「実績は単なる数字、見直しの必要性はない」石特委員会

「国が事業の必要性を認め補助金継続を判断した」「第三者機関がこれでよしと評価した」

だから水需要の実績値が予測値と乖離していても、予測が間違っていたとは言えない。

「議会は石木ダム建設促進決議をあげている」「本委員会は石木ダム促進のための委員会だ」

だから需要予測の見直しに賛同すれば矛盾が生じる、整合性がない。

そのような理由で、私たちの請願(水需要予測の見直しを議会から当局に求めてほしい)は、

石木ダム建設促進特別委員会において不採択となりました。

 

本当に情けない気持ちでいっぱいです。

国が認めたものは間違っていない、第三者機関の判断は常に正しい、議会がそれをとやかく言う必要はない、

と本気でお思いなら、市議会議員なんてお辞めになれば?

議会の決議は絶対で、それが間違いであったと気づいても永遠に見直しできないというのなら、

佐世保市議になれるのは神様しかいませんね。

市議は市民の代弁者であり、市議会は行政のチェック機関であるはずなのに、

行政のチェックを求める市民の声には耳を貸さず、市当局の代弁者になってしまってる。

そんな議員など、はっきり言って要りません。

みなさん、来月の市議選には、市民の声に耳を傾け、それを議会に反映させてくれる人を選びましょう〜

 

準備した資料も、化石のような頭の石特委員には役に立たなかったけれど、

せっかくなので、ここにアップして、少しでも多くの皆さんに見ていただくことにします。

関心のある方、よかったら、お付き合いくださいませ〜 

 

まず、このグラフをごらんください。

青い線が一日最大給水量の実績値で、赤い線がその予測値。

平成24年度の石木ダム事業の再評価の時に出された予測です。

2年後の平成26年度の予測と実績を比べてみると、その開きはこんなにも大きいのです。

予測では前年度より大幅に増加して91,717㎥になるとのことでしたが、

実際には77,210㎥と、前年より減っています。

その差、約14,500㎥!

まだ26年度は終わっていませんので、77,210という数値は確定ではありませんが、ほぼ確定です。

かつて3月に一日最大給水量を記録した年はありませんから。

それにしても、この乖離は今後ますます大きくなるでしょう。

石木ダム完成予定年度の29年度には約10万3千㎥に達するとの予測です・・

 

どこから、こんな数字がでてくるのでしょうね〜

日本中どこでも水需要は減っているのに。

これが、そのグラフです。

日本中の上水道と簡易水道の一日最大給水量の実績値をグラフ化したもの。

1994年以降、ずーっと右肩下がりです。

それもそのはず。人口が減っているのですから。

使う人が減れば、水使用量が減るのは当たり前。

人口がいまだに増加し続けている東京都でも水需要は減っているのだから、

人口減少が激しい佐世保市の水需要が増えるわけはない!

これは転入者に比べて転出者が多い、つまり人口流出傾向の高い市町村のランク。

なんと、1718市町村の中で、長崎市が第5位、佐世保市が第6位という県内2大都市がトップ10入り!

そこで、長崎市はこの人口減少の厳しい現実を2年前にきっちり受け止めました。

平成24年度の再評価のとき、水需要予測を次のように見直したのです。

 

〇〇〇と続く線をご覧ください。

予測も実績値のように右肩下がりに修正しました。

その結果、前回まで必要としていた新たな水源7,500㎥の必要量はゼロと判断し、本明川ダムから撤退。

諫早市も必要量を半減、長与町・時津町も賛同し、今年3月末に県南部水道企業団は解散されます。

それが決まったときの同企業団長の諌早市長の弁はこうでした。

「見通しが甘かったと言われるだろうが、今の時点で中止する方が将来の負担が軽くなると判断した」

 

一方こちらは、決断できなかった札幌市。

どこかと同じように、予測が過大だと何度も批判されたのですが、将来は20万㎥も増えると言い張って…。

とうとう2012年10月に当別ダム完成。

すると、2014年3月には新たな需要予測を発表し、なんと予測値を25万トンも下方修正!

