(取材考記)外れた需要予測 利水ダム、治水活用柔軟に
(朝日新聞2022年9月15日 16時30分) https://digital.asahi.com/articles/DA3S15417453.html?pn=2&unlock=1#continuehere
放流する温井(ぬくい)ダム。2002年の運用開始後、事業に参加した広島市は一度も水を使っていない=01年、広島県安芸太田町
水道水などに使う利水目的のダム開発をめぐり、国の事業に自治体が参加したものの、一度も水を利用していないケースがあると聞き、取材した。
大半の自治体は「人口が増えると想定していた。予定通りではないが、渇水などの時に備えている」と説明した。ただ、何人かの担当者からは「何か良いアイデアはないですかね」とも聞かれた。
昨秋の時点で、ダム事業に参加した広島市など11の水道事業者が、10年以上水を使っていなかった。建設費の負担は計576億円、維持管理費は毎年計2億円かかる。小さな自治体にとってはそれなりの金額だ。
ダムが着工されたのは1970~80年代。当時は日本経済は拡大し続けると思われていた。各自治体も企業進出などで工場ができ、雇用も増え、水が必要になると見込んでいたという。だが90年代にバブル経済が崩壊すると、日本経済は曲がり角にさしかかる。少子化が進み、2011年からは人口減少が続く。
水の使用量が増えなくても、ダム事業は複数の関係者で進めてきただけに、勝手に撤退はできない。その結果、「予備の水源」ということになったようだ。
会計検査院OBの星野昌季弁護士は「10年くらい経過して実績が見込めないならば、見直しに着手するのは当然。(契約内容は社会的事情の変化に応じて変更されるという)事情変更の原則にしたがって、国に維持管理費の減免などの協議を求めるべきだ」と話す。
一方、豪雨などの際に水をためて洪水を防ぐ治水用のダムは、近年の水害の増加によって、容量に余裕がなくなってきている。
これを受け、国は19年に利水用のダムの容量を、治水用にも活用する方針を決めた。全国に稼働中のダムは約1500基あり、容量は計180億立方メートル。うち治水用の容量が54億立方メートルなのに対し、利水用は125億立方メートル。大雨が予想される際、利水用にためていた水を事前に放流すれば、空いた容量を洪水調整に使える。
ただ、多くの利水用のダムでは事前放流できる吐き出し口がなく、改良が必要だ。事前放流したあと水がたまらなかったら渇水に陥るという懸念もある。取り組みはこれからだ。
公共事業はよく「走り出したら止まらない」と言われるが、人口減少社会では当初の想定通りにならないケースが増えてくる。決まった使い方をせずに柔軟性をもたせることが、新しい公共事業の姿だと考える。
(西部報道センター)
*
座小田英史(ざこだ・えいじ) 他の全国紙をへて、2005年に朝日新聞に入社。経済部や特別報道部などで、財務省や国土交通省などを担当。安倍政権下で配布された布マスクをめぐる問題など、税の無駄遣いに関する取材を続けている。
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カテゴリー: 報道
知事と住民 石木ダムの必要性について2回目の話し合い
9月7日、大石知事と川原住民による2回目の話し合いが行われました。その記事やニュースをお伝えします。
石木ダム 必要性で平行線 大石知事4度目の面会 住民側、利水の議論提案
(長崎新聞2022/09/08)https://nordot.app/940421464862310400?c=39546741839462401
大石賢吾知事は7日、長崎県と佐世保市が石木ダム建設を計画している東彼川棚町を訪れ、水没予定地で暮らす反対住民約20人と意見を交わした。「ダムは必要」とする大石知事と、「必要ない」と主張する住民側の意見は、約2時間半にわたって平行線をたどった。
両者の面会は、初めて対面で話し合った8月10日以来4度目。前回、住民側から出された治水、利水両面での質問に対し、大石知事らが県の主張を繰り返したが、住民側は「ダムありきの回答だ」と反発。知事が県民の安全を守る行政の責務として「ダムは必要だと考えている」と答えると、岩下和雄さん(75)は「本当に必要か、これから話し合うんじゃないのか。最初から必要と言うのなら、すぐにでも行政代執行すればいい」と突き放した。
若い男性参加者は、これまでの強制測量や強制収用を挙げ、知事に「県の解決手法は何十年にわたって強権的で、問題を長引かせてきた。今までと同じような手法では全く解決しない。それを踏まえてこの問題と向き合ってもらいたい」と注文をつけた。
住民側は、資材価格の高騰などで当初の予定から建設費が膨らみ、ダムの目的の一つである佐世保市の水道料金も上がるはずだと主張。次回は利水について議論するよう提案した。
終了後、石丸勇さん(73)は「知事は何も勉強せずに必要と言っている。パフォーマンスとしか思えない」とばっさり。知事は「皆さんの心にひっかかっているものを丁寧に解いて、必要性についての疑問に明確に答えていきたい」と述べた。
石木ダム建設巡り話し合い 住民と知事、またも平行線
(毎日新聞 2022/9/9) https://mainichi.jp/articles/20220909/ddl/k42/040/387000c県が川棚町に建設を進める石木ダムを巡り、大石賢吾知事とダム建設に反対する水没予定地に暮らす13世帯の住民の話し合いが7日夜、同町東部地区コミュニティーセンターであった。
治水、利水両面からダムは必要とする基本姿勢を示す大石知事に対し、住民はダム建設を前提とした話し合いに意味はないと反発。やり取りは平行線をたどったが、今後も話し合いの場を持つことでは一致した。
8月10日に面会した際に出た住民の意見、疑問に答えるために開き、約20人が参加した。
県と住民が交わした覚書を守らずに工事を進めている▽ダム検証の審議の場で住民の意見を聞かない――などの住民の意見に対し、大石知事は「(ダム建設に理解を得た水没予定地住民の)8割の方々の思いを受け止める必要がある」「審議の構成は関係自治体である県、佐世保市、川棚町、波佐見町の4者が対象」と回答した。
