石木ダム事務所長さんへ質問とお願いに行きました

8月10日、私たち「石木川まもり隊」と、「石木川の清流を守り川棚川の治水を考える町民の会」「水問題を考える市民の会」「石木川の清流とホタルを守る市民の会」の4団体は、石木ダム建設事務所に申し入れに行きました。

目的は、先日同事務所から送られてきた文書について疑問点を質し、

私たちの考えを伝え、お願いしたいことも有り…

問題の文書については、5日に詳しく紹介しています。

https://ishikigawa.jp/blog/cat13/599/

 

質問と回答は以下のとおりです。

Q 誰に出したのか?

A 共有地権者全員へ

Q 何の目的で出したのか?

A 一つ目に、国の対応方針が出たことを知らせるため、

  二つ目に、ダムの必要性に対する理解をお願いするために

  三つ目に、土地譲渡への協力をお願いするために送った

Q なぜ知事名ではなく、ダム建設事務所長名で出したのか?(これまでは知事名だったと思うが)

A 目的の三番目の担当がダム事務所の仕事であるから

Q  「地域の方々の理解が得られるよう努力することを希望する」ことが書かれてないのはなぜか?

A 当然のことなので、あえて触れなかった

Q  「ダム建設は、先祖から受け継がれた自然豊かな土地や長年住み慣れた古里を失うことなど、
   心の痛みや苦しみ、悲しみが伴うものであり、このような地権者の皆様の思いがあることを肝
   に銘じ、決しておろそかにしてはならないと考えております」と書かれているが、
   そうであるなら当然、石木ダム建設を中止すべきではないか?

A 地元の方のそのような思いを十分考えた上でもダムは必要というのが私たちの結論である

 

所長さんの回答を聴いて、私たちが強く反論したのは、

 1.国の方針が出たことを伝えるのが大事な目的ならば、その内容は正確に書いて伝えるべき。

   これは付帯意見を全く無視しており、認められない。

2.その国の方針は、「ダムの必要性を客観的に認めた」と書かれているが、実際は客観的ではない。

  県の結論をただ追認しただけ。

  国がチェックしたのは手続き上のことで、中身については何も議論されていない。

3.「地域の方々の理解が得られるよう努力する」のは当たり前と言うが、どのようにしてやるのか?

  

ここで、いつものように誠心誠意とか、衷心よりとかの言葉しか出てこない。

具体策は思いつかないのか言えないのかわからないが…

そこで私たちが提案したのは、公開説明会。

所長さんは、「え?説明会?もう何度もやったじゃないですかー」と。

 

いいえ、県が国に検証結果として報告した内容の説明会です。

それについては、私たちは一度も聴いていません。

石木ダムは私たちの税金を投入して造るのですから、

その私達への説明責任があるでしょう?

私たちは必要性が理解できないと言っているのですから、

国が付帯意見で言っているように、

私たちの理解を得る努力を、貴方がたはしなければならないのではありませんか?

 

はじめは「説明会をするつもりはない」と言っていた所長さんも、

上に伝えると約束してくださいました。

 

「上」の方、どうぞよろしくお願い致します。 

 

「内部被ばく…」上映会と石木ダム

   

鎌仲監督の最新作「内部被ばくを生き抜く」の上映会が東彼杵町で開催されました。

8月9日、長崎原爆のその日です。

原爆被爆者と同じように、原発事故で内部被ばくし続けている福島とその周辺の人々。

特に子供たちへの影響が心配されています。

 

上映後、鎌仲監督のトーク。

核燃サイクルや医学的な話をわかりやすく解説し、

子どもの命を守るために様々な問題に直面し、頑張っているお母さんやお父さんたち、

その人々への補償や除染など一向に進まない現実などなど、あっという間の1時間でした。

 

その後、なんと!石木ダム問題について、ほんの9分ほどですが、話をさせていただきました。

実は、この上映会の実行委員長は、私たち「石木川まもり隊」の隊員なのです。

彼女は、原発とダムの共通項(地球の汚染、自然破壊、地域の分断)に目を向けて欲しいと

仲間の皆さんを説得し、鎌仲監督の快諾も得たのです。

 

