趣旨説明

「石木川まもり隊」が25日、佐世保市議会「石木ダム建設促進特別委員会」でおこなった、

「石木ダム建設用地の強制収用反対を求める請願」の趣旨説明の原稿が欲しいとの依頼が3件ありました。

メールに添付したり、印刷してお渡ししたりしましたが、どうせなら、ブログ上で公開し、

多くの方に私たちの思いを伝えたいと思い、以下に貼付いたします。

 

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 「石木川まもり隊」代表の〇〇と申します。

 今日は石木ダム建設に関して土地の強制収用はしないでほしい、させないでほしい、

その市民の声を市議の皆様に届けるために参りました。

この請願の趣旨を説明する機会を与えて頂いたことに深く感謝致します。

 

 私たち「石木川まもり隊」は、石木ダム計画の白紙撤回を願っています。

皆様は推進のお立場で、私たちの考えとは正反対です。

しかし、私たちはこの委員会が『水資源確保対策特別委員会』と呼ばれていた頃から、

たびたび傍聴させて頂き、皆様がどれほど佐世保市の水事情について真剣にご議論

なさってきたかよく知っています。

 また水道局からの説明も共に聴かせて頂き、資料も配布して頂き、

いろいろ勉強させて頂いたことに心から感謝しています。

この場を借りて、貴委員会と水道局の皆様、議会事務局の皆様には心からお礼申し上げます。

 

 本題に入ります。

 私たちは、今現在何不自由なく水を使って暮らしていますし、今後の急激な人口減少を考えると、

どうしてもダムが必要とは思えませんが、今日はその問題は横に置き、

土地の強制収用、この一点について述べさせて頂きます。

 

 国交省は6月11日、石木ダムの事業継続を認めました。

しかし、これには大事な付帯意見がありました。

「地域の方々の理解を得るための努力を希望する」と書かれた別添の文書です。

しかも「別添に留意願います」という一文まで付いていました。

これは市長も認めているように、「とことん話し合って理解を得なさい」という意味で、

力ずくの強制収用とは相反するものです。

 しかし、市長は15日の市議会一般質問で、

「二年半も中断している事業認定手続きを早急に進めるようお願いしたい」と言われました。

この手続きを進めるとはどういうことでしょうか。

 

 ここに、県が事業認定申請についての説明会で配った資料があります。

いま手続き上終わっているのは申請書の公告縦覧、意見書の提出、公聴会の請求までで、

これから公聴会や社会資本整備審議会などで様々な意見を聴き、公益性の有無を判断する

と言われますが、それらは形式にすぎません。

なぜなら、公聴会で意見を言えるのは限られた人数で、しかも1人15分程度と制限されています。

また、社会資本整備審議会で審議されるのは、あがってきた書類を見て、

手続き上の瑕疵が無いかどうか判断するだけです。

だから、事業認定申請されたケースはほぼどれも認定されています。

ダム事業の場合、認定されなかったケースは聞いたことが無いとダム問題の専門家は言っています。

私はデータを持っているわけではありませんので断言はできませんが、

議員の皆さんには是非お調べ頂き、教えてほしいと思っています。

 

 さて、認定されたら、その先はどうなるでしょう。

認定されても、おそらく石木ダム地権者の皆さんは、そこを動かないでしょう。

今日もあそこに地権者の皆さんが来ておられます。

私はあの方々と知り合ってまだ3年半ですが、皆さんの潔い生き方にはいつも感銘を受けています。

先祖から受け継いだ大地を守り、大いなる自然の中で静かに暮らしたい、

そして子や孫、未来にそのかけがえのない自然を引き継いでゆきたい、ただそれだけ。

それ以上でもそれ以下でもない、それ以外の何も望んではおられません。

だから、どんなにお金を積まれても気持ちは変わらないのです。

どんなに脅されてもびくともしないのです。

 

 県や市の担当者は言います。

手続きを進めるうちに反対だった人も、ほとんどのケースは理解を示して出ていくと。

それは理解ではないのです。

そこで話し合われるのは補償金額と明け渡し時期だけですから、

頑張れば頑張るほど土地の金額は下がり続け、最後は生きていくために諦めて去っていくのです。

しかし、何事にも例外は付き物です。川原の皆さんがその例外です。

地権者である川原の皆さんの口癖は、「私が死ぬまでは絶対ここにダムは造らせん」

「どうしてもダムを造るというのなら私を殺してからにしてください」と。

50年間、その思いで生きてこれらた方々です。

この先その意志が変わる確率は限りなくゼロに近いのです。

 

 ダム建設促進議員の皆さん、13軒の家が取り壊されるシーンを想像して下さい。

70人もの人々が笑顔で暮らしているその家をショベルカーで潰してしまいますか?