また「渇水、洪水から県民の安全、安心を確保するのが行政の務め。工事中断はできない」としたことから住民は反発。「ダムありきの回答ばかり」と批判が噴出した。
面会後、大石知事は「住民の心にひっかかっているものをひもときたいが、どこまで解消できるかは難しい」と語った。【綿貫洋】
石木ダム 大石知事と反対住民が意見交換
(長崎文化放送2022年09月08日) https://www.ncctv.co.jp/news/105825.html
長崎県と佐世保市が東彼・川棚町に計画する石木ダムの建設をめぐり大石知事は7日夜、ダムの水没予定地で暮らす「反対住民」と対面で2度目の話し合いをしました。
大石知事と「反対住民」の面会は3月以降4回目で、対面での話し合いは8月10日以来2度目です。
今回は、前回の話し合いで住民側から出た意見や質問に知事が回答する形で行われましたが、住民側は知事の「ダムありき」の姿勢に反発しました。
反対住民からは「50年以上反対しているんだから我々は引き下がれない」「私たちの意見を聞いて心が動いたらもしかしたらダムを中止にするかもしれませんとか一言くらい言ったらどうですか」「実現可能な解決策があると思うんです。そこを知事の判断で今後この問題を解決に向けて進めてもらいたい」などの意見が出ました。
大石知事は「しっかりダムの必要性について納得なのか、しょうがないかと思っていただけるのか、ぜひ必要だと思っていただけるのか、ダムを完成させるということについてご理解を頂けるのがやはり最後の着地点」と話しました。
知事は「反対住民」との話し合いは継続したいとしています。
石木ダム 大石 知事と地元住民2度目の意見交換
(テレビ長崎2022年9月8日 午後0:05)https://www.fnn.jp/articles/-/414345長崎県川棚町の石木ダム建設をめぐり、大石 知事は7日夜、2度目となる反対住民との意見交換にのぞみました。
7日、川棚町で開かれた石木ダムをめぐる意見交換です。
「ダムの必要性」を前面に出す大石 知事に、出席した地元住民約20人が強く反発しました。
ダム予定地の住民 岩下 和雄 さん 「(行政)代執行も、ダムの必要性もあるとなると話し合いをする必要がなくなる」
住民側は川棚川の改修工事の「治水効果」やダム予算が大幅に膨れ上がる恐れなどを質した一方、根拠が明確ではない過去の説明資料を示しました。
行政への不信感は根強く、知事に「行政代執行」か「話し合いの継続」か選択を迫る場面もありました。
大石 賢吾 知事 「ダムを完成させることを理解してもらうことが最後の着地点だと思う」
大石 知事は話し合いによる解決を目指していますが、住民側との意見の対立は決定的です。

石木ダムをめぐり 大石知事と反対住民が面会
(NHK長崎放送局2022年9月8日)https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/20220908/5030015930.html?fbclid=IwAR2o8UCg1eEyCgGB4SP6viEta1zaCIL8h05x3yvOqMRspPBwad0sdCDQrZs川棚町で建設が進む石木ダムをめぐって、長崎県の大石知事と建設に反対する地元住民が7日、面会しました。
川棚町で建設が進む石木ダムをめぐっては、県は、建設に必要なすべての用地の収用を終え、家屋の撤去などを伴う行政代執行の手続きに入れるようになった一方、地元住民などによる反対運動が続いています。
こうした中、7日、町内のコミュニティセンターで長崎県の大石知事とダム建設に反対する地元住民が4度目の面会を行いました。
はじめに大石知事は、先月の面会の際に住民側から寄せられたダム建設の経緯や、住民に対してのこれまでの県の対応などに関する意見に回答し、この中では石木ダムの必要性や、県としてダムの早期完成を目指す考えを改めて説明しました。
一方、住民側からは再び利水や治水の面からダムの必要性に対して疑問の声が上がったほか「最初から『ダムが必要だ』というのなら話し合いをする必要はないのではないか」とか「話し合いを続けていきたいのなら、知事が第三者の立場にならないといけない」などの意見が相次ぎました。
これに対して大石知事は「話し合いは継続させてもらいたいが、いただいた意見をしっかり踏まえてどういった形で話し合いができるか相談させてほしい」と述べ、今後も住民との面会を継続していく考えを示しました。

石木ダム建設で話し合い 反対住民から知事に厳しい声
(NIB長崎国際テレビニュース2022/9/8(木)12:14) https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/nib/region/nib-news106id8jl0q5xlyir3sg-html川棚町で進められる石木ダム建設について大石知事と反対住民との2回目の話し合いが7日行われた。
話し合いでは、先月の1回目で出た反対住民からの意見や質問に大石知事が回答。これに対し、住民側は「知事の回答は建設を前提としている」と反発し、「ダムの必要性を議論しないのであれば、話し合いは続けられない」という厳しい声が上がった。
大石知事は「行政の立場として必要ということを言っている何とか話し合いを継続していきながら形を作っていくことがまずは必要」と説明した。
話し合いは今後も続く見込みで、住民側は、次回は利水について議論するよう提案している。
石木ダムは必要?市民団体が公開討論会を求め申し入れ
(テレビ長崎2022年9月7日 水曜 午後6:27) https://www.fnn.jp/articles/-/414145
長崎県と佐世保市が建設を進める東彼・川棚町の石木ダムについて、建設に反対する市民団体が、ダムの必要性を問う公開討論会の開催などを大石 知事に申し入れました。
申し入れしたのは、石木ダムの建設に反対する住民の支援や、石木川周辺の環境保全などに取り組む市民団体です。
県と佐世保市が進める東彼・川棚町の石木ダムは、川棚川の洪水対策や佐世保市の水源確保などを目的としています。
大石 知事は8月、建設に反対する住民と面会し意見を交わしていますが、ダムの早期完成を目指す方針は変わっていません。
