石木ダム事業検証〜公開討論会ついに開催!!

ついに、私たちが望んでいた公開討論会が実現しそうです!

公開討論会という正式名称が付けられるかどうかは定かではありませんが、内容的には間違いありません。

ダム建設を強く推進する県が、やっと、反対する住民の声に耳を傾けてくれます。

ダムは不要と説く専門家の意見も聴いてくれます。

聴くだけではありません。質疑応答、意見交換ができるのですから、それは討論の場となります。

それは公開され、県民は傍聴できます。

だから私たちは「公開討論会」だと位置づけています。

そして、その内容はすべて録画され、記録され、国に提出する検討結果の資料として添付されるはずです。

 

今朝の長崎新聞に、そのことが大きく報道されました。

 

石木ダム反対派と公開討論 関係自治体が3月

 県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業で、反対地権者らでつくる「石木ダム建設絶対反対同盟」と関係自治体との意見交換会が、来月6日に同町内で開かれることが分かった。県はダムの専門家、研究者など有識者の参加を認める方針で、実質的に反対派が求め続けてきた「公開討論会」の形となりそうだ。

 同事業をめぐっては、県、佐世保市、川棚、波佐見両町の4自治体による再検証作業が進んでいる。先月開かれた第2回会議では、県が治水、利水両面でダム事業と複数の代替案を比較し、ダムがコスト面で最も低いとの試算結果を示した。また、この会議で山口文夫川棚町長が「反対地権者の意見を聞く場を設けてほしい」と求め、事務局の県が対応を検討していた。

 意見交換会は再検証作業の一環として実施。有識者を加えることについて、県石木ダム建設事務所(川棚町)の古川章所長は「事業の専門的内容を地権者に理解、納得してもらうためには(有識者が)必要」とした。ただ、反対派の支援団体については参加を認めない方針という。

 一方、絶対反対同盟の岩下和雄さん(63)は「ダムの代替案があるということは、地権者を犠牲にしてまでダムを造る必要はないということ。(意見交換会での)われわれの意見を議事録として国に提出させたい」と話している。

(長崎新聞 2月23日付)

 

私たちは一年以上前から公開討論会を求めてきました。

石木ダム事業の検証が始まってからも、申し入れのたびに要望してきました。

しかし県の回答は、いつも「必要ない」というものでした。

なぜなら、「これまでも数十回に亘っていくつかの委員会で検討されてきたから」と。

(それらは実は、御用学者に仕切られた不当な委員会だったり、

ダムや河川のことが分かる人など誰一人いない単なる評価委員会だったり…なのですが)

だから私たちは、口を酸っぱくして訴えてきたのです。

ダムのこと、河川のこと、利水のことがわかる専門家による討論をしてもらいましょう!と。

賛成・反対双方の理論や根拠を県民の前に明らかにして議論してもらいましょう。

そうすれば、その財源を負担する私たち県民がその是非を考えることができますからと。

 

その思いがやっと通じたのでしょうか?

それとも・・・別の見方をする人もいます。

不安を感じている人もいます。

「検討の場」の結論を早く出すために、とにかく反対意見も聞いたよとのアリバイ作りではないか…と。

 

でも、私は県を信じたい。

知事、土木部長、河川課長、佐世保市長、佐世保市水道局長、あなた方を信じます。

あなた方が本当に自信を持って石木ダムが必要だと考えているのなら、

正々堂々と議論して下さい。

3月6日を私たちは楽しみに待っています。 

 

2000万円もの広告宣伝費!!

先月、1月19日、長崎新聞に1面(1ページ)全部を使った全面広告が出され、

その内容が、石木ダムの必要性を強くアピールするものであり、

今、本当に必要かどうか予断を持たずに再検証しようとしているこの時期に、それはおかしいだろう

ということを当ブログ上で訴えました。

https://ishikigawa.jp/blog/cat13/456/

多くの人が同様の感想を持ち、

ブログの読者の中には、長崎新聞に広告料の問い合わせをした方もいました。

長崎新聞は「個人情報なのでお答えできません」と言ったそうです。

 

私たち「石木ダム事業の真の検証を求める連絡会議」では、重要な問題だと捉え、

県や佐世保市に再三抗議しましたが、その非を認めようとはしませんでした。

 

新聞広告だけでなく、TVでは5週間にわたって放映されました。

今もインターネット上で、その番組を見ることができます。

それらの広告料はすべて私たちの税金から支払われているものです。

いったい、どのくらいの税金が使われているのでしょう?