とてもありがたい申し出でしたが、

でも、本当にいいんだろうか?放射能や原発の話を聴きに来たお客様に石木ダムの話をして…

と不安も抱きつつ、彼女の熱意を無にしないよう、与えられた9分間を有効に活かそう…

と頭を切り替え、資料を作ってみました。

 

たぶん石木ダムのことはほとんどご存知ないか関心がない人々が多いだろうと想定して、

まず石木ダム計画の概要を記し、私たちがダムに反対する理由を示しました。

そして、裏には、

ダム事業に参画したために、大きな負債を抱えることになった市や県の事例をリストアップ。

 

ダムそのものには関心がなくても、無駄な公共事業については県民として耳を傾けてもらえるだろう。

そしてその無駄な事業によって自然が破壊され、環境に大きな影響が出るとなれば、

核汚染に関心を持つ人々なら、理解してくれるだろう…

そんなことを思いつつ話すポイントなど準備していきました。

 

ところが、いざ話しをしてみると、予定通りにはいかないもの…

私たちがダム計画に反対する理由の1つ、

今現在そこには13軒の家庭があり、70人の人々の暮らしがあるのだという紹介の前に、

原発でふる里を追われ、ふる里に戻れなくなって、疲れ果て自殺した方のことが、ふと頭に浮かび、

ついさっき鎌仲監督が話してくれた、福島浜通りのお年寄りの自殺が多いことも思い出され、

言葉が出なくなりました。

 

時間がないんだから早く話さなくちゃ…

と、もう一人の自分の声が聞こえるんですが、胸が詰まって声が出ません。

ムリムリに話し出しても途切れ途切れで…

ふと用意していたタイマーに目をやると、残り時間1分ほど。

慌てて現実に戻り、残りはほとんど流してしまい、

「あとはお帰りになって、この資料をよーく読んでくださいね」という始末。

トホホでした。

 

受付のところに置いてある「こうばる通信」や「ダムのツボ」も、是非手にとってみてください。

そして、よかったらお持ち帰りください!

なんてアピールするつもりだったのに、それもすっかり忘れてしまい…

ほーちゃん、ごめんね〜

 

 

 

 

アンケート「本当に必要ですか?石木ダム」

8月5日、日曜日、佐世保の最高気温は37度に達し・・

ちょうどその頃、私たちは、佐世保唯一の?繁華街アーケード街でアンケート調査を実施。

デパート玉屋入口横で、駐車場の前という立地。買い物客を狙ってのことでしたが…

 

 

この暑さ、この強烈な日差しに、人々は避けて通ります。

横断幕の下の白い部分はコンクリートではないんですよ。

手前の石畳のような歩道が長テーブルの下までずっと続いているのですが、

強すぎる日差しに反射して真っ白に写ってますね〜

せっかく展示した写真や資料も、近寄って見てはもらえず・・

それに遠くから見ると、後ろの看板(和牛の祭典だの、チャリティナントカだの)が邪魔して、

目立ちませんね〜トホホ・・

 

で、私たちは、こんなこともあろうかと…

用意していた画板にアンケート用紙をはさんで、日陰の方へ移動。

通行人の方に、「石木ダムについてアンケート調査をやっていまーす、ご協力をおねがいしまーす」

と声をかけると、けっこう応じてくださる方もいて、嬉しくなりました。

 

若い方は自分で書いてくださいますが、

ご高齢の方には、聞き取り調査のような形で、

質問を読み上げ、頂いたお返事をこちらで代筆していきました。

 

用意したアンケート用紙は100枚。

予定時間は3時間。

半分の50枚埋まればいいかな〜と思っていたのですが…

 

なんと、2時間で100枚終了!

