今日は冒頭に、梅田町住民でこの勉強会発起人のAさんからご挨拶がありました。
佐世保に帰ってきて7年。それまで石木ダムについては考えたこともなかったですねぇ。佐世保市が造らんばと言うなら必要なんだろうと、そのくらいに思ってました。その後、いろんな人から話を聞いたり資料を見たりして、無用だなと感じるようになりました。
しかし、石木ダムの話は普通の会合ではなかなかできないですよね。それで、こんな機会をもうけました。いろんな話を皆さんにも聞いてもらい、考えて頂きたい。ということで、よろしくお願いします。
まず初めに、いつもの動画3本(「佐世保と水のはなし」など)を上映。
次に、今回はなんと推進派の方の声が聴けました!
と言ってもメッセージの代読なのですが。
実は、石木ダム建設促進佐世保市民の会会長の嬉野憲二様からAさんに、「私の石木ダム推進に関する考え方」についての資料(平成25年3月の公聴会での公述記録)がFAXで送られてきましたので、Aさんが代読されたのです。
嬉野さんのお考えは5年前の原稿通りとのことで、平成6年の大渇水の苦労や辛さ、被害などを切々と訴え、その経験をしている佐世保市民なら誰もがダムを望んでいる。ふるさとを愛する地元の方の気持ちは十分理解できるが、佐世保の窮状を救えるのは石木ダムしかない、というような内容でした。
これに対して、石木川まもり隊からは、ここ15年程の一日最大給水量の減少傾向と保有水源量を示して足りていることを証明し、また、今後の人口減少などで50年後には水需要は4割も減少する(厚生労働省の予測)らしいことや、一方漏水量の多さは深刻で、こちらの対策の方が急務であること、石木ダム事業に対する佐世保市民の財政負担の大きさなどを説明しました。
その後フリートークに入り、梅田町の皆さんから様々な疑問や意見が出され、時間いっぱいワイワイガヤガヤ語り合うことができました。
Aさん:このようなアンケート(一昨年の佐世保市によるアンケートや、つい最近の長崎新聞による県民アンケートなど)の結果を見ると、石木ダムを望んでいる人は少ないですね。それは行政もわかってるはずなのに、なぜ県や市は石木ダムに固執するのか?撤退できない理由が何かあるんですか?
Bさん:一回計画を立てたら、行政はなかなかストップせんですもんね。大体わかってはいるとでしょうけどね、必要なかってことは。
司会:そもそも初めは針尾工業団地への工場用水が目的だったんですよね。しかし工場誘致がうまくいかず工業団地は頓挫。そこが今ハウステンボスになっている。その後、大渇水があって、石木ダムの目的の1つが水道用水の確保に変わったんですよね。
Cさん:行政にとっては理由付けができてちょうど良かったんでしょうね。
Dさん:福岡なんかでは海水淡水化が行われているようですが、佐世保も渇水の時だけ、そういう装置を使ってできればね~
Eさん:いつも稼働していないとメンテナンスが大変らしいですよ。
ちょうど海水淡水化の話に詳しい元県議の末次さんが参加されていたので、話して頂きました。
末次さん:西海市の崎戸にダイヤソルトという製塩工場があります。県議時代に視察に行きました。塩を作った後の水を毎日8万tほど海に捨てているんですが、それは塩分濃度が低く、不純物も取り去った水なので、この水を使って淡水化すれば半分ほどのコストでできる。しかも電気は、そこの会社の火力発電を使わせてもらえるので、これも大きなメリット。あとはそこでできた水を佐世保まで持ってくる費用ですが、専門家に試算してもらったら50億円ほどでパイプラインが引けることがわかりました。しかし、県は石木ダム有りきなので、このような話は全然受け入れられなかったですね。
Aさん:どうしたら県の方針をひっくりかえせるの?反対反対と言い続けても変わらないでしょ?いま裁判をしてるようですが、それはどうなってるの?