一方、市民団体は2021年と2020年、長崎市内でのべ千人あまりにアンケート調査を行っていて、その結果9割以上の人が「ダムは不要」と答えたということです。
市民団体は7日、大石 知事と県民などが改めてダムの必要性について意見を交わす場を設けることなどを求めました。
石木川の清流とホタルを守る市民の会 西中 須盈 代表世話人 「人口も減って水の需要もずっと減っている。そういうことを考えると、どうしても納得いかない。なぜここまで強引に県が進めるのか」
大石 知事は、これまでに建設反対の住民からも公開討論会開催の提案を受けていますが、実施については明言を避けています。
知事は、7日夜も川棚町で住民と面会する予定です。
11水道事業者、ダム取水せず
11水道事業者、ダム取水せず 人口減や節水進み、需要予測外れる 維持費、年2億円近く
(朝日新聞2022年8月16日 5時00分)https://digital.asahi.com/articles/DA3S15388734.html?pn=3&unlock=1#continuehere
建設当時の温井ダム=1999年10月、広島県安芸太田町
水道用水を確保するために国のダム事業に参加している全国71の水道事業者のうち、広島市など11事業者が完成後に一度も取水していないことが朝日新聞の調査でわかった。人口減少や節水が進んだことが大きい。11事業者による建設費の負担は計576億円で、維持管理費は毎年計2億円程度に及ぶ。
調査は、2021年10月時点で完成から10年以上たつ全国60カ所の国のダム事業を対象にした。朝日新聞が情報公開請求などにより、参加する自治体や広域企業団といった71事業者の取水状況を調べた。
取水がゼロだったダムの完成時期は1986年~2010年で、着工時期は70~80年代に集中していた。人口増の時期にあたり、9事業者は取材に「水需要が将来も増えると見込んでいた」(高知県宿毛市)などと回答する。北海道東川町と山形県長井市は地下水を水源としており、枯渇などに備えたという。
特定多目的ダム法では、国のダム事業に参加した場合、水を利用する割合に応じて水道事業者が建設費を負担。維持管理費の負担も義務づけられ、全11事業者は取水ゼロのまま国へ維持管理費を支払い続けている。金額は年間で数十万円~1億円超と幅がある。
広島市は、国が2003年に完成させた温井ダムで、水道用水確保のため、ダム建設の総事業費の2割にあたる365億円を負担した。維持管理費として毎年約1億円を支払い続けているが、これまで取水実績はゼロだ。
市によると、ダム事業への参加を決めた79年には、企業の進出や人口増を見込み、将来的に市内で1日最大68万立方メートルの需要があると予測していたが、90年度の54万立方メートルをピークに需要は減った。20年の給水実績は41万立方メートルだった。ただ、市水道局の担当者は「安定供給のための予備の水源として引き続き確保していく」と話す。
他の事業者も「災害、渇水などに備え、維持費を負担している」(北海道旭川市)といった声が多い。
厚生労働省によると、全国の上水道の使用量は減る傾向にあり、00年のピーク時に比べて15年は8%少ない1日あたり3600万立方メートルだった。人口減と節水が進み、40年には00年比で3割減ると見込んでいる。
水道事業に詳しいコンサルティング会社「EY Japan」の福田健一郎氏は「ダムの維持管理費に加え、今後は老朽化した水道管の更新費用がのしかかる。水道事業者は経営の合理化に向け、広域化などを進めるべきだ」と話す。
■治水に活用へ転換
将来も利用が見込めないため、ダム事業から撤退した事業者もある。
盛岡市は20年、国の御所ダムの水を使う権利を国に返した。80年代に権利を得たが、需要が伸びなかった。維持費が毎年500万円程度かかっていた。返還できたのは、半導体製造などの工業団地で水の利用を見込んでいた岩手県が「引受先」になってくれるなど条件が整ったためだ。
国交省は取水の有無に関係なく維持費はかかるため、「単純な返還は難しい」(水管理・国土保全局)と説明する。国の認可を得ればダムの使用権を返上できるが、返還が実現したのは17年度以降の5年間で、御所ダムを含め4件にとどまる。引受先が見つかったことや事業者の統廃合などが理由だった。
国は19年12月、利水目的のダムについても、治水に活用する方針を決めた。水道用水の安定供給などが目的のダムを改修し、治水にも使えるようにする。
京都大学防災研究所の角哲也教授は「人口が減る中、利水事業にも見直しが必要だ。逆に大規模水害への備えが重要性を増している。ダムの利用目的に応じて、水道事業者の負担を見直す仕組みを国は検討すべきだ」と話す。(座小田英史、女屋泰之)
大石知事「ふるさとは尊い」
大石知事、住民と面会
NHK長崎 https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/20220310/5030014284.html
NCC長崎文化放送 https://www.ncctv.co.jp/news/98914.html
NBC長崎放送 https://www.nbc-nagasaki.co.jp/nbcnews/%e5%a4%a7%e7%9f%b3%e9%95%b7%e5%b4%8e%e7%9c%8c%e7%9f%a5%e4%ba%8b%e3%81%8c%e7%9f%b3%e6%9c%a8%e3%83%80%e3%83%a0%e8%a8%88%e7%94%bb%e3%81%ab%e5%8f%8d%e5%af%be%e3%81%99%e3%82%8b%e4%bd%8f%e6%b0%91%e3%81%a8/
KTNテレビ長崎 https://www.ktn.co.jp/news/detail.php?id=20220310009
NIB長崎国際テレビ https://www.nib.jp/nnn/news106hijzw1fz03yb4bbc.html
11日の新聞全紙に大石知事のこうばる訪問の記事が掲載された。この日はわずか5分の面会だったけれど、これから話し合いが実現し、石木ダムの是非がしっかり見直されることを願う。無駄な事業は県の財政をひっ迫させるだけだから。
そう思いつつ、隣の記事を見てギョッ!!!
