石木ダムを問う2つの記事

今日は金曜日。

『週刊金曜日』今週号に、まさのあつこさんの記事が掲載されています。

http://www.kinyobi.co.jp/tokushu/docs/1056.pdf

先月、取材した滋賀県職員や嘉田さんの話をもとに
長崎県がいかに馬鹿馬鹿しい河川行政を推し進めているか書きました。

とのこと。

楽しみにしていたので本屋さんに走ったのですが、そこには置いてなく、がっかり。

それを知った友人がメール添付で送ってくれました。

治水に対する考え方、滋賀県と長崎県のレベルの差をあらためて知らされました。

明日は別の本屋さんでゲットするつもりです。

関心のある方は是非お買い求めくださいね。

 

もう1つ届いた記事をご紹介します。

こちらは元県議の後援会報です。

もともと支持者の多くは石木ダム建設容認派が多かったようですが、にもかかわらず、

県議時代から石木ダム反対を訴え続けていた末次さんの姿勢はりっぱだと思っていました。

議員でなくなった今も、石木ダム問題を注視して、周りの市民に伝え続けています。

 

新聞、雑誌、会報、情報誌、メディアの大小にかかわらず、

いろんなところで石木ダムについて発信されるといいなぁ。

その記事が多くの市民の目に止まり、多くの人がダム問題を考えるようになるといいなぁ。

 

毎日新聞「佐世保発!」に拍手!

今朝の毎日新聞です。

佐世保支局長によるコラムです。

ご自身も子どもの頃住んでいた福岡市で大渇水を経験なさっていたようです。

だから、佐世保市民の平成6年大渇水の苦労も想像できるし、市民の不安も理解できる。

でも、福岡市と佐世保市は少し違うところがある。

福岡市は、その後様々な対策を講じてきたが、佐世保市は石木ダムに固執してしまった。

そのことを率直に指摘なさっています。

 

もちろん、福岡と佐世保では都市の規模や財政事情も大きく異なっていますから、

単純に真似することはできないけれどが、

でも、ダムだけに頼っていていいのか?と自問自答した読者もいるでしょう。

 

ダム建設に伴う市民の負担金は決して小さなものではなく、水道料金の値上げに繋がります。

市民にとって「石木ダムはいらない」との選択肢もあるべきです。

との結びに、大きな拍手を送りたい。  

 

新聞はジャーナリズムの代表だけれど、最近はその精神が失われているように感じることも多い。

ただ出来事を伝えるだけであったり、賛成反対双方の主張をただ羅列するだけで論評が欠けていたり・・。

新井直之氏によると、ジャーナリズムとは、こういうことらしい。

「いま言うべきことを、いま、言う」ことである。「いま伝えなければならないことを、いま、伝える。いま言わなければならないことを、いま、言う。『伝える』とは、いわば報道の活動であり、『言う』とは、論評の活動である。それだけが、おそらくジャーナリズムのほとんど唯一の責務である。

 

強制収用が現在進行形で進んでいるいま、新聞各紙は、ぜひペンで語ってほしい。

いま言うべきことを。

いま伝えなければならないことを。

いま!

 

「川原のいま」下

最終回は地権者の心理にフォーカスしています。

地権者:「先祖代々受け継いだ土地で、うまい米を育ててきた。

     一方的に奪い取るのは許せない。てこでも動くつもりはない

 

檀那寺:「集落の人間関係はダムのせいで破壊された。

     地権者の怒りの奥底には、悲しみがある

 

地権者:「私たちは古里に住み続けたいだけだ。

     ゲートに横たわってでも搬入をくい止める」

 

 

「川原のいま」中

昨日に続き「川原のいま」です。

2回目の今日は、先日の県公共事業評価監視委員会にフォーカスし、

県・佐世保市と地権者の主張の違いが整理されています。

 

治水面については、

県と市:100年に1度の大雨の時、川棚川の氾濫を防ぐには石木川にダムを造るしかない。

    他の代替案(遊水地案・放水路案・河道掘削案など)よりコスト的に有利。

地権者:100年に1度の大雨の時の推定流量が過大。

    代替案としては堤防の嵩上げの方がはるかに経済的。

 

利水面については、

県と市:今後の水需要の増加と不安定水源解消のために石木ダムは是非とも必要。

地権者:水需要の予測は過大で、建設のための数字合わせ。水は足りている。

 

というように、県市と地権者の間には見解の大きな隔たりがあります。

そして、

公共事業評価監視委員会:住民の理解を得て進めるべき。

弁護団:大型公共事業は行政ではなく住民が決めるべき。

などの意見も紹介しつつ、結局は、

「推進」「反対」双方が原点に返って、話し合いのテーブルに着くことが求められている。

と結ばれています。

 

その通り!