驚きの結果でした。

理由の一つには、この日は佐世保のお祭り「シーサイドフェスティバル」の日でしたし、

すぐそばの島瀬公園ではアメリカンフェスティバルも開催中で、

いつもより人通りが多かったこともあるでしょう。

もう一つの理由は、助っ人で来てくださった川棚のKさんの呼び込み?のおかげ。

Kさんが声をかけると、アンケートに応じてくださる確率がとても高いのです。

どんな秘訣があるのか…次の機会があったら、じっくり観察してみたいものです。

 

さて、アンケートの結果をご報告します。

まず、100枚完了と思っていましたが、持ち帰った用紙は97枚でした。

テーブルに置いていた時に、風で飛ばされたのかもしれません。

しかも、そのうちの1枚は白紙でしたので、有効回答は96人分ということになります。

 

   

 

以上のような結果でした。

予想通りのこともあり、意外なこともあり、現実を知るためにアンケート調査は大事なことだと、

あらためて思いました。

 

予想通りだったのは、

「佐世保は慢性的な水不足だ」と答えた人が32人もいたこと。

ちょうど3分の1です。

3人に1人はそう思っているってこと。

「あなた自身が水不足で困っているか」との質問にイエスと答えた人は5人ですから、

自分は水不足じゃないけど市全体としては水不足だという思い込みがあるのですね〜

平成6年〜7年の渇水経験がトラウマになっているのかもしれませんし、

市や水道局のマインドコントロールもしっかり効いているのでしょう。

 

そのマインドコントロールされている人の多くは、やはり「石木ダムが必要」と答えます。

人数では26人、全体の27%でした。

 

しかし、意外だったのは、その倍以上の55人の人が「必要ではない」と答えていることです。

57%の確率。

これはとても大きい結果です。

「石木ダムは市民の願い」という看板は誇大広告である、ウソであると自信を持って言えます。

 

でも、もっと意外だったのは、

「石木ダムが必要」と答えた人に、

建設予定地で暮らしている約70人の人たちを「強制的に追い出してでも必要ですか?」との問いに、

11人(必要と答えた人の42%、全体の11%)の人が、「必要」と答えたのです。

佐世保市民の1割強の人は、そんな風に考えるのか…と思うとちょっとショックでしたが、

でも逆に、9割近い人は強制収容をしてまで石木ダムは望んでいないんだ!と考えれば、

心強い気もしてきました。

 

最後に私が対応して印象的だったケースを紹介します。

 

1) その男性はそれほど高齢には見えないのに「僕は書くのは苦手だから」とおっしゃるので、

質問を読み上げていきました。

②で珍しく「はい」と答えられたので、「どのように困っているのですか?」と尋ねると

「う〜ん」とおっしゃったまま返事が返ってこないので、

③に進みましたが、そこでも無言。

④に進んだらすぐに「必要」

⑤でも「必要」と即答でした。

「よほど水に困ってらっしゃるんですね。何か水を使うお仕事をなさってるんですか?」と尋ねたら、

にこにこ笑顔で「いいえ。でも佐世保市にはダムが必要なんですよ。僕は佐世保市民だから」と。

なんだか少し背筋が寒くなる感じがしました。

 

2) その女性も、「水に困っている」で「はい」を選びました。

「どういうふうに困ってらっしゃるんですか?」と訊いたら、

「お庭にね、植木鉢が120以上もあるんですよ。

夏は、朝夕2回も水遣りせんといかんでしょう?だから水道代がグンと跳ね上がるんですよ。

佐世保は水が少ないから水道代が高いんでしょう?

石木ダムができたら水が豊富になるから安くなると思って・・・」

だから石木ダム!?という怒りを心に秘めて、にっこり笑って、

「それは逆なんですよ。ダムを造るには建設費がたくさんかかるでしょ?

それだけじゃなくて、導水管とか浄水場とか新たに施設を造らなければならないから、

水道局は今以上に経営がたいへんになって、当然水道料金も値上げになるようですよ」と言うと、

「えー!今より高くなるの?!それは知らんかった。それならダムは造らんほうがいいね〜」

 

3) もう一つのケースは母娘3人連れでした。

「佐世保は慢性的な水不足?」「うん」「だよね」

「あなた自身は水不足で困ってる?」「ううん」「別に」「困っとらんよ」

「石木ダムは必要ですかだって」「必要やろ?」「そうかな〜」「必要さ」

「70人の人たちを強制的に追い出しても必要ですかだって」

「要らんっちゃない?」

「要らんよね」

「どうして?水不足になったら、あんたたちプールに入られんごとなるよ」

「そうかぁ」

「そうだけど、追い出してダム造って、そこまでして泳ぎたくないよ、私は」

「そうだよね。私もそう思う」

「そうね。そんならこっちに丸しとこう」

 

佐世保の未来は、今より明るいかも…

そう思いつつ、三人の後ろ姿に、ありがとうございました〜  

 

ダム事務所長さんからのお手紙

8月1日、私たち(石木ダム建設用地の一部の共有地権者)宛に、

石木ダム建設事務所所長の名前で簡易書留が届きました。

何事か!?