石木ダムだけではない。IRに来年度から着工!その総事業費は4400億円!?石木ダムの1ケタ上をいく予算!どこにそんなお金があるというのか。2630億円は借金で賄うという。狂っているとしか思えない・・・
『石木ダム未完の59年』
テレビドキュメンタリー放送のお知らせです。
NHK長崎から、石木ダム問題のドキュメンタリーが放送されます。
NHK総合テレビ
2021年12月10日(金)19:30~19:55
25分の割と長めの枠です。
楽しみです、というか、どんな風に編集されているのか…ふ、不安です。。
多分ですが、多分、わたし、こうばるほずみも出てくると思います。
インタビューも流れると思います。
(いや、カットされているかもしれない!)
長崎県内のみなさん、ぜひご視聴ください。
最近よくニュースで見かける石木ダム。
— NHK長崎放送局 (@nhk_nagasaki) December 9, 2021
みなさんは、どんなイメージをもっていますか?
進むダムの本体工事?
反対する住民のハチマキ?
私たちは、住民たちの「故郷への思い」を見つめました。
放送は10日(金)19:30からです。 pic.twitter.com/rgGxaw8rgM
今回は長崎県内のみの放送ですが、ひょっとしたら全国放送までいけるかもしれません。
そのためにもできるだけ多くの人に観ていただきたいです。
以下、写真家の村山さんがSNSで発信してくださった文章を添付させていただきます。
・
https://www.nhk.or.jp/nagasaki/program/nagasakispecial/?cid=jp-timetable-modal-programofficial&fbclid=IwAR3PMbtk1IkO0SzGDWEP5uhoXT0amFwKjLRl0EJ8UhMRWEn3StHMc6bZ4gE
長崎県内のみの放送ですが、今週金曜日の午後7時半からNHK総合で『石木ダム未完の59年』というドキュメンタリーが放送されると、取材したディレクターから連絡がありました。
翌土曜日の午前7時35分にも再放送があります。
これまでNHKは石木ダム問題をあまり取り上げてきませんでしたが、この問題に関心を持った若いディレクターがどのように描くのか注目しています。
長崎県内の反響が大きければ今後全国放送の可能性もあるかもしれず、アーカイブサービスのNHKプラスで配信されることを期待しています。
まずは放送を視聴してみないことにはわかりませんが…。
報告/こうばるほずみ
コンコルド効果
コンコルド効果
(長崎新聞コラム2021/9/10 11:00 ) https://nordot.app/808879421200924672
〈「いつ始めるか」を決めるのは難しいが、「いつやめるか」の決断はもっと難しい〉-本紙情報面の人気コラム「歳々元気」が2年ほど前、こんな書き出しで「コンコルドの誤謬(ごびゅう)」という経済用語を紹介している
▲英仏の共同プロジェクトで生まれた優美な機体の超音速旅客機は、燃費が悪い、定員が少ない-などいくつか大きな欠点があり、開発途上で採算性の厳しさが指摘された。だが、いったん動きだした計画は止められず、赤字を膨らませながら空を飛び続けた
▲一つの事業で、ある時点までに投資されて回収できない費用のことを経済学ではサンクコスト(埋没費用)と呼ぶ。「コンコルド効果」は、このコストを惜しんで引くに引けない心理的圧迫を言う言葉。いろんな場面で誰にも覚えのある感覚でもある
▲東彼川棚町の石木ダム建設事業で、県が一昨日、ダムの本体工事に着手した。事業採択から46年。半世紀近い時間が経過している
▲事業が長く実現できずにいることと、ダムの必要性とを単純に結び付けて論じるのは乱暴だろう。ただ、過去の投資や時間や経過や労力を惜しむあまり、判断が歪んでいないか-を、繰り返し問い直す姿勢を行政には求めたい
▲冒頭のコラムは〈引き際の決断にこそ、勇気と知性が求められる〉と結ばれていた。(智)
「抗議の行動変わらぬ」 石木ダム建設、本体工事開始から一夜
(西日本新聞2021/9/10 11:30 ) https://www.nishinippon.co.jp/item/n/798500/
本体工事の現場を監視する水没予定地の住民と支援者
長崎県と佐世保市が進める石木ダム建設事業で、ダムの本体工事が始まった。着工から一夜明けた9日、川棚町のダム建設予定地では山の掘削や木の伐採が進められたが、反対する住民と支援者はこれまで通り座り込みを続けた。「本体着工で住民の行動が何か変わることなんてなかっさ」。「みんなここに住み続けたいんだ」。事業への抗議の姿勢を崩さなかった。
午後、ダム堤体建設予定地付近に設置されたテントでは、5人が工事の進行を監視した。住民の岩本宏之さん(76)は「ダム堤体そのものの工事の見通しが立たないまま本体着工しても意味がない。県は何がしたいんやろか」と話した。
堤体部分には、建設反対の象徴として住民が築いた「団結小屋」が立つ。事業を進めるため、住民の理解を得るか、小屋の強制収用に踏み切るか。行政側には大きな課題が突き付けられている。県石木ダム建設事務所は「できるところから、安全に配慮して進める」と述べるにとどまっている。
