佐世保市民有志は、佐世保市議会3月定例会に、以下のの請願書を提出しました。
これに対する委員会審査が、今日、都市整備委員会にておこなわれました。
請願文書の補足説明として、次のような資料を提出しました。
★佐世保地区の1月の貯水率と配水量
表下に記しているように、1週間の断水の間も佐世保市のダムの貯水率は91%を超えていた!
という事実を委員の皆さんに伝えたかったからです。
これを見れば、
どんなに水源確保ができていても、それを運ぶ管が破損していたら断水に繋がる
ということが一目瞭然。
そして、そのような水道管の破損は寒波による凍結だけではない。
常日頃から慢性的に市内のあちこちで漏水している。
それを示す資料として、次のものを提出しました。
これは、佐世保市と長崎市の漏水量を比較したものです。
漏水量そのものは測れませんので、
総給水量から有効に使われた「有効水量」を引いた「無効水量」が漏水量と見做されています。
佐世保市のデータは、3月14日の都市整備委員会で審議された28年度水道事業会計予算の委員会資料から得たもので、
長崎市のデータは、長崎市上下水道局のサイトから入手しました。
それを表にして比較してみると、びっくり!でした。
上の表では見にくいので、一部を拡大して貼付すると、
こういう事実が明らかになりました。
人口も給水量も長崎市の60%台の佐世保市が、漏水量だけは120%台
昨夜資料を作りながら、見間違い?計算間違い?と、何度も疑ってやり直しました。
佐世保市の漏水対策が長崎市と同じレベルだったら、無効水量も同じ60%台になってるはずです。
仮に給水量と同じ66%だとしたら、7850✕0.66=5181となり、
佐世保市の漏水量は、5,181㎥/日に抑えられるはずです。
実際には、9748㎥/日なので、9割増しの漏水ということになります。
佐世保市で漏水が多いのは、地勢的な要因によるものだと、市長も水道局長も説明してきました。
しかし、同じように斜面地の多い長崎市(坂の勾配は佐世保以上だと言われています)で、
これだけ漏水を押さえているということは、やはりやる気の問題です。
地形のせいにしないでください。
もちろん、それも要因だけど、地形は変えられないのですから、
じゃあどうしたらいいのかと、対策に頭を使うべきです。
お金を使うべきです。
人も使うべきです。
その努力を怠って、「お願いします!石木ダム」などと言わないでください。
3/14の委員会で頂いた資料によると、
平成25年度の佐世保地区水道管の経年化率(法定耐用年数40年を超えた管の割合)は、19.2%でした。
平成19年度時点では9.3%だったので、わずか6年で10%も増えています。
このままではますます老朽管が増え、水道管破裂の危険性が高まり、断水の可能性も増えるでしょう。
水道局長はいつも言います。
「安心安全な水を提供し続けるのが私たちの使命」と。
いつ破裂するかわからない水道管をかかえたまま、安心して暮らせますか?
(水道局職員の方も、本当に気の休まる時がないのではないかと、お察しします)
職員も市民も安心して暮らせるよう、取り組むべき課題の優先順位を考えるべきです。
しかし、委員の皆さんの反応は冷ややかでした。
*今回の断水は水道局の水道管ではない。個人所有の給水管で、ほとんどは給湯器の配管破裂。
*寒波による断水と老朽化を無理やりこじつけているように感じる
*水道局も老朽化対策はある程度やっている
*水道局も情報は提供している。市民の無関心が問題
*なんでも行政を頼るのではなく、個人の給水管は個人の責任で守るべき
あ〜あ
あの、すんごい漏水量の資料を目の当たりにしても、問題意識を感じない方々のようです。
*情報提供してる?どんな?慢性的水不足なら聞き飽きるほど聞いてますが。
佐世保市は漏水がこんなに多いです。
あなたの家のそばの道路の地下に埋まってる配水管はもう耐用年数を超えています。
鉛管は漏水しやすいし、体にもよくないので早く替えた方がいいです。
なんて、教えて頂いてます?
*ある程度の対応しかやってないから漏水が減らないんでしょ?
議員さんたちはそれでいいとお思いなんですか?
*なんでも行政に頼ろうなんて思っていません!
私たちが出したお金=税金や水道料金=を必要なところに使って頂きたいだけです。
個人の給水管は個人が整備するのは当然だけど、その余裕がない家だってあるでしょ?
シングルマザーの3人に2人が貧困だという現実ご存じないのでしょうか?
三度の食事が満足に食べられない子どもたちがいます。
そんな家で、給水管が古くなったからといって、すぐに更新できますか?
そういうところは放っておくのですか?
その結果破裂して断水を余儀なくされても自己責任。
そういう家が数件あったために他の家庭まで断水の巻き添えを食ったら、
貧困家庭を恨めとでも?
そんな反論が頭の中を駆け巡っていました。
そして、こんな質問を受けました。
老朽化対策を急げと言うなら費用はどうするのですか?
大村市のように水道料金を値上げする?それとも他からもってくる?
正直に言いました。
私自身は他からもってくればいいと思っています。
(石木ダムの予算を使えばいいでしょ!)
でも、いろんな考え方があると思うから、それは一人ひとり考えることです。
そのために、市民に現状を知らせ、対策を実行するための予算額を伝え、
それをどう工面するか皆で考えることが必要だと思い、この請願を提出したのです。
帰宅したら、神奈川在住の方から、こんな情報がメールで寄せられていました。
東京都では、漏水防止対策の推進により、
60年前には30%以上あった漏水率を、2009年には3%に低減させた。
この対策の結果、年間約3億3千万m3(人口250万人規模の都市の水道
使用量に相当)の漏水防止を実現。
また、温室効果ガスである二酸化炭素排出量を年間約6万5千トン削減する
効果も生み出している。
このように漏水防止対策は、貴重な水資源の有効利用のみならず、
地球温暖化防止にも有効な対策でもある。