ちょうど一週間前、東京新聞「こちら特報部」に、こんな記事が掲載されました。
なんと、石木ダムと佐世保市の水道事情について、こーんなに大きく取り上げています!
「こちら特報部」では全国のダム問題を追っているのか、
石木ダムについても過去2回ほど掲載されたことがありますが、
佐世保の水問題にフォーカスした記事は今回が初めてです。
そして、とても読み応えのある記事です。
佐世保市民や市議の皆さんにはぜひ読んでもらいたい・・・
もう1週間も経ちましたし、佐世保市民は東京新聞を買うこともできないので、
勝手に、そ〜っと公開させていただきます。全文はこちら。
最初の見出しに「各地で水道料金上昇」とあるように、
全国的にも値上げは深刻なんですね〜
20年前と比べ、19%も増加しているそうです。
原発事故後に大騒ぎとなった電気代でさえ14%増なのに・・・
そして、水道料金の値上げ理由は、収支のアンバランス。
ダム建設や老朽化した水道管更新などによる支出増に対し、
収入は、水道使用量の減少で年々減る一方。
これでは経営難は必至です。
でも、水道使用量が減少するのは人口が減少しているので仕方ないし、
水道管の老朽化は止められないので、これも更新するしかないし、
やはりダム建設を見直すしかなさそうですが、なぜかダムも止まらない…
そのようなケースの事例として、記者さんは佐世保市に注目されたのですね〜
ここに書かれているように、本市の値上げは6年前の4月に実施されました。
19.68%、つまり約2割の値上げです。
当時県内23市町のうち安い方から7番目(高い方からだと17番目)だった水道料金が、値上げ後は高い方から数えて7番目になってしまいました。
それでもこれは市民の猛反発に押されて、値上げ幅がずいぶん抑えられた結果です。
実は初めは約35%の値上げが提示されていたのです。
そのまま値上げされていれば、県内4位の高さの水道料金になっていたでしょう。
しかし、その減額分はどこかで補わなければならず、結局は税金(一般会計からの繰り入れ)で補ったのです。
私たち市民のお財布から出ていくことにかわりはありません。
2010年度から2014年度までの5年間、
毎年2億円、計10億円が水道会計に繰り入れられました。
また毎年1億円、計5億円が水道局に貸し付けられました。
つまり、この5年間で15億円の税金が水道局に流れていったのです。
そのおかげで、水道局の経営は赤字に転落せずにすみました。
でも、その5年間が終わってすでに2年目に入っています。
水道局の経営は大丈夫なのだろうか・・・
収入が減れば、老朽化対策も後退するのではないか・・
と心配していたら、この記事に担当者のコメントがありましたね。
現在はギリギリ黒字を保っているが、それを維持することは困難。
老朽化のスピードは速く、更新のスピードに勝っている。
そして、今後、老朽化対策にいくらかかるかとの記者の質問には、
現時点では不明。相当な金額になる。
と答えています。
今年度の石木ダム関連の予算は約5億6千万円計上されています。
ダム事業から撤退すれば、このお金は老朽管の更新費用に回せるのですが・・・
ダム建設で水道料金が急上昇した事例として、福井県越前市のケースが紹介されていました。
2011年に19.59%、そのわずか2年後に11.76%も値上げ。
担当者曰く、
「人口増加が右肩上がりの中でダムの建設計画が動き、
できたころには人口が減少していた」と。
計画が動き出し、ダムが完成するまでには長い年月を要します。
なぜ途中で気づかなかったのでしょうか?
いえ、気付かないはずはありませんよね。
人口減少や、それに伴う水需要の減少、
そして需要が減れば料金収入も減るという結果、
誰もがわかっていたはずです。
それは越前市だけではない、ここ佐世保市も今、そのまっただ中にいます。
この全国的な状況の背景について、太田正教授(作新学院大)の指摘はとても重要です。
佐世保市と佐世保市議会には、以下の部分を再読してほしい。
まるで、あなた方に向けられた言葉のようです。
★ 水需要の減少や施設の老朽化を市長や議会が十分理解せず、財政措置を先送りしてきた
★ 見通しが狂ってしまった時、いかに見直しをするかが問われる
★ 水道事業者は常に現実に向き合っていく必要がある
★ 後の世代に負担を付け回す手法は限界にきている
そして、私たち市民一人ひとりの責任も重大です。
最後のデスクメモにご注目! わずか130字ほどに全てが凝縮されていました。