以前の予測は当別ダムを造るためのデッチアゲだったことがミエミエ・・・

2013年度以降、小樽市、石狩市、当別町の3市町は当別ダムから給水していますが、札幌市はしてません。

それでも、すでに当別ダム建設のために札幌市は106億円を出資していますし、

さらに給水を始めたら毎年約20億円を支払わねばならないそうです。

 

こんなことにならないよう、造る前に、その必要性をしっかり吟味しなければならない。

行政の示す根拠をしっかりチェックするのが議会の役目ですよね?

そこで、先ほどの一日最大給水量の急激な増加の根拠の1つ、工場用水の需要予測をみてみましょう〜

これまた、急に激増するという予測です。

わずか4年で直近の実績値の3.5倍にも工場用水が増えるなんて・・・

佐世保市は急に工業都市に変貌するとでもいうのでしょうか?

よほど水を使う業種の大企業がやってくるのでしょうか?

いえいえ、その理由は、SSK(佐世保重工業)にありました。

工場用水の大口需要者であるSSK。

その経営方針の転換により、2015年度(平成27年度)から同社の水需要が急増するというのです。

その方針とは、以下の記事の赤い線のところ、

造船部門を縮小して、修繕船部門を拡大するというもの。

修繕船部門では船を洗うための水を大量に使うので、

修繕船の売上が伸びる=修繕船の受注が増える=水需要が伸びるという論理で、

その売上高を全体の13%から25%に拡大と聞いて、売上も2倍になると水道局は考えました。

しかし「全体の」です。

割合が2倍になっても、全体の売上高が落ちていれば、売上そのものが2倍になるわけではありません。

当時SSK自身の予測では、2014年度の売上高は2011年度の60%との見込みでしたので、

修繕船の売上高は2倍ではなく、1.2倍にも満たないと考えねばならなかったのですが・・・

なんと水道局は、2倍どころか、修繕船部門での水需要は13倍にもなり

その結果、SSK全体では5倍になるという。

水増しどころではない、デッチ上げの予測。

こんな予測、見直すべきですよね?

現に、つい一週間前の企業経済委員会で、

水道局自身が示した27年度予算のための工場用水の需要見込みは、1,848㎥でした。

2年前のデッチ上げ予測では、6,604㎥でしたので、自ら3分の1以下に縮小しています。

この予測の誤りは一日平均給水量や一日最大給水量の予測を押し上げ、

その結果、4万㎥の水源不足、それを解決するためには石木ダムしかないとの結論に導き、

そのための大きな財源確保を市民に押し付けるのですから、

それでいいのか、いまこそ見直しを議会から水道局へ求めてください、とお願いしたのですが…

 

私たち2団体から30分ほど説明した後、委員長が「これより質疑に入ります」と言ったものの、

委員からは誰ひとり質問無し!

請願者のSさんが「私たちの請願に賛同していただけるのならいいのですが、採択の前に反対意見を言われても、その場ではもう私たちに発言の機会は与えられませんので反論ができません。私たちの説明に納得して頂けないなら、今ここで質問してください」とお願いしましたが、それでも皆さん、ダンマリです。

傍聴者からも、議会は何をするところですか?沈黙をするところですか?何か言わんですか!と促す発言がありましたが、

それでも質問はなく、休憩に入り、30分後に再開となりました。

再開後は、それぞれの会派の意見をまとめたものを発表しましたが、 

内容は、冒頭お伝えしたように、

国が認めた予測だから間違いはない、

我々は石木ダム推進の立場だから、水は必要と思っている、見直すなんて自己矛盾でできない、

そういう理由で賛同できない。

よって、全会一致で不採択。

 

この結果にも落胆ですが、それだけではありません。

石木ダムの特別委員会委員でありながら、石木ダムについて何もわかってない委員がほとんど。

「今は水は足りていても、想定外の渇水対策のために石木ダムが必要

「この予測は第三者委員会がおこなったもので水道局がおこなったものではない

なんて、誤解も甚だしい。

 

