「官僚たちの八ッ場ダム」を書かれた宮本博司さん。
その宮本さんが、2月6日、ジャーナリストまさのあつこさん主催の「こじんまりトーク」で
河川官僚の実態を率直に語って下さいました。
You Tube にアップされてますので、お時間があるときにご覧になってください。
http://www.youtube.com/watch?v=Ga8ViizN2LY&context=C353e286ADOEgsToPDskIX3V81zTt0qaYEOWq9mYdG
宮本さんが「淀川水系流域委員会」を作ったとき、強く思ったこと。
せっかく河川法を改正し、住民の意見を聞く場ができたのだから、徹底的に語り合おう。
「お墨付き委員会」にだけはしてはいけない。
そのために守ること。
1.委員を国交省が選ばない
2.徹底的に情報公開をおこなう
3.事務局を役所が担わない
4.結論を前もって決めておかない
これさえ守れば、まともな議論ができ、まともな結論に結びつくはず。
役人には、「隠さない、誤魔化さない、逃げない、嘘をつかない」をもとめたという。
はじめはもちろん!という返事でしたが、結局は、隠し誤魔化し逃げていきました。
役人だって隠すのは辛いはず。
何を出すべきで何は出したら行けないのか頭を悩ませなければならないから。
情報公開した方がうんと楽なはず。
元河川官僚の一人として、宮本さんはそう考えていたのですが、
現実はそうではなかった。
いや、そういう人も確かにいるのだけれど、組織としてはそうはならなかった。
宮本さんの話はよーくわかります。
私たちも同じ思いをしました。
石木ダム建設事業の検証をすると言っても、専門家や住民はその場に入れず、
県の河川課と自治体の長だけが集まってのやりとりで、
ただ河川課の説明を聞くだけのようなもの。
初めから結論ありき。アリバイ作りの会議でしかありませんでした。
それでも、宮本さんが委員長をやっていたときの流域委員会は画期的でした。
会議は常にガラス張りで、傍聴者の意見も聞いたそうです。
それは、
川は無限の存在。誰が専門家とか言えない。学者も住民も対等。
皆わかってないんだから、皆で意見や知恵を出し合うべきだから。
それに、
「〇〇委員は寝てたじゃないか」とか「××委員の説明はおかしい」など言われると、
委員にも緊張感や責任感が出てきて良い効果があった。
そして、
いろんな立場の人が一堂に会して議論することがどれだけ大切か!
学者と行政、住民と行政、というふうに別々の場を設定すると、ただ聞き置くだけとなる。
立場や考え方の違う人たち、利害関係の反する人たちなど一緒になって議論すると、
初めは衝突するが、だんだん相手の思いがわかってくる。
その主張の根拠がわかってくる。自分たちの頑なさが和らいでくる。
そうして、よりベターな結論に近づいて行く。
そんな意味のことをおっしゃってました。
そうそう、その好例として、こんなことおっしゃってましたよ。
そのいい例が今本先生ですやん。
「淀川流域委員会」の始めの頃、今本先生は嘉田さんの横に座って、
「ダムのどこが悪いねん!」とおっしゃってたんですよ。
それが今や日本を代表する脱ダムの先生なんだから・・・。
そして最後に、
このようにまともな議論もせずに、どんどん川をダメにしているのは慙愧に堪えない。
命がけでやらないとダムは止まらないかもしれない。
死ぬほど頑張って・・
あの世で、お互いによう頑張ったから少しはましな方向へ行ったなあと、
また酒を飲み交わしたいと思います。
と結び、笑い声が広がっていました。
いつか私も宮本さんの生のお話を聞きたいと願っています。