長崎県内では昨日のTVニュースでも報道していましたが、こうばる住民の方などが抗議行動をしている場所へ降りていく道に、新たなゲートが2つ設置されていました。
TVカメラが入った頃は既に門は開かれていましたが、石木川まもり隊報道部が到着した早朝には、このように、県の職員により、しっかり門は閉じられていました。
このゲートを過ぎて降りていくと、下にもう1つのゲートが・・・
ここにも職員が数名待機して、住民や県民を通さないよう見張っていました。
しかし、現場を熟知している住民の皆さんは、鉄の門を通らずとも横の崖から山に入り、遠回りして・・・
あっさり現場に近づくと、そこにはネットと県職員が・・・「おはようございまーす!」と挨拶しながら、
毎日座り込みをしている場所には大型重機が・・・
座り込んでいる住民のすぐ後ろでは、ダンプカーが土砂を降ろしています。
こちらの重機の傍でも住民が作業員に何か訴えています。その様子をカメラで撮る県職員・・・
そして、ダム事務所所長の後方の少し離れたところからビデオカメラを回す職員も・・・住民の行動を監視?まるで公安警察のような仕事を何人の職員にやらせているのでしょうか?県の土木部はそんなに暇なのでしょうか?
このとき、住民がダム事務所長に詰め寄っていたのは、なんで、このように新たなゲートや柵を造ったのか?ということ。
所長:危ないからです。
住民:危ないことはしなければいいじゃないか。
所長:工事はしなければなりません。
住民:工事を中断して話し合いをするんじゃないのか?知事はそう言ってたはずだが。
所長:話し合いについては今、調整中ですが、工事は工事で、できるところから、危なくない状況でやらせて頂きます。
それが、県の本音なのですね。先日の県議会でも本音ははぐらかしていました。
堀江県議:工事を中断して話し合う考えはありませんか?
中村知事:こちらからも幾度となく話し合いを求めていますが、工事中止と白紙撤回が話し合いの条件だと聞いていたので…しかし、最近の報道で、そうではないというような発言があったとのことなので、まず真意を確かめたいと思います。
堀江県議:では真意を確かめて頂いて、その上で「工事を中断して」と言われたら、その考えはあるのか?
中村知事:まず、真意を確かめたいと思います。
と言い、「工事を中断する」とは言いませんでした。
工事を中断する気があるなら、今わざわざ、こんな長い柵やゲートを2つも設置したりはしませんよね?県の「真意」が見え見えです。
県議会での知事の答弁を聞いて、私たちは「工事を中断しての話し合い」が実現するかもしれない…と少しだけ期待しました。いつ住民の真意が確認されるのか…と。
確かに河川課長がすぐに駆けつけましたが、住民の皆さんは、「文書で真意を質してください。そしたら、こちらも文書で答えます」と言い、その場では答えませんでした。
当然です。今までの口頭でのやり取りで誤解が生じているので、文書で問うて文書で答えれば、共通理解が得られます。しかし、その後、未だ文書は届かず、その代わりに新たなゲートと柵が設置されたのです。工事を進めるために。工事を邪魔されないために。
それでは、工事を中断する気はない、話し合いをする気はない、と言ってるようなものではありませんか。せっかくのチャンスをまた県はふいにするのですか?
住民だけではありません。次々と支援者が集まり、新聞記者やテレビクルーも駆けつけ、工事は1時間半ほどで中断し、
その後は、いつものように穏やかな座り込みの光景が戻ってきました。
知事が本当に話し合いを望むのなら、あらためて住民の皆さんの「真意」を文書で確かめてください。その返信にどうしても呑めないような条件が書いてあるならば話し合いは実現しないでしょうが、それほど無理難題は要求されないはずです。
住民の皆さんの話し合いに対する要望を常々聞いていますが、至極もっともなことであり、誰もが納得できる条件だと思います。
県が工事を強行することにも理由があるならば・・・
例えば、どうしても代替墓地までの道路は完成させなければ、業者との契約不履行になるとか、代替墓地利用者(土地を売って出て行かれた元住民)の方との約束を果たせなくなるというような問題が生じるのであれば、
それをきちんと説明すればいいのです。
そして、「代替墓地までの工事が終わったら、必ず工事を中断する」と約束し、その段階で話し合いをしたいと要望すれば、道は開けるはず。
先日の小学生の感想文にもありました。「県の人の気持ちもわかりますが、強引にやることはないです」と。子どもでも感じています。強引な手法は良い結果を生まないと。封建時代ではないのですから。話し合いに基づく合意と、そのための努力なくして物事を決めるべきではありません。
長崎県 中村法道知事へ
先祖代々暮らしてきた土地です。
ここで生まれて、この地域の風土の中で育ち、生活を営んできた事が
どんなにかけがえのない財産であるか分かりませんか?
日々のつながりの中で積み重ねてきた地域社会、そして生きる為の営みを、簡単に壊さないで下さい。田畑の耕作、収穫は自然との共生があってこそ、続きます。
異常気象や温暖化は、技術開発・
産業革命による近代化推進の結果でもあります。自然の乱開発を今こそ、反省する時です。
巨大化、都市化は明らかに自然の摂理を狂わせています。
これ以上、自然を壊さないで下さい。
自然を残す安全な対策を慎重に検討して下さい。
踏みとどまり、住民たちと話し合いをして下さい。