そのようなことができますか?

 

 私たち「石木川まもり隊」は、これまで何度もチラシ配りなどをしながら、

多くの市民と石木ダムについて意見交換してきましたが、

ダムは必要という人でも「強制収用には反対、それだけは止めてほしい」と言います。

それが普通の市民の思いです。たぶん委員の皆様も同じだと思います。

 実は中村知事さえもそうです。

 

 ここに平成22年1月、知事選直前に行った公開質問状があります。

「石木ダム建設絶対反対同盟」と「清流の会」と「石木川まもり隊」の3団体で行ったもので、

5人の候補者に出し、全員から返事を頂きました。

3番目の質問「強制収容が可能になった場合どうするか」に対し、3つの答えが用意されています。

『強制収用する』『強制収用はしない』『わからない』

当時の候補者・中村法道氏が選んだのは『強制収用しない』です。

 このように、知事も本当は強制収用に反対なのです。今は立場上それが言いにくいのでしょう。

だからこそ、知事に私たち市民の声を届けて頂きたいのです。

皆さんは、市民の代表なのですから、どうぞ、佐世保市民の思いを知事に伝えて下さい。

強制収用という手法を取らないで話し合いに徹してほしいという意見書の提出をお願いします。

 

 最後にチプコのメッセージを読んで終わりにします。

皆様はチプコ運動をご存知でしょうか?

インドの巨大ダム建設工事のため破壊される森を守ろうと広がった運動です。

その代表のバフグナさんが、1992年にモントリオール会議で語ったメッセージです。

 

私たちはチプコと呼ばれている。

チプコとはインド語で「抱きつく」という意味。

私たちは木が切られないように木に抱きつく。

木と共に切られすでに200人の仲間が死んだ。

今、あなた方の国からたくさんの人が来て、たくさんの木を切り、

たくさんのダムを造ろうとしている。

ダムができると森が沈み、私たちは生きていけない。

このようなことがおこなわれないために、私たち10万人のチプコは水に沈む覚悟をした。

よく聴いてほしい。

私たちは決して貧しくない。

私たちは豊かだ。

私たちは何も欲しくない。ダムも電気もお金も。

私たちは開発ではなく、幸せを求めている。

小さな土地と少しの水、少しの食べ物で十分なのだ。

幸せはお城の中でなく、自然の中にある。

 

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 石木川まもり隊の〇〇と申します。よろしくお願い致します。

 

 石木ダムの「事業認定申請」は、県と佐世保市によって平成21年11月9日に

国交省九州地方整備局に提出され、整備局は同年12月2日に正式に受理をしています。

 

 それに先立つ、平成21年6月30日に開かれた「水資源確保対策特別委員会」では、事業認定申請についての議論がなされました。

私も、この委員会を傍聴致しましたが、その際、当時、この委員会の委員だった山下千秋議員から

「強制収用の可能性がある事業認定を進めるべきだという委員の方は、強制収用となったらどうするのか?」という質問がありました。

当時の委員のお一人であり、現在は「石木ダム建設促進特別委員会」の委員で、今日もそちらにお座りいただいている草津議員が

「事業認定は進めていただきたいが、最悪の事態になったら断固反対する」とおっしゃいました。

また、他の委員の方がたも同じように、事業認定は、あくまでも話し合いのためのもので、

強制収用は望んでいないと、みなさん、おっしゃいました。

 

 今月15日の佐世保市議会・本会議で、山下千秋議員の一般質問に応えて、市長は

「国からの事業継続の方針に、地元の理解を得る努力を希望するとの付帯意見が付いたことは、

地元と話し合いをしなさいということだと思う。十分に話し合いをしたい。」と答えられました。 

ぜひ、そうしていただきたい。強制収用ではなく、あくまでも話し合いを行っていただきたいと思います。

 

