佐世保市議会へ請願

6月8日、佐世保市議会6月定例会に、「石木川まもり隊」は請願を提出しました。

内容は以下の通りです。

 

 

       石木ダム建設用地の強制収用反対を求める請願について

 

(請願の趣旨)

2009年11月、長崎県知事は石木ダム建設用地取得のために、土地収用法にもとづく事業認定申請を国交省九州地方整備局に行いましたが、その後ダム事業の再検証が始まったので、その手続きは中断されたままになっています。

昨年7月、県は検討の結果「石木ダムは継続」との方針を国に報告しました。

それを受けて今年4月に開かれた国交省有識者会議での意見を参考に、まもなく国の判断が示されようとしていますが、国も継続を認めれば、いよいよ土地収用法による手続きが具体的に動き出すでしょう。

これまで長崎県は事業認定申請について「強制収用のためではなく、話し合いのため」としてきましたし、佐世保市長も水道局長も同様の発言をしています。

1982年の「強制測量」を覚えていらっしゃるでしょうか?

数珠を握り締め念仏を唱えるお年寄りや、泣きながら座り込む子どもたちを多くの機動隊員で排除したあの事件です。

市民には後味の悪い事件として記憶されています。たとえダムが必要だとしても「あのようなことだけはやってはならない」そう考える市民は多いのです。

石木ダム建設の是非について佐世保市民の間では、賛成・反対・わからない等未だに意見は分かれていますが、石木ダムは必要だと思っておられる方々でも「強制収用だけは反対」と、この点では多くの市民の意見は一致していると思われます。

また、国の有識者会議でも「地域の方々の理解が得られるよう努力することを希望する」と、異例の付帯意見が表明されました。

例え公益性のある事業であっても、人権をないがしろにしてはならないとの戒めが感じられます。

このような背景と市民の願いを佐世保市議会がしっかり受け止めて、事業主体長崎県知事に対して、「強制収用はすべきでない」という意見書をあげていただきたいと願っています。

 

(請願事項)

1、 石木ダム建設のために、強制収用という手法を選択すべきでなく、あくまで話し合いによる用地取得に徹するように意見書を事業主体長崎県に提出されること。

 

 

私たちの思いが、市議の皆さんに伝わることを願っています。

私たちは思っています。

佐世保市民同様、市議の皆さんも、「強制測量は失敗だった」「あれはやるべきではなかった」と

感じておられるに違いない…と。

市議さんだけでなく、水道局の皆さんも、水道局長さんも、市長さんも、きっとそうだと思います。

 

皆さんは公務員で、市民のこと、公共の利益のために熱心に働いておられ、

その結果石木ダムが必要と思い込み、邁進しておられますが、

それでも、公益の名のもとに、60人ほどが暮らしている家や田畑を強制収用するなど…

現実にはできるものではない。

そんな例はかつてなかったことで(少なくとも戦後の民主主義社会においては)、

そんな非人道的なことに手を貸したくはない…

と、お考えだと推察します。

 

実施すれば、日本中から非難を浴びることは必至。

長崎県も佐世保市も人権無視の非民主的社会!とイメージダウン。

観光客も減るかも…

人口もますます減るかも…

 

だから、

「請願不採択=強制収用に反対に反対=強制収用賛成」なんてこと、

ありえませんよね?

 

 

新国交相 羽田雄一郎さん 期待してもいいですか?

昨日、野田内閣が2度目の内閣改造を行いました。

国土交通相も交代し、新大臣は、羽田雄一郎参院議員。

2009年夏の政権交代以降、5人目の国交相です。

 

前任の前田氏は、八ッ場ダムの建設再開、

整備新幹線(北海道、北陸、九州新幹線)の未着工区間の着工を表明、

新名神高速道路の未着工区間の建設も凍結を解除し、

民主党政権のキャッチフレーズだった「コンクリートから人へ」を完全に反故にしました。

 

羽田新国交相はどうでしょう?どんな舵取りをする方でしょう?