挙句の果てには、こんな発言まで。

「請願者は実績に重きを置きすぎている

「実績は単なる数字

「実績主義では発展が生まれない

「水が豊かであれば企業誘致もできたかもしれない

などなど。

 

委員の皆さんはバラ色の夢を描くのがお好きなよう。

実績に基づかない、希望だけで組み立てられた予測でもって、佐世保市を発展させようとお考えみたい。

夢を持つのはいいことですけどね〜

根拠のない夢は失敗の可能性が大。

失敗した時の責任は誰がとるの〜?

石特委員の皆さんがとってくださいます〜?

今後235億円ほど負担する予定ですよ〜

 

    「平成25年度までに約115億円の支出をしているので、

     あと残り235億円の財政支出をする形になろうかと思う」

    (平成26年9月5日 企業経済委員会 水道事業課主幹・川野氏の答弁より)

 

 

第36回団結大会

今日は第36回「3.14団結大会」の日。

私にとっては7回目。幟や横断幕に飾られた川原公民館の晴れ姿も、かなり見慣れた光景に。

でも、毎年新たな看板も追加されます。

 

午後1時、いつものように石木ダム建設絶対反対同盟の歌を歌って開会。

同盟からの挨拶、この1年の経過報告、弁護団・来賓挨拶、決意表明、決議文採択という流れもいつも通り。

弁護団からは板井副団長が挨拶されましたが、その中で印象的だったのは次の2点。

 

1.かつては川辺川ダム推進派だった人吉市長がその後脱ダムに舵をきった。

 その理由は、防災安全度の視点から。どんなダムでも堤防でも溢れる可能性はある。

 溢れたときどうするか。溢れたときは逃げるしかない。

 ところが、ダムの場合は逃げるのが間に合わないことがあり、被害がより深刻になる可能性が高い。

 

2.ダムが止められない理由の一つは談合。

 国交省ではなく建設省の時代の話だが、談合によりダム建設を請け負うゼネコンが決まると、

 ゼネコンは九地建の局長の印鑑を押してもらい、それをBKに持っていきお金を借りていた。

 借りた金は返さねばならない。ダム建設が始まらなければゼネコンは困る。

 川辺川で公開討論会をやったとき、4000人が集まった。

 が、5時になると推進派の2500人が帰っていった。

 それはゼネコンによる日当動員だったから。

 

なーるほど。そういうカラクリだったのか…

 

いよいよ終盤。毎年楽しみな決議文が読み上げられ、大きな拍手で採択されました。

いつものようにユーモアと知性と決意に満ちた決議文です。

 

最後は元気いっぱいの団結ガンバロー。

 

閉会後は、美味しい手料理いっぱいの交流会。

まずは、高橋弁護士の音頭でかんぱーい!

皆さん、よく食べ、よく飲み、よく喋り・・・

きっと参加者の大半は、これが目当てではないかな〜

斯く言う私も…

  

『予測』が外れても関係ない?!責任感ゼロの水道局

大切なのは予測の合理性であり、結果と一致しなくても、それは別問題である。

はあ!?

全く理解に苦しむ水道局長の発言に私たちは唖然としました。

昨日の佐世保市議会企業経済委員会で審議された水道局の予算審議の中の一コマです。

 

来年度(平成27年度)予算案の中で水道局は料金収入の見込みを示すために配水量の予測を出します。

当局が出したデータは佐世保市全体のものでしたので、山下委員は、石木ダムに関わる佐世保地区(旧佐世保市)のデータを求めました。

その結果わかった今回の予測値と過去2回の石木ダム事業再評価時の予測値を比べてみますと、

平成27年度の一日平均配水量の予測値はこんなにも大きく乖離していました。

        平成19年度再評価の場合=87,699㎥

       平成24年度再評価の場合=79,208㎥

        平成27年度予算の場合=70,231㎥

8年前の予測からは17,000㎥も減少し、わずか2年前に示した予測からも9,000㎥も減少です!

