これからもずっとおいしいこうばる米2021

長崎県石木ダム水没予定地こうばる地区住民のいしまるほずみです。

11月はじめから注文受付を開始した、
「これからもずっとおいしいこうばる米」2021

注文締め切り日は、いよいよ11月30日までです。

現在も絶賛注文受け付けております!

今シーズンは、1,500キロのお米を確保しております。

そして、現在、大変ありがたいことに、約1,200キロに届くか届かないか…くらいまでご注文頂いております。

ご購入いただいた皆様、本当にありがとうございます。

あともうちょっと…もうちょっと伸びればゴールが見えてきそうです。

あともうひと押し、ご購入を検討中の方おられましたらどうかメールでの注文よろしくお願いします。

ちなみに、発送予定日は12月19日、この日に一斉にこうばる公民館で発送を作業を行います!

今年から事務作業などを分担して行なっております。
チームで取り組んでおりますので、発送まで一ヶ月ほどお待ちいただくこととなってしまいます。
申し訳ないですが、全ての人がボランティアで取り組んでおりますのでどうか大目に見てあげてください。。
お米はとってもおいしいです!
ギリギリ新米と呼べる?か!?ぐらいの時期なのですが…

これからもずっと美味しいこうばる米2021

長崎県東彼杵郡川棚町石木ダム建設計画地川原(こうばる)地区
石木川の綺麗な水で、
今年も美味しいお米が育ちました。
ぜひ食べてみてください。
今年は「石木川カレンダー2022」もついてます!

・白米5キロ 3,050円
・玄米5キロ 3,000円
・白米10キロ 5,100円
・玄米10キロ 5,000円

注文ご希望の方は、以下の必要事項をお送りください。

①注文内容
②配達希望日・時間帯
③郵便番号
④住所
⑤氏名
⑥電話番号
⑦メールアドレス

ご注文はこちらへ
yesishikiriver@gmail.com

お米をお買い上げいただくと…

1、農家さんの収入になります。
2、石木川流域を盛り上げる活動資金になります。

お米一袋につき1部「石木川カレンダー2022」をプレゼントします!

ご注文はメール(yesishikiriver@gmail.com)にて承ります。

ご注文締め切り 2021年11月30日(火)
お米の発送予定日 2021年12月19日(日)

代金は先払いです(お米代とゆうパック送料の合計)。
振込金額と振込先口座情報をメールでお送りしますので、
2週間以内に手続きをお願いいたします。
恐縮ですが、振込手数料はご負担ください。

お米の管理には万全を尽くしておりますが、不備がありましたら相応の対応をさせていただきます。

現地での引き取りをご希望の方は、原則として、発送日当日中にお引き取り願います。
それ以外の日程をご希望の方は、別途ご相談ください。

販売者代表 ISHIKI RIVER MUSEUM  いしまるほずみ

よろしくお願いします。

お米農薬の使用状況説明

まず、お米の品種は、ほとんどの農家さんが「ヒノヒカリ」です。
あと、「ニコマル」の家も少しあります。

農薬の使用については、すべての農家さんを把握していないのでその点については本当に申し訳ないのですが、
我が家の場合をお知らせしますと、
肥料として「BB水稲一発」一回、除草剤として初期「シング乳剤」初中期「スラッシャ粒剤」それぞれ一回、
今年は土壌改良剤として「ハイパー地力」を使ったようです。

毎日の抗議行動で以前のように田んぼの手入れはできていません。
農薬の量は普通の農家さんよりはかなり少ない方と思います。
無農薬や有機米ではありませんが、減農薬とは言えるでしょう。
わたしの家以外の農家さんもあまり変わらない状況です。

そのほかは草取りもちょこちょこしますが、 正直なところ、放置しています。。
 日曜日以外は、おじちゃんもおばちゃんも現場で抗議行動として座り込みに参加しています。
 そういうわけで、農薬の散布もろくにしないで放置状態…
私としてはその方がいいと思っていますが…
無農薬ではないけれど、ダム建設から土地を守るためにお米を作り続けています。

ご購入の際にご検討の材料にしていただけると幸いです。

詩「石木のタブノキ」

『北方(HOPPOH)』という文芸誌の185号(2021.10.31発行)に、「石木のタブノキ」という詩が掲載されました。

そう、あのタブノキ。石木ダム付け替え道路工事現場にあった大きなタブノキ。引き千切られ、引っこ抜かれて、打ち捨てられたあのタブノキを悼む詩です。
作者は石木川まもり隊のU・Mさん。

座り込み現場に集う私たちの想いを詩ってくれました。
ぜひ、じっくり読んでみてください。

 

石木のタブノキ

石木の人々の通い路に、タブノキが二本寄り添って大きくなりました。
大きなタブノキとそれより小ぶりのタブノキは、
数百年の風雪に耐えて、大きく枝葉を伸ばし、巨樹となりました。
夏には大きな葉を茂らせて人々に憩いの木陰を作り、
さまざまな草花や鳥や昆虫たちは、
タブノキと共に生命を育くんできました。
炎天下での座り込みの日々、
涼を求める人々を木陰に誘い、
涼しい薫風で私たちを慰め一息つかせてくれたタブノキよ。

無用で無駄な石木ダム建設という目的のために、
タブノキと共に営んできた動植物の生命サイクルはまた断ち切られました。
凄まじい暴力。
大きく豊かに茂っていたタブノキの枝葉、そして3メートルを超える幹は、
ユンボで無残に打ち砕かれて身ぐるみはがされました。