と、開封してみると‥

 

 

は?

「石木ダム事業について」というタイトルも漠然として内容不明ですが、

中身を読んでも、やはり不明でした。

わざわざ書留料金を使って送られたからには、

よほど大事なこと、伝えたいことが書かれているのだろうと

少しドキドキして開いたのに、肩透かしを食った感じです。

暑さのせいで、頭の回転が鈍っているのかも‥ともう一度読み返しましたが…やはり不明。

 

いえ、全くわからないわけではありません。

確かに、国から届いた通知(石木ダムに関する補助金交付を継続する)についてのお知らせ

ということはわかります。

補助金を継続するということは、石木ダム事業の継続を認めるということですから、

関係者である私たちに、その結果を伝えようとなさった…という点はわかります。

 

しかし、そのような事務的な通知であるなら、なぜ正確に伝えて頂けなかったのか?

国は「補助金交付を継続」すると通知したけれど、そこには、

「石木ダムに関しては、事業に関して様々な意見があることに鑑み、地域の方々の理解が得られるよう努力することを希望する」

との付帯意見があったのに、それについては全く書かれていない。

それは何故?

 

都合の悪いところは触れずに、「石木ダムの必要性に対して」国が「客観的な判断」をして、

認めてくれたのだから、あなたたちの負けですよ、諦めなさい、

と言いたかったのでしょうか?

 

「石木ダムの必要性と、事業に必要な土地について、ご理解を賜りますよう…お願い申し上げます」

とあるけれど、どう理解すればいいのでしょう?

土地を早く売る気になってくださいと言いたいのなら、なぜそのように書かないのでしょう?

 

そして、「ダムの建設は、先祖から受け継がれた自然豊かな土地や長年住み贋れた古里を失うことなど、心の痛みや苦しみ、悲しみが伴うものであり、このような地権者の皆様の思いがあることを肝に銘じ、決しておろそかにしてはならないと考えております」

と本気で思っているのなら、

そのように「心の痛みや苦しみ、悲しみ」を県民に与えることは中止すればいいではありませんか?

でも、そうはしない。

ということは、本気で思っちゃいない…ということ。

 

本気で思っていないのに、何故そんなことをわざわざ言ってきたのか?

それこそ、国の付帯意見に対して、こんなに努力していますよ、

というデモンストレーションにほかならない…

そんなことのために、決して安くない送料を使ったんですね〜

 

誠心誠意という言葉が聞いて呆れます。

そんな安直な考えだから、いつまでたっても地元地権者の皆さんとの話し合いができないんですよ。

 

この書留を受け取った友人たちから、

「こんなものがきたけど、何が言いたいのか意味がよくわからない、ほっといていいの?」

と質問メールが殺到しています。

 

理解して欲しいなら、奥歯に物が挟まったような物言いはせずに、

私たちが理解できるまで、何度でも、ダムの必要性を説いてください。

憲法で認められている財産権を奪うわけですから、それはとても当然で大事なことではないでしょうか?

 

 

 

 

 

 

石木川の夏の風物詩

外はうだる様な暑さですが・・・

ここは別天地。

天然クーラーが効いている河原です。

太陽の熱線や紫外線を、周りの木々が防いでくれ、

足元にはさらさらと清流が流れているのです。

ジャーン!

この大竹を見よ!

近くの竹林から切りだして、森の清水を引いてきて、本物の流しそ〜めんを味わう!

それが、川原人(こうばると)の楽しみ、

石木川(正確にはその支流)の夏の風物詩となっています。

 

今年もお誘いを受けて、行ってきました。

そーめんも美味しかったし、シソの葉っぱで巻いたおにぎりもとても美味しかったし、

そして、何よりも、この自然の涼しさが最高のご馳走でした〜

詳しい様子はこちらにアップしていますので、よかったらどうぞ ( ^ω^)_凵 

http://blog.goo.ne.jp/michie39/d/20120729

 

石木ダム建設促進大会に向けて・・・そこまでする???

