対同盟」の岩下氏の挨拶に続き、「九州住民ネットワーク」の原豊典氏から治水についての説明の後、「石木川まもり隊」から用意した『佐世保の水事情から石木ダムを考える』の資料を参考に、”いま、佐世保の水は足りている”ことを、やや時間がオーバーになりましたが説明しました。
しかし、参加された議員には大きな反応はなく、期待するような質問もほとんどありませんでした。
前原国交大臣が見直しをするとした全国143のダムの中に、石木ダムがあることさえ知らない議員もいました。
諫早湾干拓」、「長崎新幹線」そして「県庁移転」とともに「石木ダム」は地元の問題として大きいはずなのに、と思いながら、がっかりするやらの期待はずれの一日でした。でも、今日、私たちが話したことや渡した資料を見てもらって、「何だか、ちょっとおかしか」と少しでも感じてもらえればいいのだが。
帰り際、末次議員(創爽会)とバッタリ出会い、エールをいただいて県庁を後にしました。

島瀬アーケードでチラシ配布・第2弾

四ケ町アーケード 四ケ町アーケード 四ケ町アーケード

9月20日、親和銀行本店前で「市民ネットワークさせぼ」の協力を得て、午前11時から2回目のチラシ配布の活動を行いました。
用意した700部はおよそ1時間ほどで配布することができました。
いま、「水道料金値上げ」が市民の大きな関心ごとの中でのチラシ配布は、通行人の興味を引いたようだ。前回はチラシを受け取ってもバッグやポケットに仕舞われていましたが、今日はほとんどの人たちが、歩きながら目を通すではありませんか!水道料金値上げに石木ダム関連事業費として2.04%が含まれいることや、石木ダム建設事業費のほかに関連事業費として約260億円もかかりことを知らない市民がどうも多いようである。

「石木ダムの是非を考える市民会議」に参加

市民会議9月19日、長崎県勤労福祉会館(長崎市)で開かれた「石木ダムの是非を考える市民会議」に参加した。
「自主・平和・民主のための広範な国民連合長崎」主催、「石木川の清流を守り川棚川の治水を考える町民の会」共催で行われ、石木ダムの利水と治水の面からの問題点について、「九州住民ネットワーク」の原豊典氏から詳細な説明の後、「石木ダム建設絶対反対同盟」の岩下和雄氏の話を聞いて、いつもながら行政の県民に対する誠意のなさを改めて痛感する。
1982年の強制測量のころからの思いを語られた83歳の男性の言葉には皆が真剣に聞き入った
意見交換はたいへん活発で、佐世保市の漏水問題等の無策ぶりが大いに批判され、「石木川まもり隊」から参加した二人も佐世保市の水事情について「いま佐世保市の水は足りている。過大な水需要予測による石木ダムは必要ない」と発言。

本島等元長崎市長そのほか、海水淡水化プラントやニューウォーターを検討してみてはどうかという提案や、長崎市の漏水対策等々参考になる意見が多く出された。
本島等元長崎市長も発言され、以前、金子知事と二人で話したとき「石木ダムは止められないのか」と訊いたら、「止められません。建設省(現国交省)のカネがもう相当入っているので」と言ったという話をされた。
国からの補助金のほかに、もしかしたらゼネコンからも相当のカネが入っていたのかも知れないと勘ぐりたくなるのは、私だけだったのだろうか。