仲間の一人が、情報公開請求をし、その結果がつい昨日手に入りましたので、公開いたします。

 

以下の金額は「なるほど!県政チャンネル」に係る契約書の数字です。

つまり、「諫早湾干拓」「県庁舎」「新幹線」「石木ダム」の4事業の広告宣伝を一括した契約になっています。
したがって、個別事業ごとの支出金額は合計の4分の1ということになります。

 (民放4社関係)
             NBC  2,940,000円
             NCC  2,940,000円
             NIB   2,940,000円
             KTN  2,058,000円
              計  10,878,000円

(テレビ番組制作会社関係)
                   3,150,000円

(長崎新聞社関係)
                   5,775,000円

  以上合計          19,803,000円

 

県政チャンネルに関する4事業の広告宣伝費の合計は約2000万円、

そして、石木ダム事業に関してはその4分の1で、約500万円ということです。

この税金支出の名目は「県の主要事業をわかりやすく県民に広報し、県民の疑問に応えるため」だそうです。

県には「県民だより」「水のわ」、佐世保市には「広報させぼ」「水道だより」などがあり、

その中で、これまでも十分に石木ダムの必要性を説明してきました。

また、市役所の電光掲示板、水道局の垂れ幕、商店街の立て看板、

挙句の果ては、バスの車体広告などなど、あらゆる手段と税金を投じて、石木ダムを訴えてきました。

他県の人は皆驚いています。

川辺川ダムや八ッ場ダムで長年脱ダムに取り組んできた人々も、

こんなに盛大な広告は見たことがないと驚いています。

しかし県は、それでも足りないと、今回のTV放映と新聞広告を実施したのでしょう。

私たちがダム建設をストップさせたいと思う理由の一つは税金の無駄遣いです。

他にも対策はあるのに、莫大な金額を投じて建設し、

いずれまた、それを上回るような莫大なお金をかけて破壊しなければならないダムを造るのはムダだ

と思うからです。

しかし、その建設を実現させるために、こんなにも多くの広告宣伝費を使うとは…

造りたい人たちの金銭感覚がよ〜くわかりますね。      

 

水道局に質問に行きました

昨日、「水問題を考える市民の会」と「石木川まもり隊」のメンバー6人で佐世保市水道局にお邪魔しました。

お忙しい中、一瀬司副理事ら5人の職員の方が対応して下さいました。

いつもながら、水道局職員の皆さんの市民に対する姿勢には感謝しています。

 

しかし、立場の違いは、ものの見方の違いであり、その溝が埋まることはありませんでした。

 

私たちの最大の疑問は、「あと4万トンの水が必要」ということについてでした。

昨年度の配水量は1日平均で約74,300トン

一年間で一番たくさん水を使った日でも約82,400トン

それに対して、佐世保の水源量は全部で105,500トンもあるのです。

おつりがくるじゃないですか。

どうしてこれ以上40,000トンも必要ですか?

 

水道局は、いえいえ、105,500トンのうち28,500トンは不安定水源だからあてにできない水です。

本当に水源として頼れるのは安定水源の77,000トンだけだと言い続けます。

 

過去5年間のデータを示して(それは水道局自身が作成した統計年報によるものですが)、

その不安定な水源から1日約15,000トンも取り続けている実績があるじゃないですか。

77,000+15,000で 92,000トンの水が取れるわけですよ。 

どうしてその数字はカウントしないのですか?と何度質問しても、

それは平均値であって、渇水の時にはあてにならないのだと言い続けます。

 

でも、渇水の年と言われる平成19年と17年には、

「あてにできない不安定水源」から平均以上のたくさんの水を取水していますよ。

それはどうしてですか?と質問しても、

「それは、その1年の中でも渇水の日ばかりではないので云々」と続き、決して主張を変えることはありませんでした。

 

