工事再開

これが何だか分かりますか?もちろん木です。雷に打たれたわけではありません。見るも無残にへし折られています。

まるで、腕を返せと叫んでいるよう・・

その後ろに見えるのは、私たちが「森のレストラン」と呼んでいる休憩所です。
ブルーシートの屋根と、周りの緑に覆われて、真夏でもひんやり涼しい空間で、昨年の夏は、お昼のお弁当はここで食べていました。

それが、今日来てみたら、この有り様。

かろうじて、背後の木々は残っていますが、右も左も前も、木々は全て伐採、草も引っこ抜いてしまったようです。

一昨日まではこのように、緑に覆われ、森のレストランは下からは、ほとんど見えなかったのです。

そして、この道にもご注目ください。大小様々な石がゴロゴロのデコボコ道です。8月中旬の大雨でこうなりました。

降った雨が川のように、いえ、滝のように道を流れ、こんなに大きな石まで押し流してしまったのでしょう。しかし、両脇の土の壁はビクともしていません。草木が根を張っていたからです。

私たちは水流の威力と共に、草木の底力も実感したばかりでした。

それを、こんなに裸んぼにしてしまって・・・

いま大雨が降ったら、この崖はイチコロ。土砂崩れが発生することでしょう。ここには家も田畑も無いからお構いなし?

唯一残っている後ろの木々。そのはるか後方から重機の音が聞こえていました。昨日から始まった「本体工事」の掘削をやっているのでしょう。

小さな林をかき分け音のする方へ進みますが、野バラの棘や立ち入り禁止のネット、その傍に立っている県職員に阻まれ、なかなか現場は見えません。

かなり離れたところから望遠で撮ってみると・・

こんな感じ。この掘削を対岸から見てみると、

てっぺん付近で動いている重機が見えますか?白い雲を背景に空色のユンボが、ほら・・

写真を撮っていたら、傍のダム小屋(団結小屋)から、マツさんが出てきました。これから帰るところだとのこと。

この春、仲良しのサカエさんが亡くなって、一人ぼっちになってしまった団結小屋の主、94歳です。

強制測量の頃、県の動きを監視する見張り小屋として建てられた団結小屋に、マツさん世代の女性はその後もずっと通い続けました。しかし、その仲間たちも、1人、2人となくなっていき、今はマツさんだけ。

団結する相手もいないのに、週に3日、お弁当持参でここに来るのは何故だろう?

きっと、今まで通りの生活を続けることがマツさんにとっての抗議行動であり、ここに来ると、亡くなった仲間の気配を感じるのかもしれない。だから寂しくない。だからマツさんも闘い続けられるのだろう。

「マツさん、ここにいると重機の音が聞こえるでしょう?」

「そうね、聞きたくないね。木が倒されていくのは見たくもないね。

みんな要らんて言よらすとに、なんでここにダム・・なんかね?」

 

オンライン署名にぜひご協力ください!

石木ダム建設は説明不足。長崎県は一度立ち止まり、
公開討論会を開いてください。(Change.org)

ほかにも、こうばるを守るためやっていただけることがあります。

→あなたにできること

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