末次精一県議(創爽会)と懇談会

9月12日午後、「石木川まもり隊」主催の末次精一県議を囲んでの懇談会を初めて持ちました。
佐世保の仲間たちのほかに、建設予定地の「石木ダム建設絶対反対同盟」と東彼川棚町の「石木川の清流を守り川棚川の治水を考える町民の会」の方々や「九州住民ネットワーク」(福岡市)の原豊典氏が参加されました。
長年にわたり公共事業のあり方が問われてきましたが、民主党に政権交代した今、佐世保市の将来の水需要予測が過大であることを市民に広く訴えるとともに、佐世保市民はもちろんのこと県民にも「佐世保の水は足りている・石木ダムはムダな公共事業であり必要ありません」の声をあげていくことに全員が賛同しました。
9月11日発行の生活情報誌『ライフさせぼ』に、「え~っ!?水道料金値上げ!!」の見出しで、来年4月から水道料金の値上げに関する記事が1面トップで掲載されました。生活情報誌というだけあって普段は、飲食店や専門店の紹介や季節の祭りやイベンなどを掲載するフリーペーパーで多くの市民に読まれていることから反響は大きく、水道局には抗議の電話が殺到したようです。
市民の声が高まりつつある中で今後、街頭でのチラシ配布や署名活動を展開していくことを確認しました。
末次精一県議の「県政報告新聞・夏号」には、石木ダム特集号として大きく取り上げられています。

福岡海の中道奈多海水淡水化センター(まみずピア)見学

9月8日、福岡市の「海水淡水化センター(まみずピア)」を見学しました。
「まみずピア」とは、水資源に恵まれない福岡市の水源対策として、平成17年に完成した海水淡水化施設です。
海水淡水化施設とは海水をま真水(まみず)に変えること。雨の少ない渇水のときでも生活用水の心配をしなくてすみます。
2階の見学廊下のガラス窓越しに階下の施設を見渡すことができます。およそ1時間ほどの見学でしたが、案内役の方が詳しく説明され、また質問にも丁寧に答えていただきました。
まみずピアで造られる水は1m3あたり210-220円で、そのうち約4分の1が電気代ということでした。福岡市の通常の浄水場で造られる水は1m3につき130円と比べるとコストは掛かりますが、コンクリートダムよりは天候に左右されず、水資源確保の有効な手段として海水淡水化プラントを必要と判断されたのでしょう。

島瀬町アーケードでチラシを配布

8月14日、お盆休みのまっただ中。
年々人通りがさびしくなるアーケード街も、今日はいつもより賑やかなようです。
「石木川まもり隊」隊員3名と市民応援3名で午後1時から、島瀬公園脇のアーケードで「石木ダムのための土地強制収用やめてください!」「石木ダムはほんとうに必要ですか?」のチラシを配布しました。

配布を始めてほどなくして、一人の女性が近づいて「署名はやっていないんですか?」と声をかけてくれました。
(しまったー!持ってくればよかった・・・)
実は、佐世保で3回行われた「石木ダム事業に関する説明会」での市民の反応をみて、署名活動は時期尚早と判断。
まずは佐世保の水事情の現実を伝えることが大切だ、と考えたのです。
しかし、そういうことは先刻承知。反対の意思を表明したい!
そういう方もいらっしゃるのですね~
「すみません。いま署名用紙は持っていないので、もしよろしかったらご自宅にお送りしますが・・・」
「では、そうしてください。(石木ダム建設予定地に)住んでいらっしゃるのにねー、ぜったい許せないと思っていましたよ」
そう言って、住所とお名前を書いてくださいました。
それから数分後、今度は一人の男性の「川棚の方ですか?」に、「いえ、佐世保市民ですけど」と答えると、
「いやー、よくやってくださった。ダムなんかいらんですよ。税金の無駄遣い!佐世保から反対の声を上げんばいかんと思っとったですよ」
「頑張ってください!」の励ましのことばに嬉しくなって、後姿に最敬礼。
・・・あっ!そうだ!追いかけて、その方にも署名のお願いをして、住所を教えていただきました。

