パタゴニア日本支社長、佐世保市議会で陳述 

今日、佐世保市議会石木ダム建設促進特別委員会での請願趣旨説明を傍聴しました。

石木ダムについて公開で議論する場を求める請願。

県議会で不採択となったあの請願。

佐世保市にも提出されていました。

そして今回は、WTK実行委員の一人である辻井隆行さんが趣旨説明をされました。

そう。あのパタゴニア日本支社長の辻井隆行氏。

自然保護を社是とするアウトドア衣料メーカー「パタゴニア」の辻井さんです。

佐世保ではかなり有名になっているかもしれません。ダム反対者として。

でも、それは少し誤解があるようです。

その誤解を解くためにも、あえて佐世保市議会で陳述しようと思われたのでしょうか。

 

その発言の全てをここでお伝えできないのが残念です。

議会傍聴者には録音録画が禁じられていますから。

私の読み辛いメモとおぼろげな記憶を駆使して、そのエッセンスをご紹介します。

 

*私たちはダムに反対しに来たのではありません。

*私はグローバル企業の一員として、世界や日本で、一度決められた事業が、多角的な議論によって方向を転換した結果、市民も、行政も幸せになり、より持続可能な地域発展に繋がった事例を学んできました。そのような経験から立場を超えたオープンで透明性のある議論が行われることを切に願っているのです。

*長崎県や佐世保市が説明を重ねてきたのは知っています。しかし、現実として石木ダムのことをよく知らない、わからないと思っている若い方々が多いのも事実です。

そして、同じような例として昨年の安保法案に関する話をされました。

*首相も与党議員も十分説明を尽くした。国民の理解も進んだ。と言っていましたが、新聞各社の世論調査では、大多数が議論は不十分と答えました。
朝日新聞74%、毎日新聞78%、読売新聞82%、日経新聞78%、共同通信81.6%

そうなんですよね。
当局は説明したと思っても、市民国民に伝わっていないことはよくある話!

*もし、佐世保市民に対する世論調査が実施され、8割、9割の方々が「説明は十分」「議論はしつくした」と答えられ、その上で「ダムが必要」と言うのであれば、それは佐世保市民が本当に望んでいることになるのだろうと思います。現時点ではどうでしょうか?

*事業者が「十分な説明をした」と認識されている一方で、「不十分だ」と感じている方が多いのはなぜか?その理由の1つは、お互いの話に耳を傾ける「対話」が行われてこなかったからだと思います。

そうですよね!
私自身の反省も含めて、私たちは互いに主張し合うばかりでした。
相手の話に耳を傾け、対話すること無しに合意形成は絶対に生まれません。

*石木ダムが作られるのか、作られないかに関わらず、今回の請願書が国民・県民・市民の願いとして正当に扱われ、賛成、中立、反対の立場を超えたオープンで公正な議論が深まる、そうした公開議論の場が実現することを切に願っております。

 

委員の皆さんは、ある種の緊張感を持って、時に頷き、時に真剣な眼差しで聴いていました。しかし、質疑はそれほど活発ではありませんでした。出された質問は2つだけ。

橋之口委員:請願事項で「公開の場で議論する」とありますが、これは佐世保市が設置して市民に呼びかけることを求めているのですか?

辻井さん:市がそういう場を設けて頂くのを願っていますが、民間もしくは市民サイドがそういう場を設定して、市の関係者もそこに参加して議論するという形でも良いと思います。

林委員:様々な立場の人が公開の場で議論をと求められたが、事業認定を含めこれまで様々な公開の場での説明議論等があり、その時の対象者は限られた人々ではなかったはずですが。今までの場ではそれが十分ではなかったということですか?