地権者の皆さんは、いつでも椅子を用意して待っていますよ〜 

 

 

毎日新聞「川原のいま」

毎日新聞にこんな特集記事がありました。

「川原のいま」石木ダム建設

とありますので、連載記事のようですね。

今日はラッピングバスに焦点を当て、「川原のいま」というより、

「佐世保市のいま」(石木ダムに対する佐世保市民の意識の現状)を伝えています。

 

ダム推進派の「水不足の抜本的解消のためには是非とも必要」という意識と、

ダム反対派の「水は足りているし環境破壊を引き起こすので不要」という意識の対峙。

でも、現実は、市民がそれほど対立しているわけではない。

市民の多くは無関心。

推進派の車体広告費は全額市が出したもの。

だから、この対立は、行政(佐世保市)と石木ダムに関心のある市民の間にあるもの。

そして、どちらにも共通しているのは、

「市民の皆さん、石木ダムにもっと関心を持って!石木ダムは私たちの問題ですよ」という想い。

もっと自由に、もっと気軽に「石木ダム、どう思う?」と気軽に語り合えれば、

こんなにお金をかけて広告を出す必要もないんですけどね〜

 

新聞各紙の声の欄で見られるのは、いつも反対派の意見ばかりです。

今日の長崎新聞「みんなのひろば」にも、こんな投稿が寄せられていました。

 

同感です。

佐世保市は市民団体の名を借りて、石木ダム建設を推進したりしないで、

その必要性を正々堂々と市民に向かって説明して下さい。

 

説明は済んだ?

昨日の長崎新聞「記者の目」を紹介します。

記者の目に映った県公共事業評価監視委員会は検討が不十分だった。

利水面を含め議論が徹底されていないから。

県と佐世保市はさらに説明責任を果たすべきだ

佐世保市の水需要予測は妥当なのか。反対地権者のみならず、疑問に思う人も多いだろう。

「県と佐世保市には、第三者の専門家を交えた公開の検証を実施してほしい」として、

利水予測 公開の検証を」とのタイトルが付けられています。

 

これはまさに石木ダム問題を注視する多くの県民の要望であり、多くの佐世保市民の願いです。

ところが、今日の定例記者会見で、朝長市長は「説明は済んだ」と一蹴しました。

 

NHK NEWSWEB 2015年(平成27年)8月28日[金曜日
http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/5033903821.html

石木ダム”説明は済んだ”

佐世保市の朝長則男市長は反対運動が続く石木ダムの建設計画について、「ダムの必要性について説明は済んでいると思う」と述べ、住民に対して理解を求める段階はすでに終わったという認識を示しました。
これは28日、佐世保市役所で開かれた定例の記者会見で朝長市長が記者からの質問に答えたものです。
この中で朝長市長は石木ダム建設用地の強制的な収用をめぐり、およそ5500平方メートルの土地の所有権を移転する手続きが終わったことについて、「今後も法律に定められたルールにのっとって県と歩調を合わせながらやっていく」と述べました。
また朝長市長は、「市長になってから毎月現地に赴いて説明させてほしいと言ってきたが、なかなか応じてもらえなかった。ダムの必要性について説明は済んでいると思う。今後は法律の手続きの中で解決していくことになる」とも述べ、住民に対して直接、理解を求める段階は終わったという考えを示しました。

 

「ダムの必要性について説明は済んでいると思う」

全然済んでいません!

評価監視委員会の委員の先生方も済んでいないと言ってたじゃないですか。

新聞記者さんだって、さらに説明責任を果たすべきだと書かれてるじゃないですか。

勝手に終わらせないでください。

 

「法律に定められたルールにのっとって県と歩調を合わせながらやっていく」

それはいいことです!

ぜひ県と歩調を合わせて、工期変更に伴う石木ダム事業の再評価を実施してください。

 

「市長になってから毎月現地に赴いて説明させてほしいと言ってきたが、

 なかなか応じてもらえなかった」

ごまかさないでください!

市長が説明しようとしたのは土地の補償交渉であって、石木ダムの必要性の話ではありません。

ダムの必要性に関わる説明をしに来たのは昨年7月11日。たった1回だけでしたよね。

 

「住民に対して直接、理解を求める段階は終わった」

とんでもない!