今朝の長崎新聞にも、「意見かみ合わず」と出ていました。

http://www.nagasaki-np.co.jp/news/ishiki/2011/02/11102233.shtml

 

約束の1時間はあっという間に経ってしまいました。

私が数字に拘わりすぎたためにたくさんの時間を消費してしまい、

皆さんにたいへんご迷惑をかけてしまったことが悔やまれてなりません。

水特委員会について

4日のブログを見た山下市議からメールを頂きました。

温かいご感想の後に、ある事実が書かれていました。

ご本人のご了解を得ましたので、その部分を転載させて頂きます。

 

ブログの中で、「委員の皆様も、ほぼ石木ダム推進派の議員ですが、それでは議論の公平さを欠くと考慮したのか、反対派の議員も一人います。」という記述があります。
本筋論ではないのですが、事実関係をお知らせしておいたほうがよいかなと思いました。

1)   おしつけられた

  佐世保市議会には、水特、基地特等4つの特別委員会が設置されています。
  改選期ごとに委員会の設置と構成メンバーが決まります。
  今から4年前、私は基地特を強く希望しましたが、少数会派の悲哀でだめ。残ったのは水特の1席だけ。
  だから山下千秋はここだ。という経過なのです。

2)    出ていくべきだという圧力、意向打診をうけた

  水特に入って、2年経過した頃、委員長から、委員会から出るべきではないかと意向打診がありました。
  委員長の趣旨「水特は建設実現に向けて推進をはかることが目的。あなたは委員会の設置目的に反する」
  というものでした。
  私は、「委員会の名称は水資源確保となっている。水資源には多様な可能性がある。
  私も安定した水資源確保はだいじなことだと思っている。何ら矛盾しない。
  私が水特以外の委員会所属を希望したのに、ここの配置をきめたのあなた方だった。
  日本共産党の1議席だけれども、市民代表の1議席なのだ。
  勝手にこっちだ、あっちだと、もてあそぶようなこの態度は許せない」
  とはねのけた経過がありました。
 
今の感想です。
本来なら委員会総意で、市民総決起集会や、様々な世論キャンペーンだったことでしょう。
しかし、現在の委員会は、推進どころか、石木ダムの必要性が問われ続ける、いわば恒常的な「検証・検討の場」に変質してしまっているというのが実態ではないでしょうか。
「強力に推進・応援する」機関が、「問題チェック受ける」機関になったということではないでしょうか。
そしてその力は、皆さん方の探求した調査研究の成果だと思っています。
真実に迫る皆さん方の努力と、その皆さん方の声を公式の議会に届けることが、それが議員の務めだと思っている私の立場と結びついたからだと思っています。
感謝しています。 
 

以上です。
佐世保市議会の本質、水特委員会の実態を窺い知る内容でした。
皆さんはどのようにお感じになったでしょうか。 

水特委の委員にはなりたくなかった(基地特委員になりたかった)山下市議を入れてしまったのが大失敗!
と気づいた時はもう後の祭りだったんですね。

私たちにとってはたいへんラッキーなことでしたが…。

私は水特委員会を度々傍聴させて頂き、いつもたいへん有難く思っています。
委員会の中で出てくる資料は重要なものが多く、私たち傍聴者にも配布して頂けるからです。

以前はそうではありませんでした。
委員全員と傍聴に来た議員、そして、記者さんたちには配られますが、
私たち一般市民の傍聴者には無しでした。
水道局の方が、「資料の**ページをお開き下さい。ここに書かれているように云々」
と言われても、
私たちは何のことかわからないまま聞くしかありませんでした。
後で、親切な議員さんたちにお願いしてコピーさせてもらったりしていましたが、
部数が多い時はそれも気が引けるし…
それで議会事務局にお願いして、今では私たちも頂けるようになりました。

もちろん資料だけでなく、そこで話し合われることはとても参考になります。

山下市議が指摘なさっているように、
水特委員会は、今や恒常的な「石木ダム検証検討委員会」になっており、
それは同時に「水資源確保対策特別委員会」の名前にふさわしい場に進化しているように思います。

