八ッ場ダム 建設再開?

八ッ場ダム:建設を再開へ 22日までに国交相が最終判断

毎日新聞:http://mainichi.jp/select/seiji/news/20111217k0000e010190000c.html

政府は17日、建設が止まっている八ッ場(やんば)ダム(群馬県)について、建設を再開する方向で調整に入った。事業主体の国土交通省関東地方整備局が「継続が妥当」とした検証結果を踏まえた判断で、政府高官は「22日までに(再開容認姿勢の)前田武志国交相が最終判断する」としている。ただ、民主党内には再開に慎重論があることから、週明けに党側と詰めの協議を行った上で正式に決定する方針。

本当に不思議。

「コンクリートから人へ」とのキャッチフレーズに国民は爽やかな希望の風を感じ、政権を託した。

その新政権から生まれた、これまたフレッシュな国交相は就任直後「八ッ場ダム中止」を明言した。

だのに、だのに、途中からムニャムニャ・・・

そして、まもなく建設再開のゴーサインが出されようとしている不思議。

国民との約束はどうでもいい?破ってもいい?それよりもっと大事なものがあるのだろう…

 

本当に不思議。

八ッ場ダムも石木ダム同様、過大な水需要予測による利水計画がなされていて、

どうしてそんな途方もない予測を国も有識者も問題視しないのか?

過大なのは治水計画も同じ。

その洪水流量は、ここ50年間の実測値の倍以上というから…不思議。

 

ダム湖周辺は地滑り地帯で、危険がいっぱいのところになぜダムを造りたいのか?

その対策費もいくらに膨らんでいくのか…

震災復興のためにあらゆる国家予算を削って集めると言っていた首相の言葉は何だったの?

 

そんな中、田中優さんのメルマガに、ダムについてのこんな記述がありました。



 国交省の関東地方整備局が公募した、「やんば(八ッ場)ダム」建設の是非に関わるパブリックコメントで、寄せられた意見の96%が全く同じ内容だった。内容は言うまでもなく「ダム建設賛成」というもの。しかも最後の一日で5963人増え、同じ体裁で同じ文言だったものが5739人。このパブコメが行われたのは与党が中止をマニフェストに入れていたはずのダムだが、今回の事態を記念して「やらせダム」と呼ばせてもらおう。


 

この構図はどこかで見たことがある。そうそう原発だ。建設会社が儲かり、推進したい人たちがよくやる「やらせ」だ。やらせがばれるとたいがいは中止かやり直しになるものだが、どうやらダムは常識の外にあるらしい。
 


 

 「でも、水が必要なんだから」と思うかもしれない。だが、東京の一日最大配水量が最大だったのはいつだろうか。なんと1978年なのだ。そこから33年間、水道需要は上がるどころか下がり続けている。しかも水洗化に伴って増えてきた水消費量は、すでにほぼ100%水洗化が終了したため上がる余地はない。それどころか節水型のトイレの水消費は、かつての三分の一以下しか水を使わない。この「やらせダム」、なぜ必要なのか全く理解不能なのだ。

  水も電気と同じで、家庭消費量はたいした量ではない。水消費量の7割は農業用水で、工業用と家庭用が残りの3割を分けている。その農業が衰退したために、実際には水利権を確保しているだけで、水はそのまま海に流れ出ているのだ。だからもう水はいらない。 


 でも治水に役立つと思うかもしれない。治水は常に財産の集中している下流域を守るためのものだ。その地点から見上げると、ダムははるか上流にあって、そのダムが貯められる水量はそのダムの上流に降った雨だけだ。下流から見ると、下流地域に流れ込んでくる水量の数%をくい止められるにすぎない。むしろ役立つのは堤防のかさ上げや、下流の遊水地で洪水時の水を一時的に貯めておく方法だ。
でも今年は豪雨があって、南紀の熊野などで大洪水が起きていると思うかもしれない。しかし被害のあった新宮市に届けられたJ−POWER(電源開発)からの義援金を、市は返還している。なぜか。ダムの運用が洪水を引き起こしたと考えているからだ。発電用ダムにとって、水はそのままカネになる。落として発電すれば電気を生むからだ。だからなるべく貯めておこうとする。ところが水の貯まったダムには洪水を貯め込む貯水の余地がない。その結果、カネが大事だから水を貯めていて、かえって洪水を増大させてしまうのだ。しかもダムにはどんどん土砂が蓄積し、水の流れを悪くして、堆積した土砂の上流に洪水をもたらす。

 こんなダムを復活させて、恥ずかしくないのだろうか。あれほどマニフェストで大見栄を切って、「マニフェスト選挙」などと呼ばれたのに、そこに書かれていたメニューを裏切るのだ。議員たちはダムに反対する理由すら、理解できていなかったのだろうか。

荒瀬ダム撤去 許可

昨日の新聞各紙には荒瀬ダム撤去の記事が出ていましたね。

え?どうして?