この日は本体着工と同時に再開された県道付け替え工事の現場にも、変わらず座り込みをする住民たちの姿があった。付近では盛り土工事へ向けた木の伐採が行われ、木陰にあった住民たちのトイレやテーブルなどが太陽の光にさらされた。岩下すみ子さん(72)は「私物が置かれたままでは盛り土はできない。嫌がらせやろうか」と反発した。
◇ ◇
石木ダム建設事業の本体着工について中村法道知事は9日、報道陣の取材に応じ、「地域住民の安全安心を確保するために、できるだけ早期に完成させるべきだ。安全性に十分配慮しながら、工事を円滑に進めていきたい」と述べた。 (岩佐遼介、泉修平)
石木ダム本体工事着手
石木ダム本体工事着手 反対住民との交渉難航
(長崎新聞2021/9/9 10:00) https://nordot.app/808502961457790976?c=174761113988793844
事業採択から46年を経て、本体着工した石木ダムの建設予定地。重機が掘削を始めた=川棚町
長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業で、県は8日、ダム本体工事に着手した。当初は2月中旬に着工予定だったが、水没予定地に暮らす反対住民13世帯と中村法道知事の対話実現のための「配慮」として半年間見合わせていた。1975年の事業採択から46年で大きな節目を迎えた。
これまでは、反対住民の抵抗を受け、水没する県道の付け替え工事にとどまっており、本体工事の最初となる掘削の工期を2度延長し、9月末までとしていた。県河川課は、順調に進めば工期内完了も可能として「安全に配慮しながら進捗(しんちょく)を図りたい」としている。
掘削を始めたのは、ダム堤体両端の上部斜面。昨年12月に本体工事としては初の入札を実施し、測量など準備を終えていた。8日は午前10時ごろ、上流から見て左岸を重機で掘り始め、右岸の木を伐採した。住民らが座り込みを続ける付け替え道路工事現場付近でも伐採をした。
今回の工事費は2020年度県予算の繰り越し分。県は21年度予算に左岸の下部斜面を掘削する工事費を盛り込んでいる。
県と住民の対話に向けた交渉は5月以降、文書で条件整理を続けたが、工事中断の在り方を巡って難航した。県は期限を8月末とし「9月以降は着実に事業を進める」と通告。住民側は「県に対話の意思はない」とみなし、中村知事は8月31日の定例会見で「これ以上さまざまな工事の延期は難しい」と述べていた。
県と佐世保市は土地収用法に基づいて全用地を取得し、19年11月に明け渡し期限を迎えたが、反対住民は応じていない。知事権限で家屋を撤去する行政代執行も可能な状況になっている。
石木ダムは、川棚町の治水と同市の利水が目的。同市水道局の谷本薫治局長は「早期完成を願う立場としては、進展につながるのではないかと思っている」と期待を寄せた。
一方、反対住民の岩下和雄さん(74)は「いかにもダム建設が進んでいると見せるためのパフォーマンス。私たちが同意しない限りダムはできない」と反発した。
石木ダム本体工事着手 混迷 一層深まる恐れも
(長崎新聞2021/9/9 09:44) https://nordot.app/808500122857357312?c=62479058578587648
長崎県が石木ダムの本体工事に着手したことで、事業は新たな局面に入った。地元住民や支援者の反対運動が活発化し、一層混迷を深める恐れがある。
県が昨年暮れから模索を続けてきた住民との対話は、先月末に事実上とん挫した。対話当日に限り工事を中断したい県と、即時中断をして対話に臨みたい住民側の思惑は最後まで相いれなかった。
県と佐世保市には「いったん工事を止めると再開させてもらえない」との懸念があったのは事実だが、結果、一昨年9月の対話以降何の進展もなく、本体工事に着手することになった。
住民側には、県がこのまま行政代執行に踏み切り家屋などを強制撤去するのかという不安が高まっている。これに対し中村法道知事は先月末の定例会見で「判断を要する状況になれば」と含みを持たせた。当面撤去せずとも工事を進められるのであれば、代執行までまだ時間があるとも取れるが、いずれは突き当たる問題だ。
その時、知事や佐世保市長が政治的リスクを取り、世論の反発必至で強制撤去するのか。それとも既に土地を明け渡した人や推進派の抗議を承知で事業を断念するのか。ただ、それまで行政と住民が消耗戦を続けても何も生み出さないどころか、対立が一層泥沼化している可能性もある。
確かに司法判断は事業の必要性を一定認めている。だが最近は水需要を巡り新型コロナという「変数」も加わり、状況が変わった側面もある。県と佐世保市は事業の権限を持つ側として、いま一度住民と真摯(しんし)に向き合う懐の深さを示すことができないか。
「実績づくりの茶番劇」 石木ダム本体工事着手 反対住民、冷ややか
(長崎新聞2021/9/9 10:30)u https://nordot.app/808506477440532480?c=174761113988793844
ダム本体建設予定地にある「団結小屋」から工事の様子を見つめる松本さん=川棚町