なぜなら、今回議論された内容で言えば、
水需要予測について議論する=水資源の必要量の検証であり、
佐々川の水利権転用について議論する=水資源確保の対策案の検討であるからです。

佐々川の水利権に目を付けたのは、仲間のMさんで、あらゆる資料を情報公開で手に入れ分析、
そこから見えてくる事実を資料としてまとめ山下市議に届け、委員会の場で追及してもらいました。

私たちは政党的には無関係な市民ですが、
主権者としての意思を代弁者である議員さんに託し、力をお借りしています。

何党であろうと、石木ダム問題を真摯に考え、見直す勇気を持って頂きたいと願っています。

かつて、別の委員会で、環境のことをよく考え学ばれている議員さんを知り、
お手紙やメールの交換をしたことがあります。
その方は是非、意見交換の場を持ちたい、会派でも話してみるとおっしゃって下さって、
とても期待していたのですが、それっきり…です。

しかし、少数でも、保守系の議員さんの中にも、こういう前向きな方がいらっしゃるのを知り嬉しく思っています。

佐世保市や長崎県の未来を決めるのは議員さんたちで、
その議員さんを決めるのは私たち市民県民一人一人です。

どのような問題も、まず事実・真実を知ることから。

不都合な真実から決して目をそらさず直視して、そこからより良い対策を共に考えていきたいものです。

 

水特委員会 2月3日

2月3日に開かれた佐世保市議会水特委員会の報告をします。

水特委員会、正式には水資源確保対策特別委員会と言います。

いかにも…って感じのネーミングですね。

こんな名称を度々新聞紙上などで見ると、「佐世保市はまた水不足で困ってるの〜?」
と思っちゃいますよね?

そんな誤解を与えるのがネライでしょうか・・・

実際には、昨年度の9月議会や12月議会の企業経済委員会では、

市民の水の使用量が減って、料金収入が減って、赤字続きで困っております。
是非値上げを認めてくださーい!

と水道局からお願いされて、

しょうがないな〜、でも、3割アップはあまりにもひどいから2割くらいにしませんか〜
などと議論していたくらい。

しかし、この委員会の最大の目的は石木ダム建設の促進なので、この名前でいいのでしょう。

よって、委員の皆様も、ほぼ石木ダム推進派の議員ですが、
それでは議論の公平さを欠くと考慮したのか、反対派の議員も一人います。

山下千秋議員と言いますが、彼はいつもこの委員会で孤軍奮闘頑張っています。

昨日の委員会でもまさにそうでした。

 

この日の議題は、第2回石木ダム「検討の場」の報告と説明でした。

約1時間、分厚い資料に沿って水道局からの説明の後、質問をしたのは山下議員ただ一人。

他の議員は誰一人として発言無し!

もちろん委員長は別です。議長ですから。

熱くなり過ぎて、話が長くなり、質問の内容が分かりづらくなることもたま〜にある山下議員ですが、
委員長はいかなるときも、質問の趣旨を的確にまとめて水道局に伝えるだけでなく、
水道局が回答する前に、水道局が失言しないようヒントを与えることもある切れ者です。

 さて、1時間以上に及ぶ山下議員と水道局とのやり取りの中で、以下の重要なことが明らかにされました。

1.今回提出された平成29年度における佐世保地区の水需要予測は、
  過去(平成19年度)の予測をそのまま採用していた。

2.その提出された予測値が妥当であるかどうか、「検討の場」では何も検討されなかった。

3.佐々川における「既得水利の合理化・転用」について、県も市も考えようともしていなかった。

 

そして、その理由として

1.19年度に提出されたのは18年度までの実績値で、それ以後の実績値は、19年度は渇水年で給水制限をしていたし、またこの年のリーマンショック以降経済状況の異常な悪化により水需要も激減したし、このような突発的な状況下でのデータをもって予測することは、統計学上妥当ではないと考えるから、19年度の資料を採用した。

2.19年度の資料は再評価委員会でも検討され妥当と認められたものであるから、県としてもあらたに「検討の場」で検討する必要はないと考えたのではないだろうか。

と述べました。

そういう体質、「〜だろう」という予断の下で見直しをしてこなかったこれまでのやり方を改めよう、
本当に必要な公共事業なのかどうか、過去の判断に囚われず、徹底的に再検証しよう、
そのために補助ダムにおいては県が主体となってしっかり検討して下さいよ、
というのが国の要請だったはずです。

長崎県は、その要請に形だけ整え、中味は全く無視していると言わざるを得ないのではないでしょうか?