毎日新聞によると、

<昨日の記者会見で「真に必要な社会資本整備は進めていかねばならない」と述べ、

前田氏の方針を踏襲していく姿勢を示した>とのこと。

そうか〜、そうだろうな〜、

三世議員だしな〜、期待はできないな〜

と思いつつも、ご本人のサイトを拝見。 http://www.y-hata.jp/

 

おや、意外なことが書かれていました。

プロフィールの欄には、

幼いころ受けたイジメや、

保育士の資格を取得し、全国の養護施設や老人ホームを回ったこと、

児童劇巡回事業の劇団員として回った北海道や沖縄の離島で活動したこと等が書かれ、

政策の欄では、

その経験から育まれたと思われる「年金、医療、介護制度の改革」や

未来を担う子供たちを育てる「教育・保育改革」、

この美しい地球を守る「環境対策」などがあげられていました。

 

もしかしたら、新大臣は、

強者の論理ではなく、弱者の声に耳を傾けてくれる方でしょうか?

未来の子どもたちや地球を守るための政策を実践してくれる方でしょうか?

 

もしそうなら、石木ダムの事業継続に待ったをかけて頂けないかな〜

でも、無理だよな〜

新大臣はきっと100%石木ダムのことについては何もご存じない…

にもかかわらず、まもなく、石木ダムについての国の方針を発表することになるでしょう。

官僚が用意した書類に印を押すだけ…でしょうが。

 

そうだ!

石木ダムについて伝えよう!

ダメモトで伝えよう。

石木ダムは不要で無駄なダムだということを伝えよう。

だって、そこには、こう書かれてありました。

 

最後にこのホームページを訪れて下さった皆さんから届けられた質問や疑問には、

誠心誠意お答えしていきたいと思います。

皆様からのご意見・ご質問等のメールをお待ちしています。

 

 

羽田雄一郎さん、あなたに期待してもいいですか?

 

ビデオに釘付け 石木ダム緊急報告会

昨夜の緊急報告会は、立ち見が出るほどたくさんの人が聴きに来てくださいました。

ビデオの上映が始まると、会場の空気が一変。

 

 

2月22日、

傍聴を求めて国交省に乗り込んだ地権者の必死の訴え、

なぜ公開しないのかと質す水源連の仲間たち、

何をいわれても無言の「有識者」たち、

4月26日、

11階の会議室に近づけまいとエレベーターは使わせず、

各階のの廊下には人間バリケード、

そこまでして非公開を貫く「有識者会議」と国交省。

 

その実態を初めて目の当たりにした市民の驚きが、シーンとした中にも伝わってきました。

市民だけではありません。

報道陣もびっくり!で、「これはどなたが撮影されたのですか?」

「この報告会の報道の中で流してもいいですか?」など、上映中にわざわざ訊きに来るほど。

 

ビデオの後、その現場にいたご本人から詳しい報告があり、

皆さん、真剣に耳を傾けていました。

 

続いて、佐世保市議会議員の山下さんからは、

1、    石木ダム建設をめぐる現状

2、    「科学者の会」が提出した「有識者会議」への7項目質問

3、  石木ダム必要論には、利水も治水もごまかしだらけ

4、  実現性は全く無い

5、  石木ダム建設は税金の無駄遣い

6、  今後の課題

等々が、パワーポイントを使ってわかりやすく語られました。

 

参加者からは、

こんなに必要性も実現性もない石木ダムを、なぜ県や市は造ろうとするのか?

造り続けようと固執するのか?

との質問があり、

私にもそれがわからないのです、不思議です…と山下さん。

利権構造や、税金を使った公共事業に責任を感じない官僚の体質などによるのでは?

などの意見が出されました。

 

また、

このままでは土地の強制収用が懸念される、

それを防ぐ対策を、弁護士さんなどの力を借りて考えていくべきではないか?