その後、チラシを受け取ってくれる人と拒否する人は半々くらいだったでしょうか。
チラシを受け取ってくれたおよそ5割の人も、チラシの内容を分かって受け取る人と、ただ機械的に受取る人が半々くらいだったようです。
その内容が分かって受け取った人が必ずしも(石木ダム)反対とは限りません。
受け取ったチラシの文字をチラリと見て、「いりません。ダム賛成ですから」という方に、
「どうしてですか?」と尋ねると、「そりゃあ、水は必要でしょうもん。佐世保は水が足りんとですけん、ダムは必要たい」
「ところが最近は足りているんですよ。ここにそのデータがありますから、見るだけでも・・・」と粘って、しぶしぶ受け取ってくださった方が数人いました。
賛成する人の中には、ジロリと睨みつけたり、「なにをバカなことをしているんだ!」と捨て台詞を吐いて行く人も2,3人いたので、しぶしぶでも受け取ってくださったことに、心から「ありがとうございました!」
チラシの受け取りに躊躇する人に声をかけると、「うーん、むずかしいからね」「どっちとも言えんもんねー」「何もわかりませんから」等々の返事。
「ですよねー。難しいですね。ここにその手がかりになるようなことが書かれているので、ぜひお家に帰らてから読んでみてください」
と言って、なかば押しつけたりもしました。
なので、内容について分かっていると言っても、必ずしも反対派とは言えないのです。

そんな中で、嬉しいこともありました。
はじめは「どちらでもない」と言っていた女性。
話していくうちに、「実は川棚の出身なんです。だから、あそこの風景が目に焼き付いています。でも、30年ほど佐世保に居て、佐世保の水不足も分かっています。だから、どちらの人の気持ちも分かるんです」と、自身の葛藤を打ち明けてくれました。
チラシにある表(月別平均配水量)の説明をしながら、現在の佐世保市はダムがなくても水が賄えていること、これからますます水需要が減ることなどを話すと、「そうだったんですかー!これで気持ちが楽になりました。ありがとう!」と、ほんとうに嬉しそうな表情を見せてくれました。
もう一人やはり川棚町出身の女性からも声をかけられ、「頑張ってください」と励まされました。
川棚から遊びに来ていた女子高生3人連れは、石木ダムのことはよく知らないと言うので、話をしたら、真剣に聞いてくれて「勉強になりました」「聞けてよかった」などと言ってくれました。

用意した600部のチラシは約1時間で配付。
今日だけではなく、また次回以降もチラシ配布と併せて署名活動もやっていきたいと、仲間一同の思いでした。(ホタル)

水源連の佐世保市水道施設視察に同行して

8月3日(月)、水源連(水源開発問題全国連絡会)の共同代表・遠藤保男氏と西島和(いずみ)弁護士が佐世保市を訪れました。
石木ダムの必要性の是非を検証するために、利水目的の観点から佐世保市の水事情の実態を把握する。
その一環として佐世保市の水道施設の視察を要望。それに対して、佐世保市水道局は多忙な時期(この日は19時から川棚町での「石木ダム事業に関する説明会」の準備等)であるにもかかわらず、多くの職員の方が快く案内、丁寧に説明してくださった。
佐世保市水道局庁舎で打ち合わせの後、まず最初に向かったのは山の田貯水池と山の田浄水場

山の田浄水場=緩速ろ過方式,施設能力 33,500m3/日,完成;明治41年 ・大正15年 ・昭和15年


山の田貯水池

山の田浄水場 案内板

山の田浄水場

山の田浄水場

「案内板」の説明にもあるように、この浄水施設は緩速ろ過方式で、明治・大正・昭和のそれぞれの時代に造られた古い歴史があります。重要文化財にとの声が上がっているようですが、指定を受けるとさまざまな制約を受けることになります。できれば勘弁してほしいという市水道局の本音があるのかもしれない。
見かけは汚いけど、重厚な石造りの建造物で、たしかに趣があります。

赤い屋根の建物に入ってみると・・・砂の山!水をろ過するときに使われた砂を洗って乾燥させ、また使うための倉庫です。

大野浄水場=急速濾過方式,施設能力 35,000m3/日,完成;昭和18年

四条橋取水場=施設能力 18,000m3/日,完成;昭和46年(施設移設)