1と2からわかったことは、第1回検討の場で認められた
「新たに必要な水源量4万トン」というのは、全く点検も検討もされてない「予断に基づく数値だった」
ということです。

つまり、第1回検討の場で確認された4万トンは無効です。

改めて見直してください。

再検討して下さい。

無効な数値4万トンを目標値として代替案をいくら検討しても、それは意味がありません。

 

さて、3についてですが、これがまたたいへん重要な問題なのです。

前回の水特委員会で、山下市議は佐々川の水利権の状況について質しましたが、
水道局は、それは水利権者である県に聞かなければわからないということで、
後日確認の上で、文書で回答しました。
それによると、

 佐々川流域は、約500haの農業用水として利用され、灌漑期の使用量が大きく、また、流域自治体並びに佐世保市の水道用水、工業用水により、極限に近い状況で高度に使用されている。
 流域自治体である佐々町も水需要の増加に対応するため、佐々川からの取水量増加を強く要望しておられ、これまでにも協議を重ねられているが、新規水利権については認められていない。

ということでした。
つまり、佐々川にはすでにたくさんの水利権が張り付いて、「極限に近い状況で使用されている」ので、
これ以上佐々川から水をもらおうなんて無理ですよ、というもの。

ところが、第2回検討の場で佐世保市長がおこなった質問(佐々川の水利権の転用)に対する県の回答はこうでした。

 水利権が転用できる条件としては、まず水利用者の判断(遊休であるのかどうか)がなければならない。その判断の上で転用可能な量が出てきたら、今度は河川の流況を見て環境への影響、維持流量などを確認し、また他の水利使用者の同意を得て初めて転用・合理化が可能になる。現時点で既得水利権者からのご議論がない中で、抽象的な回答は控えたい。

というものでした。
つまり、既得水利権者(例えば佐々町や佐世保市や相浦発電所など)から、うちはもうかなり余り気味なのでこの分はお返ししますよ、というような申告が実際にないかぎり、県は自ら調査検討はしないということなのか?

また、佐世保市や佐々町は水道用水が足りない、佐々川からもっと取水させてほしいと、申告してこなかったというのか?

どちらも納得できない話です。

少なくとも佐世保市は、慢性的な水不足だと数10年間に亘って言い続けているわけで、佐々川からの取水量増のお願いは、当然県にしていなければならないはずです。

その要請を受けて、県は河川管理者として、把握している他水利使用者の取水実績をみたり、流況調査をしたりして、その上で「極限に近い状況で使用されている」と回答したのかと思っていました。

しかし、実際は何も検討していなかったのです。

例えば、相浦発電所は、4,800m3/日の水利権を持っていますが、昨年度の取水実績は平均、386m3/日です。過去8年間で平均取水量が最も大きい年でも、699m3/日でした。
つまり、4,000m3は遊休と言えるのではないでしょうか?

また、農業用水として灌漑期の使用量が大きいと言ってますが、水利権23,200m3/日に対し、実際に取水しているのは、平成19年度で言えば、わずか11日間、その取水量も最大で4,560m3でした。
平成17年には25日間、最大で7,000m3。平成12年には2日間だけ。最大5,760m3。
あとは全く取っていないのです。

少なくとも、取水報告がないのです。
私たちの仲間が、平成12年〜21年の分の取水量の情報公開を請求し、出された結果が以上のようなものでした。

この事実を佐世保市水道局は知っていたのでしょうか?

県の河川課は知っていたのでしょうか?

知っていたら、どうして、新たな水源確保案として、佐々川の水利権の転用・合理化を代替案にしなかったのでしょうか?

知らなかったとしたら、それは河川管理者として職務怠慢ですよね。素人のMさんだって簡単に手に入れたデータですから。

それとも、わざと目を逸らしていたとか・・・?  