それでも大きく根を張っていたタブノキはびくともしませんでした。
でも、
二百年以上、大地に踏ん張っていたタブノキは、

再び力任せのユンボで大地からはぎとられ、傍らに打ち捨てられました。

バーミヤンの仏像がタリバンによって破壊された時、
タリバンは世界中の人々から野蛮なイスラム教条主義者として糾弾されました。
バーミヤンの仏像を毀棄したタリバンと
タブノキをねじり伐り倒した人々と何が違うのでしょうか

タブノキの精霊が嘆き哀しんでいます。
タブノキは告発しています。
断ち切られた生命連鎖の報復を受けるまで気づかないのかと。

処分をめぐる4つの不思議

長崎市内の小学校教諭による「処分取り消しを求める審査請求」が、いま話題になっています。

この件は石木ダムが根っこにあり、なおかつ当ブログにも関係することですが、当事者として発信することで、今後の審査に影響が出るのを恐れ、発信を控えていました。

しかし、マスコミ報道の中には誤解を与える部分もあり、やはり正しい情報をお伝えしたい。その上で、この問題を多くの人に考えてほしいと思いました。

11月9日、審査請求をおこなった教諭は弁護士とともに記者会見を行いました。
それを伝えるマスコミ報道の中で、ネット上で確認できるのはこちらの4つです。

毎日新聞 「長崎市教委は処分取り消しを」 小学校教諭が審査請求
https://mainichi.jp/articles/20211110/ddl/k42/040/330000c

長崎新聞 児童の石木ダム感想文提供 長崎市教委が訓告 教諭側「無効」求め市公平委に審査請求
https://nordot.app/830974288328048640?c=39546741839462401&fbclid=IwAR30_0WPAdZ0C1vNoyaW1kvK5rBNJuHR0swvnjDa4Jk8P2Ze8byMZTfiFoM

NCC 石木ダム見学企画した教諭が文書訓告処分とした長崎市教委に対し処分不当の審査請求
https://news.yahoo.co.jp/articles/c30dde9944ae884948fe308a2e6bfb521319cdad

NHK 石木ダム見学の感想文めぐり教員処分 取り消し求める審査請求
https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/20211109/5030013234.html

読者は、まず見出しを見ます。その見出しに興味や重要性を感じて初めて本文を読もうとするので、見出しは重要です。
その見出しに、今回は誤解や先入観を与えるものが多く、それが残念でした。

「石木ダム感想文」とか「石木ダム見学の感想文」とか書かれていますが、そうではありません。
児童が書いたものは「社会科見学の感想文」です。

まだできてもいない「石木ダム見学」など、とんでもありません。

このように、見出しだけを見ると、この社会科見学の目的が石木ダム問題に特化していて、感想文も石木ダムについて書かせたかのような印象を与えています。先生が偏向教育をおこなっていたかのように誤解した人もいたのではないでしょうか。

見出しだけでなく、本文にも、「教諭は昨年11月11日、担任のクラスを含む6年生を引率し、県と佐世保市が石木ダム建設を計画する同町川原地区を訪問。建設に反対する住民から話を聞くなどした。」と書かれた記事さえありますね。

しかし、事実は違います。「男性教諭は2020年11月11日、当時勤務していた市立矢上小6年の児童約80人を対象に『自然、平和、人権を考える』を趣旨とした川原地区での社会科見学」(毎日新聞)を行ったのです。

なぜそう明言できるかと言うと、実際に感想文を読んだからです。
60数人分(参加者全員が提出したわけではなかったようです)の感想文は、決して石木ダムについてだけ書かれていたわけではありません。自然、平和、人権、3つのテーマに沿って満遍なく書いている子もいれば、2つのテーマを選んで書いている子、1つのテーマだけの子などいろいろでした。

テーマを1つに絞った子どもたちの中で一番多かったのは「自然」でした。昆虫博士と呼ばれる専門家の巧みなガイドがあったからでしょうか、こうばるの野原で捕まえたバッタやカマキリに対するワクワクドキドキ感が多くの子どもたちから伝わってきました。

この社会科見学の目的が、石木ダム問題に特化していなかったことは、子どもたちの感想文を読んだ者として伝える責任があると思い、ここに記すことでその責任を果たしたいと思いました。

ところで、報道記事に書かれている内容を時系列で整理すると、
① 2020年11月11日、市立矢上小6年の児童約80人を対象に川原地区での社会科見学を実施。
② その後、教諭は児童が書いた感想文を見学のお礼として地元住民などに手渡した。
③ 12月4日、市民グループのブログに児童の感想文が掲載されたが、校長の指示ですぐに削除された。
④ 市教委は、保護者の許諾や校長の確認がないまま学校外に感想文を提供したこと等を理由に、今年7月、教諭を文書訓告とした。
⑤ 教諭はそれを不服として10月7日長崎市公平委員会に審査請求書を提出した。
ということのようです。

この事実を知って、私は不思議に思いました。

不思議その1.
「児童が書いた感想文を見学のお礼として地元住民などに手渡した」ことが、そんなにいけないことでしょうか?
市教委は「保護者の許諾や校長の確認がないまま」手渡したから処分したとのことですが、それはよくあることではないでしょうか?
修学旅行や体験学習などでお世話になった方へ、後日子どもたちの感想文が送られてきたというのはよく聞く話ですが、それらは全て保護者や校長の許諾を得た上でのことなのでしょうか?
少なくとも私自身は、子育て中、学校側からそんな許諾を求められた記憶はありません。

不思議その2.
「市民グループのブログに児童の感想文が掲載された」ことが、そんなにいけないことでしょうか?
名前も住所も写真も、個人情報にあたるものは何もありません。ただ社会科見学についての生き生きとした感想文が綴られているだけです。

