兵庫県 総合治水条例案

17日、兵庫県議会に「総合治水条例案」が出されました。

県のHPに、同条例案http://web.pref.hyogo.jp/press/documents/20120217_98d57eb02f244b65492579a7000c8f14_2.pdf

と、その概要
http://web.pref.hyogo.jp/press/documents/20120217_98d57eb02f244b65492579a7000c8f14_3.pdf

が掲載されています。

 

概要の前文を紹介します。

 

 水は命の源として、私たちに恵みとうるおいをもたらし、古来から生活を支えている。

一方で、水は、時として氾濫し、私たちの生活に大きな影響を与えている。


 これまでの治水は、雨水を河川等に集めて、早く安全に流すことを基本とし、河川に


おける対策として、ダム、堤防等の設置、河道の拡幅等の整備を進め、下水道における


対策として雨水を排水するための管渠等の整備を進めることにより行われてきた。


 しかし、河川の上流の周辺では開発が進行して雨水が流出しやすくなり、河川の下流


の周辺では高度な都市化が進行して大きな被害が生じやすくなるとともに、近年、台風


に伴う大雨のみならず、局地的に集中する大雨が多発することで、従来よりも浸水によ


る被害が拡大している。


 こうした状況のもと、これまでの治水対策に加え、地域における特性及び課題に着目


し、流域全体で雨水を一時的に貯留し、又は地下に浸透させる対策及び浸水が発生した


場合における被害の軽減を図る対策を効果的に組み合わせて実施する総合治水の必要


性が高まっている。


 このため、総合治水の基本理念を明らかにするとともに、総合治水に関する施策を定


め、もって県、市町及び県民が協働して総合治水を推進することを目的として、この条


例を制定する。

そして、第1章総則の第2条に(基本理念)が書かれています。

 総合治水は、河川下水道対策、流域対策及び減災対策を組み合わせることにより、

降雨による浸水の発生を抑制し、浸水による被害を軽減することを旨として、県、


市町及び県民が相互に連携を図りながら協働して推進されなければならない。


2  前項の総合治水を推進するに当たっては、環境の保全と創造に配慮しなければ

ならない。

また、第8条第2項には、(河川の整備及び維持)について、以下のように記されています。
 
 知事は、前項の河川の整備及び維持に当たっては、次に掲げる事項に特に留意する

ものとする。


(1) 貴重な動植物の生息環境又は生育環境の保全に努めること。


(2) 流域の歴史及び文化への配慮に努めること。


(3) 景観との調和に努め、県民が河川に親しむ空間の確保に努めること。
 
 
要は、今までのやり方じゃダメと言ってるんですね。
 
どこがどうダメかというと・・・
 
今までの洪水対策は、溜めて流す、つまりダムを造って、川をまっすぐにして早く流れるようにする、
 
そんな対策には限界がある、ゲリラ豪雨なんかには対応できないですよね。
 
 
新しいやり方は、水を閉じ込めるのではなく、流域全体で受け止める
 
森林整備をして保水力を高め、川の周辺の田んぼや空き地に遊水機能を持たせたり、
校庭や公園等の雨水貯留、駐車場や道路等の雨水地下浸透の取組み、
 
そして、ハザードマップで被害を最小限度に抑える・・・
 
そんな全地域での取り組みが大事であり、結果的には一番有効だということでしょう。
 
 
 
一方、長崎県の石木ダム計画では、川棚川流域の洪水対策としてある一定の雨量が想定され、
 
その範囲内の雨量に対応できるような対策を取ろうとしています。
 
石木川が合流している地点より上流は、30分の1、
 
つまり、30年に1回程度の大雨が降っても大丈夫なような対策を考え、
 
石木川が合流している地点より下流では、100分の1、
 
つまり、100年に1回というほどの大雨が降っても大丈夫なような対策を取ろう…と。
 
そのためには石木ダムがどうしても必要なんだ!
 
という論理です。
 
なぜ上流は30年に1回で、下流は100年に1回かというと、
 
下流域は人口が多く、資産も集中しているから…だそうです。
 
長崎県はそういう考え方の治水です。
 
 
兵庫県は、どんな洪水がおきても、上流から下流まで流域全体で受け止め、
 
皆で総合的に対策を講じましょう、という考え方のようです。
 
 
 
あなたはどちらがいいと思いますか?
 
 
 
 

オンライン署名にぜひご協力ください!

石木ダム建設は説明不足。長崎県は一度立ち止まり、
公開討論会を開いてください。(Change.org)

ほかにも、こうばるを守るためやっていただけることがあります。

→あなたにできること

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