 

 

 

 

 

第2回 石木ダム検討の場

石木ダム建設事業について再検証するための第2回「検討の場」が28日、国民宿舎「くじゃく荘」で開かれました。

今回川棚町で開かれたことは、私たちの要望が聞きいれられたのか、であれば嬉しいけれど 
しかし、今
回も傍聴者は30人までという。
もっと広くて、何百人も入れる会場だってあるのに・・・

開会は2時30分。
その前に傍聴者をくじ引きで選ぶので、1:45〜2:15までが受付時間。

私たちは1時に集合しました。

玄関前で意思表示です。  

川原のおばあちゃん達も久しぶりに鉢巻き姿

誰かな〜?

                            県河川課のお役人だ!「ダムは造らせんぞー!」とお出迎え。

 

さて、今回は、前回すでに「見直しの必要無し」「水需要予測は妥当」と結論付けられてしまったダム案に対して、
治水、利水、そして流水の正常な機能の維持、という3つの観点から代替案が示されました。

治水代替案としては、2つの遊水地案の、放水路案、河道掘削案、引堤案、堤防嵩上げ案の6つ。

利水代替案としては、岩屋川ダム案、2つの貯水池案、地下トンネルダム案、海水淡水化案の5つ。

流水機能維持の代替案としては、岩屋川ダム案、2つの貯水池案の3つ。

そして、それぞれを、安全度、コスト、実現性、継続性、地域社会や環境への影響など6つの評価軸で対比。

 

予想通り、他のどんな代替案よりも、ダム案がコスト的に断然有利だと強く印象付けるものでした。

治水の観点からでは、現行ダム案はあと79億円ですむが、他はいずれも200億〜400億円台。1ケタ違います。

また、利水の観点からでは、多くの人が理想とする海水淡水化案(どんな渇水のときも安心だし、地権者の暮らしや環境を破壊することもないから)を1631億円(50年間の維持管理費を含む)とし、やはり1ケタ違う結果を出しています。

国の示した検証作業の実施要領に従って検討を進めることを大義名分にしている長崎県ですから、
コストを最も重視している国の方針に沿って、この評価結果が用意されたのでしょう。

 

それにしても、これらはすべて前回の前提があるからです。

「4万トンの水源を開発するためには」という大前提

これさえなければ、国が提示した方策案のうち、ダムの嵩上げや地下水取水、ため池なども詳細評価の対象となったでしょう。

 

今回の会議では、各町長や市長からたくさんの質問が出されました。
が、それは県の補足説明を促すようなものや、県の口から言いにくいことを各自治体の長が代弁しているようでもありました。

私が唯一「おお!」と思ったのは、川棚町長の発言。今後のスケジュールの説明の後、

「関係者住民への意見聴取というのとは別に、反対地権者の方々の話しを聞く場というものを設けてもらいたいがどうか?」

というものでした。

これには、その場にいた多くの人が驚いたことでしょう。

新聞・TVいずれもしっかり伝えていました。

 

一方、会議終了後私たちは1階ロビーで予定通り記者会見を開き、以下の6点について、代わる代わる強く訴えました。

①「開発水源4万トン」の見直しの必要性

②まず取り組むべきは漏水問題

③予断なき検討のために、事業認定申請を取り下げるべき

④検討中なのに、石木ダムの必要性を大々的にTVや新聞広告で宣伝しているのはおかしい

⑤諫干問題で地元の声を聞けと国を非難する県が、なぜ石木ダムの地元の声はきかないのか

⑥公正で客観的な検証をするためには、是非専門家による議論が必要

しかし、これらについての報道はほとんど見られませんでした。

 

以下の2紙だけは、伝えてくれました。

一方、反対地権者らは会議終了後、検証の在り方に反発。報道陣に対し「県が一方的に示すデータが正しいかどうかを検証すべき」「専門家を交えた公開討論会こそ誰もが納得できる方法」と主張した。(長崎新聞)

 反対派は会合後、会見し、佐世保市が1日4万トンの新たな水源開発が必要としていることについて「現実を無視した予測なのに、この数字に対する検討はない。県の説明会になってしまっている」と批判した。(毎日新聞)

