知事、定例記者会見

10月14日の 定例記者会見での一問一答を県HPより転載します。

 

○記者(NHK) 石木ダムの件です。先ほど公共事業評価監視委員会から意見書が手渡されたと思うんですけれども、その中では、しっかり地権者の人たちと話し合いをして、円満解決に向けて取り組むよう求めている内容だったと思います。地権者のほうから訴訟の話が出る中、また、収用委員会の審理が(地権者側の)反対にあって、審理が進められない状況にある中、今後、この問題に向けてどう対応していくのか、知事の考えをお聞かせください。

○知事 ま先ほど公共事業評価監視委員会の意見書をいただいたところでありますけれども、「反対地権者の疑問点について説明を継続し、円満な解決が図られるよう最大限努力することを求めたい」というご意見をいただきました。
 疑問点についての説明は、これまでも繰り返し行ってきたところでありますので、これからも疑問点等についてはしっかり対応をさせていただきたいと考えております。
 そういった中で、地権者の皆様方のご理解が得られるよう、引き続き努力していかなければならないと考えているところであります。

○記者(長崎新聞社) 先ほどの石木ダムに関連しまして、地権者の皆様が、国を相手取って事業認定取り消しの訴訟を提起する方針を示しています。また、県と佐世保市を相手取った工事禁止を求める仮処分、これもまた申請したいとしています。それぞれに対して知事としてのお考え、どのように対応されるのかを伺いたいと思います。

○知事 事業認定手続の取り消しについては、国のほうで認定をしていただきましたので、直接の当事者ではない立場でありますけれども、さまざまな利害が出てくるものと考えております。
 県の基本的な考え方については、これまでも繰り返し申し上げてまいりましたように、川棚川の治水対策、あるいは佐世保市の水の確保のためには必要不可欠な事業であると考えているところであり、ぜひ早期に事業を進めていくことができるよう、努力していかなければいけないと考えているところであり、しかるべき立場で県も考え方をまとめてまいりたいと考えております。
 まだまだこれからの動きでありますので、今の段階で具体的なことを申し上げる状況ではないと思っておりますけれども、仮処分の申請等がなされるということになりますと、そういった点についても対応をしていかなければいけないのではないかと考えております。

○記者(長崎新聞社) 取消訴訟は、確かに国が相手ですけれども、県が補助参加をするということはあり得るのでしょうか。

○知事 選択肢としてあり得るかもしれません。まだ具体的には検討しておりません。

○記者(長崎新聞社) それは、県として治水面、利水面などを法廷の場で証言をするということが考えられるでしょうか。

○知事 事業としての必要性そのもの等を含めて、地域の状況等について説明をする機会もあり得るのではなかろうかと思っております。

○記者(長崎新聞社) もし県、佐世保市を相手取った工事禁止の仮処分が提起されると、今、実施している取付道路の工事も、また大きな影響を受けるかと思うのですが、それについては。

○知事 ダムの建設自体は、全国的に、いわゆるゲリラ豪雨が頻発をして、さまざまな自然災害に見舞われているような状況があり、私どもはこのダムの建設に当たって100年に一度の雨にも耐え得るような治水対策をということで事業を進めてきたところでありますけれども、本日の公共事業評価監視委員会の皆様方のご意見の中にも、やはりそういった点から、事業自体は必要ではないかというようなご意見もあったやに聞いているところでありまして、私どももこれまでそういった点から一刻も早く、この事業は完成を目指していかなければいけないと思っているところでありますので、そういった観点から対応を進めるということになるのではなかろうかと考えております。

○記者(西日本新聞社)  諫早湾干拓についても、石木ダムについても、話し合いについては、結構条件闘争をしているような感も否めないんですけれども、いずれの問題に対しても、県が解決しようとする姿勢について、やはり消極的なものを感じるんですが、早く解決したいという思いがあるのかどうかというのを聞きたいと思います。

○知事 諫早湾干拓事業で話し合いで解決できるとお考えですか。全く利害が、あるいは考え方、方向性が違う関係者の方々が、開門するか、しないかという選択肢しかないんですよ。しかも双方の皆様方が、「開門はあり得ない」、「開門すべきだ」、そういう選択肢しかお考えになっていない現状があるわけでありますので、それは中庸の解決策が想定されるということであれば別だろうと思いますけれども、なかなか難しいのではないかと思っております。
 それよりも、やはり現状として、有明海の漁場環境の再生に向けて、具体的な成果を出していくということが一番求められていることではなかろうかと考えております。