もうとっくに決まっていたのでは?

と不審に思って読んでみると、

以前(9月)撤去決定と喜んでいたのは、

県が「荒瀬ダム」の撤去許可の申請を九州地方整備局に提出したということで、

今回、その九州地方整備局から許可が下りて本決まりとなった、ということのようです。

理解不足でした。 

何はともあれ、嬉しいその記事を紹介します。

 

熊本・荒瀬ダム撤去を九地整が許可 全国で初めて
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/276522

 国土交通省九州地方整備局は5日、熊本県営荒瀬ダム(同県八代
市)について、河川法に基づく撤去工事に関する許可書を県に交付
した。ダムの完全撤去は全国初で、県は2012年度から6年かけ
て撤去する方針。
 撤去工事は、県が9月に申請。同局は「工法や安全面に問題はな
い」として2日付で許可した。対象は、球磨川にあるダム本体と発
電のための取水施設や放水路。12年度にダムのゲート撤去と水位
を低下させる工事をし、段階的に撤去していく。
 許可書を受け取った県企業局の福原俊明・工務課長は「安全や環
境に配慮しながら工事を進めたい」と話した。
 撤去費用の総額は約92億円。県は資金不足額を約10億円と試
算していたが、蒲島郁夫知事は5日の県議会一般質問で7億円に圧
縮されたことを明らかにした。企業局によると、資産売却や荒瀬ダ
ムの維持管理費の削減などで対応するという。
 蒲島知事は、不足額について「何としても国からの支援を得る必
要があり、積極的な対応を強く求める。一般財源を投入することな
く県民との約束であるダム撤去を着実に進める」と述べた。
 荒瀬ダムは発電目的で建設され、1954年に完工。水質悪化の
指摘や老朽化により、潮谷義子前知事が02年に撤去方針を決定。
蒲島知事は08年に財政難などを理由に方針を覆したが、水利権延
長が難しくなり、再び撤去に転じた。昨年3月に発電事業を停止、
現在はゲートを開門している。

それにしても、撤去費用の92億円は痛いですよね〜

1954年に26億円で完成して、お金に換算できないような深刻な環境破壊を招き、

58年後に92億円で撤去する・・・

なんてムダなことを・・

 

これから先、荒瀬ダムに続いていくつものダム撤去がなされるでしょう。

原発同様、寿命がくるダムがたくさん控えていますから。

 

これ以上ムダなダムを造らないで…

いま荒瀬ダムは、身を持ってそのことを教えてくれているような気がします。 

 

不思議な世界

石木ダムについて行政側と議論する時、いつも思うことがある。

なぜ、お役所は現実を見ないのか?

現実を無視するのか?

水使用量の実績値は毎年減り続けているのに、今後は上がり続けると予測する不思議!

理由を聞くといろいろ説明される(核家族化、下水道の普及、経済回復など)が、

何年たってもその予測通りの結果(水需要の増加)は得られない。

なのに、その説明は今も繰り返されている。

 

こんなことは、一般企業では決して許されない。

企業にそんな経営企画課長がいたら、即降格か配置換え。

これが天気予報士なら、即クビで、

占い師なら廃業ものだ。

 

でも、お役人は安泰。

どんな不自然な予測でも、ハズレ続きの予測でも許されるらしい。

 

つい最近、八ッ場ダムに関するケタ外れの予測を知ってびっくり!

下の表を見て下さい。

(「ダム日記2」11月21日付け記事より

http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/post-3e81.html

 

これは、八ッ場ダムの費用対効果を分析する時に使われている数字です。

巨額の費用をかけて建設するダムにはそれなりの利益、

つまり、ダムができることによってどのくらい洪水被害が軽減されるのか、

それを予測する必要があるわけです。

 

1983年当時、会計検査院が出した被害軽減想定額は年平均128億円でした。

それが、2008年の国交省による想定では、10,344億円です。

わずか25年間でなんと80倍!

 

これについて、「八ッ場あしたの会」の渡辺洋子さんが詳しく調べておられますが、

「水害統計」によれば、利根川全体の1961〜2007年の47年間における

年平均被害額の実績値は181億円(現在価値への換算額)

だそうです。

 

実際には181億円の被害しか出てないのに、

予測では10,344億円も軽減できる!って?