それぞれが体感したこと、自然の面白さだったり、防空壕の不気味さだったり、川原のおじさんたちの故郷への想いだったり・・そういうことが真っ直ぐ伝わってくる感想文でした。余計な先入観で身構えない子どもだからこそ、見るもの聞くもの素直に受け止め吸収できるのだと感じました。各クラス2編ずつの計6編だけですが、ブログを通して多くの人に読んでもらい、社会科見学の素晴らしい事例として知ってほしかった。ただ、それだけです。
もしもその学校の先生方や保護者の目にとまっても、喜んでいただけるものと思っていました。

ところが、このブログをアップしたその日に、その小学校の校長先生から直接お電話があったのです。そのブログ記事のページを「閉じて欲しい」と。
理由は個人情報だからと。名前を出していなくても、子どもや先生が了解していても、親の了解が取れていないからダメだとのことでした。

「わかりました。ではいったん閉じますから6人の親御さんに確認して頂けないでしょうか。了解頂ける方がおられましたら、その方のお子さんの作文だけ、あらためて公開させてください」とお願いしましたが、校長先生の許可はいただけませんでした。

つまり、「親の了解」は言い訳で、校長先生自身が公開させたくなかったのです。なぜなのか理由を尋ねても説明はいただけませんでした。

不思議その3.
それにしても、校長先生はどうしてそんなに早く、この記事をご覧になったのでしょう?
もしや「石木川まもり隊」のフォロワー?そんなはずはありませんから、きっと誰かが知らせてきたのでしょう。その誰かも誰かによって知らされた。そして・・もとを辿れば、石木ダム反対運動を常に監視している誰かさん?に行き着くのでしょうか。

結局、校長先生も犠牲者かもしれません。あの社会科見学が実施できたのは、それまでの校長の理解があったからでしょう。理解というか、問題視されるとは思っていなかった?
しかし、マスコミ等で報道されると、高い評価が寄せられる一方で、市教委のお叱りを受け、校長自身が一番驚いたのかもしれませんね。

不思議その4.
では、なぜ、市教委はこの程度のことで処分まで発令したのでしょう?しかも、何か月も後になって。
社会科見学は昨年11月で、ブログへの掲載は12月はじめで、処分は今年の7月だったようです。

時期の問題はわかりませんが、処分の理由は、代理人弁護士が語っているように、「処分は県の公共事業を取り扱ったことによる報復的なもの」なのだとしたら、それは問題ですね。

県の公共事業ならばこそ、県民の利益のためになされるべきで、県民みんなで考えるのは当然です。
しかも、ダムのように50年も100年も存続する事業においては、次世代を担う子どもたちの声にも耳を傾けるべきです。考えるための材料や機会を与えようとした教師を処分するなど、あってはならないことです。

子どもたちが社会問題に関心を持つことを許さないそんな教育行政が続くかぎり、若者の投票率などいつまでたっても上がるはずはありません。

市教委は、今一度、教育基本法第16条「教育は、不当な支配に服することなく・・・行われるべきものであり、教育行政は・・・公正かつ適正に行われなければならない」を思い起こし、処分を撤回してほしいと思います。

最後に、皆さんからの不思議「先生は、なぜ川原住民でもないあなたに感想文を渡したの?」にお答えします。

私も不思議でしたよ。
川棚での集会終了後、初めて出会った先生に、いきなり渡されて。え?なんで私に?と思いました。

先生は、社会科見学について伝える石木川まもり隊のブログ記事を見ていたそうです。
https://ishikigawa.jp/date/2020/11/13/
そこには、このように記していました。

子どもたちの心にはどんな言葉や景色が残ったでしょう?
今回の社会科見学を計画してくださった先生や、その計画を実現してくださった校長先生や6学年の先生方の勇気に心から拍手を送りたいと思います。

それで、実際に見てほしい、読んで欲しいと思われたのでしょう。
また、まもり隊のホームページを見て事前学習の参考にもさせていただきましたから、ともおっしゃっていました。

それは何故かというと、修学旅行でも体験学習でも現地に行く前に事前学習をしますよね。
先生もはじめに県の河川課や佐世保市水道局に電話して、石木ダムについて子どもたちに説明して頂けないかとお願いしたそうです。
が、どちらからも断られ、仕方なく、石木ダムの目的や概要などを県のホームページから学び、反対派の見方は石木川まもり隊のホームページから学んだのだそうです。(少しでも何らかのお役に立っていたなら幸いです)

さて、審査請求は先月20日に受理され、「今後、公開での審査が行われる見込み」とのこと。
その成り行きを関心を持って見守っていきたいと思います。

石木川ミュージアム(連載4)

1月中旬からむくむくと動き出していた石木川ミュージアムの計画。

しかし、持病が悪化しうつ状態となって改装は進むもミュージアムは放置状態に。

そこへこうばる地区のサカエおばちゃんの訃報が入り、再起を図るほずみでしたが…

石木川ミュージアム連載3のつづきです。

石木川ミュージアム(連載1) : 石木川まもり隊 https://ishikigawa.jp/%e7%9f%b3%e6%9c%a8%e5%b7%9d%e3%83%9f%e3%83%a5%e3%83%bc%e3%82%b8%e3%82%a2%e3%83%a0/7576/

石木川ミュージアム(連載2) : 石木川まもり隊 https://ishikigawa.jp/%e7%9f%b3%e6%9c%a8%e5%b7%9d%e3%83%9f%e3%83%a5%e3%83%bc%e3%82%b8%e3%82%a2%e3%83%a0/7584/

石木川ミュージアム(連載3) : 石木川まもり隊 https://ishikigawa.jp/%e7%9f%b3%e6%9c%a8%e5%b7%9d%e3%83%9f%e3%83%a5%e3%83%bc%e3%82%b8%e3%82%a2%e3%83%a0/7623/

5月の間、一ヶ月ほど通ったら、やれそうなこと、不便なこと、改善点などが見えてきました。

それに、同時に疲れが溜まってきました。

わたしの体力に合わせたミュージアム作りをしなくては…

わたしの病気、精神疾患の双極性障害は二代精神疾患の統合失調症と同じでとっても疲れやすいのです。

体力がなく、脳がぐるぐるしやすく、薬は欠かせませんが、回復には本当のところ睡眠しかないのでは…という状況です。

そして、だんだん暑くなってきて夏本番の間は、ミュージアムにはほとんど通うことができません。

エアコンなんてついてませんから!