「つい1週間前の豪雨の後でこの程度の水量ですから、普段はもっと少ないですよ」と、水道局職員の方が連発なさっていたのが印象的でした。

そのときの豪雨で、この四条橋の数百メートル下流域でおよそ600トンの岩盤が崩れ落ちる事故により送水管が損傷し、相浦地区において数日間断水するという事態に陥った。連日連夜の復旧作業のあとの疲労困憊の中での親切丁寧な案内に一同感謝。

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転石(ころびいし)ダム=有効貯水量 233,000m3,取水量 2,700m3,完成;昭和3年

相当ダム=有効貯水量 400,000m3,取水量 5,700m3/日,完成;昭和19年

相当ダムは、大東亜戦争(太平洋戦争)の最中、連合軍の捕虜、強制連行された朝鮮人によって造られ、完成までに多くの犠牲者を出した。
犠牲となった連合軍の捕虜の名前は記録され慰霊碑に刻まれているが、強制連行され犠牲となった朝鮮人の記録はまったく残されていない。

転石ダム、相当ダムともにダムの水はたっぷり。満水状態。
市水道局職員の話では、水不足に陥りやすい佐世保では、ダムの水はなるべく温存し、河川から取水できるときは川から水を取って浄水場へ送っているとのことでした。

三本木取水場=施設能力 4,500m3/日,完成;昭和3年

四条橋取水場と三本木取水場は「不安定水源」と言われています(佐世保市独自の呼び名)が、それは、いわゆる暫定水利権ではなく、慣行水利権にあたり、水利権上不安定というわけではないそうです。
何が不安定かというと、水質のこと。水質が悪化したときは取水されないので不安定と言っているのだということでした。

8月4日(火)午前9時、山の田浄水場で市水道局職員の方と待ち合わせ。職員は昨日より減りましたが、それでも、貴重な仕事の時間を割いて、懇切に案内説明してくださいました。下の原ダムで「よみがえれ!有明海訴訟を支援する会」の五島氏と合流。

岡本取水場=貯水量 17,000m3・8,000m3,取水量 1,000m3/日,完成;明治32年

この水源は湧水ということです。
深い緑色の水を満々と溜めているこの池が湧水!そのすぐ近くに調整池があり、そこから日量1,000m3を取水しているとのこと。
明治32年に造られて以来、田畑や人間を潤してきた湧水ですが、遠藤氏はこんな高台に湧水があることにたいへん驚いていました。
昔はこんな湧水があちこちにあったと、知り合いから聞いていました。
また、いまも探せばあるのではないかという人もいます。
もしそうなら、そういう水を大切に溜めて使う工夫をしたいものです。

相浦取水場=取水量 4,500m3

そこそこの水量に見えますが、市水道局の職員によると1週間前の豪雨のおかげだとか。
でも、豪雨からは正確には9日経っていますが・・・と、突っ込みたくなる。
河原には鷺(さぎ)が1羽、水中には鯉がたくさん泳いでいました。

川谷ダム=有効貯水量 1,61,000m3,取水量 13,300m3/日,完成;昭和31年

川谷ダムの下流域にもうひとつダムを造れそうな地形です。
以前、そうした計画があったと聞いています。
河原には鷺(さぎ)が1羽、水中には鯉がたくさん泳いでいました。

下の原ダム=有効貯水量 2,182,000m3,取水量 14,800m3/日,完成;昭和43年,平成18年(嵩上げ)

佐世保市で一番大きな下の原ダム。日量14,800m3可能です。が、それは嵩上げしたおけげで、有効貯水量が1.7倍にもなったからです。
ほかのダムも嵩上げ浚渫(しゅんせつ)で貯水容量を増やせるといいのですが・・・
市水道局職員の話では、ほかのダムは流入量が少ないから、その見込みはないそうです。