 また、同じく今月14日の市議会本会議では、

大村議員の「人口減少に伴う都市計画について」という質問に答えて、市長は

「人口減少をさせないような政策、親子3代で暮らせるような社会にしたい」ということをおっしゃいました。

 石木ダムの建設予定地、川棚町川原地区はまさに市長がおっしゃっられたようなところです。

反対地権者は13所帯ですが、子、孫、ひ孫と3世代、4世代に亘って70人の方が暮らしておられます。

そこには、昔ながらの暖かな大家族主義とも言うべき生活が残っています。

 川棚町・川原地区は、「人口減少のない、親子3代で暮らせるような社会」をめざされる朝長市長が

まさにお手本にされるべき土地ではないかと思います。

 そのお手本にするような土地に暮らしている方がたを、強制的に立ち退かせ追い出すようなことがあってはなりません。

強制収用だけは止めて頂きたい。

 

 委員の皆さまには、資料として強制測量時の新聞記事のコピーをお渡し致しておりますが、

記事を読まれてどうお感じになったでしょうか? 

 あの暖かい人情味にあふれた、川原のかたがたの血や涙の上に建設された「石木ダム」からの水を、

どうして私たち佐世保市民が平気で使うことができるでしょうか? 

 私はうしろめたくて、とても使用できません。

 

 ぜひ、この請願を委員のかたがたお一人お一人に受け止めていただき、十分に審議をつくされ、

長崎県知事に「強制収用はすべきでない」という意見書を提出していただきたいと願っております。

  

 どうぞ、宜しくお願い致します。

 

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 石木川まもり隊の〇〇です、よろしくお願い致します。

今日は、石木ダム建設促進特別委員会の委員の皆様に、

どうしてもこれだけはお願いしたいとの思いで来させていただきました。

 

 皆様、すでにご存知のように、先月で、強制測量から30年と言われています。

その節目の頃、いくつかのテレビ局では、川棚町川原地区で7回も行われたという強制測量のことを報道するニュースが流されていました。ご覧になった方も多いと思います。

250人もの住民の方々が140人以上もの機動隊員と対峙する映像でした。

 数珠をかけた両手を合わせるおばあちゃん、生まれ育った土地を守ろうと座り込んで抵抗する人々を強制排除する映像です。

力づくで排除される女性やお年寄り、泣き叫ぶ子供たちの姿もありました。

土地収用法に基づいて、長崎県が実施した石木ダム建設に伴う強制収用の現実の姿でした。

ある地権者の女性は「強制測量の時の記憶は体の中に染み付いてますね」とインタビューに答えられていました。

また「今でも色々な映像や記録を見たら涙が出てきますね。子供たちも泣きながら反対していましたもんね」とも言われています。

こうも言われていましたね。

『機動隊にぎゅっとつねられて排除されたアザがみんなついていた。

県に対する怒りが鬼になるんですよ。鬼になって抵抗しないとやっていけないんですよ』と…

決して声高に叫ばれるのではありません。

むしろ、静かに、「私たちはダムに一生を捧げてきた。本当に何という人生やろうかねと思うね」

と語られていたのがとても心に残りました。

 テレビでは、高田元知事がこの強制測量について、

「公共のための事業ということでそこはご理解いただいて」とお話されていました。

しかし、またこうもおっしゃっています。

「あの時は今をおいてはないという判断だった。しかし、失敗だった。失策だった」と。

当時の県の最高責任者さえもが、こう述べざるをえない状況を作ってしまったのは一体何故でしょう。

 

地元の方々は、あくまでも話し合いを求めて来られ、今もちゃんとした話し合いができることを望まれています。

「公共」の名のもとに一方的に進められてきて、そこになくてはならない住民と行政との信頼関係は30年前の強制測量で完全に断ち切られたままではないでしょうか?

 

万が一、このまま最悪の事態に立ち至った時、

委員の皆さんがどれほどの責任をお取りになる覚悟がおありになるのか。

機動隊の強制力の下にブルドーザーが家を壊し、

それまで綿々と続いてきた暮らし、生活、歴史、大切な思い、そしてもしかしたら命までを奪うかもしれない、

そんなことをぜひ想像しながら、この請願に向かい合っていただきたい。

 

そしてまた、佐世保市民の多くも、

「強制収用だけはすべきではない」という至極当然な思いを心に抱いているということを、

委員の皆様とともに確認したいと思います。

ありがとうございました。

 

 

 

 

オンライン署名にぜひご協力ください!

石木ダム建設は説明不足。長崎県は一度立ち止まり、
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