ご報告が遅れましたが、去る3月14日、地権者を含む5団体は、強制収用反対署名
「石木ダム建設のために13世帯60人が暮らしている土地を 強制収用しないでください!」を
長崎県にようやく提出しました。
県内外から寄せられた合計18,665筆の署名です。
2014年9月6日から集め始めましたから1年8ヶ月もの時間が経過しています。
集めるのに時間がかかったわけではありません。
昨年3月末までに提出するつもりでした。
私たちは、知事に直接渡したいと願いました。
石木ダムは県営のダムです。
起業者は長崎県であり、そのトップは知事です。
強制収用の手続きを進めるのも止めるのも知事の権限です。
そして、強制収用した後、行政代執行を行うのも知事です。
このあまりにも非民主的な強制収用を止めるには、
知事本人への直訴こそが重要だと思ったからです。
私たちは秘書課の方に要請しました。
日時はいつでもいいです。
知事のお時間が取れる時に合わせます。
場所もどこでもいいです。
知事からのお返事を待っていますと。
しかし、知事からは何の返事もありません。
代わって、河川課職員から、河川課の方で受け取りますとの返事。
冗談じゃない!
あなた方に渡して済むなら、とっくにそうしていますよ。
私たちは待ち続けます。
と言い続けて1年が経ちました。
もう私たちも諦めました。
中村知事とはそういう人なのだと見限りました。
自分の考えに反するような署名は受け取りたくない、という器の小さな方なのか、
反対派にはとにかく会いたくない、という心の狭い方なのか、
いずれにしても、この貴重な県民の意思を直接手渡せば考えてくれるのではないか、
というような甘い願いはバッサリ断ち切ることにしました。
そして、地権者を除く4団体から数人ずつが参加して、
署名提出にあたっての要請文 と共に土木部長に手渡しました。
また、参加者からは、
「知事選前、知事は強制収用しないと言っていた、公約違反ではないか」
「地権者のお一人が一昨日亡くなった。あなたたちは地権者が死ぬのを待っているのか」
「話し合いを続けると約束したのに、その後拒否し続けているのは何故か」
など様々な質問や意見が出されましたが、誠意ある回答は最後までありませんでした。
この署名は本当に知事の手に渡るのか?
それさえも怪しいものですが、今回は、知事であろうが、土木部職員であろうが、
是非目を通してほしいものを渡しています。
それは署名者のコメントです。
今回提出した署名の中には、ネット署名2,858筆が含まれています。
その中には、たくさんのコメントが付されていました。
それも印刷して渡しています。
その中から一部を紹介します。
長崎県民から
*ダム建設は町民の願いだという看板が近所に立てられている。とんでもない!
少なくとも私と母はまったく望んでいない。建設されないことをこそ願っている。
*今年のお正月に帰省した折、数十年ぶりに虚空蔵に登りました。
川原地区を訪れたのも数十年ぶりです。
あんなに素晴らしい古里をダムの底に沈めてしまうなんて絶対許せません。
遠く東京の片隅から応援しています。頑張ってください!
こんな無駄な予算を長崎の教育、福祉に使ってほしいと切に願います。
ダムは要りません!
と思います。また、個人的な意見ですが、
人様の穏やかな暮らしを犠牲にしてまで豊かな暮らしは望みません。
今となっては疑わしいものです。
市民、住民は未来永劫不幸を背負うことになりますよ。
*ダムはもう要らない。
宮ヶ瀬ダムで懲りました、自然破壊はもうゴメンだ。
貴県も諫早湾のギロチン映像で懲りてませんか?
百年に一度の大雨のためといって、高さ11m、幅18mのダムが、
私たちの反対を押し切って作られました。
国土を破壊するダムに反対する素晴らしい運動ですね
今更引き返すのは大変だ。このまま進め、進め、何とかなるさ。
これが山で遭難する人が陥る考え方です。
本当に必要なダムだったのか?もう一度ふり出しに戻って考えてほしい。
このまま進めば必ず遭難するよ。
*誰のために必要なのか?何のために必要なのか?
お役人の方、胸に手をあてて考えてみましょう。
壊さなくてよい自然は極力残すべきです。
一度決めたことは絶対に止めない行政を止めるのは、国民の声と行動だと思います。
川原は「ほたるの里」だけでなく、「菜の花の里」でもあるのです。
明るく生き生きと力強く咲く菜の花は、川原の地権者そのものです。
おやおや・・・風で倒れたのか?イノシシの仕業か?
この土地の「無断での使用を禁止します」の看板が、棺のように横たわっています。
安らかにお眠りなさい。
菜の花たちのささやきが聞こえるようです。