石木ダムは8日、事業採択から46年を経て本体工事に至ったが、長崎県東彼川棚町の現場近くで抗議の座り込みを続ける反対住民は「県の実績づくりのための茶番劇」と冷ややかに受け止めた。事業主体の県は、住民と中村法道知事との対話に向けた調整を打ち切り“強硬路線”を鮮明に。「追い詰めるつもりか」と不安を口にする住民もいるが、徹底抗戦の構えは崩していない。
同日午前10時すぎ。いつものように本体建設予定地近くで座り込みをしていた住民らが、続々と現れる県職員や業者に気付いた。石木川を挟んだ対岸の山を重機が登り、掘削を開始。動きを察知したマスコミも集まり、カメラを向けた。住民の岩下和雄さん(74)は「あんなのは本体工事でも何でもなく『ダムはできる』と県民に錯覚させるための宣伝。いちいち付き合う必要はない」と意に介さない様子でたばこを吹かした。「県に踊らされるあんたたちもあんたたち」とマスコミへの不満も口にした。
本体建設予定地に40年近くある通称「団結小屋」では、松本マツさん(94)が窓から重機の動きを見つめていた。「私たちが住んどってもお構いなしに進める。自分が哀れになってくるね」と悲しそうにつぶやいた。10年前にはお年寄り5、6人が連日集まったが、亡くなったり、病気を患ったりし、現在は松本さん1人が週3回通う。「この年になってどこに出て行けというのか。みんなの分まで頑張らんば」と唇を結んだ。
午後から現場を見に来た住民の石丸勇さん(72)は「歴代知事と同じやり口。後戻りできないようにちょっとだけ手を付けて、仕上げることなく次に渡す。中村知事も自分で完成させるつもりはないのでは」と冷静に分析した。
付け替え道路工事現場でも重機が木を倒し、土砂を削った。住民はここでも座り込みを続けており、川原千枝子さん(73)は「まるで嫌がらせ。こうやってじわじわ追い詰めて、私たちを出て行かせるつもりやろうか」とため息をついた。
(西日本新聞2021/9/9 6:00 ) https://www.nishinippon.co.jp/item/n/797983/
国の事業採択から46年。石木ダム建設に反対する住民側と、「喫緊に必要不可欠」と事業を推し進めようとする長崎県など行政側との溝は8日の本体着工で一層深まった。40年以上も平行線が続く事態の先行きは見通せないままだ。
「契約分を工期内に完成させたい」。県河川課の担当者は、着手したダム本体の堤体両端にある上部斜面を掘削する工事を9月末までに終える意向を明言した。その後、周辺工事を進め、ダム堤体そのものの建設に本格着工する工程だ。
ただ、堤体建設を始めるには、住民側が建設反対の象徴として築いた「団結小屋」の撤去が不可欠となる。県は土地収用法の手続きを進め、2019年に13世帯の家屋を強制収用する行政代執行が可能になっている。
中村法道知事は団結小屋などを撤去する行政代執行を「選択肢の一つ」に挙げる。「最後の手段。他に方法がない状況において総合的に判断する」としているものの、13世帯の家屋を収用するほどの規模の代執行は前例がない。県職員の一人は「ハードルは限りなく高い」と明かす。
一方、話し合いがないまま開始された本体工事に、住民側の不信は深まった。予定地で毎日座り込んでいる住民と支援者は8日朝、報道陣の姿で本体着工があることを知った。午前10時すぎ、重機が山肌を削り始めると、水没予定地に住む岩下和雄さん(74)は「立ち退かない住民に圧力をかけたいのだろうが、反対の意思は変わらない。本体工事に着手したという実績が欲しいだけのパフォーマンスだ」と憤った。
県が住民側への「配慮」を理由に控えていたダム本体以外の一部工事もこの日、2カ月半ぶりに再開された。「何十年も反対運動をしてきた。死ぬまで踏ん張ってやるけんね」。岩下さんの妻すみ子さん(72)は反発を強めた。
住民の理解を得ないまま工事を進めるのか。それとも「最後の手段」に踏み切るのか。県とともに事業を進める同県佐世保市の職員は懸念する。「地元理解を得られないまま40年以上が経過した。本体着工の重要局面でも、理解を得るという最も重要な問題が先送りされてしまった」
(岩佐遼介)
石木ダム本体工事着手 住民反対続く中 長崎県の行政代執行が焦点に
(西日本新聞2021/9/9 6:00 ) https://www.nishinippon.co.jp/item/n/797981/拡大
石木ダムの本体工事現場で土砂を掘削する重機=8日午後2時半、長崎県川棚町(撮影・才木希)
石木ダムの本体工事現場で土砂を掘削する重機=8日午後2時半、長崎県川棚町(撮影・才木希)
住民の反対運動が40年以上続く長崎県川棚町の石木ダム建設事業で、県や同県佐世保市は8日、先送りしていたダム本体の工事に着手した。国の事業採択から46年になるが、水没予定地13世帯の住民の理解は得られていない。今後は県が予定地の土地や建物を強制収用できる行政代執行に踏み切るかどうかが焦点となる。
県は2025年度のダム完成を目指している。着工したのはダム本体の堤体両端にある上部斜面を掘削する工事。午前10時ごろから重機で作業を進めた。工期は9月末に迫っており、県河川課は「衝突を避けるため事前に告知はしなかった。9日以降も工事を進める」としている。
本体工事は20年度に初めて予算化。県は中村法道知事と住民との対話を目指して着工を見送ってきたが、条件面で折り合わず、県が対話の期限とした8月末を過ぎていた。中村知事は8月末の定例記者会見で「反対運動が高まる可能性はあるが、安全を確保しながら進めていきたい」と本体着工の意向を示していた。 (泉修平、岩佐遼介)
