今日、「石木川まもり隊」と「水問題を考える市民の会」の代表3人は、
佐世保市議会議長と面会し、先月の申し入れのお返事をいただきました。
申し入れの内容とは、
石木ダム計画について議員の皆さんと意見交換をしたいという要請でした。
実は昨年12月24日、私たちは、まず石木ダム建設促進特別委員会の議員さんたちと意見交換をしたいと要望書を提出しました。
そのお返事は1ヵ月後の1月24日、同委員会委員長より口頭で告げられました。
「私たちは石木ダム建設促進という冠を頂いた委員会であり、推進の立場を変えるわけにはいかない。皆さんと意見交換しても意味がないので要望には応じられない」というものでした。
しかし同時に委員長は提案してくれました。
「議会全体の中には反対議員もいるし、推進の立場であっても皆さんの話を聞こうと思う議員もいるかもしれない。議長に申し出てみられては…?」
なるほど、確かに、そちらなら可能性は高いはず。で、私たちは、議長あてに同様の申入書を2月17日に提出し、そのお答えを今日やっともらえたというわけです。
本題に入ると、議長さんはメモを読み上げながら回答されました。
議会開催中に各会派の代表に集まってもらって検討をした結果、
中立的立場の事業認定庁が賛成反対双方の意見を聴いて、
石木ダムの公益性必要性を認めている、
よって、石木ダムの必要性を論じる段階はすでに過ぎている、
議会全体として、このことについて意見交換の場を持つことはしない。
ただ、皆さんが個別に議員にあたってやるのはかまわない。
こんな内容のお答えでした。
私たちは結論的なことを話し合うのではなく、資料をもとにお互いの認識について意見交換したいと思っているのです。
事業認定庁の判断を下したといっても、その元となった佐世保市の利水計画について疑問を持つ市民の意見も聞いてみてもいいのではありませんか?
と言うと、
副議長が横から、「国の判断が間違っていると思うなら、国に申し立てればいいでしょう?」と言う。
もちろん、そのつもりです。
しかし、国の判断は横に置いておいて、佐世保市の水問題を、市民と議員さんが意見交換するのは悪いことではないと思うのですが・・・
と言っても、各会派の代表が集まって決まったことだから…の一点張り。
そして、「今世紀は水戦争が起きると言われている。これから起こり得る異常気象に備えるためにもダムは必要なんです」と件の副議長がおっしゃるので、
「世界的な水戦争については同感です。そのような地球規模の水問題を考えることも大切だし、そういう共通認識の中から互いに理解し合えることがあると思うんですよね。ぜひ意見交換させていただけないでしょうか」と食い下がると、
「いや、いくらMさんと共通認識があっても、議論するのは無駄ですよ。結論が違うんだから」と切って捨てる言い方。
「私も市民の意見は聞いてますよ。私の周りの人たちはみんなダムが必要だと言ってますよ」
「M議員の周りの方はそうでしょうが、違う市民もいるわけですから、その違う声を聴くことも必要なことではないでしょうか?」
「いや、私の周りだけじゃなく、ほとんどの市民がそうなんだから…」
「ところが、私たちが市民アンケートを行うと、結果はそうではないんですよ」
「いや、それは、そういう場合もあるかもしれないがムニャムニャ…」
その後も結論は変えられないとの主張だったので、
私たちは、それぞれの会に持ち帰って報告し、その結果をまた文書で報告することを伝えて退室しました。
が、その前に、「水問題を考える会」のSさんがこんなことをおっしゃいました。
実は私も数年前までは、ダムは必要だろうと思っていました。
ただ、石木ダムを造るとなると、そこに住んでいる人を追い出すことになる、
それだけがひっかかっていました。
ところが、2008年に現地で開かれた学習会に誘われて、恐る恐る行ってみました。
そこで聞いた大学の先生たちの話がさっぱりわからなかったので、
勉強する必要があると思って、「水問題を考える市民の会」を作って皆で勉強していくうちに、ダムが必要ではないことがわかってきたんです。
だから私は、議員さんにもそういう話をしたいし、そういうことを考えてほしいんです。
Sさんの話が、その場にいた議員さん、職員さんの心に、少しでも響いていることを願いつつ、市役所を後にしました。
そして、夜には、同じ佐世保市議の速見篤議員のお通夜に出席しました。
石木ダムをなんとか止めようとなさっていた、数少ない議員のお一人でした。
残念です。
合掌。