またしても不採択「石木ダム建設予定地の強制収用はしないで…」

12月17日午後3時、石木ダム建設促進特別委員会が始まりました。

請願第46号 「石木ダム建設予定地の強制収用はしないことを求める意見書についての請願」

を是非採択してほしいと、30人を超える傍聴人が集まりました。

 

はじめに、12月2日に佐世保市内の2団体が提出した請願文書をS・Mさんが読み上げ、

続いてM・Yさんが趣旨説明をおこないました。

 

その後、私も補足説明をさせていただきました。 

まず、4年前に採択された「石木ダム建設促進に関する意見書」には、

昭和57年の強制測量により、住民の方々に深い心の傷を負わせたことを真摯に反省し」

という文言がありますが、

昭和57年、1982年、県が地権者にどのようなことをやったのか、

思い出してもらうために写真を数枚用意しました。

 

機動隊がやってきました。

静かな里山に大勢の人々。

黒づくめの機動隊に守られて、白いヘルメットの測量隊が入ってきます。

それを阻止しようと住民が人間バリケードを築いています。

男性も女性もお年寄りも子どもたちもみんな一緒です。

女性は皆、手に数珠を握りしめ、般若心経を唱えています。

こんな小さな子どもたちも腕を組んで必死に抵抗しています。

この子どもたちが、今は親となって、我が子にふる里を残すために闘っています。

 

でも、どんなに祈っても抵抗しても権力者には勝てません。

住民のバリケードは突破され、測量が強行されてしまいました。

 

ただ当時は、測量が終われば職員も機動隊も引き上げて行き、

一見穏やかな日常が戻ってきたことでしょう。

 

しかし、これから直面するのは土地の強制収用。

これが裁決され、それによって行政代執行がなされたら、もう日常生活は「決して」もどってこない…

川原に住んでいる約60人の方々の家も田畑も水の底に沈められ、暮らしは破壊されてしまう。

そんな蛮行が、かつてこの日本で行われたことがあったでしょうか?

 

県河川課の企画監は新聞のインタビューに答えて、

「強制収用も選択肢の一つとは言ったが、すぐにとは考えていない。

これまで以上に誠心誠意お願いしていく。

他のダムでは事業認定後に任意の解決が得られているので、

石木ダムもそうなることを望んでいる」

という趣旨の発言をしましたが、

地権者の方々の思いは今も全く変わりません。微動だにしません。

ふる里を守りぬくという意思はますます強く固くなっています。

 

県が強権発動すれば、強制測量のときとは比較にならない深刻な闘いが繰り広げられるでしょう。

川原の地権者にとっては、まさに後の無い、命がけの闘いです。

流血の事態になってから後悔しても遅いのです。

82年当時よりもはるかに深い傷を地権者にも、また佐世保市民にも残します。

それを止められるのは、議会であり、ここにおいでの委員の皆様です。

委員であると同時に、皆さまは私たち市民の代表であり、市民のお一人です。

賢明なるご判断を切にお願いします。

 

などと、ありったけの思いを込めて、市議さんたちの良心に訴えたのですが…

残念ながら、今回も不採択。

その理由は…

① 現在、県は話し合いで解決を図ろうと努力しているところであり、

  「任意での解決ができない場合に」という仮定のことを採択はできない。

② 事業認定は土地収用法に則ってなされたが、土地収用法には収用権が認められている。

  収用権をはじめから外すということは、法そのものを否定することになる。

  整合性の問題からも認められない。

ということだそうです。

 

またもや仮定の話は門前払いですか?

今現在水は十分足りているのに、「また平成6年の時のような大渇水がおきたら…」という

仮定の話でさんざん市民を脅して、不安にさせて、ダムを造ろうとしてきたのは、

どこのどなたでしたっけ?

