今日、水源連のMLで、素敵な文章に出会いました。
それは関市の「青年の主張大会」でグランプリを受賞した女子中学生の文章でした。
引っ越してきて、住んでみて感じた板取という地域の素晴らしさと、学校生活の楽しさなど、
素直にありのままに綴られています。
そして、美しい板取の自然が今も残っているのは、ダム建設に反対した先人のおかげだと感謝し、
その板取を自分も守っていきたいと述べられていました。
この「青年の主張」を聴いた板取の皆さんは、どんなに嬉しかったことでしょう。
特にダム建設と闘ってきた先人の方々は…
想像しただけで、私の顔もほころびます。
板取ダムに詳しい方によると、
板取は長良川の上流部で、山の奥のそのまた奥という秘境だったそうです。
その素晴らしい自然を生活の場にしていた村民がダム計画にこぞって反対し、
白紙撤回を勝ち取ったのだそうです。
それは1982年のことでした。
同じ年に、長崎県では石木ダムに反対する住民たちが体を張って闘ったのに、
機動隊を導入しての強制測量が実施されてしまいました。。
でも、こちらの住民の皆さんは今も闘い続けています。
そんな皆さんに、この「青年の主張」は、大きな勇気と温かい励ましを与えてくれるでしょう。
「守り続けたい」
関市立板取中学校 市川 栞
私は板取中学校の2年生です。みなさんは、板取に来たことがありますか?板取は山に囲まれ、空気がとてもきれいです。川は底まで見えるくらい透明で、水が澄んでいます。板取は、自然豊かなとても素晴らしいところです。
私は、この板取に4月に引っ越してきました。転入当初、転入生は珍しいと、いろいろな人に驚かれました。私は今までにも転校をしたことがありましたが、こんなに珍しがられたことや貴重がられたことはありません。それは、板取から出ていく人は多いが、板取へ入ってくる人が少ないからです。私たちの学年でも板取を離れていった子が何人かいたそうです。今、2年生は10人です。もちろん一クラスです。全校生徒は26人、前の愛知県の学校の一クラスの人数より少ないです。人数は少ないけど、さみしくはありません。毎日がとっても楽しいです。学校では、男子も女子もみんな仲良しです。全員がまとまって一生懸命取り組みます。体育祭では私たち2年生が優勝しました。地域では、お祭りや行事などがあり、積極的に参加しています。また、家の前には、きれいな板取川が流れています。夏には友達や家族と川で遊びました。泳いでいると、魚がいっぱい見えます。バ一ベキューや花火もしました。板取に来て1年たっていないけど、大切な仲間とたくさんの思い出ができました。
さらに、部活のバレーを通して、自分自身が変わることができました。前の学校では、周りの子が部活に行かないと、自分も行かなくてもいいやと思うことがありました。でも、今は自分がやらなくてはいけません。なぜなら、バレー部はぎりぎり6人だから責任重大です。バレーは、板取に来て初めてやりました。最初はまっすぐボールが飛ばないし、思うように体が動かなくて落ち込むこともありましたが、仲間が私のミスをカバーしてくれたり、的確にアドバイスをしてくれたりして支えてくれました。そんな仲間に応えるために、私は家で筋トレをして自分なりに努力をしました。すると、サーブが入るようになり、得点につながるプレーができるようになってきました。以前は楽な方へと人に流されてしまっていた自分が、今は苦しいことでも挑戦し、頑張ることができる自分になれたのです。板取に来て本当に良かったと思います。この板取は、私にとってかけがえのないふるさととなりました。
しかし、さみしいと思うことがあります。総合の学習で、林業の衰退とともに板取の人口が減っていることや、少子高齢化が進んでいることが分かりました。しかも、若い人は働きに出ていってしまって少なくなっています。このままだと、人口がどんどん減少して、板取がなくなってしまうかもしれません。
授業で、地域の方から、以前にもダム建設によって板取がなくなるかもしれないという危機があったと聞きました。実際にダム建設によってなくなった村があるそうです。私は板取がなくなってしまうのは絶対嫌だと思いました。板取にはダム反対の看板が残っています。その写素を見て、先人がずっと守り続けてきたからこそ今の板取があることが分かりました。
では、人口減少を止めるためにどうしたらいいのでしょう。授業で話し合った時、板取に働く場所をつくることが必要だということがあがりました。あじさいまつりなど、板取の自然を生かした観光で地域を盛り上げていこうと地域の方も頑張っています。わたしも自分ができることで板取を支え、ここで暮らしたいと思いました。
私は、職場体験学習でデイサービスセンターに行きました。最初は緊張してお年寄りとしゃべることができなかったけど、お年寄りの方から話してくれてとてもうれしかったです。ゲームや折り紙などを一緒にやって、笑顔いっぱいなお年寄りを見ると、わたしもうれしくなりました。お年寄りはできないことが多いけど、周りの人がサポートすれば生き生きと生活することができます云高齢化が進む板取ですが、私は介護士になって、お年寄りの役に立ちたいと思いました。そして、大好きなふるさと板取を守っていきたいと思います。