なんじゃ、コレ!

って感じですよね。

 

こんな数字がお偉い官僚、エリート集団の中では妥当な数字として認められるんだぁ…

不思議です。

ああ、不思議…

 

日本初!ダム撤去

来年4月、日本で初めてのダム撤去が始まります。

熊本県の「荒瀬ダム」です。

ダムができたおかげで、自慢の清流から鮎がいなくなり、

基幹産業は衰退し、

村の人口は激減し、

洪水防止のはずが、水害は甚大になり・・・

 

ダムができて良かったことは何も無し!

一日も早い撤去を願う村民市民が集まり行動を開始したのはいつからだろう?

私が彼らと出会ったのは2009年の春。

皆さんの活動に圧倒されながら、

中でも抜群の知識と行動力の持ち主「つるさん」にはいろいろ教えて頂いた。

 

その彼女のブログに嬉しい写真が満載!

是非見て頂きたい。

ダム撤去を待ち望む村民の嬉しさがビンビン伝わってきます。

http://kumagawa-yatusirokai.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/post-efd1.html

Photo_2

 

 

 

石木ダム 検討の場 最終回! 

石木ダム 検討の場 最終回! その1

5月9日の検討の場(最終回)の様子が、You Tubeで見られます。

中身のない形式だけの「検討」で、見て頂くほどのものでもございませんが、

その中身の無さを確認したい方は、是非どうぞご覧になって下さい。

 

こんな虚しい「検討」を、多くの時間と税金を費やし、膨大な資料を作って…

ああ、もったいないな〜

 

続きはこちらです。

石木ダム 検討の場 最終回! その2
http://www.youtube.com/watch?v=a4s56I1bTns
石木ダム 検討の場 最終回! その3
http://www.youtube.com/watch?v=VdavdeqOa2c
石木ダム 検討の場 最終回! その4
http://www.youtube.com/watch?v=rGfd756pFcw
石木ダム 検討の場 最終回! その5
http://www.youtube.com/watch?v=EVJHwsUxL7g
石木ダム 検討の場 最終回! その6
http://www.youtube.com/watch?v=HDhbKIPStgo
石木ダム 検討の場 最終回!  その7
http://www.youtube.com/watch?v=xsEeDaIsfDU
石木ダム 検討の場 最終回!  その8
http://www.youtube.com/watch?v=iw9rHTqGHhc

                 

津軽ダム建設工事中止!

この非常事態にダムなんか造ってる場合じゃないでしょう?!

そんなお金があったら、すべて災害復興にまわすべき!と仲間内で吠えていたら、

ほんとに、ダム建設休止の情報が入ってきました。

青森県です。

青森県は西目屋村に建設中の津軽ダムの建設を休止したそうです。(中止ではなく休止)

建設資材や燃料の調達が困難なため、休止せざるを得なくなったというのが実情ですが。。


東奥日報 2011年3月19日(土)

建設工事が休止に/津軽ダム

東日本大震災の影響を受け、国が西目屋村に建設中の津軽ダムの工事が休止に追い込まれ、2016年度を目指している完成時期もずれ込む見通しであることが18日、分かった。

同ダム工事事務所が本紙取材に明らかにした。建設資材や燃料の調達が困難なためだという。

同事務所によると、3月までの年度内は休止の方向で業者と調整し、11年度からの工事は当面着手しない。

休止期間は未定。

ダム工事を請け負う建設業者は「物流が滞り、アスファルトや鉄鋼が入ってこない」と内情を語る。

別の業者は「重機を動かす軽油の調達が難しい。

いつ震災前の供給状態に戻るかも分からないので、工程の計画が立てられない」と話した。

同村の関和典村長は本紙取材に「(国の新年度予算で)被災地の復興が優先され、国直轄の公共事業である津軽ダム建設工事も影響を受ける」と工事休止長期化に伴う地域経済の先行きに懸念を示した。

津軽ダムは本体工事着工が08年。

工事が順調に進めば工事進捗(しんちょく)率は3月末で46%(事業費ベース)になる予定だった

http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2011/20110319105937.asp

 

被災地だけでなく、すべての自治体で、ダム建設の中止、

少なくとも休止を決めてほしい。


ダム決壊! 犠牲者4人!

ずいぶん遅い報告で申し訳ありません。

3月11日の東北地方太平洋沖地震と大津波は、未曾有の被害をもたらしました。

その爪痕の大きさに、誰もが言葉もなくTV画面を見つめるばかり・・・

その衝撃も冷めやらぬうちに、福島原子力発電所に異常事態発生!