扇風機だけ、それに窓には網戸もないので蚊に襲撃されます。

なので、時々打ち合わせに場所として使う程度で、夏が去るのを待ちました。

9月に入って、やっとミュージアムの壁のペンキ塗りを実施。

大掛かりでした、一番大変だったところでした。

こうばる地区外からの友人たちに随分と助けられ、3日がかりで天井と壁をピンク色に塗り、

床のフローリングもニスを塗って補強しました。

友人たちには本当に感謝しかありません。

夏休みの間、クラシックな机と椅子(父が使っていたもの)を友人を通して

家具職人さんにバッチリ修理していただきました。

この机と椅子、戦前のものの可能性もあるとか。

物は大事にしたいです。

そして、その家具職人さんの本当に人の良いこと…

「支援を兼ねて」とのことで、たった一万円で修理していただいたのです。

本当に感謝に尽きます。

現在、制作の際にバリバリ使わせていただいています。

最高に良いです。

ミュージアムの壁のペンキ塗りが一気に進んだところでこの机と椅子を元の場所へ配置。

ミュージアムがまた一歩それらしく前進しました。

次回へつづく

石木川ミュージアム(連載5) : 石木川まもり隊 https://ishikigawa.jp/%e7%9f%b3%e6%9c%a8%e5%b7%9d%e3%83%9f%e3%83%a5%e3%83%bc%e3%82%b8%e3%82%a2%e3%83%a0/7738/
報告/こうばるほずみ

工事差止訴訟 270人が上告

川原住民の皆さんと支援者計270人は、10月21日の石木ダム工事差止控訴審判決を不服として、最高裁に上告しました。

正確には10月29日(金)付の上告申立書が11月1日(月)に福岡高裁へ届いたということで、最高裁に届くのはまだまだ先のことです。

一審、二審と負け続け、最高裁がその判決をひっくり返してくれる可能性はかなり小さいだろうという現実は受け止めながら、それでも私たちは上告しました。

それは、泣き寝入りしたくないから。憲法に保障された私たちの人権を守るためには、人権侵害されている当事者と、それを間近で感じている者が声をあげ訴え続けなければ、人権侵害が許されてしまうから。

また、諦めたくないから。もう1つの石木ダム訴訟(事業認定取消訴訟)のように今回も最高裁は上告を退けるかもしれない。それでも、最高裁が受理する可能性がゼロではない以上、私たちは諦めない。最後まで可能性を追い続けます。

諦めないことの大切さを控訴審判決が教えてくれたました。

法廷の内外で私たちは、覚書について声をあげてきました。その声が判決文の中で活かされていたのです。今日は、その声をご紹介します。

その1.
2021年6月18日、石木ダム工事差止控訴審で地元の石丸勇さんが意見陳述。その中で石丸さんはこう述べています。

「思えば、石木ダム建設計画は、長崎県が当初から県民と住民をだまし続けながら進めて来た事業だったのです。それは石木ダムの歴史からも明らかです。
事の始まりは、1962年に地元や川棚町に無断で現地調査と測量を行いました。
1972年にはダム建設のための予備調査を地元に依頼し、「予備調査はダム建設に直接つながらない」と説明しながら、地元住民が不安と不満を表すと「地元の了解なしではダムは造らない」「一人でも反対があるとダムは造らない」などと言葉巧みに住民をなだめました。「予備調査の結果、建設の必要が生じたときは、改めて書面による同意を受けた後着手する」旨の「覚書」を交わして住民を信用させ地元を予備調査に同意させたのです。時の権力者は長崎県知事久保勘一、住民説得に自信があったのでしょう。「覚書」の精神は守られるはずでした。」

しかし、その後の経緯は、次の通り。
1982年 県警機動隊を導入しての強制測量。(高田勇知事)
2009年 強制収用に道を開く事業認定申請。(金子原二郎知事)
2015年 4世帯の農地を強制収用。(中村法道知事)
2019年 川原住民の全ての土地と家屋を強制収用(同上)

49年前の久保知事が住民と交わした覚書は、本人を含む4人の知事全てが無視をして、事業計画を強引に前に進めてきたのです。
長崎県政には、「約束を守る」というごく当たり前のモラルが欠如しているようです。

その2.
10月の控訴審判決に向けて、私たちは8月からハガキ運動に取り組みました。

何千通というハガキが福岡高裁に届いたはずです。中には、ひとこと欄にこんなことを書きましたよ!と知らせてくださる方もいました。
その中のお1人、福岡市のOさんは一言欄にこう書いて送ったそうです。

「こうばるの皆さんのふるさとと暮らしを守ってください。住民との覚書を反故にして工事を強行する長崎県の姿勢は、決して許されるものではありません。一刻も早い工事差止を切に願います。」

佐世保市のMさんも、こう書いて投函したそうです。

「県営の石木ダムは県民のために造られるはずです。住民=県民の信頼を裏切り、覚書違反のまま建設を進めるなら、それは公共事業とは言えません。まずは約束を守り住民と話し合う、そのためにも工事の差止が必要です」