 

 

 

今日、こんなチラシが送られてきました。

来月28日に開催される「石木ダム建設促進大会」の案内チラシです。

FAXなので写りが悪くてすみません。

 

「石木ダム建設促進市民の会」と佐世保市が共同で、今年は特に大々的にやるそうです。

 

「市民・議会・行政が一丸となってパレードを行います!」

「どなたでも参加できます!」

などと書かれている。

なぜなら、国のダム検証で石木ダムの重要性が明らかにされた、

実現まであと一歩だ、

地権者の方々に思いを伝えるためにも、多くの皆様のご参加を…と呼びかけている。

 

石木ダムの重要性が明らかにされた?

実現まであと一歩?

なら、どうしてそんなに必死になってるの?

崖っぷちに立たされているのはまるでそちらのように見えますよ。

政策経営課の企画部長から、各部局へまるでノルマを課すような文書が出されていますね。

 

 

大会当日に多くの市民を集めねば…

そのためには、多くの団体に声かけせねば…

その団体からどのくらい人を出せるのか回答させて、人数を把握せねば…

そんな焦りが伝わってきます。

どうして?

石木ダムは佐世保市民の悲願なんでしょ?

誰もが望んでいるんでしょ?

それなら、こんなことしなくても市民の方からどんどん集まってくるはず。

 

脱原発のデモをごらんなさい。

毎週金曜日、仕事帰りの人々や、子連れでわざわざ遠くから集まった人などで官邸前は埋め尽くされているじゃありませんか。

本当に市民が望んでいれば、頼まれなくてもやってきますよ。

 

まあ!

こんな一覧表まで作って!?

関係団体の例として、「会場自衛隊総監部」「自衛隊協力会」「長崎県立大学」「SSK」ですって!

国の組織であろうが、県立の学校であろうが、大企業であろうが、

とにかく佐世保市に籍を置くものはすべて対象だというんですね。

確かに佐世保の水道水を使っているから?

 

そして、その団体の会員数や要請可能人数、担当者の名前や電話番号まで書かせる徹底ぶり…

前回の促進大会のときは、勤務時間中の市役所職員を大動員して顰蹙を買ったので、

今回は夕方からのようですが、

佐世保市は、本当に動員がお好きですね。

 

「動員」って、元々軍隊用語だったそうですね。

広辞苑によると、

①軍隊の平時編成を戦時編成に移すこと。

②戦争目的遂行のため、国内の資源や人間を統一管理のもとに集中すること。

③転じて、ひろくある目的のために人や物を集中すること。

と書かれていました。

基地の街、自衛隊の街「佐世保」は、市政にまで軍隊の体質が浸みこんでいるのでしょうか?

 

しかし、そこまですると、かえってミエミエですよ。

ああ、そんなに努力しないと促進大会に市民は集まらないのね〜

ということは市民の悲願って…真っ赤なウソだったのね〜

と。

 

そして、そんなことをすればするほど、

地権者の方々の心は固く閉ざされてしまうでしょう。。

「北風と太陽」の童話を思い出すまでもなく…

 

 

事業認定率は?

先月、佐世保市議会で請願の趣旨説明を行った時も、県に申し入れをした時も、

市議さんや県の担当者に同じ質問をしました。

皆さんは、事業認定は第三者機関が双方の意見を聞いて公正中立に判断するとおっしゃいますが、

事業認定申請をしたら、結果はほとんど認定されると聞きます。

特にダム事業の場合は認定されなかったケースは聞いたことがないと言われています。

実際のところはどうなのでしょう?

正確な数字を知りたいので教えて頂けないでしょうか?

と。

しかし、いまだに県からも市議さんからも何の回答もありません。

 

しかたがないので、直接国交省に尋ねました。

すると、事業認定の件数は膨大で、事業の種類ごとに統計は取っていないとのことでしたが、

過去10年分だけを調べて下さいました。

その結果は、申請件数14件、認定件数14件、認定されなかった件数0件。

 

また、九州管内でみると、

77件(ほとんどが道路拡幅や着工、河川拡幅などで、ダム事業は石木ダムだけ)申請があり、

75件が認定。残り2件は石木ダムを含め手続き中の案件。

つまり認定されなかったケースはやはりゼロということでした。


やっぱり…

少なくとも過去10年間においては認定率100%だということです。

それでも中立なのでしょうか?