○記者(西日本新聞社) 石木ダムについても。

○知事 石木ダムについては、この間、40年間にわたって、さまざまな説明、お願いをさせていただいてまいりましたけれども、いまだご理解がいただけてないという状況であります。
 この諫早湾干拓事業についても、石木ダムについても、私ども行政の立場からは、地域住民の皆様方の安全・安心をどうやって守っていくのか、そのことが最も重要な課題であると、こう考えておりまして、そういった観点から開門がなされると、さまざまな影響、被害が想定される、あるいはまた石木ダムは、治水上も、あるいは利水上も安心して生活をしていただくためには欠かせない事業であると考えておりますことから、これまでのような姿勢で臨んできたところであります

○記者(西日本新聞社) 石木ダムの件ですけど、現時点で地権者が直接の話し合いを求めていることに関して、今の時点で応じる考えがあるのかないのか、教えてください。

○知事 ご疑問点等についての説明の場は、これまでも持ってまいりましたし、これからも設けていきたいと思います。

○記者(西日本新聞社) 直接ですか。

○知事 直接の話し合いの場については、前回、私も直接お会いさせていただいたところでありましたけれども、なかなかこちらの説明も聞いていただけない状況にございました。
 実は、先般の10月5日のことだったと思いますけれども、知事が説明を直接するかどうかというお尋ねの機会があったと理解しているんですが、既にその際、「知事はなぜ来ない」という話になりましたし、また、お求めになっておられる内容が、ゼロベースで検討、説明をするようにというお話でありまして、ゼロベースというと、既にこれまでさまざまな手続を進めてきた経過があるわけであります。そういった前提でお話し合いをさせていただくということは難しいと考えております。

○記者(西日本新聞社) なぜ難しいんですか。

○知事 事業認定申請手続も終えて、裁決申請手続を今進めている段階であり、もう一度白紙の段階に戻って話し合えとおっしゃるのは難しいと考えております。

○記者(西日本新聞社) それを直接、地権者の方に説明する機会は設けないんでしょうか。

○知事 それは前回もそういった難しいというお話をさせていただきましたけれども、そういった説明も十分させていただくことができなかった状況でございました。

○記者(西日本新聞社) 前回は、その説明も十分できていないという認識なんでしょうか。

○知事 尋ねの内容等については、既に文書等でお答えしている分もあります。

○記者(西日本新聞社) 認識としては、直接伝えられたというふうに認識をされているんですか。

○知事 直接伝えるというのは、さまざまな手法があると思います。前回お会いした時も、私の日程の中で直接対応するというのは難しい場合もありますので、その際には、例えば文書で回答させていただく、あるいは私の考え方を部長に伝えて(地権者へ)お伝えするという方法もありますと、そういったことも申し上げてまいりました。

○記者(西日本新聞社) 前回、直接会われた時は十分にお話を聞いていただけなかったというふうに私は感じたんですけれども、そういう意味ではなかったんですか。

○知事 そういった要素もございます。

○記者(西日本新聞社) そういう意味で十分に地権者の方に知事から直接伝えられなかったという認識なんですか。

○知事 何をですか。

○記者(西日本新聞社) 今おっしゃった説明をです。

○知事 説明は、もうこの間、何回としてやってきているんですよ、40年間にわたって。歴代の知事も一生懸命対応してこられましたし、私も数回、直接、地権者の皆様方とお話の機会もいただきました。そういう経過があって今に至っているわけでありますので。
 したがって、疑問点等についても説明をさせていただいてまいりましたけれども、現実問題として、技術的、専門的な内容でありましたし、それ以外についてのご質疑等はなかったわけであります。したがって、土木部で対応をさせていただいたという経過があるわけであります。

○広報課長 最後の質問にさせていただきたいと思います。

○記者(読売新聞社) 時間がないので2点まとめてお尋ねなんですけれども、先ほど質問が出ていた石木ダムの件ですが、地権者の方々との溝というのは、今後、どういうふうに埋められていくおつもりなのかということを、具体的に何かあったら教えていただきたいということが1点。もう1点は、県庁舎跡地問題の検討の進捗について教えてください。
 この2点についてお尋ねします。

