こうばる探検隊 春の巻

5月6日、史上初の10連休!最終日、ようやく「こうばる探検隊 春の巻」の開催です。
春というにはチト遅い気もしますが、暑からず寒からず、ピーカンでもなく…野原や河原で遊ぶには最高の日和でした。

午前10時、こうばる広場には、佐世保や川棚、東彼杵からやってきた親子とスタッフ46名、そして、こうばるの子どもたちやお父さんなど7名が集まりました。

まず初めに、こうばるのお母さん代表のすみ子さんから歓迎の挨拶をいただきました。

続いて、スタッフのKさんとNさんから今日の探検コースの説明。

そして、昆虫博士の西澤先生から大切なお話が…。


ここには野原がある。川がある。ここの川は深過ぎない。子どもが遊べるいいところです。

でも、川があって、野原があって、田んぼがある。こういうところにはマムシがいます。危ないよ。勝手に先に進まない。あいつら弱虫なんだ。弱虫だから驚いて噛みつく。脅かしちゃダメだ。必ず大人の後についていくこと。いいな!
大人は子どもを守ってください。
一人が噛まれたら、今日の遊びは終わり。誰かが怪我したら遊びは終わり。
だからいいか、自分の身は自分で守る!危ないことはしない!

とたんに子どもの顔つきが変わる。真剣な表情。しかも怖がってはいない。
大人も変わる。私語がピタリと止み、背筋も空気もピンとなる。

さあ、出発です。

生い茂った草むらをかき分けて進みます。


お馴染みのテントウムシカタツムリさん、こんにちは!


西澤先生の合図で皆まぁるくなって、少しずつ前へ。

草の中に隠れている虫たちを追い込んでいきます。
そうして飛び出してきた虫たちを捕虫網で捕まえて透明のケースへ入れてじっくり観察。


見るだけでなく、手に載せて感触を得ることも大事。

触りたい人?ハイ!と元気な子どもたち。
先生の手から子どもたちの手へ次々と。

観察が終わったら野原に放します。


さあ、みんなも自分で捕まえてごらん!と言われ、大人も子どもも目を皿にして虫探し。

何が捕れたのかな?

分からない時は、自然観察指導員の方に尋ねたり、昆虫図鑑で調べたり。

そうやって捕獲した虫たちを子どもたちは得意げに先生の元へ。


ヒラタアブ、キリギリス、トノサマバッタ、オオカマキリ、ハムシ、ジョウカイボン、コメツキムシ等々たくさんの虫たちがいたようです。
(トイレ係の私、子どもたちを公民館へ案内していたので、写真が撮れなかった!残念!)

実はみんなが集まる前に、既に広場の隣の家のそばで見つけた虫もいましたよ。


ナナフシです。

この野原に、ポツンと1本の桜の木。


この木の幹の肌には髭のようなもじゃもじゃがたくさん…

近づいてよく見ると、ミミズのようでもあり…

これはミノムシの仲間でガの幼虫だそうです。
と言われても一般的なミノムシとは似ても似つかないですよねー。
先生の説明を聞きそびれたので、帰宅後ネットで調べた限りでは、ヒモミノガの幼虫のようです。
http://mushi-akashi.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/post-2d3f.html

でも、このヒモだかヒゲだかミミズだかわからない細長いものが蛾になって飛んでいくなんて信じられない…昆虫はまさに変化する生きものですねー

さて、そろそろお腹の虫も泣き始めたので、お昼にしましょう~
向かった先は…



川原公民館!

みんなお腹が空いていたんだね~食べるのに夢中で急に静かになりましたよ。手作りのお弁当が美味しそう!



食事が終わるとすぐにまた賑やかに!
お絵描きタイムです。
午前中観てきた虫たちを、思い出しながら、あるいは撮った写真を見ながら、または図鑑を参考にしながら張り切って描いています。


クワハムシ!上手ですねー
ハナムグリ!表と裏と両方を描いてくれました!
よく観察してる!
子どもたち、すごいなー


マツムシもいたんですね!
トノサマバッタ!横顔だけなのに、雰囲気でてますねー


一番人気はテントウムシでした。
描きやすいからかな?
絵画的なものあり、図鑑的なものあり、アニメっぽいものあり、楽しい~

お絵描きを終えると、朝と同じこうばる広場へ。
そこには、歌のお兄さんならぬ、歌のオジサンとオバサンがいて…

「さんぽ」や「小さな世界」「手のひらを太陽に」などなど、みんなで楽しく歌いました。

さて、いよいよ午後からの探検に出発でーす!


着いたのはここ。

石木川の河原です。まさに石がごろごろ。自然のままの河原です。

いつものように全員集合!

西澤先生から、どんなところに魚がいるか、虫がいるか、どうやって見つけるか、見つけたら捕まえてバケツに入れておいて、後でここに持ちよることなどが伝えられ、話が終わると同時にみんなバシャバシャ川の中へ。




おおー、捕れてる捕れてる。


再び全員集合。
集まったバケツの中身を白いバケットに入れて観察です。


大きいのはドンコで、小さいのはカワムツだそうです。


サワガニもいますね。

こちらは、カエルと水生昆虫の仲間。


「白い筋があるので、これはたぶんヌマガエル
左上の細いヤツはトンボの幼虫、ヤゴです。
イトトンボハグロトンボミヤマトンボか…?」

「それから、このクモみたいなヤツ、これもヤゴです。オオヤマトンボコヤマトンボかもしれません」


「これはオニヤンマの幼虫です」
「それから、すごいのを捕まえた人がいます。コオリヤンマの幼虫です」

(正直、この写真はどっちだったか覚えていません。トホホ)


これらはほとんどカゲロウで、
丸くて平べったいのは、ヒラタドロムシだそうです。

他にもトビケラだとか、ミヤマトンボサナエトンボなどなど・・・昆虫の幼虫がこんなにたくさん水の中で暮らしていたとは、全く知りませんでした。

みんなが協力したらこんなに捕れたね。
こんなにいろんな種類の生きものが川にはいます。
僕らが飲んでおいしい水のところには、生きものもたくさんいるんです。
ここの川の水はすごくきれいだってことです。
ここを残してほしいと僕は思う。


どうしたらいいんだ?
どうしてここにダムを造ろうとしているんだ?
水をみんなが欲しがるからだよ。
欲しくないってみんなが言えばいいんだ。
みんな水をいっぱい使い過ぎる!
ここをダムの底に沈めたくなかったら、水の無駄遣いをやめよう!
いっぱい石鹸を付けて、いっぱい水を流して洗うな。
自分に何ができるか、それを考えることが大事。
ひとに頼るな。大人に頼るな。
ここを残したかったら自分で行動するんだ。

「さあ、魚も少し弱ってきたね。そおーっと川に返そう!」




最後に、こうばるに住んでいるSさん(子どもと自然が大好きなお父さん)からご挨拶。


どんな話をされたのか、私はかなり離れたところで撮っていたので、聞こえませんでしたが、皆さんの背中から何となく伝わってくるものがありました。

こうばる探検隊は、まだまだ続きます。
こうばるの自然の本当の豊かさを、私たちはまだまだ知りません。
もっともっと知りたいです。
さぁて次回は、いつ、どんなことをやろうかな~
乞う、ご期待!