それを中立と言えるのでしょうか?

 

いつも結果は起業者の思惑通り。

だとするなら、時間とお金をかけて認定手続きを進める意味があるのでしょうか?

 

たぶん認定庁の職員の方々は公正に誠実に職務を遂行なさるのだと思いますが、

どんなに誠実にやっても、誰がやっても、

結果は起業者に有利なように行き着くシステムになっているのではないでしょうか?

                                     

 

豪雨の被害を少なくするのは、ダムではなく、河川改修

死者29人となった今回の「九州北部豪雨」。

今日のTVニュースで、視察に行った自民党の谷垣禎一総裁のコメントが流れていた。

「大分県竹田市の災害現場ではダム建設済みの河川は氾濫していない。

一方、民主党の事業仕分けによってダム建設が延期になっている場所が氾濫している」と。

 

「国土強靱(きょうじん)化基本法」なるものをまとめ、

10年間に200兆円規模のインフラ整備への集中投資を目指している自民党の親分だもの、

言うと思ってました。

 

土砂に押しつぶされた家、暴れ狂う濁流に呑まれて亡くなった人、

たくさんの悲しみが散乱している現場に行っても、

公共事業を増やすことしか頭にないのだろうか…

 

ダムがないから河川が氾濫するのではない。

森を守っていないから、

保水力を失った大地が地滑りをおこし、里の部落を襲うのです。

大地に沁み込む量が少ないから、地表を流れ、一気に川へ押し寄せるのです。

その水嵩が激増した川の護岸対策が遅れているから、氾濫するのです。

ダムがあっても、想定以上の雨が降れば氾濫します。

 

谷垣さんが訪れた場所とは違うかもしれませんが、

熊本県の白川について、地元の市民団体が、今回の洪水の実態を早くも調査分析しています。

「立野ダムによらない自然と生活を守る会」の報告です。

 

最後の2点だけご紹介します。

全文はこちらです。 → http://stopdam.aso3.org/ 是非ご覧ください。

 

7.立野ダムによる治水の限界

 「想定外の災害のためにも立野ダムが必要だ」という意見がある。

しかし、立野ダムの洪水を貯める容量は、想定した洪水を調節する分しかない。

今回の洪水のような想定以上の洪水ではダム湖は満水になり、洪水調節不能となる。

ダム湖に流入した水をそのままダム上部の8つの穴から非常放流することになり、

「洪水調節ダム」として機能しなくなる。

8.まとめ

 今回の洪水で浸水被害を受けた箇所は、河川改修が未完成の地区ばかりである。

特に、河川整備計画で架け替えることになっている明午橋、竜神橋、吉原橋で川幅が狭まるなどして、洪水水位を押し上げている。

国交省の直轄区間から外れている小磧橋より上流は、改修はほとんど手つかずの状況である。

 さらに驚くことに、改修工事のもととなる「河川整備計画」が、大津町や菊陽町の白川では策定されていない。中流域でも、河川整備計画を早急に策定し、河川改修を進めるべきである。

 ダム計画があると、下流の河川改修がおろそかになることは明らかである。

今回の洪水で、もし立野ダムが存在し、国交省の想定通りに機能したとしても、被害を防ぐことができなかったことは明らかである。

 黒川橋の流失により、今回の洪水は「過去最大」と言われてきた昭和28年の6・26洪水を上回る可能性があることが明らかになった。それでも6・26洪水と比べ被害が大幅に少なかったのは、これまでの河川改修の結果である。

 今回の災害では避難情報が遅れるなど、行政の危機管理体制の在り方が問われている。

同じ白川で、国の直轄区間と、県の管理する区間があり、ハザードマップも別々になっている。

これらも、情報伝達がうまく行われない一因になっていると思われる。危機管理とりわけ避難対策の充実が急がれる。

 今回の洪水で、阿蘇市を中心に多くの方々が亡くなられたが、いずれも土砂災害が原因である。

ご冥福をお祈りする。

今後は河川改修を進めるとともに、土砂災害の要因となっている放置人工林の整備(間伐)や、阿蘇の草原の保全を進めるなど、流域全体を見据えた災害対策を進めていくべきである。

