工程表、国への報告ずさん 共産県委が指摘
共産党県委員会は、1、2両日に行った政府要望・交渉の内容について9日、発表。県と佐世保市が東彼川棚町に計画している石木ダム建設事業の工程表について「国と県民への示し方が違う。(国への)結果報告がずさんだ」と指摘したことを報告した。
同事業について、国の要請を受けた県は昨年から再検証作業を実施し、7月、事業継続の対応方針を国に報告した。
工程表について同委員会は、県が国に「当初計画からの変更はない」と報告しているが、県のホームページで公開しているものと「異なる」と指摘。二つの工程表は本体工事の期間が異なり、国への報告では、完成前に試験的にダムに水をためて安全性を確認する試験湛水(たんすい)の期間が短くなっているとして「安全対策の軽視だ」と訴えた。
これに対し県は「工事が遅れているのは事実だが、工夫して進めれば予定通り達成できる」としている。
11月10日、長崎新聞の記事です。
共産党長崎県委員会は今月初め(1日と2日)、
外務省、経産省、厚労省、農林水産省、国交省を回り、多岐にわたる問題で交渉を行い、
その結果報告の記者会見が、昨日9日開かれました。
その報告の中から、石木ダム問題だけが記事になっています。
どこがそんなに重要なのか・・・ピンとこない人も多いでしょう。
石木ダムホームページなどで県が県民に対して説明している工程表(計画)では、
① ダム本体の工事を始めるのが平成24年からとなっているのに、
国への報告では平成25年からとしている。
② ダム本体工事は平成27年に完了となっているのに、
国への報告では平成28年に変更している。
しかし最終完成年度は同じという不思議。(試験湛水の期間を短縮?)
つまり2つの工程表が存在し、どちらかが偽りのものだとY議員は国に直訴したのです。
国交省のお役人は、
「もう一つの工程表のことは知らない。国に提出されたものを検討するだけだ」と一蹴。
私も始めは、ホームページの修正更新が遅れているだけではないのかな?
と軽く考えていました。
でも、よくよく考えると、これは大きな問題が潜んでいるように思えてきました。
①付替え道路工事の着工は予定では平成21年度。
地権者の強い抵抗でなかなか踏み切れず、年度末の22年3月24日抜き打ちで始めました。
しかし、その後も粘り強い阻止行動にあい、7月23日に工事を中断。
そのまま現在に至っています。
ということは、すでに予定よりも1年半近い遅れが出ているのです。
本体工事の着工や完了時期が遅れてくるのは当然です。
②県はそれをなぜ認め公表しないのでしょう?
ホームページの修正くらい簡単なはずなのに、なぜしないのでしょう?
国には現状に合わせた新たな工程表で説明し、県民にはそれを隠している?
③それこそがお役人の体質だと気づきました。
一度決めたら、なかなか変更を許さない。世の中の変化に即した対応をしようとしない。
現実から目を背けてきた結果が、あのメチャクチャな水需要予測ですが、
ここでも同じことが言えそうです。
④国への報告に、「こういう予定でしたが地権者が頑固でね〜このように変えました〜」
なんて正直には書けないのでしょう。
それこそ実現性の評価が下がるから。
実現性の薄い事業に補助金を費やすのは、たいへんな無駄遣いになるからです。
こうやって、都合の悪い情報は表に出さず、内々に処理して辻褄合わせ・・
長崎県に限らず、多くの県も国も、お役人さんたちはこんなふうに仕事なさってきたんでしょうね〜
その処理の上手な方ほど出世なさったりして・・?
でも、これを記事にした小西記者は、ちゃんと県の言い分も確かめていますね。
「工事が遅れているのは事実だが、工夫して進めれば予定通り達成できる」
と答えたそうです。
工夫して進めれば予定通り達成できるって!?
21年度から着工して28年度に終わらせようという、つまり8カ年計画のうち、
すでに1年半が過ぎているのに、予定通り終わらせる?
それって、手抜き工事じゃないですか?
冗談じゃありません!
それとも、当初計画ではダラダラと時間とお金をかけてやるつもりだった?
いかに頭のよいエリート集団でも、無理な辻褄合わせはお疲れでしょう?
もう無理はよしましょうよ。
現実をしっかり見て、
実現性の無さを認めて、
早く引き返しませんか?
楽になりますよ。