 

仮定とおっしゃいますが、知事自身が選択肢の一つと言ったんですよ。

つまり、強制収用するかもしれないし、しないかもしれない。

「強制収用しない」というのも仮定の一つじゃないですか。

 

そして②の理由をおっしゃったのが、公明党さんとは驚きです。

強きを挫き、弱きを助けるのがモットーのようなことを普段おっしゃっているわりには

すごく残酷な発言ですね〜

法律で認められているから収用権を否定すべきではないって?

それを、なぜ最初からおっしゃらなかったのでしょうか?

「事業認定は話し合いの場を得るためにおこなうのであって、

強制収用は考えていない」と、

知事も市長も議会も、さんざん言ってきました。

その時なぜ、「それは土地収用法を否定することになる」と

発言されなかったのでしょう?

今になっておっしゃるのはフェアでないと思うのは私だけでしょうか?

 

いずれにしても、佐世保市議の皆さんにはがっかりです。

行政をチェックしようという気はサラサラないらしい。

県や市のやることをただ見守るだけ。

 

思い出してほしい。

平成6年の大渇水の時、市民の苦労を目の当たりにして、皆さんは反省したはず。

県の言いなりになって石木ダムに依存するあまり、独自の水源対策を取ってこなかった。

そのことを市民に批判され、皆さんは市長を責めたてたじゃないですか。

議会がもっと早く、代替案を考えろ、対策を立てろと市に物申していたら、

そして、それを市水道局が実行していたら、

あれほどの苦労はしなくて済んだはず。

 

考えてほしい。

県の言いなり、市長の言いなりになって石木ダムを造ったら、

市の財政負担がどれほど増えるか。

年月が経つほどに人口は減り、水需要は減り、

1世帯あたりの負担は増え続けるはず。

 

その責任を取る覚悟がお有りですか?

 

オンライン署名にぜひご協力ください!

石木ダム建設は説明不足。長崎県は一度立ち止まり、
公開討論会を開いてください。(Change.org)

ほかにも、こうばるを守るためやっていただけることがあります。

→あなたにできること

「またしても不採択「石木ダム建設予定地の強制収用はしないで…」」への2件のフィードバック

  1. 眠れなかった?
    cosmosさん、お疲れ様でした。

    まあ、議員たちの意見はあんなものかな…とも思いますが、一番頭にきたのはやはり公明党。

    私はカッときて、メモも取っていなくて。
    そこへいくとcosmosさんは冷静だったのですね。
    しっかり詳細が書かれていて、よくわかりました。

    事業認定申請は強制収用に繋がる、だから取り下げて欲しいとあれほど言ったときも、「話し合いの進展のために」出すのだと、石特の議員全てが言ったんですよ。
    まったく、こんな議員しか選べなくて市民として、恥ずかしい。

    でも、まだまだ手はあると思います。

    一緒に頑張るよ!!

  2. 末代幼稚まで、佐世保市民から怨まれることになるかも
    こんなことをしている石木ダム推進の人たちは、末代幼稚に至るまで、佐世保市民から怨まれることになるかも。

    それは、本当に佐世保市民のためではなく、面子やしがらみや名誉職等による、最低の愚者、そのものです。

    将来、水道料金が一家庭に対して、5000円の負担を30年間も強いることになり、その汚点は、為政者の家族や親せきや知人に至り、文句をだらだら言われることになりますが、それでも良い、と言うことですので、仕方ありません。

    が、しかし、今でも、江上地区の防衛道路を、里の公民館から、まっすぐつくる予定だったのを、ある亡くなられた市会議員が土木委員長だったのを良いこととして、里の公民館から下の海岸線に変更しました。

    それ以来、その地区の人たちは、不便さを感じ、今でも、その亡くなった市会議員を悪く言って語られています。

    これが、現実です。

    だから、政治家は嫌いです。

    選挙の時だけ、お願い、お願いします、と声を張り上げて頼むくせに、いざ、佐世保市民の声を聞こうとは、しない政治屋には、なりたくない。

    品格がない。

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