や、

市議会の傍聴に行くが、市民はただ聴くだけ。

石木ダム問題だけでなく他の問題でもそうだが、議員さんと意見交換する場がほしい。

などの意見が出されました。

 

これらの質問や意見を私たちも参考にさせて頂き、今後の活動に活かしていきたいと思います。

 

石木ダム問題緊急報告会 明日開催

すでに一度お知らせしていますが、再度ご案内します。

明日、石木ダム問題緊急報告会を開催します。

 

●日時:5月31日(木)18:30〜

●場所:させぼ市民活動交流プラザ(旧戸尾小学校)2階B&C室にて

●内容: 〇 国交省・有識者会議は傍聴を求める地権者に何をしたのか

       (録画上映と岩下さんからの報告)

     〇 土地強制収用の危険性と石木ダム問題の現状

●入場無料

 

一年半前に始まったダム検証。

本当に石木ダムは必要なのかどうか・・

その結果はどうだったのか?

その検証は実際どのようにおこなわれたのか?

まもなく国の結論が出されようとしている今、

私たち佐世保市民は、それを知りたいし、知る必要があると思います。

 

なぜなら、石木ダム建設事業には、私たち佐世保市民の貴重な税金が投入され、

水道料金にも跳ね返ってくる!

だけじゃなく・・・

このダムの最大の目的は、佐世保市民のための水源確保だからです。

だからこそ、県の事業と言いながら、

佐世保市も共同事業者となり、多額の事業費を負担しているのです。

 

つまり、佐世保に住む私たちの暮らしをより豊かにするために、

他の自治体=川棚町の自然と、ダム建設予定地の人々の暮らしを破壊しようとしている、

(電気を大量消費する東京都民とそのための原発をかかえる福島県民の関係と似ている)

のですから、それが本当に必要なものかどうか、

私たちはそれを本当に望むのか、

行政任せではなく、市民一人ひとりが真剣に考え、向き合うべきだと思います。

 

そのための一助になれば幸いです。

 

もちろん佐世保市民だけでなく、長崎県民全体に関心を持って頂きたいことです。

多くの方々のご参加を願っています。

 

                               

 

大盛況!2012川原ほたる祭り

 

昨日は年に一度の「川原ほたる祭り」

まずまずのホタル日和で、こんなにたくさんの人が集まってきました。

昨年は雨でさんざんでしたからね〜

 

午後4時頃には、長崎市から大型バスとマイクロバス2台が早々と到着。

そして、お祭り開始時間まで周辺の里山を散策。

 

そんな皆さんに、心尽くしの手料理を楽しんでもらいたいと、

川原の主婦たちは朝から大忙し。

 

川原公民館では、いくつものコンロがフル稼働。

大鍋で次々に煮物や炒め物、揚げ物、山菜おこわやお赤飯などが出来上がります。 

この黒い玉はチョコボールではありません。

お餅に入れるあんこです。

私たち佐世保からの助っ人も9時前に着いて、

最初に始めたのが、このあんこを丸める作業。

簡単そうに見えて、大きさをそろえるのが結構難しいのです。

2箱分終わりかけた頃、「こんなに大きいのはダメ!」と言われ、

最初からやり直すことに・・・

 

こちらはヨモギ。

各家庭で蓬の葉を山のように摘んで集め、それを茹でて細かく刻んで絞ったものを持ち寄ります。

だから色や柔らかさなどばらばら。

硬く丸められたものを数人でほぐしながら、混ぜ合わせていきます。

これをお餅の生地に練り込んでいくと、風味の良い蓬餅ができあがります。

 

こちらは出来上がったぜんまいの煮物を混ぜているところ。

ぜんまいの煮物だけでも、何回も大鍋で煮ますから、

その都度微妙に味が変わります。

それを混ぜ合わせ均一にするのです。

プロの総菜屋ではないけれど、ホタル祭りも25回目ともなると、味はプロ並み?