そこで山下委員は厳しく水道局を追及しました。

 

山下:これほど貴方たちの予測は誤っている。どう説明するのか?

   その誤った予測に基づいて石木ダムが必要と言ってきた。

水道局長:同じ一日平均配水量といっても予算時のものと再評価の時のものは意味合いが違う

   施設の規模を決定する際の予測値は10年先を見据え、リスクも加味したものでなければならず、

   予算時は直近の実績を見極めて料金収入を算出するためのものでシビアな数量になるのは当然。

   両者がピッタリ合えばそれが一番わかりやすいかもしれないが、違ってもしかたない。

   我々が説明すべきことは再評価での予測の合理性であり、その結果についてではない

 

つまり、5年ごとの再評価では、石木ダムの補助金をもらうために、様々な理由付けをして、

過大な水需要予測をたてる、その合理性が説明できればそれで良い。

その予測が当たっていようが間違っていようが、結果は関知しない。

と言っているように聞こえます。

私はあまりにも無責任な言い逃れに吹き出しそうになりましたが、

他の傍聴者からは怒りのヤジが飛び、質問者の山下委員の憤りも頂点に達しました。

努めて平静に質問を続けておられましたが、委員会の途中で退席、病院で点滴を受けることに…。

 

当たっても当たらなくてもいい予測なら誰でもできる!

素人でもできる!

私でもできる!

そんな信ぴょう性のない予測に基づいてだされたのが「あと4万トンの水源不足」で、

その4万トン確保のためには「石木ダムしかない」と言ってきたってわけです。

いかに石木ダムの必要性がいい加減なものであったかが判明した瞬間でした。

 

その言葉を信じて石木ダムを造っても恐らくダムの水は必要ないでしょう。

そのとき彼らは言うでしょう。

「結果的には予測が外れましたが、それは……が原因で、当時としては妥当な予測でした」

 

民と官の違いは散々言われてきましたが、公務員や公営企業の感覚がこれほどとは… 

私は初めて実感しました。 

 

街頭署名活動 関心を示す若者たちも…

いつものアーケード街で強制収用反対の署名活動をおこないました。

昨年9月、知事が収用裁決申請をおこなって以来、6回目の街頭署名活動です。

今日はお天気もよく暖かかったので、署名活動日和?でした!

 

日曜日なので中高生らしい若者もけっこう立ち止まって話をきいてくれました。

私も何人かの若者と話しましたが、ニュースなどを見てよく知っている子と全く知らない子と両極端。

でも、知らない子たちも、

大切な自然が壊されることや自分たちの時代にまで事業費を払い続けねばならないことを知ると、

それは止めてほしいと言い、署名してくれました。

二人連れの男子生徒のケースでは、一人が署名しそうになった時もう一人がつぶやきました。

「俺はせんけんね。一方の話だけ聞いてもわからんけん」

すると、その子も迷ってる様子。

「その通りよね。是非この問題に興味を持っていろんな人と話して考えてね。ちょっと待ってて」

ちょうど切らしていたパンフレットを取りに行って戻ってくると、二人はまだそこに待っていました。

中に書かれていることを簡単に説明し、これらのことについて県や市はどう言ってるか、

石木ダム建設事務所や佐世保市水道局のホームページに出ているから、それを読んで考えてほしい、

そう言って一部ずつパンフを渡すと、二人共笑顔で「わかりました」「考えます」と答えてくれました。

 

道路の端っこで二人が掲げている写真は・・

こちらです。

33年前の強制測量の時の写真。

機動隊を導入して抵抗する住民を排除する様子、

ふる里を守って!と先祖に祈り続ける女性たちの姿などの写真です。

 

今日は2時間で274筆集まりました。

3月23日の提出日まで、まだまだ頑張ります。

署名まだの方、電子署名もやっていますので、是非ご協力ください。

こちらです。  

 