○知事 円満な形で地権者の皆様方の理解を得て進めていくというのが一番望ましい形であるというのは当然なことであり、私も強くそういう思いを持っておりますけれども、これからも地権者の皆様方と、直接、用地問題等を含めて静穏な状況で話し合いをさせていただく機会が得られるということであれば、これからもお願いしていこうと思っているところであります。

○記者(長崎新聞社) もう1点確認させていただきたいんですが、先ほどの石木ダムの取消訴訟補助参加の件なんですけれども、通常、補助参加をする場合は、補助参加することで国が勝訴すると県に利益がある時にされると思うのですが、国が勝訴すると、どのような利益があるとお考えでしょうか。

○知事 訴訟の場で、この事業についての公益性、合理性等が認められるということではなかろうかと思っております。

○記者(長崎新聞社) つまり地権者側は、この取消訴訟の場で事業の公益性、必要性について争おうとしている。それが訴訟の場で(従来の県の)主張が認められるという理解でよろしいんでしょうか。

○知事 そういった面があるのではないかと思っております。

○広報課長 以上をもちまして、知事の定例記者会見を終了させていただきます。

 どうもありがとうございました。

 

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「知事、定例記者会見」への1件のフィードバック

  1. 県は、反対地権者の疑問点について説明を継続し、円満な解決が図られるよう最大限努力する、とある
    平成27年度長崎県公共事業評価監視委員会意見書に、タイトルの如く、円満な解決を示唆しています。

    つまり、石木ダム反対地権者と長崎県知事と、胸襟を開いて、徹底的に、疑問点を話し合うこと、と感じました。

    これまで、長崎県知事は、話し合いを拒み続け、また、長崎県河川課の職員たちは、バリケードを張り、我々を県庁に入れない様に阻止し、門前払いの横柄な態度でした。

    この意見書には、県が、そういう態度を改めることを記載しています。

    僕は、本当に、これまでの態度を改めるとは、考えられません。

    が、しかし、意見書が提出された以上、改めなければ、その次に開かれる委員会では、信用がなく、否決されるでしょう。

    それくらい、重いものです。

    そして、治水や利水は、それぞれの技術的な面や事業の効果などについて、多様な意見を交える場を設け、合意に至って欲しい、と付け加えています。

    僕の意見として、監視委員会の議事録にもある様に、
    毎秒190トンの水量の能力に対応する為に、川棚川、及び、石木川の河川改修を行い、川岸のかさを50cm程度上げることで、川棚町の水害は、防止出来る、と思います。

    また、田の作付をしていない地域を、遊休池にして、雨水をためることをすれば、防げます。

    長崎県河川課は、石木ダム建設をしなければ、川棚町の水害が起こる、と言っていますが、
    佐世保市早岐町の場合、平成2年7月2日の大雨が降り、200世帯余りの家屋が床上浸水に遭いました。

    これが、100年に一度の雨量だとしたら、長崎県河川課は、石木ダム建設をした場合、川棚町の水害は、防げる、と断言していますが、本当に責任を取り切りますか。河川課長さん。

    早岐町には、南部水系下の原ダムがあるのにも関わらず、床上浸水を起こりました。
    長崎県河川課の言うことは、信用できません。

    また、利水の佐世保市について、なぜ、起業者の佐世保市が、公共事業評価監視委員会に出席していなかったか、と言う点に、疑問があります。
    長崎県河川課が、故意に、参加を言わなかった、と感じました。

    この監視委員会の資料を見れば、治水の費用や利水の費用や数字がでたらめです。

    平成23年の長崎県が検証した時の資料で、採決申請やその他の会議の遂行をして賛成を取り付けたことは、偽りの行為、と感じます。

    議事録では、長崎県は、平成25年度までに負担した費用は、50億円と言うことです。
    しかし、平成23年に長崎県が検証した数字、ダム中止に伴って発生する費用は、ゼロ億円となっています。

    また、利水の佐世保市は、概算総費用は、529億円です。

    公共事業の利水費用は、100億円となっています。

    この差額は、何ですか。

    馬鹿にされているのは、佐世保市です。

    長くなりましたので、これくらいにしておきます。

    最後に、今、一つは、長崎県河川課に、石木ダム建設予定地のボーリングのコアの柱状図を要求しています。

    また、もう一つは、これまでに石木ダム建設に関する費用の明細と金額の情報開示の請求をしています。

    今のところ、まだ、返事がありません。

    なぜ、開示しないのか。と。

    佐世保市民、長崎県民は、この石木ダム建設に注視しなければ、とんでもないことになる、と感じています。

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