いえいえ、プロの上をいきます。

 

1時頃、ようやく皆でお昼を食べて、つかの間の一休み。

川原の主婦たちだけでなく、それぞれの親戚や友人なども手伝いに来ているので、

自己紹介などし合って、楽しいひと時です。

 

そんな光景をカメラにおさめていたら、ふと、後の黒板の文字に気付きました。

ホタル祭りの準備を、前日の夜7時半から始めていたのがわかります。

それ以前に、会場のやぐらを組むための竹切りを8日にやっていたこと、

その組み立てや清掃活動を20日にやっていたことなどを知りました。

それらはきっと男たちの仕事だったのでしょうが、

女たちもこれだけの料理を作るために、

一ヶ月前から山菜採りを始め、それを天日干したり、

調味料や小麦粉、肉類など買いそろえたり、

数日前から仕込みに入ったり・・・どれほどたいへんだったことでしょう。。。

 

さて、私たち「石木川まもり隊」も小さなブースを構えました。

用意したのは、これまでアースデーや写真展で使った残り物がほとんどですが、

資料「石木川って知ってる?」と、歌集「こうばるのうた」だけは、新しく作りました。

テーブルに並べたもので真っ先になくなったのが、その歌集「こうばるのうた」で、嬉しかった。。

 

 今年も熱唱してくれた「オトヒトツ」の池ちゃん。

 川辺川ダムを止めた熊本のNさんも駆けつけて… 

 

最後は、今年も「ながせん」と、「ふるさと」を歌ってライブを終了。

 

いよいよ、ホタルさんたちの出番です。

私も今年はしっかり見ることができました。

ふ〜わり、ふ〜わり飛ぶホタル。 

「私はここよ」と光って知らせる命たち。

 

  いや〜、よかね〜、来年は孫を連れて来たかね・・・

 

友人の感動の言葉が嬉しくて、心の中で呟きました。

ホタルさん、今年もありがとう・・・

 

「ほたる祭り 2012」 まもなくでーす!

昨日に続いてお知らせです。

いよいよ5月の最終土曜日が近づいてきました。

5月の最終土曜日と言えば・・・毎年恒例、「川原のほたる祭り」でーす!

 

 

これが、今年のチラシです。

地元の方が墨で書かれたシックなチラシです。

 

右下には、

川原ほたる祭りは 湿地のグリーンウェイブに登録されました

と書かれています。

「湿地のグリーンウェーブ」とは、ラムサールネットワーク主催のこちらのイベントです。

http://www.ramnet-j.org/gw/event.html

その中に「ほたる祭り」が紹介されています。

http://www.ramnet-j.org/gw/event2012/gw12a-38.html

 

祭りでは、美しいホタルの乱舞を楽しむ他、

昔懐かし麦わらでホタルかご作り、石木川に生息する生物の展示もする、

と書かれていますが、今年は生物の展示はないかもしれません。

毎年、祭りの前に獲りに行ってたお兄ちゃんが仕事が忙しくて無理みたいって

ききました。

残念ですがしかたありませんね。

去年のブログに、サンショウウオの赤ちゃんなどの写真が少しあります。

http://blog.goo.ne.jp/michie39/e/59d4e83dfed26b3e1a91897db94e0812


「ホタルの乱舞」というのも、どうかな〜

まだ乱舞には少し早いかな〜

お天気にもよりますし・・

期待せずに来て下さいね。

そのほうが、「オオーっ」と思いますよ、きっと。

 

昨年も一昨年も忙しくて、ホタルを見るどころではなかったけど、

2009年に初めて来た時は、本当に感動しました。

ふ〜わり、ふわり、飛ぶ光、

手の中の光、命の温かさ

幻想的でしたよ。      

 

緊急報告会を開催します!

お知らせします。

今月末、5月31日、緊急報告会を開催します。

石木ダムについて、最近こんな会話を小耳にはさみました。

 

工事止まったままだし〜、

長崎県はお金もないし〜、

市長は水が無い無いって言ってるけど、私たち普通に暮らしているし〜、

もうダムは造らんっちゃろ?

 

うんにゃ〜、この前、国のなんとか会議がダム建設の継続を了承したとか?

新聞に載っとったよ〜

 

そうだろうなー。

そうだよなー。

よほどこの件に関心を持って見ている人じゃないと、わからないよな〜

しかも、これから大きな節目を迎えようとしている大事な時なのに…

 

まもなく出されるであろう国の判断によっては、

ダム建設白紙撤回の始まりになるかもしれないし、

地権者の土地の強制収用の始まりになるかもしれない。

 

それを左右する重要な会議を傍聴すべく上京した地権者たちが見たものは?