これから住民の理解を得ながら進める、というのが事業継続の条件ですよ。

力尽くで強行するとの意思表示だとしたら、まるで封建時代の悪代官のよう・・・

佐世保のイメージ丸つぶれ。

全国市町村中第6位の人口流出がますます増え、出生率はますます低下するでしょう〜 

 

 

石木ダム用地 初の強制収用

今日の長崎新聞です。

一面トップの記事が石木ダムです。

長崎県民にとって、このこと(石木ダムのための強制収用)がどんなに重大な問題であるか、

この記事の位置が教えてくれています。

なぜそんなに重要なのか。

石木ダム事業が事業採択されて以来、初めての強制収用だから。

40年かかっても説得できず、力ずくでおこなう土地の収用だから。

そんなの自分には関係ない、と思う県民も少なくないのでしょうが…

 

こちらは社会面です。

県は、国による事業認定の”お墨付き”を盾に今回の強制収用を正当化しているが、反対地権者との話し合いに向けた努力を怠る中でこうした強権的な手法を用いることは、いくら理論武装したところで「下策」と言えよう。

強制しないと造れないのは「失政」を認めているようなものだ。

と報道部記者は解説しています。

そして地権者は、「小屋に立てこもってでも明渡しには応じない」と怒りを込めて断言しました。

 

もし自分が地権者の立場だったら…

もし権力者のやりたい放題の県政になったら…

想像してみてほしい。 

 

権力って強かね・・・

今日の新聞は、全紙が石木ダムについて大きく報道。

8月24日、土地の最初の明渡し期限を迎えた地権者の思いと、

同じ日に開かれた県公共事業評価監視委員会の評価結果と、

2つのテーマを伝えていました。

 

いつも元気な声で、威勢のいい話し方をするサカエさんですが、

「権力って強かね・・・」と言って震えたという。。。

                                長崎新聞 2015.8.25

再評価申し入れを伝える新聞各紙

今日は西日本、長崎、朝日、読売各紙に記事が掲載されていました。

 

いずれも私たちの主張と市(西本総務部長)の対応を伝えるものですが、

西日本新聞の記事には、水道局のコメントがありました。

「県の再評価が済んだ段階で、利水事業を所管する厚生労働省と相談したい」と。

なぜ県の再評価が済まなければいけないのでしょう?

県も市も早く工期延長を決めて、工事を進めたいはず。

どちらも併行して再評価をすることによって、全体の結論が早く出せるのに・・。

 

考えられるケースは1つだけ。

万一県が事業断念という結果になったら、佐世保市だけで石木ダムを建設する財政力は無い。

県が断念なら市も断念せざるを得ないので、そうなると再評価の必要がなくなる。

だから県の再評価が先、という言い訳は理解できます。

 

しかし、県の再評価が「継続」になれば、佐世保市は利水面での再評価をしなければならない。

なのに「厚生労働省と相談したい」と言う。

何を相談するんだろう?

県の結論が「継続」なので市の再評価は必要ないでしょ?免除して〜とでも泣きつくつもり?

そんなことは許されません。

県の再評価はあくまでも治水に関してと言っているのだから、

利水に関しての再評価は必ず佐世保市が実施する責任があるはず!

 

しかも、石木ダム本体工事の2.5倍もの関連事業費、253億円

これを負担するのは佐世保市民ですから。

県には関係ないのですから。

昨今の資材高騰、人件費アップの流れの中で、確実に予算も増額されるはず。

いったいどのくらい増えるのか・・・

そのコストの見直しこそ、市がやらなくて誰がやるでしょう?

 

国立競技場のようないい加減な計画は二度とごめんです! 

 

定例記者会見から見えてきた県の意向

8月12日 定例記者会見での中村知事の発言を振り返ってみます。
 
 
記者の質問と知事の回答の要旨をまとめてみました。
 
 
○記者(朝日新聞社)
石木ダムについて、公共事業評価監視委員会はゼロベースで検証していくと言っているが、仮にその検証の中でダム建設の根拠の部分に何らかの異議みたいなものが生じた場合、知事はそれについてどういうふうに対応していくのか。
 
○知事
ダム事業の工期を見直すために公共事業評価監視委員会の評価を頂く必要があり、そのための手順を踏んでいるわけだが、事業の必要性そのものについてご意見をいただく場になるんですか?そういう可能性もあるんですね?
(と、河川課長に問いかけ、課長が「はい」と答えると)
まだ審議の途中なので、結果を待って、対処方策等については検討する。
 
○記者(NBC)
本格的工事に入る見通しと、地権者との衝突を避けるため、一旦工事をストップさせて地権者側が求めている事業の必要性についての話し合いを行う考えがあるのかどうか聞きたい。
 
○知事
今回の付け替え道路の工事については妨害禁止の仮処分の決定も出ているが、一部の反対者がゲート内に入って職員や施工業者の通行を妨げるという違法な状態になっている。
この工事については、数年前も一旦中断をして話し合いの機会を持ったことがあったが、ご理解をいただくには至らなかった。今、中断をするのは難しい
 
○記者(NBC)
前回は仮処分を申し立てたわけだが、追加でさらなる法的措置等については考えていないのか?
 
