昨日夕方、長崎市の鉄橋に100人ほどが集まり、石木ダムの中止を訴えました。
ダム建設予定地「こうばる」で総代を務める炭谷さん。
まもなく(7月9日)事業認定取消訴訟の結果が出ますが、それがどんな結果であろうと、「私たちは県がダム計画を見直すまで住み続け闘い続けます」「ホタルがいっぱいいる私たちのふる里を守ってください」と訴え、大きな拍手に包まれました。
その後、アーケード街などをパレード。
電車通りに面したところでは、車内から手を振って応援する姿もみられ、嬉しくなりました。
今朝の新聞にもパレードのことが大きく掲載されています。
有難いな~と読み進んでいくうちに、「え!それは違うよ!」と気づいたことがありました。
私にとっては発言の信頼性に関わる大きな問題だったので訂正を求めたのですが、それは難しいようです。
ということで、ここで、説明させて頂きます。
石木川まもり隊代表の発言として、
ダム建設費で佐世保市民の負担は1人当たり約12万円に上る
と書かれていますが、実際には、
ダム建設費と関連事業費を合わせると佐世保市民の負担は一人当たり約12万円にも上ります
と発言しました。
どこが違うのか、というと、
「関連事業費」という言葉が有るか無いかです。
実はこれがとても重要なのです。
なぜかというと、佐世保市民にとっては、ダム建設費よりも関連事業費の方がはるかに大きな金額だから。
ダム建設費だけなら市民の負担は約2万7千円ほどですから、約12万円とは大きな違いです。
それは、こういうことなのです。
ダム建設費は長崎県が65%、佐世保市が35%という割合で負担しています。
なので金額にすると佐世保の負担は約100億円です。
ということで、両方合わせると
となります。
ここから国庫補助金を差し引くと、佐世保市の負担額は298億円になります。
この298億円という数字は、2013年3月22日九州地方整備局による石木ダム事業公聴会記録p.44に、公述人に対する佐世保市水道局の答弁として記録されています。
この佐世保市民が負うべき298億円を市の人口25万人で単純に割ってみると、
298億円÷25万人=11万9200円=約12万円
と述べたわけです。
これが、ダム建設費だけになると、100億円の内の3分の1は国庫補助があり、市の負担は3分の2になるので、
100億円÷3×2=66億7000万円で、それを人口25万人で割ると
約2万7千円ほどです。
12万円と2万7千円では大きな違いですよね。
たぶん記者さんは、関連事業費がそんなに大きいとは思わず、関連事業費も含め「ダム建設費」と表現なさったのだろうと思います。
読者の大半の方も気にも留めない内容だと思いますが、石木ダム問題について、あらゆるところで意見を述べている者としては、誤った情報発信はしたくないので、この場を使って説明させて頂きました。