新理論展開

昨日佐世保市議会「石木ダム建設促進特別委員会」を傍聴しました。

大きなテーマは2つ。

①工程表の変更

②佐世保市の水事情

 

まず、工程表について。 

青い点線がこれまでの工程表で、赤の実線が新たな工程表です。

佐世保市としては、取水開始時期が変わっていないので影響はないとのこと。

 

いろいろ反論したいことはありますが、

それより何より、第2のテーマの話にビックリしてしまいましたので、こちらを詳しく紹介します。

 

「佐世保市の水源の実情について〜佐世保市の水は足りているのか?〜」

これが実は昨日のメーンテーマでした。

水道局長自ら、パワーポイントを使って、張り切って、

まるで新商品のプレゼンテーションでもするかのように弁舌爽やか?でした。

 

まず、水利権についておさらいです。

三本木四条橋の取水は、慣行水利権であり、許可された水利権ではなく届け出たもの。

川棚川からの取水5000トン分は、許可水利権だが暫定放水水利権であり、

あくまでも石木ダムが完成するまでの暫定的なものです、と水道局長は強調しました。

 

そして、安定水利権+不安定水利権=水源能力とはならない

不安定水源を水源能力とみなすには、この赤色の部分を無くして安定化させねばならない。

そのためにダムが必要なのです。

と言い、だから、不安定水源の日量は取水能力ではなく施設能力と書かれているのだとのこと。

そんな説明は初耳です。

 

今まで、安定水源+不安定水源=105,500m3が佐世保の水源量として説明してきたはず。

県のHPにもその解説図は今もありますし、
http://www.doboku.pref.nagasaki.jp/~ishiki/questions/pdf/q21.pdf

もし今の説明がホントなら、なぜ検証検討の場でそれを主張しなかったのか?

公共事業評価委員会で委員の先生方が何度も追及なさったときに、

なぜそう説明しなかったのか。

それは、つい最近思いついた言い訳だから…?

としか思えません。

 

さて、その言い訳が実にもっともらしく、水道事業ガイドラインなるものを持ち出し、

素人には反論の余地を与えないようりっぱな数式と結果が示されました。

その名も「水源利用率」

今有る水源がどの程度利用されているか。

割合が高ければ目いっぱい利用されている、つまり必要量ぎりぎりでゆとりがないということ

で、佐世保市の数字は…なんと104.6%

他都市や全国平均と比較して、いかに佐世保市の数字が高いか、イコール水不足!

ということを見せつけています。

次に出てきたのは「水源余裕率」

水を多く使う時に今有る水源でどのくらい余裕があるか、ですから、

こちらは数値が大きいほど余裕があり、数値が少ないほど余裕がない=渇水の危険性が高い!

で、佐世保はマイナス14.6%です。

こちらもずば抜けて、渇水都市であることを示しています。

 

さて、これらの資料を見て、水道局長の説明を聞いて、

石木ダム推進派の議員さんたちには大好評。

「たいへん危惧すべき状況」「これでは佐世保に未来は無い」

「市民はこういう事情がわかっていない、もっと発信しなければ」

「多少お金はかかってもいいから、わかりやすいパンフレットを作るとか…」

とまで言いだす議員も。

話を聴いていると、市民の中にダム不要論が広がっているのがわかる。

「市民の中にはもう水は足りてるとかいう人たちもおり、あの人までそんなことを言うのか…と驚いている

たぶん、ダム推進派の議員さんの支持者かなにか…信頼してらした方の言葉にショックを受けたような、

そんな実感のこもった発言でした。

傍聴していた私たちは    という気分でしたが。

 

それにしても、この数字、104.6%とかー14.6%とか、あまりにも不自然だと思いませんか?

水源利用率が100%を上回っているということは、水源量より配水量の方が多いということで…

佐世保市民は架空の水を使っているってこと?

あり得ませんよね。

ちゃんと水はあるんです。

有るから使えているんです。

その有る水を、慣行水利権で取水している水だからと加算しないで、

あくまでも77,000トンを基に計算するからこういうバカバカしい数字が出てくるのです。

 

余裕率がマイナスってことも、

じゃあ、ここ数年、一日最大配水量を記録した日に水不足になって大騒ぎしたでしょうか?

そんなことはありませんよね。

有るから、今保有している水源で賄えたのです。

石木ダムがなくても普通に暮らしているのです。

 

ほんとに、頭のいい方たちは、数字で素晴らしいドラマを披露して下さいますが、

頭の悪い私たち庶民には、なんの説得力もないと思いますけど・・・ 

 

オンライン署名にぜひご協力ください!

石木ダム建設は説明不足。長崎県は一度立ち止まり、
公開討論会を開いてください。(Change.org)

ほかにも、こうばるを守るためやっていただけることがあります。

→あなたにできること

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