ダムを造るために過大な水需要予測をでっちあげるのは、石木ダムに限らず、どこでもやられていることのようです。
特に北海道の当別ダムでは、以前それがかなり大きな問題になったこともありましたが、
形式的な再検証をして問題無しとして事業は進み、
2012年10月に完成し、2013年4月供用開始されました。
そして、それから約1年後の今年3月、札幌市水道局は新たな水需要予測を公表しましたが、
それは、これまでの予測を大幅に下方修正したものとなっていました。
札幌市水道局による次期中期計画の
http://www.city.sapporo.jp/suido/c03/c03third/documents/h25-2mizu-3.pdf
最終ページのファイル59「日最大給水量」のグラフを見ると、
将来(2035年度)の予測値は、一日61.8万㎥となっていて、
直近(2012年度)の実績値よりやや微増といった程度で、妥当な予測だと思われます。
ところが、これは前回(2007年度)の予測よりも25万㎥も下方修正したもので、
前回の予測がいかに過大で、でたらめなものであったかということを示しています。
当時は、一日最大給水量が67万㎥ほどだったのに、2035年度には87万㎥にまで増大する、
しかし保有水源は83万㎥しかないので、4万㎥足りない、
よって当別ダムが必要だと主張していたのです。
人口は減少しているのに、今後20万㎥も増えるはずがないと市民団体は抗議しましたが、
聴く耳を持たず、ダム事業は進められ、一昨年秋に完成、昨年4月から運用が開始されました。
ここまでくれば安心。
もう嘘の需要予測は不要ということなのでしょう。
今年の新予測では、2035年度の一日最大給水量は61.8万㎥というまともな数字が提示されています。
なんとまあ、ゲンキンな!というか正直というか・・・
前回と今回の予測をわかりやすく示したグラフがあります。
水源連の嶋津暉之氏によるものです。
「ダムができれば、架空予測は用無しということです。
このように、ダム参加の口実をつくるための架空予測が罷り通ってきているのです。」
(嶋津氏コメント)