その地権者たちに国がとった行動は?

現場に立ち会った者にしかわからない国交省の実態を語ってもらい、

これまでの流れ、今後の方向などは、

石木ダム問題に精通しているYさんに、わかりやすく解説してもらいます。

 

日時などの詳細は以下のチラシをご覧ください。

是非、多くの市民のご来場をお待ちしています。

 

 

 

 

石木ダム強制測量から今日で30年

1982年のあの日から、今日でまる30年です。

そのことを伝える記事が、昨日の毎日新聞に掲載されました。

 

 

この出来事は、住民だけでなく、県民全体が忘れてはならない長崎県政の大きな汚点です。

 

小さな平和な里山に、

ある日突然、機動隊の集団が押し寄せ、

ふる里を守ろうと座り込む住民たちをゴボウ抜きしていきました。

引き抜かれ田んぼに放り出された住民たちは、

再び起き上っては、座り込みの列の最後尾につきます。

その繰り返し…

でも、機動隊と住民の闘いは、結局力に物を言わせた機動隊の勝利。

県の測量班は、彼らの土地に34本のクイを打ち込みました。

その悔しさ、怒りは今も地権者の胸に深く刻まれているのです。

 

 

      心に杭は打たせない

  

4月が来るたび思い出す みぞれ交じりの寒い朝

男も女も鉢巻き締めて ダム反対!と声合わせ

シュプレヒコールこだまする 静かな山にこだまする

 

デモ行進の先頭は リヤカーに乗った老婆たち

固く数珠を握りしめ 祈る姿が胸を打つ

冷たい雨に濡れながら 心は熱く燃え上がる

 

先祖の汗が沁み込んだ この土地渡してなるものか

団結の旗翻り 握った拳が天を突く

ついに去りゆく測量隊 勝利の勝鬨野に響く 

 

それから一月半が過ぎ ある朝いきなり始まった

民を欺き不意を打ち 強制測量始まった

我らは固く腕を組み 鎖となって座りこむ

 

じりじりせまる機動隊 女も子どもも老人も

見境もなくごぼう抜き 人間の鎖引き千切る

腕の鎖は千切れても 心の鎖は千切れない

 

団結固く今もなお ふるさと守り腕を組む

地面に杭は打たれても 心に杭は打たれない

地面の杭は抜けばよい 心に杭は打たせない

石木川の源流を訪ねた記者の目

これは、今日の毎日新聞、長崎版です。

先日の源流ツアーのことを、こんなにしっかり伝えてありました。

ネット版には写真は載っていませんが、記事はこちらをクリックすれば読めますよ。

http://mainichi.jp/area/nagasaki/news/20120518ddlk42040608000c.html

 

記者さんの目はさすがだと思いました。

一部抜粋して、紹介させてもらいます。

川棚川との合流地点から5分ほど車を走らせると、水没予定地だった。見渡す限り平和な田園地帯だが、ところどころに真っ赤な字で「ダム絶対反対」の看板が。建設を計画する県に対する地権者らの根強い反発や不信を感じた。

石木川は、大村湾に流れる川棚川の支流。田のそばを小さく流れ、遊泳場もある。石丸さんは「そろそろホタルが飛び交います。夏には子どもたちが楽しそうに泳ぎますよ」とほほ笑んだ。

のどかな田畑に木造家屋、棚田−−。懐かしい「古里」の香りが漂っていた。ダム計画さえなければ「反対」や「賛成」もない、古里だったに違いない。美しい景色に不似合いだった「ダム反対」の看板が無くなる日が来るのを願わずにはいられなかった。

 

私たちも、そして誰よりも地元の皆さんが、

「ダム反対」の看板が無くなる日が来るのを、心から願っているのです。。

 

水源連、国交省へ要請書提出

今日の西日本新聞の小さな記事です。

昨日、「水源開発問題全国連絡会」が国に石木ダムについて要請書を提出したと伝えています。

どんな要請書なのでしょう。

 

