選挙が終わった翌日、久しぶりに現場に向かう車窓に見覚えのあるブルーシートで覆われた四角い物体。また、ボーリング調査だ!前回やってたすぐそばで・・やはり、よほど地質に不安があるのだろうか・・?
ということで、今月の石木ダム勉強会のテーマは「石木ダムサイトの地質」ということに決定!
以前から、やりたいとは思っていたのだけれど、佐世保市民の私たちは、まずは佐世保の水需要や事業費の問題などをしっかり学びたかったので、地質については後回しにしていました。
ようやく、この問題を以前から調べていた佐世保市民のKさんに来ていただき、解説してもらうことになりました。Kさんはこれまで県がおこなったボーリング調査結果を情報公開請求して入手し、それを分析したところ、47%の箇所でダムには不適な地質だったと評価。
やはり・・・とは思うものの、私たちは地質については全く不勉強で、正直なところ、Kさんの評価が妥当なのかどうかもよくわかりません。
ところが、急遽、遠くにお住いのN先生がZOOMで参加してくださることになりました。N先生は地質や地層の専門家で、多くの著書や論文を執筆され、重要な調査にも加わってこられた方です。
これは石木ダムサイトの地質ですが、複数の溶岩が重なっています。その溶岩境界面は透水性が高い(水がしみ出る)そうです。
下の写真は以前の地質調査の時の横穴(石木川まもり隊のY子さん撮影)ですが、
入り口付近の地質には確かに層や節理が見られ、隙間が多そうですね。
その透水性を示すのが「ルジオン値」という指標だそうです。
ルジオン値は岩盤内の透水性を示し、青(2)~赤(20以上)の5段階評価。
C-74のボーリング結果は、極めて透水性の高い赤のゾーンがいくつも見られます。
通常コンクリートダムの地盤は2ルジオンになるまで薬液注入しなければならないそうです。ということで、N先生のまとめは、
でした。
ダムが造れないわけではないけれど、適地でないところに造るためには莫大な対策費が必要になるとのこと。県民の2割しか賛成していないダムに、これ以上お金をかける必要があるのか、新知事にはしっかり考えてほしいものです。
また、石木ダム本体のすぐ近くに、かつて砕石跡の大きな穴があったことを参加者のS子さん(こうばる住民)が証言。N先生はたいへん関心を持たれ、写真を送ってほしいと言われたので、こちらの写真(石木川まもり隊のMさんが1994年に撮影)を送信しました。
平成2年の大雨の時は、なんと200万㌧も溜まったとか!佐世保の山の田ダムの約4倍ではないですか!
こうばるの皆さんが、「わざわざダムを造らなくても、この跡地をダムにすればいい」と指摘されたのは当然です。
なぜ、そうしなかったのでしょう???