特に毎日新聞は、 「データに根拠ない」県の説明に反対派 という見出し付きでした。 
 

いずこも同じ・・・

「路木ダムをつくるとどうなるの?」という学習会が今日天草市で開かれ、それがustrem中継されるという案内をもらったので、拝見しました。

 

いずこも同じですね・・

● 過大な水需要予測、ひどい漏水率

● 洪水被害の嘘=ありもしない被害をでっちあげ

● 自然(川、海、森)への悪影響を認めようとしない

 

しかも、石木ダムのケースよりもひどい!

漏水率が32%なんて!!!

 

でも、皆さん、よく頑張っている。

漁業者や元議員や一般市民や、いろんな人が、それぞれの立場でよく調べ、よく活動し、よく繋がっている。

 

漁業者の方がいるのはいいですね〜

理屈ではなく実感として環境の変化をよく知り、感じ取り、予測できるから、説得力があります。

ダムができると、アマモの群生地であるアマモ場がなくなり、魚介類の産卵場や稚魚の成育場がなくなり、結果、漁業は大打撃を受ける…と。

石木ダムにもこんな方がいるといいな〜と思いました。

 

しかし、このような話は今までも聞いていたし、目新しいものではありません。

私がとても拍手をしたくなったのは、会場からの質問・意見のときでした。

 

その方は、これだけ頑張っている人々に、「しかし、反対運動は今のところ成功していない」と指摘しました。

その理由は、皆さんは、行政との闘いに疲れ果て、市民・住民の方を向いていない。

こういうことをもっと地域の住民に伝えなければ。

住民は、役所の人が来て「向こうの地域では水が足りなくて赤い水(濁った水)を飲んでいる」と聞かされて、

それじゃあ可哀想だからダムを造って水をあげなければと思ってハンコを押した人もいる…と。

 

県民約12000の署名がダム必要論の根拠になったそうですが、それは、このような嘘や誇張に満ちた説明で集めたものだったそうです。

そのようなことをきちんと正す、正確な情報を市民に伝える、その努力が足りなかったから地元での共感が得られないのだと、はっきり指摘なさったのです。

 

それは、私たちの活動にも言えることで、とても耳が痛かったです。 

ファシリテーターの方がおっしゃっていたように、伝達媒体がないとか、人出が足りないとか、言い訳はいろいろあるんだけれど、その苦言をきちんと受け止めて、今後の課題としなければならないと私も思いました。

 

それにしても、便利な世の中になりましたね〜 

長崎県にいて、熊本県の集会を傍聴できるんですから。 

 

第2回「検討の場」開催のお知らせ

今夜、やっと、第2回「石木ダム建設事業の関係地方公共団体からなる検討の場」の開催が公表されました。
                         
 
1.開催日時  平成23年1月28日(金) 14:30〜

2.開催場所  国民宿舎 くじゃく荘  2階会議室
          (東彼杵郡川棚町小串郷272)
          地図はこちらをご覧下さい。

3.検討の場メンバー構成
          長崎県、佐世保市、川棚町、波佐見町

4.議事内容
  ・治水、利水等の対策案について     ほか

5.会議の傍聴について
  傍聴を希望される皆さまへ【PDFファイル】 をご覧下さい。

私たちの申し入れを受け入れて下さって?場所が川棚町で開催されます。

それは嬉しいのですが、相変わらず傍聴者は30人に制限されています。

それはどうしてなのでしょう?

地元川棚町であれば、推進派も反対派も、傍聴したいと思う人はたくさんいるでしょうに…。

「くじゃく荘」には、大広間もあるのに…。

不思議ですね〜

 

石木ダム必要論、全面広告!

1月19日、県は、長崎新聞の第9面に、全面広告を出しました。

佐世保市民や川棚町民を守るには石木ダムしかない、石木ダムが必要なんだ、

 という県の主張をアピールするものです。

 

「本当にダムが必要なのか、他の対策はないのか見直してください」という国の要請を受けて、

いま、その検証をしている真っ最中のはずです。

この広告にあるような主張は検討の場で大いに出して、

それに対する質問や反論も受けて議論して、最も良い方法を見出して行くべき時なのに、

県は、県民の税金を使って、自分たちの主張だけを宣伝しています。

それっておかしくないですか?