広田浄水場=急速濾過方式,施設能力 36,000m3/日,完成;昭和44年

佐世保市では最も新しい近代的な設備をそなえた施設です。
水の濁質をPAC(ポリ塩化アルミニウム)を使って凝縮させ、濁りの塊を作り沈澱させています。この濁りの塊、ちょっと気持ち悪いですね。
薬品を使わずに生物ろ過をする緩速ろ過方式の30~60倍でろ過できるそうです。

最後に、この建物の中にあるオペレーター室に案内されました。
そこにはいろんな計器やコンピューターが並んでいて、初めて見る私はオッー!という感じでした。
日照りが続くとこの数値の変動を見ながら、こまめな操作がきっとなされるのでしょう。
それぞれの数値の意味や、今どういう状況なのかなどを質問したかったけど、もうお昼を過ぎていましたので遠慮しました。

真夏の暑い2日間、私たちの要望で視察施設が2,3箇所増えてしまったが、常に快く笑顔で対応していただき、佐世保市水道局職員にはほんとうに感謝の気持ちでいっぱいでした。

印象としては、貯水池の水は満々とあり、取水場近くの川の流れは頼りなげにみえました。
市水道局の説明にいつも出てくる「川の水は流量が不安定で安心できない」という心情が少し理解できる気がしました。
「う~ん、ほんとに厳しいんだね-」と遠藤氏も呟いていましたが、しかし、それでも、「石木ダムがなくても大丈夫!」と明言。その根拠を、「水問題を考える市民の会」との意見交換会で詳しく説明してくださいました。

これまでのデータの分析と、今回の視察で分かったこととしていくつか列挙された中で、「有収率の低さ漏水の多さ」や、「過大な水需要予測値」については、私たちも学習会を通して実感してきたことですが、新たに分かったこととして、

  1. 有収率が90%だったら、平成19年度の渇水は防げた。
  2. 市水道局は核家族化が水需要を増大させるというが、実際のデータでは、世帯人員と生活用水原単位にはまったく相関がない。
  3. 水洗トイレの普及による需要増加も、節水機器の普及による減少を勘案すれば、原単位は今後も、ほぼ現状通り193-196リットル/日・人で推移するものとみられる。
    そこで、遠藤氏がはじき出した一日平均配水量は76,300m3でした。
    これは安定水源の範囲内であるからまったく問題ないし、私たちの予測でもほぼ同じ数値でした。
    問題は一日最大配水量で、遠藤氏の計算では92,700m3となっています。
  4. これに関しては負荷率を82.3%で計算。市水道局の用いている80.3%は、過去10年間の最低値(平成11年度)で、これで計算する必要はない。
    国交省が採用している過去10年間の低位三つの平均値をとれば、82.3%となり、大阪府採用の過去5年間の最低値をとれば、84.8%となる。
    佐世保市は各浄水場で原水貯水池を保有しているので、一日ごとの配水量の変動は貯水池で吸収できる。よって、負荷率を90%に設定することも可能で、その場合の最大配水量はさらに減少する。
    このようにみてくると、原水受水量は負荷率82.3%の場合で98,584m3、90%では90,150m3となり、安定水源(77,000m3)プラス22,000m3もしくは13,000m3と考えられます。
    それは、不安定水源28,500m3の範囲内なので新たな水源を確保する必要はないと結論付けられます。
    そして、この「不安定水源」について新たな知識を得ることができました。
  5. いままで私たちは不安定水源=暫定水利権を持つ水源と解釈していたのですが、佐世保市の場合、不安定水源28,500m3のうち、川棚川の5,000m3だけが暫定豊水水利権で、流量が一定以上豊富にあるときにしか取水できないが、残りの23,500m3慣行水利権であり、水利権上の問題はない。
    佐世保市は水質悪化を理由に不安定扱いしています。しかし、検査の結果、水質はさほど悪くはない。少なくとも東京都水道局朝霞浄水場(埼玉県)の原水よりはよかった。ただ、臭気が平均を大きく上回っている。これは、粉末活性炭添加の強化、もしくはオゾン・生物活性炭処理施設の導入などを検討する必要がある。ということでした。

