少し前になりますが、「水道局だより」No.20が新聞折込で市内全戸に配布されました。
新聞を取ってない方は水道局のホームページからも見れますよ。こちらです。
6ページ建てになっていますが、水道局としては特に5ページを伝えたかったんじゃないかな〜
こちらです。
とっても「わかりやすい」説明ですね。
皆さん、貯水率が高くても安心してはいけませんよ。
なぜかというと、佐世保の貯水池は小さいので、100%でも貯水量はとても少ないのです。
バケツ1杯とコップ1杯の水の量が違うようにね。
だから雨の降らない日が続くと、すぐに足りなくなってしまうのです。
あの平成6年の大渇水の時を思い出してください。
あの時は2ヶ月で65%以上も減ってしまいました。
もしもあの時のような日照りがまた続いたら・・・
だから、佐世保の水は足りているなんて思わないでくださいね。
佐世保は今でも水不足なんですゾ〜
とのメッセージが伝わってきます。
「なるほど、そうなのね。では、やはり石木ダムは必要ね」と納得した市民も少なからずいたかもしれません。
でも私は、このグラフを見て、逆に安心しました。
あの時のような日照りが2ヶ月間続いても、もう佐世保は断水にはならない!と。
それは…思い出してください。昨年の夏のこと。とても暑かったですねー
日照りが続きました。その時の貯水率の変化はどうだったでしょう?
長崎県のホームページに「水道用ダム貯水率の推移」の記録があります。
これを見ると、7月4日〜9月5日までの2ヶ月間で佐世保の貯水率は、たった7.3%しか減っていません。
この間降った雨は、21.5mmです。
21.5mmって、もちろん2cmちょっとです。
2ヶ月間にたったそれだけなんて、蒸発量を考えたら、ほとんど降らなかったようなものですよね。
つまり平成6年の夏と同じような状況だったと考えられます。
しかし、貯水率の推移はこんなに違う!
平成6年7月1日〜9月1日 98.8%→32,3% 66.5%減少
平成28年7月4日〜9月5日 96.6%→83.7% 7.3%減少
同じような気象条件の下で、こんなに貯水率が違う!それはナゼ?
1.給水人口の減少、節水機器の普及により、水の使用量が大幅に減少
2.川棚川から暫定豊水水利権(日量5,000?)を取得
3.下の原ダムの嵩上げにより、下の原ダムの貯水量が3,000?増加
4.南北水系融通配水施設の完成
等の要因が考えられます。
また、まだまだ不十分ですが、漏水量も以前よりはずいぶん減っています。
佐世保地区(旧佐世保市)で見れば、平成6年当時は日量1万トン以上だった漏水量が、近年では7,000トン台となっています。このまま、いえ、もっと漏水対策に力を入れて漏水量を減らせば、他人(川棚町民)に迷惑をかけなくても自分たちで保有水量を増やすことができるのです。
もう1つの要因は給水管理運用技術だと思います。
先ほどの「水道用ダム貯水率の推移」を、もう一度見てみましょう。
その2ヶ月間の貯水率の変化を都市別に比較すると、
7月4日 9月5日 差
長崎市 96.6% 83.7% 12.9%
佐世保市 96.2% 88.9% 7.3%
大村市 99.8% 65.7% 34.1%
平戸市 100.0% 86.3% 13.7%
他都市は2ケタの減少率(大村市は34%も!)ですが、佐世保市だけが1ケタに抑えています。
いつまで続くかわからない日照りに備えて、ダムの水を急激に減らさないような工夫がされていたのでしょう。
過去の渇水経験を糧として、佐世保市水道局職員の水の管理技術はたいへん高いものがありそうです。
というわけで、佐世保市民としては水道局職員の皆様にたいへん感謝していますし、その職員の努力が生かされるような水道行政を心から望みます。
石木ダム問題で苦しんでいるのは地元こうばるの皆さんだけではありません。
ダム建設有りきでなければ、もっと様々な水源対策が採用され、水道局職員の皆さんのご苦労も減り、誰かに恨まれたり批判されたりすることもなく、誇りを持って職務に励まれることでしょう。
と、同情しつつも、おかしいことはおかしいと言わせてもらいます。
明日は、水道局だよりNo.20のもう1つの問題について考えてみます。(^^)