道路を挟んで左右の歩道に人が溢れています。
長崎地裁佐世保支部前で門前集会が始まるところです。
馬奈木弁護団長の挨拶:不必要な全く意味の無い工事に大金を使うな!
無駄な事業のために市民・県民、とりわけ現地住民の生活が犠牲になろうとしている。
私たちの生活を守り抜くために、全国民の力を結集して闘い抜こう!
地権者の岩下さんの挨拶:予想をはるかに上回る505名の申立人が集まりました。
支援者の皆さんのおかげです。今日から新たな闘いが始まります。よろしくお願いします。
見守る地権者や支援者の表情も真剣そのもの。共に闘う決意が伝わってきます。
提訴終了後は、中部地区公民館に移動して、報告集会をおこないました。
馬奈木弁護団長からこの訴訟の意味が、平山弁護士からは申し立ての中身について説明がありました。
その後会場からたくさんの質問が出され、熱気あふれる集会となりました。
馬奈木団長:
差し止め裁判で勝つ条件は2つある。
1つは、行政が侵害しようとしている権利はたいへんな権利なんだということ。
この石木ダムはまさにそうである。
奪ってはならないものを奪おうとしている。
県が奪おうとしているものは土地・建物だけではない。
川原の地には何世紀にもわたって営々と築かれてきた人としての営みがあった。
その上に今の生活があり、それを未来に手渡したいと願う人々の暮らしがある。
受け継がれていく文化がある。
それを知事が奪おうとしている。破壊しようとしている。
破壊していいのか?いいわけがない。
このことをしっかり伝えよう。
もう1つの条件。それは実際に事業ができていないこと。進んでいないこと。
裁判所は皆さんの闘いをじっと見ている。
皆さんが権利を守るためにどれだけ本気で闘っているかを見ている。
皆さんが守ろうとしているものはそんなに大切なものなんだね、
と、裁判官が理解した時、共感が生まれた時、裁判所は止める気になる。
私たちは裁判所にお願いするのではない。
地権者をはじめ、佐世保市民、長崎県民、ひいては国民が、
こんな権力の横暴は許さないという決意を示すのだ。
50年経ってもできていない=必要のない無駄な事業のために失うものがいかに大きいか、
市民県民のために本当に役に立つ行政、お金の使い方を確立していこう。
私たちの税金は本当に役に立つところに使ってほしい、この思いを全国に広げよう。
そして、全国の皆さんと共に闘って行こう。
質疑応答
Q:今回申し立てに参加できなかった人からの問い合わせがきてるのですが・・・
A:どんどん受け付けてください。次の申立がいつになるかは未定ですが。
Q:勝利したらどうなるのか?止まるのは工事だけか?手続きは止まらないのか?
A:たぶん工事だけ。収用手続きは進む。
また、県側が不服として高裁に持ち込むだろう。
工事差止では事業は止まらないが、大きな武器にはなるだろう。
Q:負けたら県はもっと強硬に推し進めてくるのではないか?
A:そのような心配をしても意味がない。我々は裁判だけで解決するとは思っていない。
裁判で勝っても諫早湾の開門ができなかったように。
裁判をテコにして世論を盛り上げることが大事。
Q:どのくらいで処分が決まるのか?
A:それは全くわからない。
Q:505名の内訳は?
A:地権者、共有地権者、川棚町民、佐世保市民、その他の長崎県民、県外、
その6グループに分けて集計しているが、共有地権者の中には県外者もおおい。
よって、住所で分けた場合、長崎県民は約400名で県外は100名ほど。
他にも様々な質問が出され、参加者の真剣度が伝わってきました。
その中には、不安な思いを覗かせる方もいましたが、それを察してか、
地権者としての感想を問われた時、岩下さんはきっぱりと、このように語りました。
この仮処分申立は1つの契機。
結果がどうなろうと、
私たちのダム反対の思いは変わりません。
最後に7団体による闘争宣言文を貼付します。