その3.
ハガキは個人によるメッセージですが、公正な判決を求める声は各団体からもあがりました。その数72団体。要請書送付団体
その中には、やはり、覚書について言及している要請文もありました。
要請書(石木川の清流とホタルを守る市民の会)

「…という覚書を締結しています。しかし、今日においても、長崎県はこの覚書を無視し、約束を守っていない。さらに、中村長崎県知事は、このまま工事を進め家屋等の行政代執行も排除しないと明言していますが、現憲法下において、家族が居住する土地・家屋を行政代執行した例はありません。これを実行するとなると…」

このように、いろんな人が、覚書を無視し続ける県のやり方は許せないという想いを声に出し始めました。それがきっと裁判官に届いたのだと思います。

司法にしろ行政にしろ、弱き者の声はなかなか届きにくい。
その現実に慣らされた私たちは諦めがちになりますが、やはり、諦めてはいけない。

「約束は守りなさい」という当たり前のことを、言い続けていいんだ、言い続けるべきなんだと、今回の判決文を読んで感じました。

そして、覚書には触れていませんが、裁判官の良心に響いたであろうと思われるメッセージもいくつもありました。
裁判官だけでなく、私たち自身の心にも沁みました。その一部をご紹介します。

要請書(長崎高等学校教職員組合)
要請書(言論の自由と知る権利を守る長崎市民の会)
要請書(よみがえれ長良川実行委員会30団体)
要請書(八ッ場あしたの会)
要請書(ラムサール・ネットワーク日本)
要請書(水源開発問題全国連絡会)

ぜひご一読ください。

これらのメッセージに私たちは大きな勇気をいただきました。

今回の上告人は270人ですが、その後ろから沢山のエールが聞こえてくるようです。

私たちは皆さんとともに、最高裁へも公正な判断を求め続けます。

石木ダムとカジノ、立候補者の政策は?

衆院選投票日まであと3日ですね。
すでに期日前投票を済ませた人もいるでしょう。

まだ自分の貴重な1票を託すべき人が決まっていない長崎県民の皆さん、こちらの情報を参考にしてみませんか?

10月24日の長崎新聞に掲載された候補者アンケートの結果です。
当スペースの関係上、2項目についてのみ貼り付けます。

<石木ダム>
・建設すべき=初村・加藤・谷川・石本・北村・萩原
・建設すべきではない=安江・山田勝彦・末次
・どちらとも言えない=西岡・松平・山田博司・田中

<IR>
・誘致すべき=初村・加藤・谷川・石本・北村・萩原・田中
・誘致すべきではない=安江・山田勝彦・末次
・どちらとも言えない=西岡・松平・山田博司

さすが自民党公認の候補者は全員、石木ダムもIR=カジノも推進で一致していますね。

それに対して立憲民主党は、候補者によって若干の差が見られます。
石木ダムもカジノも明確にNOと答えたのは、3区の山田勝彦さんと4区の末次さんで、2区の松平さんは△でした。

でも、この差の存在が大事だと思います。
党ではなく人で選ぶ、政策で選ぶ。
私たちの未来を託すのですから。

国民民主党の西岡さんは、どちらも△で、
共産党の安江さんは、どちらもNOでした。

また、ここには表示できませんでしたが、「選択的夫婦別姓」についての回答もお伝えすると、

賛成=西岡・安江・松平・山田勝彦・末次・北村・田中
反対=初村・加藤・石本
どちらとも言えない=山田博司・谷川・萩原

という結果でした。

みなさん、投票に行きましょうねー!

福岡高裁、初めて覚書に言及!

2021年10月21日(木)の昼下がり。
石木ダム工事差止控訴審判決の1時間前。

福岡高裁門前には、こんなに多くの市民が駆けつけてくれました。

いざ高裁へ。

14時30分。開廷

森冨義明裁判長:では、判決を言い渡します。

主文
1 本件各控訴をいずれも棄却する。
2 控訴費用は控訴人らの負担とする。

わずか数秒で終わり。
結果は予想通りとはいえ、
このようなやり方に私たちの落胆と悔しさは倍加する。

判決理由の説明もなく、
先月申請した弁論再開への返答もなく、
ただ機械的に主文の2行を読み上げただけ。
冷たい。冷た過ぎる。

コロナ禍の今、これで開廷する意味があったのか?
リモートで十分ではないか。
いや、判決文の送付だけでも事足りる。
傍聴席には、はるばる岐阜県から飛行機に乗ってやってきた原告もいるというのに・・

そんなことを思いながら福岡高裁を後にし、すぐ近くの報告集会会場に向かいました。

報告集会では、まず初めに弁護団事務局の平山弁護士から、判決内容についての説明がありました。

控訴審判決文(写真)

平山弁護士:まず、弁論再開の申し立てについては今日まで何の返答もなかったし、今日も触れられなかった。

判決について一言で言えば、内容の薄いものだった。
実質17ページの判決文で、しかもほとんどが事実の羅列であり、高裁の判断が示されたのはわずか4ページ。それも私たちが主張した平穏生活権に対しては、「主観的」「抽象的」「不明確」などと評価し、工事差止の根拠とはならないとした。これは一審の判決とほぼ同じ。

ただ、私が着目したのは最後の部分。覚書についてこう書かれている。
「3郷は長崎県知事を信頼し、川棚町長の協力を確信して、本件覚書に調印することを約束・・・そうであるにもかかわらず、未だ、本件事業につき地元関係者の理解が得られるには至っていない・・・県を始めとする本件事業の起業者には、今後も、本件事業につき地元関係者の理解を得るよう努力することが求められる」と。