川は生命の生活の場

毎日新聞秋田版に素晴らしい記事が出ていましたので、ご紹介します。

3月2日「人」の欄に紹介された成瀬ダム訴訟原告団の高橋佳紀さん。

高橋さんの思いがじんわり、ずんずん伝わってきます。

 

◇川は生命の生活の場

 皆瀬川と成瀬川の合流点近くの熊渕集落に生まれ育った。2本の清流。水辺のある暮らし。幼い頃から小魚を取ったりして遊んだ。自然とは何か−−。川はそれを、教えてくれたのだと思う。

 皆瀬ダムが完成したのは1963(昭和38)年。その後もずっと漁を続けているが、ダムが完成する前と後では取れる魚の種類が変わったと感じる。以前はあまり見かけなかった魚や下流域に生息する魚が目に付くようになった。河川水をいったんダムでせき止め放流するため、水温が上がり河川環境が変わってしまったのではないかと危惧する。

 皆瀬川は、雨が降ると1週間ほど濁るようになった。それに対して、ダムがない成瀬川は濁らない。川の“清濁”は皆瀬川と成瀬川で明らかに違う。皆瀬川のアユは泥臭い味になり、アユ漁はやめた。アユ漁はもっぱら成瀬川でしている。

 農業用水と洪水調節、水道用水、発電などを目的にする多目的ダム・成瀬ダムは、なぜ必要なのだろう。雄物川水系の大規模治水事業として国が巨大ダム群の計画を打ち上げたのは74年のことだ。

 あれから40年。高度経済成長はとうに終えんした。有識者らでつくる日本創成会議は、県内各自治体の若年女性の人口減少率は2040年に、大潟村以外は50%以上となり「消滅可能性都市」になると推計した。稲作農家の多くは高齢化し、さらに廃農も増えると予測される中で、成瀬ダムの“恩恵”を受けるとされる下流域の自治体全てが「消滅」する−−。

 「時代は変わったのに、巨大公共事業は走り出したら止まらない」。事業中止を求める訴訟の原告団に加わった。提訴から6年近く。さまざまな用途を掲げてダム建設の正当性を強調する事業者側の主張を幾度も聞いてきたが、いまだに理解できない。秋田地裁の判決言い渡しは27日だ。

 雄大な自然に包まれ悠久の時を刻む清流・成瀬川。自然とは、山とは、川とは、いったい誰のものなのだろう。

 答えは分かっている。「あらゆる生命(いのち)の生活の場であり、共有の財産。人間が“私(わたくし)”(私有)できるものではなく、“私”は、人間の傲慢である」と。【佐藤伸】

 

子どもの頃から2つの清流を見てきた高橋さん。川で遊び、川で育ち、川で学んできた。

ダムができた川は濁り、ダムのない川はきれいなまま。

濁った川ではアユ漁はできなくなった。

巨大ダム計画ができて40年。

時代は変わったのに走り出した公共事業は止まらない。

川は誰のもの?

みんなのもの。あらゆる生命の生活の場。

人間が私有できるものではない。

 

全く同感です。

その思いを共有し、広げていきたいですね〜

 

収用委員会 結審?

昨日、2月17日、4世帯の農地(約5,500㎡)に関する2回目の収用委員会が開かれました。

今回も県側と地権者の双方から意見が出されましたが、両者の論点は全く噛み合わず、

それぞれの意見書を3月末までに提出し、それをもとに委員会としての判断をしたい、

必要であれば、もう一度審理を「再開する」と委員長は述べました。

 

つまり、必要がなければ、昨日の委員会で審理は終わったということです。

そういうわけで、今朝の新聞は「結審」「審理終了」との見出しとなっています。

 

 

記事に書かれているように、

県側の主張(国の事業認定をもってダムの必要性は既に認められている)について、

委員会会長も「収用委員会は事業の必要性や事業認定の当否を論じる場ではない」と明言しました。

 

それでも尚、地権者や私たちはダムの必要性を問題にしたいと考えています。

なぜなら、

それがもしも必要性のないダムであったなら、

そのダムのためにふる里を追われる人の人権、自然、財政などに大きな損害を生み出すからです。

 

癌治療にあたって、手術をするか抗癌剤を使うか議論する前に、

それが本当に癌なのか確認する必要があるでしょう?

