今朝の長崎新聞の記事を3つ貼り付けます。
いずれも、22日に裁決された農地収用と明渡に関する記事です。
ポイントは、
①農地約5500㎡のうち、畑275㎡は8月24日まで、水田などの5200㎡は10月30日までに明け渡さなければならない。
②県は8月24日までに補償額を各世帯へ届け、地権者が受け取りを拒否した場合は、法務局へ供託し、所有権は国に移転する。
③地権者が期日までに明け渡しには応じなくても、登記簿の名義変更がなされ、土地は収用される。
④地権者はプレハブ小屋に立てこもってでも、徹底抗戦の構え。
⑤行き着くところは行政代執行か?
⑤法的手段(裁決取り消し訴訟)を取るかどうかは石木ダム対策弁護団と地権者で協議。
⑥地権者の思い
「金も何もいらない」「所有権が移っても田んぼを続け、この土地を残したい」
「この40年ダムに翻弄され続けた」「気の休まらない日々で、夢にまで見る」
「裁決を出した収用委員会は、委員は第三者でも事務局は県の職員。結論は初めから決まっている」
「知事はどうするのだろうか。私たちの土地を強制的に取り上げるのだろうか」
この思いは川原さんだけではありません。
地権者みんなの思いです。
その同じ思いで、今日も工事現場での抗議行動は続いています。
地権者、支援者ら猛反発 石木ダム土地収用裁決 [長崎県]
県と佐世保市が川棚町に計画している石木ダム事業をめぐり、県収用委員会が地権者4世帯に対して農地の明け渡しを求める裁決を出したことに対し、対象となる地権者や、付け替え道路工事現場の入り口付近で抗議活動を続ける住民、支援者たちからは県に対する反発や憤りの声が上がった。
付け替え道路工事の現場入り口では24日、県が工事再開を表明した5月19日から続けている地権者や支援者による抗議行動が早朝から行われた。県職員や作業員が現場に姿を現すと「今こそ考えよう、石木ダムと強制収用」「『石木ダム』の強制収用は許さない!」などと書いた横断幕を持って無言の抗議。県側は数回訪れては説得を試みたが、この日の作業は見送った。
裁決対象となった地権者の一人、川原義人さん(74)の農地には、田植えを終えたばかりの約千平方メートルの田んぼが含まれており「収用委員会も結局は県の回し者。県側の都合の良いように何でもつくられてしまう」と言葉少な。水田の明け渡し期限は10月30日とされ「体が持つまでは田んぼを続けたいと思っているが、どうなるか。期限が来て、県がどう出るかだ」と隠せぬ不安を口にした。
別の地権者は「知事は昨年7月に現地に来て話し合いを続けると言ったのに約束を守らなかった。県はいつも私たちを裏切ってダムを前に進めてきた。もう脅しには屈しない」と憤りをあらわにしながらも「毎日、必死の思いで抗議を続けている。必要のないダムに反対する支援の輪が広がっていることを心強く思っています」と話した。
一方、中村法道知事は県庁で記者団の取材に応じ「本来なら、きちんと地権者の理解をいただき、円満な形で土地を譲っていただくのが理想的な形と思っていた。裁決という形で結論が出たのは残念」と語った。ダムの必要性をあらためて強調し「これまでの方針を変えることは考えていない」とした。
県は補償金を地権者に支払い、収用が決まった土地約5500平方メートルの登記が終わり次第、工事に入る方針。今回対象となった土地に続き、県はダム本体工事のために家屋と土地約3万800平方メートルについても県収用委へ裁決申請する準備を進めている。ダムには地権者13世帯が反対している。
石木ダム農地収用 明け渡し期限最長10月30日 県、裁決書の内容明らかに
石木ダムは、治水と利水を目的に1975年に事業採択された多目的ダム。総事業費は285億円で2016年度の完成を目指しているが、建設に反対する13世帯の農地や住宅地など約15万平方メートルが未買収で本体工事に着手できていない。13年度までの進捗(しんちょく)率は事業費ベースで52%。
県河川課によると、裁決では土地の明け渡し期限について、8月24日と10月30日の二つを設定。一部の農地が耕作中であることに配慮したとみられる。補償額は公表していないが、地権者数が申請時(約4900万円)より4人減り、7人となったため減額されているという。
今後、県などは土地取得日の8月24日までに地権者に補償金を支払い、速やかに所有権の移転登記を行う。
記者会見した木村伸次郎・土木部政策監は、完成時期がずれ込む見通しを示し、今後、事業計画を見直す考えを明らかにした。
また、中村知事も報道陣の取材に応じ、「地権者の同意が得られるように努力したが、裁決という形になったのは大変残念」とした上で、「ダム建設は安全安心の確保の上で必要不可欠。事業推進に向け全力で取り組んでいきたい」と語った。
裁決の対象となった農地の地権者たちは、明け渡しに応じない姿勢を崩していない。
地権者の石丸勇さん(66)は「必要のないダムのために先祖代々の土地が一方的に奪われる。まさに暴挙だ」と批判。対象となった水田で稲作をしており「県が何をしようと、これからもコメを作っていく」と話した。
同じく地権者の川原義人さん(74)も「納得のいく話し合いもできていないのに、勝手に土地を取っていくのは許せない。最終的には家も収用の対象になるだろうが絶対にここを動かない」と語気を強めた。今後、弁護団と対応について検討するという。
川棚町のダム建設予定地では、反対派が付け替え道路工事の現場入り口で、「強制収用は許さない」と書かれた横断幕などを掲げて、県職員とにらみ合った。
石木ダム建設:収用裁決に反発 地権者「事業ありきで進めた」
毎日新聞 2015年06月24日
県と佐世保市が川棚町で進める石木ダム建設に向け用地の強制収用を可能とする裁決書がまとまったことを受け、反対派地権者は23日、県収用委員会を批判し「ダム事業ありきで進めた」と怒りの声を上げた。【梅田啓祐】
収用委は4世帯が所有する農地約5500平方メートルの補償額などに関する裁決書をまとめた。県の昨年9月の申請では、明け渡し期限は「裁決から60日以内」となっている。
対象の農地を所有する川原義人さん(74)は取材に「これからも変わらずに抗議し、土地を渡すつもりは毛頭ない」と述べ、明け渡しに応じない考えを示した。
ダム建設に関連して、現地では先月19日以来、反対派による県道付け替え工事の阻止行動が続いている。県は今月12日、反対派不在の早朝に重機を搬入したが、作業員の現場入りは度々阻まれている。23日午前も、県職員約15人が正面ゲートや脇道からの進入を試みたが、反対派約15人が無言で「石木ダム強制収用反対」などの横断幕を掲げて阻止した。
県石木ダム建設事務所の担当者は「今日はどの通路にも反対派が待ち受けていて阻まれた。これからも状況を見て、入れるときには入るつもりだ」と話している。
「良心の呵責」に耐えられなくなります
長崎県知事、河川課長、土木部長、広報課長、そして、佐世保市長等の石木ダム建設反対地権者に対してのやり方は、将来、「良心の呵責」に耐えられなくなります。
そして、生きている限り、トラウマになり、いじめたことや妄語をついたこと等、良心に苛まれるでしょう。
悩み、苦しむことになります。
儒教や仏教等が、教えています。
為政者たちの本当の苦しみは、これからです。
いや、もう苦しんでいます。