川原公民館の前に全員集合!
今日は第37回3.14団結大会の日。
3.14とは3月14日ということ。
今から36年前の1980年3月14日、石木ダム建設絶対反対同盟が再結成され堅い団結を誓いました。
以後、毎年その日を記念して同盟員だけでなく支援者も集まり、
石木ダム計画が白紙撤回されるまで頑張ろう!との思いを新たにしてきました。
そして、37回目の3.14を前に、今日団結大会が開かれたというわけです。
大会は1時からで、その直前に、同盟の皆さんが集まって記念撮影。
言いだしたのはカメラマンの村山さん。
写真集「石木川のほとりにて」を出された、あの村山さんです。
だから、ほら、みんな笑顔!
午後からの団結大会に先立って、午前中、男性たちは石木川の大掃除。
高く伸びたヨシを刈り取って、河原で燃やしたり、
堰などに引っかかっているヨシやゴミを取り除いたり、
こちらは、薄くぼやけた文字を上書きして・・・くっきり!
「環境保全地域」「ネコヤナギ盗伐禁止」「ほたるの里」などなど、
勝手に命名、勝手に設置。
誰かのお墨付きを得るのではなく、自分たちで決め、自分たちで守る。
誇り高い人々です。
掃除が終わって公民館にやってくると、公民館では、まだ団結大会の準備中。
中では、女性たちが大会後の交流会のご馳走作りに大わらわ。
いよいよ大会が始まり、
例年通り、同盟を代表して岩下さんの挨拶、石丸さんによるこの1年の振り返りがありました。
そして来賓挨拶トップバッターは、石木ダム対策弁護団の高橋弁護士。
まずはじめに、今取り組んでいる事業認定取消訴訟(行政訴訟)と、工事差止仮処分申し立て(民事訴訟)の概要について、たいへんわかりやすい説明がありました。
そして、強調したい3つの事実とそのポイントが語られました。
① 13世帯がこれだけ反対している=13世帯の生活を強制収用によって破壊した例はかつてない
② 13世帯以外がこれだけ反対している=石木ダムの建設によって損害を受ける人がこんなにいる
③ 50年間造られていない=要らないということ
しかし、他人=裁判官や弁護団=をあてにしてはいけない。
皆さんの意思で皆さんが頑張ることが裁判官を動かし、知事を動かすことになる。
次に登壇されたのは、真島省三衆議院議員。
2月25日の衆議院予算委員会第8分科会で石木ダム問題を取り上げ、事業認定の不当性を追及した、その大要が語られました。
思わず笑ってしまったのは、治水安全度と流量予測値の怪。
真島議員:長崎県は石木ダム合流地点より上流は30年に一度の治水安全度で、合流地点より下流は100年に一度の安全度に設定している。100年に一度の大雨が降った時の流量計算はおかしいのではないか?その時は上流部にも100年に一度の大雨が降るはずで、しかし上流部はその対策ができてないので、越水して周辺に流れ出てしまうのではないか?
国土保全局長:ご指摘の点につきましては、現在裁判で係争中でございまして、訴訟の場において国の考えを述べ、対応したい。
裁判を理由に質問に答えようとしない官僚に頭に来た真島議員は委員会終了後、答弁者を呼んで、もう一度尋ねたら、上流の越水は認めたそうです。
しかし、県の計画流量はそれほど間違っているとも言えないと思うとのこと。
え!?なぜ?
「一度溢れた水が、また石木川に戻ってくるかもしれないから」
この答えには、聞いてる私たちも思わず吹き出してしまいました。
続いての登場は、パタゴニア日本支社長辻井隆行さん。
石木ダム問題に出会って、
「人権や環境の問題がこれほど極端に蔑ろにされていることに、個人的に憤りを感じた」
「僕たちパタゴニアにできることは分厚いカーテンを開けること」
と辻井さんは言う。
カーテンを開けた時に見えてくる景色。それを伝えたいと。
その景色とは、きっと石木ダムに繋がる人権、税金、環境等々の現実なのでしょう。
そういう問題を知って、それでも石木ダムが必要と佐世保市民は思うのか?
事実を伝えることが大事だと思う。
そういうことを「個人的にライフワークとしてもやっていきたい」と。
来賓の後は、県内支援団体からの挨拶やメッセージを伝え、
地権者の決意表明、決議文の採択、そして、団結ガンバローで閉会となりました。
閉会後はすぐにご馳走がいっぱい並んだテーブルが運ばれてきて、乾杯の後は、
写真を撮るのも忘れて、食べて、しゃべって、笑って・・・。
しばらくして、左隣の初対面の方とお話してみると、83歳の佐世保市民の方で、
子どもの頃こうばるに住んでいたとのこと。
昔、ここは公民館ではなく太子堂だったんですよ。
聞いています。あそこに今も祀られているんですよね。
と、聖徳太子像が安置された扉を指すと、
そう。その上に書かれた文字が読めますか?
と言われ、
そう言えば、汚れなのか模様なのか、読み取れない字があり、
何と書かれているのか前からずっと気になっていたのでした。
教えてほしいと頼むと、
あれは漢文読みするんですよ。
行者道を譲り、耕者畔を譲る。
なるほど〜
行き交う人は道を譲り合い、田を耕す人は畔を譲り合いなさいってことなんですね。
そうか・・・。
そうやって、譲り合いの精神で田畑を耕し、ふる里を守ってきた人々にとって、
道も畔も奪われるなんて言語道断、許されることではないでしょう。
この額は、佐世保市長の市長室にこそ飾りたい・・・