4月6日、有楽町の電気ビル内にある日本外国特派員協会で、パタゴニアによる記者会見がおこなわれました。
右から司会役の外国特派員、石木ダム対策弁護団副団長の板井弁護士、パタゴニア日本支社長の辻井さん、
石木ダム建設予定地に住む地権者の岩下さん、同じく石丸さん、最後は通訳のRさん(パタゴニア社員)。
外国特派員だけでなく日本の新聞記者さんも数社参加していました。
その中の1社、長崎新聞の山口記者は翌日、以下のような記事を書いています。
また、フリーランスのまさのあつこ氏の記事はグラフや写真も貼付したより詳しいもので、
yahooニュースにアップされています。
「ビジネスを手段に環境危機に警鐘を鳴らすパタゴニアが石木ダム反対を支援する理由」
http://bylines.news.yahoo.co.jp/masanoatsuko/20150407-00044603/
これらの記事を読んでいただければ十分かと思いますが、少々補足を・・・
こちらがパタゴニア日本支社長の辻井さん。
昨年秋より石木ダム問題に多大なる関心を寄せてくださっています。
今年1月には川原にも佐世保にも足を運び、自分の目で耳でしっかり確かめた上で、
石木ダム反対運動への全面支援の決断をされました。
石木ダム建設予定地「こうばる」の写真や、
石木ダム計画の歴史や目的や、
利水目的に関する資料(不可解な水需要予測のグラフ)などを示しつつ、
その客観的必然性が低く、豊かな自然と60名の人権までをも踏みにじることになる石木ダムの建設に、数百億円もの大切な税金が投じられようとしていると指摘、「この石木ダム建設阻止活動の支援を通じて、冷静な議論のもとで計画が見直され、日本における他のダム建設を含む多くの公共工事が再評価されるきっかけになることを願っています」と語られました。
続いて、地権者の石丸さんが訴えました。
私の田んぼも強制収用の最初の対象地になっています。近々収用裁決が出ると聞いていますが、収用裁決されても田んぼを作り続けます。今年も耕作の準備を始めました。手前味噌ですが、川原の米はとても美味しいのです。出来れば、ここで皆さんに食べていただきたいくらいでした。黄金色の稲穂の美しさ、自分で作った安全・安心のご飯を食べる時、私は幸せを感じます。戦後繁栄し贅沢になった日本ですが、これこそ真の贅沢であり最高の幸せです。この幸せを子や孫に残さなければなりません。この田んぼを守り続けていかなければなりません。
通訳のRさんは、練習のとき涙が出て困ったとおっしゃってましたが、本番ではバッチリ!素晴らしい通訳でした。
同じく地権者の岩下さんも、こうばる住民のふるさと愛・隣人愛を伝え、
「半世紀にわたる長い闘いに負けて出て行った方ももたくさんいますが、その圧力に負けずに残っている13世帯60人の団結はより強固になりました。故郷を後にされた方が帰ってこられるように、残っている私たちが頑張りたい」
と用意した文書を読み上げました。
最初に口火を切ったのはドイツ特派員の方。
その後も次々に質問が出され、記者さんたちの関心の高さが窺えました。
・全国のダムの中には見直され中止されたダムもあるのに、石木ダムはなぜ残っているのか
・石木ダムに反対するということは、また平成2年のような洪水がおきたらどうするのか?
・50年も反対運動をしているのは素晴らしいが、若い人々は地元に残っていないのではないか?
というような質問も出され、1つ1つに辻井さんや地権者の皆さんだけでなく、
弁護団の板井先生や水源連の遠藤さんなども、しっかり説明をなさっていました。
会見終了後、パタゴニア日本支社のある鎌倉に移動。
支社の若い皆さんとの交流会に臨みましたが、
地権者の皆さんの声に誰もが真剣に耳を傾け、聴き入り、涙ぐむ人も・・・
(これからもきっと力になって下さる…と実感しました)