災害は追い風!?

「災害は我々にとって追い風である」というとんでもない発言をしたのは、長崎県土木部河川課の浦瀬課長。

洪水対策に心血を注ぐべき立場の方が、豪雨災害で家族や家を失い、未だに失意のどん底にいる被災者のことなど頭の片隅にもない……石木ダムさえできればそれでいい、という本音が透けて見えました。

「災害は我々に追い風」 石木ダム意見交換会で県課長 /長崎

https://mainichi.jp/articles/20191102/ddl/k42/010/274000c  毎日新聞 2019.11.2

県と佐世保市が川棚町に建設を進める石木ダム事業をめぐり、先月30日にダム建設推進派の県議らが開催した意見交換会で、県河川課の浦瀬俊郎課長が「災害は我々にとって追い風」と発言していたことが出席者への取材で分かった。

浦瀬氏は、毎日新聞の取材に発言を認め、「自然災害が多発する中、一日も早く石木ダムを含め整備を進めていく必要があるという趣旨だった」と説明した。

石木ダムを巡っては、水没予定地内で暮らす13世帯約50人の家屋などの明け渡し期限が18日に迫る。中村法道知事は話し合いを通じて事業に理解を求める考えを示している。

 県議、佐世保市議、川棚町議計33人の意見交換会は冒頭を除き非公開。複数の出席者によると、浦瀬氏の発言は議員らとのやりとりの中であり、その場でもたしなめる声が出たという。

 出席したある議員は「ダムは必要だが、台風19号などで多くの死者が出て、避難生活を強いられている人たちがいる中では軽率だ」と指摘した。

 浦瀬氏は「長崎大水害後にも理解をいただいて、かなりの方に(河川整備のための)移転をしてもらっている。そうした観点から発言した」としている。【浅野翔太郎】