爆発、火災、放射能漏れ・・・

日本だけでなく、世界中がその成り行きを固唾を飲んで見つめています。

 

ということで、こちらに入る情報もほとんど原発に関することばかりで、

3月11日に発生したダム決壊のニュースが埋もれてしまっていました。

 



ダム決壊 5棟流出 福島・須賀川


 福島県須賀川市にある農業かんがい用の藤沼ダムが11日、決壊した。流域の家屋5棟が流され、8人が行方不明に。12日午後3時までに4人の遺体が見つかった。

 決壊は地震直後だったという。泥流が流域の家屋や田畑を襲った。流されなかった住宅も流木に壁を打ち抜かれたり、泥流で家具が押し流されたりする被害に遭った。

 ダムの約1キロ下流に住む農業小川祐治さん(68)は「ガラガラガラと変な音がして自宅を出た。大木が一気に流れてきた。恐ろしかった」と振り返った。

 自宅の床上が泥水で浸水した無職男性(48)は「鉄砲水が来たので110番した。いくら巨大地震といってもダムが弱かったのでは」と話した。

 藤沼ダムは1949年完成した。えん堤は高さ18.5メートル、長さ110メートルで貯水量は150万立方メートル。土の堤の一部をコンクリートで補強していたという。

                                                   (河北新報3月13日)

 

あのダムは古いから…石木ダムは違います。

と、県は言うでしょう。

決壊しても仕方ないとでも?

4人亡くなっても経年を言い訳にするのでしょうか?

確か、県は、事業認定の説明会で、ダムは100年もちますと言ってましたよね?

まだ62年じゃないですか。

 

いや、今回のは世界でもまれにみる想定外の大地震で…

と、県は言うでしょう。 

そんな大地震はここ長崎には起こり得ないと断言できますか?

できるはずはありませんね。

 

ならば、もう止めましょうよ。

川棚町民の命を脅かすダムを造るのは。

 

石木ダムを今すぐ中止して、

石木ダムに使うはずだった予算を、被災地の復興のために使ってもらいましょうー! 

 

 

いずこも同じ・・・

「路木ダムをつくるとどうなるの?」という学習会が今日天草市で開かれ、それがustrem中継されるという案内をもらったので、拝見しました。

 

いずこも同じですね・・

● 過大な水需要予測、ひどい漏水率

● 洪水被害の嘘=ありもしない被害をでっちあげ

● 自然(川、海、森)への悪影響を認めようとしない

 

しかも、石木ダムのケースよりもひどい!

漏水率が32%なんて!!!

 

でも、皆さん、よく頑張っている。

漁業者や元議員や一般市民や、いろんな人が、それぞれの立場でよく調べ、よく活動し、よく繋がっている。

 

漁業者の方がいるのはいいですね〜

理屈ではなく実感として環境の変化をよく知り、感じ取り、予測できるから、説得力があります。

ダムができると、アマモの群生地であるアマモ場がなくなり、魚介類の産卵場や稚魚の成育場がなくなり、結果、漁業は大打撃を受ける…と。

石木ダムにもこんな方がいるといいな〜と思いました。

 

しかし、このような話は今までも聞いていたし、目新しいものではありません。

私がとても拍手をしたくなったのは、会場からの質問・意見のときでした。

 

その方は、これだけ頑張っている人々に、「しかし、反対運動は今のところ成功していない」と指摘しました。

その理由は、皆さんは、行政との闘いに疲れ果て、市民・住民の方を向いていない。

こういうことをもっと地域の住民に伝えなければ。

住民は、役所の人が来て「向こうの地域では水が足りなくて赤い水(濁った水)を飲んでいる」と聞かされて、

それじゃあ可哀想だからダムを造って水をあげなければと思ってハンコを押した人もいる…と。

 

県民約12000の署名がダム必要論の根拠になったそうですが、それは、このような嘘や誇張に満ちた説明で集めたものだったそうです。

そのようなことをきちんと正す、正確な情報を市民に伝える、その努力が足りなかったから地元での共感が得られないのだと、はっきり指摘なさったのです。

 

それは、私たちの活動にも言えることで、とても耳が痛かったです。 

ファシリテーターの方がおっしゃっていたように、伝達媒体がないとか、人出が足りないとか、言い訳はいろいろあるんだけれど、その苦言をきちんと受け止めて、今後の課題としなければならないと私も思いました。

 

それにしても、便利な世の中になりましたね〜 

長崎県にいて、熊本県の集会を傍聴できるんですから。