 

昨年11月半ばから5週間にわたって、TVで同様の主張を放映していました。

これに対する抗議もしましたが、とうとう止めませんでした。

 冒頭に書かれている「なるほど!県政チャンネル」がその番組名です。

この新聞広告は、その番組のおさらいです。

見逃した人のためでしょうか・・・?

 しかも、ここにも書かれているように、佐世保市の水需要について、

「1人1日当たりの使用量は現在の190リットルから221リットルに増加すると予測されている」

というのが県の主張ですが、

その予測は全く当っていない、過大な需要予測だと専門家は指摘しています。

だからこそ今、それについて議論すべき時なのです。

いろんなデータを開示して、県や佐世保市の予測が妥当なのかどうか、検討すべきなのです。

それによって新たな水源確保の必要性や、その必要量は大いに変わってくるわけですから。

 

その本来やるべき検討作業を避け、形だけの、アリバイ作りだったのが

「第1回検討の場」でした。

次回はいつなのか、まだ公表されませんが、

第2回目の「検討の場」も同じような意味のないものにならないよう、

その可能性は大ですが・・・ 

私たちはできるかぎりの対策を講じていきたいと思っています。 

 

川棚町長へ申し入れ

今日、1月13日、午前10時より、
「石木ダム建設絶対反対同盟」と「石木川の清流を守り川棚川の治水を考える町民の会」は、
石木ダム建設事業の検証に関わる申し入れを、川棚町長に対して行いました。

申し入れの内容は、

1. 石木ダム建設計画から49年も経過し、県が目的としてきた治水・利水事情は大きく変わってきているが、
   川棚町としてどうのように検証されてきたのか。

2. 地権者はこれまで一貫して「絶対反対」の立場を」とってきている。
   長崎県と県議会は諌早湾の問題で「開門せよ」との国の方針に対し、地元の声を聞けと言っている。
   石木ダム建設問題に関しても、特に地元地権者の意見を聞くべきではないのか。

という2点でした。

いろんな意見のやり取りの中で見えてきた町長の考えは、以下のようなものでした。

1.川棚町は検討する立場ではない。

  今回の検証に関しては、その検討を国が県に要請したもので、検討主体は県であり、
  治水に関しては県が、利水面では佐世保市が検討するが、川棚町に検討を求められてはいない。

  私は町長として、洪水被害がおこらないよう県に治水対策をお願いする立場である。

  そうして県が検討した結果、ダムを造るのが最適としてきたのでそれを受け入れ、その実現を願っている。

これに関して町民からは、それではあまりにも他人事ではないかと批判の声続出。

 ・ダムができるのは、ここですよ!川棚町民の土地が取り上げられようとしてるんですよ。

 ・川棚川、特に石木川は川棚町の財産。その大事な水をほとんど佐世保にやってしまっていいのか?

 ・大村市は萱瀬ダムを造って長崎市に水を送っているが、今では大村市自身が水不足で困っている。
  渇水の時、大村市のプールは使えないのに、長崎市のプールは使えた。こういう事実を知っているのか。

 ・ダムができたら地域が活性化するなんて、事実誤認も甚だしい。ほとんど寂れている。

2番目の質問に関連して、なぜ地元の意見を聞かないのか?
また、専門家の意見をしっかり聴くために公開討論会をすべきではないか、との意見に関して町長は、

  今後の検討の場で、学識経験者の意見も、地元住民の意見も聞くことになっている。
  また、事業認定の場でも公聴会で住民の意見は十分聞くことになっているので、
  新たに設定する必要はないと考えている。

これに対して町民は、

 ・どちらも聞き置くだけの形式的なもの。議論しなければ意味がない。

 ・事業認定をしたら私たち(地権者)は絶対話し合いには応じない。

などの平行線に終わりました。

こちらのブログにも掲載記事があります。http://blog.goo.ne.jp/michie39/d/20110113

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