覚書の存在が判決を左右するものではないと言いながらも、わざわざ判決文に記述されている。個人的には今回の判決で最も重要なところだと思う。

続いて、
馬奈木弁護団長:私が注目したのは受忍限度論

受忍限度論とは、被害と公益を秤にかけ比較衡量する。
そしてまず我慢しなさい、その我慢が一定の限度を超えたら損害賠償しますよ、お金をもらっても我慢できないというところまできたら止めてあげます、という恐ろしい理論。その論理がこの判決で採用されている。

私たちは四大公害訴訟を通して、人が生存し生活する権利は秤にはかけられない守るべきものと考え、それを認めさせてきたと思っていた。しかし、それは私の幻想だったのかもしれない。原発訴訟では経済的効果と生活権を秤にかけるのが当たり前のようになってきた。このような流れをどう変えていくか。

また、仮に受忍限度論で裁くにしても、この裁判では肝心の公益性の大きさが示されていない。石木ダムでこんなに大きな利益が得られるよという説明もなく、被害は大したことではないので我慢しなさいという、論理破綻の判決である。

しかし、どんな判決が出ようと、社会通念こそが大事。こんなダムは要らないという県民の声、こんな事業はおかしいという国民の声、それが社会通念となるよう頑張っていきましょう。

続いて原告を代表して地元住民の方の感想です。
岩下和雄さん:私以外の住民は今日も現場で座り込みをしている。今日の判決に少しは期待していた(新たな証拠を提出していたので)が、この結果に腹立たしさを覚える。

裁判所はなぜ本当のことを審理しようとしないのか。行政の言いなりだ。
私たちは最高裁に上告する。そして、その結果がどうであれ、石木ダムは必要ないと県に訴えていく。今後とも皆さんのご協力をお願いします。

(会場から大きな拍手)

司会者
石木ダムは地元の方だけの問題ではありません。私たち長崎県民はもとより、ここにいらっしゃる福岡県民の方の税金も使われています。人口減少社会において無駄な公共事業を許し続けていいのかという全国的な課題だと思います。これからも共に闘っていきましょう。

このあと記者団からの質問に入りました。

六倉記者(長崎新聞)
この判決は一審の長崎地裁佐世保支部の判決を支持したものと言えるのか?
・今回も利水・治水に対する判断はほとんど言及されなかったのか?
・そして、覚書に対する言及はこれまでの判決ではなかったのか?
以上3点について伺いたい。

平山弁護士
・人格権が工事差止の理由にならないという一審の判決を基本的に踏襲している。
・利水や治水の観点から石木ダムの必要性についての言及はない。それは事業認定取消訴訟で扱われるものとして区分している。
・過去の判決においては、事実経過の中で触れられることはあったが、裁判所の見解が示されることはなかった。

山口記者(西日本新聞・福岡):判決で覚書に言及されたことについて、岩下さんはどう思われたか?

岩下さん:話し合いをしろとは書かれていないが、地元の理解は得られていないと書かれているので、県はそれを真摯に受け止めて、必要性についての話し合いに応じてほしいと思う。

馬奈木弁護士:つまり、裁判所は県に対し「説明義務を尽くしていないよ」と言っている。以前私が関わったし尿処理場に関する裁判で、裁判所は違法との判決を出した。それは、いくら必要な公共事業であっても住民との合意形成が大事だ。そのためのアセスメントを実行し、その結果を説明すべきだったが、それをやっていないから違法だと。しかし、今の裁判所は違う。説明不足を認めながら、でも差止の理由にはならないと堂々と述べている。残念だ。

山口記者(NBC長崎放送):覚書は、いつ誰と誰が交わしたものか?

平山弁護士:昭和47年7月29日に、地元住民(川原郷・岩屋郷・木場郷の各総代)と長崎県知事が、川棚町長を立会人として交わしたもの。同時に川棚町長と3郷の間での覚書もある。これは、県が覚書を破ったときには川棚町は住民と共に県と闘うと書かれている。

山口記者:
それを効力があると裁判所は認めたのか?

平山弁護士:
効力があると思うからこそ、「理解を得るよう努力することが求められる」と記述されていると理解していいのではないか。

原口記者(朝日新聞):裁判所は人格権を認めているのか?認めた上で受忍限度の範囲内と言っているのか?

平山弁護士:控訴人としては人格権を主張しているが、裁判所は、その内容が抽象的なので差し止め請求の理由にはならないと言っている。

この後、会場からの質問や意見が出されました。
ほとんどの方が意見や情報提供で、質問はお1人だけでした。

福岡市民:今年8月豪雨の記録により県の治水計画が間違っていたことが明らかになったと思うが、それを最高裁への上告理由にすれば勝てるのでは?と素人なりに感じた。その見込みはどうなのか?

馬奈木弁護士:残念ながら、その観点でひっくり返せるとは思えない。
最高裁で唯一ひっくり返せるとしたら、地元の皆さんの要らないという声が目に見える形で出てくること。例えば県知事選で、石木ダムは要らないという人が勝てば民意が見えるし、その人が知事になれば、行政の裁量で石木ダムを止めることができる。

裁判で勝てばダムは止まると思ってはいけない。同時に負けたら終わりだとも思ってはいけない。裁判を通じて、行政がおかしいことをやっているよということを社会的に明らかにする、それが裁判の目的である。

以上、報告集会でのやりとりをまとめながら改めて実感したのは、覚書の力です。

今回の判決の最重要ポイントは、紛れもなく、覚書について初めて判決の中で裁判官の意見が述べられたことです。

覚書:久保知事と

覚書:竹村町長と

この2つの覚書の存在を知った誰もが驚きます。
① 知事は住民に対し、「今回はあくまでも調査だけ。ダム建設の必要が生じた時は協議の上、書面による同意を受けた後着手する」と約束し、
② そこに立ち会った川棚町長は、「県が約束を破った場合は、川棚町が全力を挙げて工事を阻止する」と約束していたのです。

住民はその約束を信じて調査に同意したのに、その約束は完全に反故にされたまま工事だけを推し進めているのが現実です。

こんなこと許されるの?と誰もが思いますよね。
約束は守らなくちゃ!
でも、これまでの裁判官は誰もその当たり前のことに言及しなかった。今回が初めてです。
やっと社会の常識が判決文の中で表明された!