【ワードボックス】石木ダム事業
長崎県と同県佐世保市が治水と市の水源確保を目的に、同県川棚町の石木川流域に計画。1975年度に国が事業採択し79年度に完成予定だったが、水没予定地の住民と支援者が反対運動を展開。県は82年、土地の強制測量に県警機動隊を動員し、座り込む住民らを排除して対立が深まった。住民らが事業認定取り消しを求めた訴訟は最高裁で住民側敗訴が確定。別の工事差し止め請求訴訟は一審で敗訴したが、福岡高裁で係争中。
石木ダム 本体工事着手 速報
石木ダム、長崎県が本体工事に着手 反対派住民「茶番劇だ」
(朝日新聞2021年9月8日 20時03分)https://digital.asahi.com/articles/ASP986KSSP98TIPE017.html
石木ダム本体工事が着工された現場=2021年9月8日、長崎県川棚町、住民提供
長崎県は8日、同県川棚町で進めている石木ダム建設事業の本体工事に着手した。現場周辺では立ち退きを拒む住民が抗議の座り込みを続けており、県は中村法道知事と住民との直接対話に向けて協議をしていたが、不調に終わったとして踏み切った。
ダムを巡っては、水没予定地の川原(こうばる)地区の13世帯が立ち退きを拒んでいる。県は昨年度、本体工事の予算を計上したものの、着工には至っていなかった。県河川課によると、この日は左岸側の掘削工事と、右岸側の樹木伐採などの作業に手を付けた。同課は「準備が整ったため再開した。安全に配慮しながら工事を進めていく」と話した。この日、反対住民との衝突はなかったという。
県は今年5月、事態打開のため住民側に中村知事との対話を持ちかけ、書面のやりとりによる協議が続いたこの間は周辺の関連工事のみにとどめていた。一方、住民側は対話の前提として関連工事の即時中断を主張。結局、県の設けた8月末の期限までに折り合えず、中村知事は「これ以上、本体着工を延期するのは難しい」と、9月以降に着手する考えを示していた。
住民の石丸勇さん(72)は「誠意をもって話し合いをやる気など最初からなかったと思う。一方的に『期限が切れた』と宣伝し、本体着工するなんて茶番劇だ」と怒りをあらわにした。県が今後どんな出方をするか、警戒を強めていく構えだ。(安斎耕一、原口晋也)
住民が抗議活動続ける中 県が石木ダムの本体工事 着工
(NHK2021年09月08日 17時06分)https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/20210908/5030012688.html
川棚町で建設が進られている石木ダムについて、建設に反対する地元住民らが座り込みなどの抗議活動を続ける中、長崎県は8日、本体工事に着工しました。
長崎県は8日午前10時ごろ、川棚町で建設を進めている石木ダムの本体工事に着工し、現場では、重機を使って山の斜面を掘削する作業の様子が確認できました。
長崎県は9日以降も、引き続き本体工事を進めたいとしています。
一方、建設に反対する地元住民らは、8日も座り込みなどの抗議活動を続けました。
住民の岩永正さんは「これまで県が話し合いを持つ姿勢を示していたのは、次に何かやるためだと思っていた。諦めは絶対になく、徹底抗戦したい。工事を止めるためには、現場に座り込みに行くしかない」と話していました。
また、抗議活動を続ける松口秀之さんは「県は話し合いをすると口では言っているのに、実際はこうして工事を進めている。ただ、工事がどういう進捗なのか県の真意がまだ分からない」と話していました。
石木ダムをめぐって、長崎県は、中村知事と建設に反対する地元住民との直接の話し合いを模索していたことから、すでに必要な測量などは終えていたものの、昨年度予定していた本体工事への着工をこれまで見送ってきました。
一方、住民側が求める工事の即時中断などの条件は受け入れられないとして、期間として設定していた先月末までに話し合いは実現しませんでした。
長崎県は、すでに建設に必要なすべての用地の収用を終え、家屋の撤去などを伴う行政代執行の手続きにも入れるようになっています。
地元住民らが反発する中、今後は、目標としてきた4年後・令和7年度の完成に向けて、長崎県が行政代執行に踏み切るかどうかが焦点になります。
「重機の下に座り込んで止めるしかない」住民が悲痛な訴え 石木ダムめぐり長崎県が本体工事に着手
(テレビ長崎2021/9/8(水) 18:55) https://news.yahoo.co.jp/articles/766a56543857b72e69afa01a8eb208f793cdf631
テレビ長崎
東彼杵郡・川棚町で建設が進む石木ダムをめぐり、長崎県は8日、見送っていた本体工事に着手しました。 東彼・川棚町の石木ダム建設予定地です。
本体工事の現場では、8日午前10時ごろから重機を入れて、山の頂上部分から斜面の掘削を始めました。
石木ダムをめぐって、長崎県は中村 知事と反対住民との話し合いの場を模索していました。
しかし、住民との調整に難航したことなどから、長崎県は2021年に入り、2度本体工事の工期を延長していましたが、話し合いは実現せず、中村 知事は「9月以降着実に事業を進める」としていました。