 

その確認をするのは認定庁の役目であって、収用委員会の役目ではない。

その判断に問題があったとしてもそれは認定庁に言うべきことで私たちに言われても困る、

と委員の皆さんは思われたことでしょう。

 

そういうことは重々承知の上で、それでもやはり私たちは知っていただきたいのです。

 

委員の皆さんが判断すべきことを判断するときに、

この収用されようとしている土地の背景にある問題をしっかり認識していただくことは、

決して邪魔にはならない、正しい判断を生み出す要因になると思うからです。

 

その判断が示されるのは、4月か?5月か?とマスコミの見方も分かれていますが、

その判断の中には裁決申請の却下も含まれています。

 

その可能性がどんなに小さなものであっても、私たちは希望を持って訴え続けたいと思います。

 

 

 

 

 

 

土地は彼らの人生そのもの

今日の西日本新聞のコラム記事「デスク日記」をご紹介します。

 

記者の眼の温かさと鋭さ、筆の確かさをあらためて感じました。

県の職員もきっと見たことでしょう。

苦々しく思った方もいるかもしれません。

でも、噛み締めてほしい。

 

土地は彼らの人生そのもの。

「本当に必要なダムなのか」

住民たちの問いに、行政が真摯に向き合ってきたとは

到底思えない。

 

今日、その住民の土地を取り上げるための収用委員会が開かれます。

収容委員の方々も、この記事をご覧になっていますように・・

 

分断する罪

「分断する罪」と題するコラムが2月9日の愛媛新聞にありました。

http://www.ehime-np.co.jp/rensai/chijiku/ren018201502093235.html

全国至る所で出会う砂防ダムなど、必要性に疑問符が付く公共工事についてズバリと指摘しています。

公共工事を始めるには建設の必要性や費用対効果の算出、環境への影響調査など綿密な事前手続きが必要で、

そして一番大切なのは、地域住民の理解と同意であるはずなのに、

いずれもなおざりにしての見切り発車となっている、だから大方の理解を得られない。

不要不急な公共工事は、豊かな山を、川を、そして海を痛めつける。

何より、地域住民を分断する罪こそ、深い。

どこまで「負の遺産」を積み上げれば、国はそのことを理解できるのか。

と断罪しています。

全く同感です。

ちょうどその日、私たちは東京からのお客様Nさんを石木ダム建設予定地に案内しました。

現地に着く前に、石木川と川棚川の合流地点で途中下車。

ここは石木川のふる里「虚空蔵山」のビューポイントでもあります。

そして、正面には石木ダム建設のために土地を売って出て行った方々の家。

「ダム御殿」と呼ばれる立派な家々が立ち並び、

そこには、まさにダム計画により分断されてしまった元岩屋・川原住民が住んでいます。

子どもたちが通う学校は同じなので、PTAなどの集まりで顔を合わせることもありますが、

ほとんど言葉は交わさない、自然に避けてしまっていると聞きました。

 

団結小屋でおばあちゃんたちの話を聞いた後、川原を通り過ぎて、石木川上流の木場郷へ。

美味しい虚空蔵の水を飲んでいただきたくて・・

うん、美味しい!柔らかいですね!とNさん。

私たちは、この水汲み場に置かれているミカンや漬物、お茶などを買い込みました。

作物は水が命。

美味しい水で作られた野菜や果物は、やはり美味しいのです。

ここ木場郷は、日向の棚田で有名です。

幾重にも積み上げられた石積みの棚田。

ここに住む人々も昔は川原の人々と同じように石木ダムに反対をしていました。

この写真は2010年6月に撮影したものですが、今でもこのような看板が少しだけ残っています。

でも、石木ダム反対という明確な意思表示をする人々は少数派になってしまいました。

長い年月の間には人々の意思も変化するものです。

変化せざるを得ないような状況を作り出す力を県は持っています。

この素晴らしい石積みの棚田を整備したり、りっぱな公民館を建てたり、

「だんだん祭り」を開催して町興しに一役買ったり・・様々なアメを提供してきました。

その結果、木場郷の中でも石木ダム賛成・反対で分断が生まれ、

多くの人は、そのどちらとも言えず口をつぐむようになっていったのです。

 

