今日は7回目となる収用委員会の日。
会場は長崎振興局の2階会議室。
会議室前には朝から地権者や支援者たちが集まっていました。
下で待機する収用委員たち。
一度だけ会長たち数名が階段の途中までやってきて、
「委員会を開催させてください」「補償に関する意見を聞かせてください」と懇願。
もちろん通すはずもなく、数分で諦めて下りて行きました。
そして、10時過ぎ、委員の入場を妨害され審理が開けないとして、
「午前の会議は中止します」「午後は予定通り」と言い残し去って行きました。
そして2時間半後、再び現れた県職員を見下ろしていたら・・・
一人にこやかな表情の職員が・・・。そして何人もの地権者が声をかけます。
「あんたには苦しめられたけんねー、黙って行ったらいかんよ。一緒に飲もうでー」
「もうすぐ桜も咲くけんで」
「いやー、静かに行かせてくださいよ」
地権者と軽口をたたき合っているのは、石木ダム建設事務所長の古川氏。
6年間も所長を務め、この春定年退職する彼を温かく追い出そうとする地権者の皆さん。
心の中がほんわかしてきたところへ、
収用委員会から突然、会場変更の通告。
2〜3人の職員以外は、古川所長も含め皆、引き揚げていきました。
なるほどね〜
そういう手があったんですね〜
どうしたら会場に入れるか?
ここでと言っておいて、離れた場所に急きょ変更する。
反対派が駆けつけても、その時すでに遅し。委員は会場入りしてしまってる。
とこういうシナリオだったんですね〜
怒って詰め寄る地権者たち。
妨害される以上仕方がないと説明する職員。
確かにそうですよ。
妨害していますよ。収用委員会が開かれないように。
でも、それは当然でしょ?
「審理」の開催は家屋の収用につながるのですから。
審理は収用が前提で、その補償額と明渡し時期を決めるためのものですから。
地権者が協力できるわけないじゃありませんか。
私たちは職員の方々に恨みはないのです。
でも、協力はできないのです。
必要のないダムのために土地を奪うような行政の横暴は許せないからです。
地権者の女性たちが2人の職員を取り囲んで訴えていました。
うったちはね、安心して暮らしたかと。
お金は何も要らんと。
少ない年金でゆっくり暮らしたいだけ。
あんたは何年生まれね?昭和46年?
あんたの人生以上の長い間、うったちはこがん闘いば続けとっとよ。
自分たちの生活を守るために。
そうやって闘いを続けながら、何人死んでいったか知らんやろ?
一職員に言ったところで何がどうなるものでもないのはわかっている。
わかっているけれど、言わずにはおれない想いが、彼に伝わったでしょうか?
無表情だったけれど、たぶん心に刺さったはず・・と思いたい。
この地権者の思いを少しでも理解して、何らかの形で知事に伝えてほしい。
直接伝えてほしい。
地権者の妨害をどうかわすか、防ぐか、なんてことを考える前に、
なぜ地権者がここまで妨害を続けるのか、
その意味をまず考えるべき!
結局今日は、地権者欠席のまま審理は開かれ、県側は、2世帯の家屋の明渡補償額を提示。
裁決から180日以内に家屋を明け渡すよう求めたそうです。
「下策」の極み
中学生による、正義感と批判精神あふれるはつらつとした文章にふれたあとだけにこのニュースには唖然としました。この落差はいったいなんなのでしょう。
年度末になって少しでも実績を作っておかなければという焦りあらわれでしょうが、最高学府を出たであろう「優秀な」方々が一生懸命知恵を絞って考えついた作戦がこの程度の「愚策」だとしたらほんとに情けない。
このような強権的で強引なやり方は、地権者、支援者の怒りをますます増大させ、問題の解決をさらに難しくさせることにしかならないことになぜ行政は気付かないのでしょうか。
同感!
下策の極み!全く同感です。
県民として情けないし、恥ずかしい。
ここまでしなければならないなんて、もう公共事業では有り得ませんね。