 

 

県や市への理解は深まらなかったけれど・・・

「地域の方々の理解が得られるよう努力することを希望する」に込められた意味。

事業認定手続きを進めることの意味。

県市と私たちの考えは今回も平行線で、理解は全く深まらなかったけれど・・・

報道の皆さんには、何かが伝わったような気がします。

 

国からの通知があったとき、ほとんどのマスコミは「事業継続」にだけ注目が集まっていました。

が、昨日の私たちの県市への要請行動を伝えたTVニュースや新聞記事を見ると、

付帯意見の意味がしっかり報道されています。

 

報道センターNBC:

 

 

NHKやKTNのニュースもそうでした。
http://www.ktn.co.jp/news/2012/06/28/

新聞では、今朝の長崎新聞、読売新聞、毎日新聞などが報じていました。
http://www.nagasaki-np.co.jp/news/ishiki/2012/06/29092608.shtml

 

こちらは、県への事業認定取り下げ要請交渉後、県の担当者へのインタビューの様子です。

 

 

おお〜!     

 

長崎県と佐世保市に、事業認定申請の取り下げを要請

今日も、石木ダム事業認定申請の取り下げを要請してきました。

しつこいなぁ…なんて思わないで下さいね。

相手が違うのですから。

 

一週間前に要請したのは、国交省九州地方整備局へ、取り下げの勧告を県にしてほしい…

と、お願いしたのですが、「勧告をする立場ではない」と言われましたので、

それじゃあ、やっぱり、ご本人に取り下げる気持ちになって頂くようお願いするしかない!

ということで、

午前中は県に、午後は佐世保市に、ダブル要請を決行した次第です。

 

県と市は共同事業者ですから、当然と言えば当然ですが、おっしゃることは見事に同じ。

佐世保市長や水道局長の議会答弁とも見事に一致。

「判で押したよう」とは、このことですね。

 

曰く、

国からの通知に書かれていた付帯意見、

地域の方々の理解が得られるよう努力するを希望する」については、

「これまでもその努力はしてきたが、今後もあらゆる機会をとらえて話し合いができるよう努力したい」と。

 

であるならば、

事業認定申請を取り下げて下さい。

あなた方が話し合いの機会を得たいと努力しても得られなかったのは何故ですか?

地権者の土地を奪うための手続き=事業認定申請をしたからでしょう?

それを取り下げたら、いくらでも話し合うとおっしゃっているのですから、

いったん取り下げ、話し合うための環境作りをするべきではないですか?

 

と訴えても、その答えは、次の通り。

1.事業認定申請の取り下げはしない

2.なぜなら、事業認定の手続きの中で話し合いが進められるから

3.その結果、事業の公益性が客観的に判断される

4.そのため(第三者に事業の公益性を客観的に判断してもらうために)に申請したのであって、

  決して強制収用のためではない

 

それに対し私たちは、

1.取り下げないままでは、地権者の理解を得るのは今後も無理でしょう

2.土地の収用を目的とした手続きの、どこで実際の話し合いができるというのですか

3.申請されたダム事業は100%認定されているという現実を考えると、

  客観的に判断されていると言えるのでしょうか?

  追認するための形式を整えているだけではないのですか?

4.事業認定申請というのは土地収用法に則った手続きで、

  土地収用法とは、合法的に個人の土地を強奪するためのものですよ

等々、意見をぶつけましたが、

 

県や市の見解は、相変わらず何の変化もありません

1.手続きは進めながら、地権者との話し合いは別に「あらゆる機会」を捉えて、今後もお願いしていく

2.については、具体的な回答なし

3.公聴会で両方の意見も聴くし、第三者機関(社会資本整備審議会)の意見も聴くので、

  中立的で客観的と考えている

4.強制収用は今の時点では考えてないの一点張り

 

でした。

なんだか、賢いインコに向かって、懸命に語りかけていたような虚しさを感じてしまった一日でした。