○知事
これ以上の法的措置というのは、現実的になかなか難しい面がある
 
○記者(NBC)
8月24日にいよいよ最初の強制収用、権利の移転が行われる。今後は家屋なども控えているが、粛々と進めていく考えなのか?
 
○知事
8月24日の期限までに明け渡していただけるものと思っている。その後も順次裁決申請手続を進めている。もちろん静穏な状態の中で、生活再建とか地域振興等について話し合いであれば、私も十分対応したい。
 
○記者(KTN)
「明け渡していただけるもの」という見通しみたいなものはあるのか?
 
○知事
現段階では予測しがたい状況である。
(つまり単なる願望)
 
○記者(KTN)
そうなると、このまま明渡期限を迎えてしまって権利が移っていくという形になるが、そのことに関して改めてどういうふうに思っているのか教えてください。
 
○知事 先ほど申し上げたように、これまで長きにわたってさまざまな話し合いの機会、あるいは協議のお願い等もさせていただいた経過があるわけでありますけれども、結果としてご了解が得られない状況になってきたわけであります。事業自体は、やはり地域の安全・安心を確保するという意味では、欠かせない事業であると思いますので、そういったことで一連の事業認定の申請、裁決申請手続きを経て裁決決定いうとことになったわけでありますので、8月24日、最初の明渡期限が到来するわけでありまして、これは土地が主体になりますので、所有権は自動的に移ってくるという形になるのではないかと思っております。
 
○記者(KTN) そうならざるを得なかったということに関しては、いかがですか。
 
○知事 確かに、話し合いの中で解決できるというのが一番望ましい形であったというのは、それはもう改めて申すまでもないことでありますが、なかなかこれだけの時間を要したにしても、なお理解がいただけてないという状況から、こういった手続きに取り組んできた経過があるわけでありますので、そういった中でこれからもその時々の情勢に応じて判断をしていかなければいけないと思っております。
 
 
石木ダム事業について(4)
 
○記者(NBC) 石木ダムの件で最後にもう1件だけ。
先ほど、「静穏な状況であれば話し合いをしたい」というふうにおっしゃったわけですけれども、地権者側は、ダムの必要性についてやっぱり話し合いの場を持ちたいと。知事は繰り返し、「ゼロベースの協議はできない」とおっしゃっていますけれども、こういう状況になってきている中で、静穏な場であればダムの必要性についての話し合いということに関しても応じようというお考えが今の段階であられるのでしょうか
 
○知事 ダムの必要性については、これまでもずっと説明、協議をさせていただいてまいりました。もうご承知のとおり、さまざまな専門的な課題、技術的な問題等についても、繰り返し、繰り返しご質問をいただいて回答してきた経過があるわけです。そういう中で、なおご理解がいただけてないということであります。
したがって、これからも、事業はまさに必要不可欠なものだと思っておりますので。先ほど申し上げたのは、生活再建であるとか、地域振興とか、そういった面を含めて、「静穏な状況の中で地権者の皆様方と話し合えるような場があれば」というお話を申し上げたところであります。
 
 
 
 
★まず、公共事業評価監視委員会について大事なことが2つ判明しました。
 
①ダム事業の工期を見直すために公共事業評価監視委員会の評価を頂く必要があるということ。
 
②今回の再評価では、事業の必要性そのものについても議論されるだろうということ。
 
★付替え道路工事については、中断するのは難しいし、阻止行動への法的措置も難しい。
 
★8月24日、最初の明渡期限がくると、所有権は自動的に移される。
 
★静穏な場であれば、生活再建であるとか、地域振興とかの話し合いには応じるが、ダムの必要性についての話し合いに応じるつもりはない。
 
 
知事は、何が何でも「ダムの必要性」についての話し合いは拒否すると言いながら、
公共事業評価監視委員会では議論されると言う。
 
不可解ですね。
同委員会での結論はもう決まっている、必要無しとはならない約束になってるとでも?
 
評価監視委員会の皆様、知事の思い込みを正してくださいまし。
 
公明正大な評価をお願いします!