建設に反対する住民や支援者は、8日も朝から抗議の座り込みを行っていて、8日の着工を受けて憤りをあらわにしました。
ダム建設予定地の住民 岩永 正 さん 「9月になって、今週から月曜日と火曜日はなかったから安心してたけど、きょう(8日)になって始めたからついに来たかと。重機の下に座り込んで止めるしかない、私たちは」 長崎県は2025年度のダムの完成に向けて、9月中には山頂部分の掘削を終えたいとしています。
【長崎】石木ダム 県が本体工事に着手 住民反発
(長崎文化放送2021/9/8(水) 18:51)https://news.yahoo.co.jp/articles/3f8f0ebc0ba13f75efdf2cb9617dc29a0c187b7e
NCCスーパーJチャンネル長崎
長崎県は8日朝、石木ダムの本体工事に着手しました。住民たちは反発を強めています。
長崎県と佐世保市が東彼・川棚町に建設を進める石木ダムをめぐっては県と13世帯約50人の反対地権者が話し合いをめぐる条件面の協議を文書で続けていました。
しかし県側が期限とした先月末までに話し合いは実現せず、知事は先月31日の会見で今後、本体工事の着工手続きを進めると表明しました。
ダムの本体工事は8日朝から住民たちが座り込みを続ける団結小屋の近くで作業員がショベルカーで木を切り倒すなどの作業を始めました。
県によるとダムの頂上付近に当たる部分の掘削作業だということです。残り半年の任期内に行政代執行を強行するかについて中村知事は、「判断を要する状況になれば工事の進捗や訴訟の状況などを鑑み、総合的に判断する必要がある」としています。
座り込みいつまで…
「座り込みいつまで…」6度目の工期延長、続く緊迫
(西日本新聞2021/6/30 6:00) https://www.nishinippon.co.jp/item/n/762815/
石木ダム・リポート ―6月29日―
山の緑にセミの鳴き声が響く。長崎県川棚町の石木ダム建設現場には29日午後、赤い文字の横断幕が風に翻っていた。「工事強行より話し合いが先だ」。住民らは横断幕を県が設置している監視カメラに写るように掲げ、静かに抗議の意思を示した。
住民が中村法道知事との話し合いのための事前協議の前提として、「中断」を求めていた県道付け替え工事。県は28日、6月末に迫っていた工期を9月末に延長した。工期延長は6度目。少なくともあと3カ月は、県は工事を進め、住民らは座り込むという緊迫した状況が続くことになる。
住民の岩下すみ子さん(72)は「またかとがっくりする」と落胆。「(工事が中断すれば)数年ぶりに旅行に行こう」。住民間で話していたが、淡い期待ははかなく消えた。「毎日座り込むのも体力的に大変。いつまで続くんかね」
29日も現場では、山の掘削や土砂の運搬など、県道付け替え工事が進んだ。一方、「ダム本体工事」として予算が計上されている堤体両端の上部を掘削する工事は着工していない。県は「(着工しないのは)住民への配慮」と説明する。
住民の岩本宏之さん(76)は「理解を得ることなく工事を進めておいて、いまさら何が配慮か」と憤った。着工していないはずの「本体工事」の工期も9月末までの延長が決まっている。(岩佐遼介)
長崎県、石木ダム本体の掘削工期延長 9月末まで
(長崎新聞2021/6/29 11:13) https://nordot.app/782430433873870848?c=39546741839462401
長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業で、県は28日、6月末までとしていたダム本体の掘削工事などの工期を9月末まで3カ月間延長したと明らかにした。施工業者と同日、変更契約を結んだ。
県は水没予定地に暮らす13世帯の反対住民との話し合いを模索する中で本体工事を見合わせており、工期延長は2回目。県道付け替え道路工事の盛り土などは住民らの抗議の座り込みで予定通りに進まず、6回目の延長となった。
県は中村法道知事との対話を実現しようと反対住民に条件面を詰める事前協議を提案しているが、住民側は工事の即時中断を求めており調整が難航している。
長崎県が石木ダムの工期を9月末まで延長
(テレビ長崎2021年6月29日 火曜 午前11:45) https://www.fnn.jp/articles/-/202663
東彼杵郡・川棚町に計画されている石木ダムについて、長崎県は28日、業者との契約を変更し、本体工事と付け替え道路の工期を9月末までに延長しました。
東彼・川棚町では、石木ダムの建設に伴って、水没する県道の代わりとなる付け替え道路の工事が進められています。
工期が6月末に迫る中、現地では建設に反対する地元住民が抗議の座り込みを続けていて、約40メートルの区間が手付かずのままです。
長崎県は28日、業者との契約を変更し、付け替え道路の工事を9月末まで延長しました。
あわせて本体工事についても、住民との話し合いの調整が難航していることなどから、工期を3カ月延長しています。
付け替え道路の工期延長はこれで6回目で、本体工事の延長は2回目です。
今後の工事の進め方について、長崎県の河川課は「話し合いや、協議の状況を踏まえて判断していきたい」としています。