判決結果を左右するには至らなかったけど、この事実は大きいと私は思います。

「住民の理解を得るよう努力すること」
これは実は今まで何度も目にしたフレーズなのです。

その1)2012年4月26日の「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」で、「石木ダムに関しては、事業に関して様々な意見があることに鑑み、地域の方々の理解が得られるよう努力することを希望する。」(議事要旨より)との付帯意見が付きました。

その2)2012年6月11日、国土交通相が石木ダム検証結果として事業の継続を認めましたが、同時に「地元の理解を得る努力を希望する」と県に通知しました。

その3)2015年10月14日、長崎県公共事業評価監視委員会が知事に提出した意見書には、石木ダムについて「反対地権者の疑問点について説明を継続し、円満な解決が図られるよう最大限努力することを求めたい」と書かれていました。

つまり、補助金を出している国からも、第三者委員会からも「住民の理解を得る努力」を既に求められてきていたのですが、ついに昨日、司法の場でも求められたということです。

それにしても、なぜ今回の判決で、このような、県への要望が出されたのでしょう?
それは裁判官に聞いてみないとわからないし、聞いても答えてはくれないでしょうが、もしかしたら・・・と、私は勝手に想像しています。

今回の判決前に日本中の支援者が声をあげてくれました。
北から南からたくさんの方が福岡高裁の担当裁判官宛てにハガキでメッセージを送ってくださいました。

少なくとも3000通以上。
私たちが印刷所に発注したハガキが3000枚で、欲しいという方にのみ配布したのですが、それが全て底をつき、自分で印刷して出した人もたくさんいましたから。

そして、個人だけでなく、団体としても、公正な判決を求める要請書が次々と送られました。そこには、心に残るメッセージがいくつもありました。(後日公開する予定です)
いただいたコピーを見ながら、どうかこの文書を裁判官が読んでくれますように!と願わずにはいられないようなものが・・

そして多くの方が、裁判官に、良心に沿った判決を!と訴えていました。

きっと読んでくださったのですね!
主文には反映されなかったけれど、判決文の中でそれを書いてくださったのだと信じたい。

良心に沿って考えると、やっぱり約束違反は見過ごせないな~
せめて一言触れておかねばと。

私たちも努力しましょう。
この事実を多くの人に伝えましょう。
そして、県に求めていきましょう。

石木ダムの必要性を住民にしっかり説明してください、と。

説明無くして理解は得られません。
理解とは一方的な説明では得られません。
相手の疑問にも丁寧に答えてやっと得られるものです。
丁寧に説明したつもりでも1回では理解できないことはたくさんあります。
2回でも3回でも相手が納得するまで説明する。
そうして初めて努力したことになるのです。

その努力もしないで強制収用など、本当はあってはならないことだったのです。
が、今からでも遅くないので、理解を得るための努力を始めてください。

弁護団と私たち7団体による声明文はこちらです。

控訴審判決声明

 

石木川ミュージアム(連載3)

石木川ミュージアムの立ち上げまでの道のり。

石木川ミュージアムの改装に向けて、おばちゃんたちの協力を得てお部屋の片付けと掃除までは完了。

連載2のつづきです。

石木川ミュージアム(連載1) : 石木川まもり隊 https://ishikigawa.jp/%e7%9f%b3%e6%9c%a8%e5%b7%9d%e3%83%9f%e3%83%a5%e3%83%bc%e3%82%b8%e3%82%a2%e3%83%a0/7576/

石木川ミュージアム(連載2) : 石木川まもり隊 https://ishikigawa.jp/%e7%9f%b3%e6%9c%a8%e5%b7%9d%e3%83%9f%e3%83%a5%e3%83%bc%e3%82%b8%e3%82%a2%e3%83%a0/7584/

改装は順調に進んでおりましたが、わたし自身の体調がかなりしんどくなっておりました。

カレンダー配布の件ですでに疲弊していましたし、2021年冬、とうとう長いうつ状態に入りました。

その間、2月の2~3週間ほど時間をかけて地元の大工さんにお願いして
トタンがむき出しになっていた部屋にベニヤの壁を貼っていただいてました。

実際の改装費用よりもかなり安くしていただき、感謝…

お部屋の電気工事は、地元の岩下さんに無償でやっていただきました。

こちらにも本当に感謝です。

石木川ミュージアムの改装費用はカレンダーの売り上げを大いに活用させていただきました。

買ってくださったみなさん、寄付してくださったみなさん、本当にありがとうございました。

私はというと、この改装期間中はほぼ何もできないまま、二、三ヶ月が経過。

改装中、何度か現場を見に出向く程度で(でも、うつ状態で本当は誰とも接したくない心境…)

