工事差止か否か、結論は年末?

 

厳しい残暑の昼下がり。
第3回石木ダム工事差止仮処分の審尋に参加しようと、
多くの原告(申立人)が長崎地裁佐世保支部の門前に集まりました。

今日は馬奈木弁護団長がお休みで、
平山弁護士からの説明に聴き入る原告団と報道人。
審尋は非公開なので、報道人は法廷に入れません。

今回も満席となった401号法廷では、入廷者の本人確認に長々と時間を要し…
やっと審尋が始まったと思ったら、わずか5分足らずで、

「審尋は本日で終わり、裁判所の判断は年内を目途に出したいと思っています」
と裁判長。

えーっ!!!
どーゆーこと?

というわけで、3時からの報告集会にも沢山の人が集まりました。

まず初めにこれまでの経緯や、今日で審尋が終了した意味など、
平山弁護士から丁寧な説明がありました。

これまでに双方の主張は出し尽くされたとして、今日で審尋は終わりました。
裁判所の判断は、年内、つまり12月末頃に出されるようです。
どういう判断が出るかは、全くわかりません。
 
ただ、行政訴訟法第44条については我々の主張が認められたのだと思います。
(行政訴訟法第44条=公権力の行使に当たる行為については仮処分をすることができない)
 
県は、今回の我々の申し立てが「44条に抵触する」と主張していました。
それを裁判所が認めるなら、1週間もあれば結論は出るはずです。
それが年末までかかるということは、我々の主張「44条に抵触しない」が認められた、つまり、門前払いにはしないということだと思います。
 
その上で、それぞれの工事について、
それぞれの債権者にどのような人権侵害があるのかないのか、
それを精査するのに時間を要するのだと思われます。
 
その結果、石木ダム工事中止という結論になるのかどうかは、わかりません。
判断が出た時点で、今後の対応については、また皆さんと意見交換をしながら進めていきたいと思います。
 
 
今日は会場からも活発に手が上がり、様々な質疑や意見が交わされました。
 
Aさん:私たちが勝った場合工事は止まるのですか?
   その場合、県が上告して、今度は私たちが債務者になるのですか?
 
弁護団:勝ったら工事は止まります。
   その後、県がどう対応するか私たちが考える必要はありません。
   考えなければならないのは負けた場合です。
   いろいろな選択肢がありますが、それは裁判所の判断を見極めた上で、
   また皆さんと相談しながら決めていきます。
 
Bさん:佐世保市民は石木ダム問題に無頓着。
   建設工事費が必ず水道料金に跳ね返ってくる。
   県や市の借金がどれくらいあるのか、
   こういうことも含めて、市民に知らしめてほしい。
 
Cさん:そのようなことは弁護団にお願いするのではなく、
   私たち自身が取り組むべきことではないでしょうか。
   10日には、「石木ダム問題を考える緊急集会」も予定されています。
 
Dさん:私は市民は無関心ではないと思います。
   先日も玉屋の前で「石木ダムって要らんよね」という会話を耳にしました。
   そういう声を私たちが拾い集めていないだけだと思います。
   私は島瀬公園あたりでチラシ配りをやりたいと思っています。
 
Eさん:いま議会では平成27年度の決算審議が行われています。
   石木ダム事業に対して、これまでにいくら投入したのか確認したら、
   120億円ということでした。これから先もこのまま進めていったら、
   維持管理費も含め、1173億円が必要になると言われています。
   必要のない事業にこれだけのお金が投入される。
   私はこの不合理さを市民に伝えていきたい。
 
 
そして、毎回遠方から駆けつけて下さる弁護団の皆さんからも力強いメッセージを頂きました。
 
 
高橋弁護士:
どんな結論が出るのかわかりませんが、
仮に、我々が負けたとしても、がっかりする事はありません。
裁判に勝利することが目的ではなく、石木ダム工事を止めることが目的です。
そのためにどんなことができるのか、それが大事です。
事業認定取消訴訟の方はまだまだ続きます。
共に頑張っていきましょう!
 

田篭弁護士:
利水でも治水でも必要のない、こんな無駄な事業が、しかも50年前からあった計画が、なぜ未だに必要だと言われているのか、本当に疑問だと思っています。
今回の仮処分で、私は44条の部分について担当させていただいたので、そこで斬られてしまったらと責任を感じていたのですが、判断が12月になるということで、そこは何とかクリアできたんではないかとホッとしています。
これからも微力ながら力を注いでいきたいと思いますので、よろしくお願いします

緒方弁護士:
無駄な事業という事は、もうはっきりしています。
長崎県民や佐世保市民の皆さんが負担するお金ってものすごい額ですよね。
必要性のないものに、どうしてそんな大きなお金を投じるのか本当に疑問です。
そういうことを一般市民の皆さんに広めていく活動が必要だと思っています。
先程のチラシ配りと言うのも1つの方法でしょうし、ブログであるとか、TwitterやFacebookであるとか、既に皆さんもやられているようですが、これをより多くの方々に見てもらうような働きかけも必要です。
我々弁護団もFacebookのページを作っているので、ぜひ見ていただければありがたいです。
いろんな人に広めていきましょう。
 

魚住弁護士:
ビラ配りをやりましょう。特に佐世保市で。
ぜひ頑張ってください。
 

板井弁護士:
長崎県と佐世保市がなぜ工事を強行しないのか?
裁判所を排除するには工事を強行したほうが有利なのに、なぜそうしないのか?
それは力関係。
石木ダム反対の世論がそれだけの力を持っているということ。
この世論をどうやって広げるか。
佐世保の世論を広げることも大事だが、それだけじゃあダメ。
川棚の世論を作っていくことも大事。
利水の問題だけやっていてもダムは止められない。
治水だけでもダムはできるんです。
これから川棚の人たちが治水の問題を真剣に考えて議論していく。
周りの市民県民がそれを後押ししていく。
そして、県と佐世保市に事業計画を諦めさせる。それが大事。
 
なるほど〜。
さすが川辺川ダムを止めた板井弁護士の言葉には説得力があります。
 
最後に地権者の岩下さんからご挨拶。

岩下さん:
今日は暑い中、大勢の方に駆けつけていただき感謝しています。
私たち地権者はみんなここにきて話を聞きたかったんです。
しかし県が、いつどんなことをやるか分からないので、
今日は、前の仮処分の時に立入禁止の処分を受けた者だけが来ています。
それ以外は現地に残って、県が来ないか見張っております。
今後もこんな状態が続くと思います。
長崎地裁の取消訴訟でも今日と同じような状態で、
地権者がみんな出てくることはできないでしょう
今後ともご協力をよろしくお願いします!
 
大きな温かい拍手と共に、今日の集会を終えました。
 
工事差止の仮処分が出されるのか否か、年末までのお預けです。
どちらになるのか、皆目わかりません。
わかったのは、やはり世論の力。
反対世論が弱ければ、行政は工事を強行できるし、裁判の結果にも影響する。
反対世論が強ければ強行できないという、ごく当たり前のことです。
 
この当たり前のことをあらためて認識したことが今日の集会の収穫でした。
この場に居合わせた人たちと、今後どう行動をおこしていけるか…
新たな課題であり、目標です。

 

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