辻井さん:これまでそのような場を持たれてきたことは私も理解していますが、当時十代だった方が20代になり社会を担う立場になっています。知らなかった、知りたいという若い方々と私はこの2年間でたくさん出会いました。禍根が残らないよう、より多くの方が納得した形で物事が進められることが大事ではないかと考えています。

 

そして、30分の休憩後、委員会再開。討論の後採決となり、今回もと言うべきか…全会一致で請願は否決されました。反対の理由はこうでした。

 

市民クラブ:
これまで長い間、県と市は地権者や市民に対し説明や意見交換を重ね、その中で事業認定がなされた。地権者の理解が得られていないのは残念だが、県としても必要性は十分説明されてきたし、今後も県自らが?なされると思う。よって賛同できない。

緑政クラブ:
これまで長い時間をかけて様々な立場から議論されてきた。すでに議論は尽くされているので、あらためてやる必要は無い。

市政クラブ:
市民の何故に真摯に答えるのは事業者として当然のことだと思う。今後も真摯な対応をするよう市に申し添えたいと思う。ただ、市は県と共同で事業を進めるという立場なので、市が主体として呼びかけの場を設けるというのは適当ではない。信頼関係が無い中で市当局が主体となって話し合いの場を作っていくということはなかなか理解が得られないだろう。

自民党:
県は推進する立場で討論を進めてきた。いま老若男女で議論するのは望ましくない。県も度々説明の場をもってきた。県の立場を重視したい。平成6年渇水の時のような思いは絶対に後世にさせてはいけない。

公明党:
長い歳月をかけて議論されてきた経過があるし、今は法廷の場にも及んでいる。時間軸の中で安易に時を重ねることはできない。議論は大いに結構だが、公開の場に差し戻すというのは、これまでの経緯や法的手続きを軽視することになるので、不採択。

林(緑政クラブ補足):
緑成会としては請願が出されて以後、会派で議論を重ねてきた。また、辻井さんの説明を会派に持ち帰り、さらに議論した。その結果は永安委員の報告の通りだが、少し補足したい。賛成・中立・反対の立場での公開議論の場は当然必要。しかし、一定の時期を経て、この時期にあらためて公開の場での議論というのは、時期的に遅い状況になっている。

草津(自民党・個人的な意見):
時間軸を後ろに戻すわけにはいかないというのはわかるが、市当局が市民に対して情報発信を少し怠けていたということは認めざるを得ない。しかしこの委員会は石木ダム建設促進委員会。何回討論を重ねていけば新たな結論が導き出されるのか私には理解できない。

 

まとめてみると、反対理由はこういうことのようです。

①公開の場での議論は何度も重ねてきた。議論は尽くした。

②佐世保市は共同事業者であり、市が主体となって議論の場を呼びかけるのは適当ではない。

③信頼関係が無い中で市当局が主体となってやるのは難しい。

④今は法廷の場に及んでいる。議論を差し戻すのは、法的手続きを軽視することになる。

 

いずれも言い訳にしか聞こえません。やらなくていい言い訳探し。 

①については重々理解した上で、でも現実がそうではない、そう思っていない若い世代がたくさんいる、だから、もう一度やりませんか?禍根を残さないために。と辻井さんは言ってるのに、全然わかっていない。それともわからないふり?

②はヘンです。市民と市の水問題について話し合うのに、どうして県に遠慮するのでしょう?

③も言い訳になりません。市が主体でなくてもいいと辻井さんはおっしゃっていましたよ。民間とか市民団体が主催してもいいって。

④言い訳の常套句。隠れ蓑。逃げないでください。

 

結果はいつもと同じ、全会一致の不採択でしたが、特筆すべき嬉しいことがありました。
会派の意見とは別に個人的な見解を述べた委員が2人もいたこと。
特に草津委員の発言には驚きました。

市当局が市民に対して情報発信を少し怠けていたということは認めざるを得ない。

この委員会は石木ダム建設促進委員会。
 何回討論を重ねていけば新たな結論が導き出されるのか私には理解できない。

 

議員としての良心&苦悩?

辻井氏の真意が、きっと少しだけ届いたのでしょう。 

 

 

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