石木川沿いを下り、再び川原地区に戻り、川原公民館にやってきました。

歴史がいっぱい詰まった公民館をNさんに見ていただくことと、

雨漏りしている公民館の屋根を見ることが目的でした。

屋根を見るために、建物横の崖を登っているとき、氷柱を発見!

長いものは4〜50cmほどもありました。

晴れた日で、撮影時間は11:42。

隣町でありながら、佐世保では見ることのできない景色にびっくり!

そして、寒さと共に、この地域がこれほど水をたっぷり含んだ貴重な大地であることを実感。

まさに緑のダム! 

 

地域を分断し、自然を破壊し、税金の無駄遣いとなるコンクリートのダムは要りませんよね〜

 

 

佐世保市の人口流出、全国6位!

これは昨日(2月6日)長崎新聞の一面トップの記事です。

総務省が公表した2014年度の人口移動報告結果を伝えています。

大見出しは人口の一極集中(東京圏への転入超過)ですが、

伝えたいのはこちらでしょう。

長崎県の人口流出です。

長崎県の転出超過(転入者よりも転出者がどれだけ多いか)は、5853人で、全国5位ということ。

47都道府県中、5番目に出ていく人が多いということ。

その傾向は数年前から知っていましたが、

びっくりしたのは左の小見出し。

長崎5位、佐世保6位!?

こちらは市町村別の結果です。

全国の市町村の中で、長崎市は5番目に出ていく人が多く、6番目に多いのが佐世保市だそうです。

市町村の総数がいくつなのか新聞にはなかったので、総務省のサイトで調べてみました。

その数、1718でした。

長崎市は昨年も全国で第5位でした。

 

一昨年長崎市は水需要予測を大幅に下方修正しましたが、

それは近年の人口減少の厳しい現実を受け止め、水道水需給計画に取り入れたからでしょう。

その結果、県南部広域水道事業団は本明川ダム計画からの撤退を表明し、

長崎市はこれ以上無駄なお金をダム計画に注ぎ込む誤ちから脱することができたのです。

 

佐世保市はなぜそれができないのか…

1718市町村中6番目の人口流出を呈している現状をしっかり見据え、

それに見合った水需要予測や対策をなぜ考えようとしないのか…

市も水道局も、いいかげん目を覚ましてほしい。

ダムが必要という自己暗示から目覚めてほしい。

それとも、誰かがマインドコントロールしていて、自ら解除はできない?

 

しかし、市ができないからと諦めるのは、もうよそう。

私たち市民が声をあげよう。

石木ダム計画から撤退しようと声をあげよう。

黙っていたら、私たち自身に、そのツケが回ってくるのだから。

 

集会その後

1・18佐世保集会から明日で3週間。

3日前に最後の実行委員会も済ませ、ホッと一息といったところですが、

なかなか切り替えができません。

というのは、余韻がずーっと続いているのです。

アンケートが、今もポツリポツリと署名と一緒に送られてきます。

先日は電話もかかってきました。

感想を書ききれないからといって、電話でじっくり語ってくださいました。

 

中には、このような意見書のようなものもありました。

また、この方はカンパとして切手を50枚も同封してくださっていました。

しかも、そのお手紙にも封筒にも名前はありませんでした。

 

こちらの女性は、アンケートと署名の他に、このような温かいメッセージを添えてくださっていました。

 

このようなことは、これまでありませんでした。

他のアンケートにも「感動」の文字がたくさん書かれていました。

映画「ダムネーション」と、弁護団や地権者の方の素晴らしいお話のおかげです。

 

1・18佐世保集会は終わったけれど、強制収用反対の活動はこれからが本番です!