今日も10人の公述人が登壇。
ダム推進派と反対派がちょうど半々でした。
人数で言えば6人対5人ですが、5枠ずつ。
トップバッターは、地権者の若者。
と言っても、なんと4人の子のお父さんです。
ぼくらは、生まれ育ったふる里を、自然の恵あふれる川原をただ守りたいだけ。
そして、この素晴らしいふる里を子どもたち、○○、○○、○○、○○に残したいだけ!
と涙声で叫ぶように訴えました。
みんな、会場中が固まったように身じろぎもせず、全身で聴き入っていました。
国交省の事業認定官はもちろん、
起業者(長崎県職員+佐世保市職員)も、ダム推進派の人たちも、
きっと立場を忘れて聴いていたに違いありません。
その後も推進派と反対派が交互に意見を陳述しました。
昨日同様、推進派の皆さんは、水害体験、渇水体験の苦労話が主です。
中には土地を売って出て行った者の辛さ、肩身の狭さなどを訴え、早くダムを造って欲しいと言う方、
また、県や佐世保市水道局のいつもの説明そっくりに話される方も。。
反対派は、
Hさんが環境評価についての話、大村湾の赤ナマコの被害、そして憲法で保証された人権侵害に当たることなどを話し、
Mさんは、佐世保市の水が足りていることを具体的な数字をたくさんあげて説明し、
節水型の街創りにこそ力を入れるべきことを力強く断言しました。
反対派のトリを務めた地権者のIさんは、石木ダムの歴史を語り、13世帯の不動の意思を語りました。
その中で、元佐世保市長の桟氏の話は印象的でした。
桟市長は平成6〜7年の大渇水被害の責任をとって辞められたそうで、非常に悔しがっておられた…。
なぜなら、市長は石木ダムに代わる代替案をいろいろ考えて実行しようとしたが、
ことごとく県に阻まれ実現できなかった、
代替策を実現できていたら、こんなひどい渇水被害は起きなかった…と。
そして、私に「これからも頑張ってください」と励ましの言葉さえかけられたのです。
県がダムを造る本当の目的は何なのか…あらためて考えさせられる話でした。
一方、推進派のトリを務めたのは、某大学教授のK先生。
話を聴く前から御用学者との噂が飛び交っていましたが、公述の途中で退席する人が続出。
私は最後まで聴きましたが、なぜ、この先生がここにいるのか…不思議な気分になりました。
様々なグラフや図や写真を沢山提示して、
将来の気象傾向、洪水被害、渇水被害の予測を示し、
昨年の集中豪雨による九州各県の被害実態とその原因について詳しく報告されました。
「洪水被害調査」の報告会なら、たいへん関心を集めたでしょうが、
石木ダムとは関係のない話を延々と聞かされ、
最後の4分ほど前にようやく石木ダムの話が出てきました。
要は、地球温暖化により、今後は洪水被害も渇水被害も増える、
その際役に立つのがダムで、さらなる工夫と弾力的な運用で、大いに期待できるそうで、
「石木ダムが今後長きにわたって地域の安全・安心に大きく貢献することを確信する」そうです。
地元のことを何も知らず、地元調査もせず、一般論だけで石木ダムを云々するなんて、
あまりにも安直なやりかたですね〜
公聴会はこれで終わりました。
事業認定官の方の心には、しっかり届いたはずです。
地権者の思い、佐世保市の水受給計画のデタラメさ、長崎県の河川整備計画の悪質さ、etc.
でも、この公益性を実際に審議するのは、九地整ではないんですよね〜
社会資本整備審議会が公益性を判断するのですよね〜
なぜ?
なぜ認定官の方々ではダメなのか、わかりませんね〜
せっかく、心を込めた公述がなされても、
それを実際に聞いていない人たちが審議することに、どんな意味があるというのか…???