今月12日、国土交通省関東地方整備局は、
「八ツ場ダムの建設に関する基本計画」の変更について
記者発表しました。
何が変更になったかというと、事業費です。
これまでの約4,600億円が、約5,320億円に見直されました。
つまり、720億円の増額です。
八ツ場ダムの場合、事業費の増額は3回目のようです。
1986年の基本計画策定時には、事業費は約 2,110 億円でしたが、
2004年に約 4,600 億円に倍増され、
今回の変更約5,320億円で、当初の約2.5倍の金額になりました。
8月12日付の日経新聞には「計画のずさんさが改めて浮き彫りになった」と書かれています
それにしても、720億円!
石木ダムが2つ半も造れる金額です。
なんでそんなに増額するの?と思いきや、
「変更に至った理由」として、このように書かれていました。
事業が終盤を迎え、基礎掘削が概ね完了したことにより、事業の詳細な内容が概ね確 定したことから、コストの精査を行いました。 コスト縮減の工夫をしてもなお、前回計画変更以降の状況変化により、基本計画に定 める「建設に要する費用の概算額」(事業費)を変更する必要が生じたため、今般、基 本計画の変更を行うものです。
要するに、これまで示していたのは概算額であり、
コストを精査してみたら、誤算でしたーってこと。
で、その主な要因は、
①地滑りなど安全対策(141億円)
②地質条件の明確化等による変更(202億円)
③公共工事単価の変化(233億円)
と書かれていますが、
②については、要は、地質を見誤っていたということでしょう。
そして、①も②も、地元をよく知る市民から強い懸念が示され、ここはダムの適地ではないと指摘されていたにも拘わらず国は工事を強行し、その結果、対策費が加算されていったのでしょう。
国交省は自分たちの認識不足、見込み違いによる誤算のツケを平気で国民に押し付けるんですね〜
これからもっと増えるかもしれません。
③の工事単価の変化というのは、
建設資材や人件費の高騰、そして消費税の増税などのことで、
これは八ッ場ダムに限ったことではなく、当然石木ダムにもあてはまること。
なのに、長崎県は全く工事費の変更については口にしません。
なぜ?
長崎県だけは資材が安く購入できる?人件費も以前のままで大丈夫?
そんなわけはありませんよね。
今はただ口にしないだけ。
公表の時期を選んでいるのでしょう。
おそらく、工事がある程度進んでからおもむろに…
ここまでやったらもう後戻りはできないな〜
と県民が感じてくれる時期を測って発表するのでしょう。
今回の八ッ場ダムのケースを、少しでも多くの長崎県民に伝えたいですね。