その原文のコピーはこちらです。

是非全文を読んで頂ければ・・・と思います。

なぜ国の方針を保留せよと言っているのか、きっと理解して頂けるでしょう。

 

                                          2012年5月16日

国土交通大臣 前田武志 様

水源開発問題全国連絡会

 共同代表  嶋津暉之

 共同代表  遠藤保男

   (連絡先省略)

 

                 有識者会議の全面公開と

      石木ダムについて継続の方針を出さないことを求める要請書

 

 去る4月26日の「第22回今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」は私たちの

傍聴希望を国交省職員による厚い人壁で妨害するという信じがたい状況の中で開催さ

れました。職員の壁で守られた中で開催された有識者会議は、長崎県の石木ダム、岐

阜県の内ヶ谷ダム、大阪府の安威川ダム等について、「事業者からの報告について、

「中間とりまとめ」に即した検証検討が行われているのと認める。」「石木ダムに関しては、

事業に関して様々な意見があることに鑑み、地域の方々の理解が得られるよう努力する

ことを希望する。」(議事要旨)との審議結果をまとめました。この審議結果に基づき、国

土交通大臣がそれらのダムについて対応方針を近々決定することになっています。

 

 しかし、第22回有識者会議の審議結果は有効と言えるのでしょうか。

 有識者会議では何よりもまず、石木ダム、内ヶ谷ダム、安威川ダムについてダム建設

の必要性が治水面および利水面で本当にあるのかが徹底的に審議されなければなり

ません。ところが、有識者会議では必要性についての審議は皆無に近く、「ダムによら

ない治水のあり方」を追及するという有識者会議の設置目的は消滅してしまいました。

 有識者会議の審議は、「中間とりまとめ」に即して検証が行われているかを見るだけ

です。ところが、今回の石木ダムの審議ではその唯一の判断基準も危うくしてしまいま

した。

 当日の会議ではS委員がこのことを重視し、「石木ダムについて、評価軸『実現性』の

「土地所有者等の協力の見通しはどうか」について記載されておらず、『中間とりまとめ』

に沿っていないのではないか。」、「石木ダムについて、平成28年に完成という工程が

示されているが、実現性を踏まえているか疑問だ。」と述べ、長崎県の石木ダム検証報

告は上記の判断基準をみたしていないことを明確に指摘しました。これに対して、座長

は「今まで、全国のダムを検証してきたが、共通の考え方が整ったものばかりではなか

ったと思う。」と述べ、その唯一の判断基準をも否定してしまいした。このように判断基準

さえもあいまいにしてしまう有識者会議の審議に何の意味があるのでしょうか。

 

 S委員の上記の意見は石木ダムの是非を判断する上で最重要項目であることを会議

で否定することができなかったからこそ、有識者会議の意見として上述の「地域の方々

の理解が得られるよう努力することを希望する。」が付帯されました。国土交通大臣には

この付帯意見とその意味を最重視して判断することが求められています。

 

 石木ダムは事業者の長崎県が土地収用の事業認定を九州地方整備局に申請しており、

有識者会議がダム推進の検証報告を追認して国土交通大臣がそれに沿った方針を決定

すれば、九州地方整備局はそれを受けて事業認定処分を行い、反対地権者には強制収

用がかけられることになります。だからこそ、地権者は故郷を奪われることにつながる有識

者会議の審議の行方を見守りたいと、必死の思いで傍聴を求めたのですが、国土交通省

および有識者会議は強権を持ってその願いを踏みにじりました。

 

 以上のことを踏まえ、国土交通大臣として下記の判断をされることを要請いたします。

       

                          要請事項

1 第22回有識者会議の付帯意見を踏まえ、石木ダムについては少なくとも「地元の方々

  の同意が得られるまで国土交通省の方針を保留する」という対応方針を示すこと。

2 事業認定申請取り下げを長崎県へ勧告するよう、九州地方整備局に指示すること。

3 有識者会議の設置者として、同会議を全面公開するように、同会議の規約の改正を指

  示すること。

4 この件について私たち(石木ダム建設絶対反対同盟、及び水源連)が政務三役に要請す

  る場を設定すること。

                                                        以上