司会:国が石木ダム事業を認定したこと自体が間違っていたんじゃないの?という取消訴訟と、いま進行中の工事を止めてくださいという差止訴訟と、2つの裁判がおこなわれています。
(原告団事務局からも補足説明)
行政訴訟で住民側が勝つことは非常に難しいと聞いています。裁判に頼るのではなく、同時に市民の側も要らないという声を大きくしていくことが必要ですね。請願とか署名活動とかいろいろやっていますが、地域の議員さんと気軽に話し合ってみるなんてこともできるといいですね。
Aさん:議員もほとんど市長のお仲間だからね。議会で本気の議論していないもんね。
司会:先ほど説明のあった市民の負担の298億円ですか?子や孫の世代にツケを残すわけですよね。で、孫の代になって水が余っていたら、なんでこがん無駄なもんば造ったと?と言われるかもしれんですね・・
Bさん:水道料金に跳ね返ってくるでしょうね。値上げに繋がりますよね。
Fさん:それに、一度には払えないので、結局は借金するんでしょう?利子も大きいんじゃないですか?298億円では済まないですよね。
Aさん:佐々川には余裕があるけど県が取水を認めてくれないと聞いたんですが…
まもり隊X:既に菰田ダムへの補水用として日量5000tの水利権は取得しています。が、佐世保市が望み、県が認可すれば、もっと多くの水が取れるはずです。平成6年の大渇水のときでも、佐々川から毎日1万tの水を取水できていたので、それだけの余裕はあるはずですが、県は流量調査もしないですね。
まもり隊Y:相浦火力発電所にも佐々川に4800tの水利権がありますが、九電は相浦発電所の閉鎖を決めたので、その分の余裕も生まれるはず。その分の水利権を佐世保市にと県が認めてくれれば、さらに余裕が生まれるのですけどね。
Gさん:認めない理由って何かあるんですか?
数人:石木ダムがあるからやろう。
司会:水源のことで言えば、相浦川にある取水場、四条橋とか三本木ですかね?あそこからいつも取水してるのに、不安定水源とか言って保有水源として認めないというのはどうしても理解できませんね。
まもり隊Y:それに佐世保には1830ものため池があるんですよ。中には40万tも貯水している郷美谷池とか、すごく大きいものもあるし。いまは農業人口が減っているので、ため池の水を水道用水源に転用することもできるんじゃないでしょうかね~
Hさん:既存のダムの浚渫や補修のために石木ダムが必要だと言われてる議員の方もいるようですが、それについてはどういうふうに考えていますか?
数名:最近そんな話よく聞きますねー
まもり隊X:例えば、一番古いダムを補修のために空っぽにするとしたら、山の田ダムですが、そのダムの最大取水量は一日に6300tなんです。いま佐世保の実質的な保有水源は98000tで、一日最大給水量は8万t弱なので、18000tほどの余裕があります。山の田ダムが使えなくても困らないと専門家は指摘しています。また、空っぽにしなくても補修できるケースもあるし、川と浄水場を直接繋げば、ある程度は取水できますし、いろんな方法があると思いますよ。
司会:こういう話が本当は議会でやられるべきなんですが、してくれないので私たち市民の会でやってるんですけどねー、こういう場に推進派の方も来て反論してほしいですよね。それをしないで、ただ、市民の願いと言われてもね~
Iさん:来年の市議会選に向けて今から動き出したらどうですか?
Aさん:このような勉強会をこんな少人数(21人でした)で月に1回やっても広がらないでしょう?もっと大きな場でやったらどうですか?
司会:私たちはいま市内各地に種を蒔いています。今日来られた方が帰って、明日でも近所の方に、あるいは友人に、こんな話聞いてきたよと広めて頂くことが大事だと思っています。人数もこのくらいがちょうどいいんです。多かったら気軽に発言できんでしょう?賛成反対関係なく石木ダムについて本音で語り合える場が必要で、それをあちこちでやっていくなかで芽は育ってくるでしょうし、ある程度大きくなったら、大きな集会もやるべきですけどね。
Jさん:私、今日はI女性会議の人に勧められて来ました。迷ったんですけど来てみて、予想外に人数が少なかったので初めは後悔したんですけど、でも、今は来て良かったと思ってます。
なんて言葉を最後に頂き、司会者も私たちもたいへん嬉しかったです。
次回は北池野公民館です。
2月24日(土)14:00~
お近くの方、是非いらしてくださいね~