遠藤氏はまとめとして、「有収率のアップ」「現実的な水需要を予測」「新たな負荷率の設定」「水質改善と臭気の低減」の4点を提言、これで石木ダムに依存しない佐世保の水道を実現できると明言されました。

「水問題を考える市民の会」第6回学習会に参加して

今回の学習会は、2005年から2006年にかけて川棚川水系河川整備計画検討委員会の副委員長をしておられた川内野善治さんから、県側が示す河川計画の内容を説明していただき、その中で当時の委員会の実情も知ることができました。
100年に1回起こると予想される川棚川の氾濫から川棚町民を守るにはどうしたらいいのか、県はさまざまな案を示し、その中で経済性や社会性、技術面、環境面などの観点から比較検討し、その対策としては石木ダムしかないとの結論ありきの計画案だったらしい。検討項目の一つひとつにすでに○、×、△などの評価が付けられていて、それでは何のための検討委員会か分からないと、その評価をはずさせる場面もあったようです。
しかし、いずれにしても、県の脳裡には石木ダムしかなく、他の代替案はことごとく却下されていきます。
例えば、治水対策として最初に何をやってほしいかとの住民へのアンケート調査では、「堤防補強」が80%を占めもっとも多かったが、県はこれをあっさりと否定します。
高さ60cm以上のものを堤防と呼ぶそうですが、その堤防を長崎県では、破堤したときの被害が大きいという理由で造らないことになっているという。
川棚川下流に70cmの堤防を造れば大丈夫という治水専門家の意見を伝えても、すでにあるJRの橋梁などの高さを変えねばならず難しく、それは無理だという。
また、川幅を広げる河川改修に関しては、多くの住民に家屋の移転を依頼せねばならず、これも実現性が薄いと県は否定します。だが、実際には、河川を広げるのに相応しい場所には不況でシャッター街になっている地域があり、そこの方々は移転費等の補償があれば喜んで応じるだろうと言われていたそうです。
一人の委員がもっとも熱心に推奨していたのが遊水地案でしたが、県は「広大な水田用地がなくなり、流域の主産業である農業に影響を及ぼす」という理由で、これも却下しました。しかし、その委員が提案したのは、水田を買い上げるのではなく、「普段はそこで今まで通り米作りをしてもらう。そして、100年に1回の大洪水のときだけ遊水地として使わせてもらい、そのときの被害額を補償する契約を結んでおく」という案だったのです。話を聞いた私たちもそれは現実的で経済的で素晴らしい案だと思ったのですが、県側は田畑を買い上げる遊水地案を示すことによって農家の反対を引き出したのだそうです。
話しを聞けば聞くほど、治水面でも石木ダムは絶対必要なものでは決してないと思われ、突っ込んで質問したくなりました。
「長崎県では堤防を造ってはいけないという法律や条例でもあるのですか?」
「いいえ、ありません」
「農家の人も今まで通り米作りができる遊水地案なら賛成してくれるのではないですか?」
「しかし、県は買い上げるというのです]
「どうしてですか?」
「それは、石木ダムを造りたいからでしょう」
「どうして県はそんなに石木ダムを造りたいのですか?」
「さあ、どうしてでしょうねぇ?」
その後の意見百出はご想像ください。(ホタル)

「強制収用反対!」県庁前で抗議行動

午前8時 県庁前で「強制収用反対!」のビラ配り
午前9時 県庁正面玄関前で抗議の座り込み
午前11時 長崎市浜町で「長崎市民の皆さんへ!祖先から受け継いだ自然・土地・屋敷は失いたくありません!」のビラ配りと署名活動

長崎県庁で抗議 長崎県庁で抗議 長崎県庁で座り込み 長崎県庁で座り込み 長崎市浜町で署名活動 長崎市浜町で署名活動