改装は無事に完了したのちもその後しばらく放置…

体調が優れず自宅に引きこもり状態で両親に当たり散らす日々が続いていました。

そこに突然入ってきた訃報。

2021年4月20日のこと。

ダム小屋に通っていた岩永サカエさんが突然亡くなったという知らせが入りました。

その日も、わたしは気分が優れず抗議行動に出かけていた母に突然電話をかけ、

「わたしの話を聞いてほしい!」と言って急遽母は帰宅してきました。

ところがいざ母と話をしようとしたら我が家に訪ねてくる人があり、

お隣の家の岩永サカエさんが社協の「いきがいセンター」の温泉施設で倒れて心肺停止状態だと、

家族の方に連絡しても電話が繋がらないので親戚の女性が我が家を訪ねてきたのでした。

実は母は民生委員をやっておりまして、ピンチヒッターで慌ててサカエおばちゃんの所に向かいました。

突然の訃報に私は目が覚めたような感じになりました。

人っていうのは、明日どうなるかもわからんのやなぁ…と。

あんなに元気で、死にそうになかったサカエおばちゃんがまさか。

それがきっかけとなり、石木川ミュージアムをどうにか始めてみよう、動かしてみようということになり、

机や椅子、丸太のテーブルを持ち込みまして、試しに作品を展示。

まずは、宣伝なしでミュージアムに通うリハビリから始めました。

2021年5月はじめのことでした。

次回へつづく

石木川ミュージアム(連載4) : 石木川まもり隊 https://ishikigawa.jp/%e7%9f%b3%e6%9c%a8%e5%b7%9d%e3%83%9f%e3%83%a5%e3%83%bc%e3%82%b8%e3%82%a2%e3%83%a0/7684/

報告/こうばるほずみ

必見!候補者は石木ダムをこう考えています

一昨日公開した「2021衆院選立候補予定者への石木ダムアンケート結果」が、こんなに見やすくなりました!

 


ホントに見やすくて、候補者の考えが分かりやすいですね。

「投票するときの有益な情報なので、シェアされやすいように」と、プロの方のご厚意による編集です。

1人でも多くの長崎県民に伝わりますように、拡散へのご協力よろしくお願いします!

 

衆院選2021 立候補予定者への石木ダムアンケート

10月11日、私たちは衆院選立候補予定者への石木ダムアンケート結果を記者発表させていただきました。

未だに解決の見通しが立たない石木ダム問題を、次期衆議院議員になろうとする皆さんはどのように考えているのだろう?私たちも知りたいし、多くの県民にも伝えたい。そして投票の判断材料の一つにしてほしいと思ったからです。(公表することは回答者の皆さんには事前にお伝えしています)

まず初めに、このアンケート調査の趣旨を説明しました。

・石木ダム建設は長年にわたる県政の重要課題であるにもかかわらず、これまで選挙の争点にはなってこなかった。それは県民の多くが無関心だったから。

・その無関心が政治家をも無関心にさせ、この問題の解決を先送りしてきた。

・しかし、気候危機が進む今、治水対策は国家的課題であり、環境問題は持続可能な社会を目指す国際的課題である。そして人権問題や公共事業のあり方、それら全てが詰まった石木ダム問題は私たち県民一人ひとりが考えるべき問題である。

・今回の選挙がそのきっかけになることを願って・・・。

続いて結果発表に進みましたが、その後の記者団からの質問で、調査方法などを聞かれたので、それを先に記しておきます。

<調査の概要>
・調査対象者=立候補予定と報道されていた11名(1区=西岡秀子、初村滝一郎、安江綾子、2区=松平浩一、加藤竜祥、3区=谷川弥一、山田勝彦、山田博司、4区=末次精一、北村誠吾、瀬川光之各氏)

・調査方法=アンケート用紙を郵送し、回答はFAXで返送。

・発送日=9月1日。(12日に擁立が確定した加藤氏には9月14日に発送)

・回答期限=9月20日。(加藤氏のみ9月22日)

・回答者=11人中8人が回答(記者会見の時点では7人だったが、その後1人から送られてきた)回答をいただけなかったのは、谷川弥一、瀬川光之、加藤竜祥各氏

回答形式
・2つの選択肢から1つを選ぶ形式=10問
・4つの選択肢から複数を選ぶ形式=1問
・自由記述=1つ

質問内容について
2021衆議院議員選挙にあたってのアンケートのお願い

回答結果について
2021衆院選立候補予定者アンケート結果一覧表

印象的だったのは、

住民を実力で排除することに賛成ですか、反対ですかに対し、8人中7人が「反対」、1人は無回答

意外!自民党の北村氏も反対とのこと。中村知事に提言してほしいな~

佐世保の水需要予測は合理的だと思いますかに対し、8人中5人が「合理的ではない」、1人は「合理的である」、1人は「回答を差し控える」、1人は「全ての判断材料をもちあわせていない」

う~ん。北村氏の目にはこのグラフがどうして合理的に見えるのかな~(アンケート用紙に添付していたのだけれど・・・)


川棚川水系の水害対策として優先すべきものは何ですか(複数選択可)に対し、8人中5人が「堤防整備」を、3人が「河道掘削」を、1人が「石木ダム」、1人が「優先順位をつけることは困難」、1人は「回答を差し控える」つまり、多くの人がダムよりも堤防整備や河道掘削を選んでいた!

・ということは、多くの候補者が石木ダム計画に納得していない。ではどうするか?その方法として自由記述欄に書かれていた意見は、ダム事業について中立、独立の機関による・・・必要性等を精査すべき」「公共性の再検証が必要」「地権者の皆さんだけの問題ではなく、私たち長崎県民にとっての環境問題」「県民的議論を深めるための情報公開を求めていくなど。

真の再検証のシステムが実現すれば、多くの無駄な公共事業を減らすことができますね。
そこに投じられていた莫大な税金を、本当に必要としている事業に使うことができます。

今回のアンケート結果が少しでも多くの長崎県民に届くことを願っています。
拡散へのご協力よろしくお願いします。 =^_^=